離島に警察官はいるか?

未だに消防団が町村唯一の消防力という地域も多少ある。

特に離島だよね。離島以外だと消防常備化はどんどん進んでるからね。(cf. 奈良県の大半を守る消防本部)

離島と消防と聞いて、ふと気になったのが警察である。

離島の消防は消防団頼みかもしれないけど、警察官のいない有人島ってあるのかな?


というわけで鳥羽警察署の交番・駐在所一覧を見てみた。

鳥羽警察署は鳥羽市・志摩市を管轄し、管内には鳥羽市4島、志摩市1島の有人の離島を抱えている。(厳密に言えば志摩市には賢島もあるが架橋されている)

鳥羽警察署 (三重県警察)

すると島内に駐在所があるのは答志島だけのようだ。他の島には駐在所は無いらしい。

詳しく調べてみると、鳥羽市の神島・菅島・坂手島は鳥羽駅前交番の管轄、志摩市の渡鹿野島は志摩町交番の管轄とのこと。

鳥羽港から14kmも離れた神島さえ警察官がいないとは驚きだ。

坂手島と渡鹿野島はあまり離れていないから、そんなに驚かなかったけど。(小学生から船に乗って通学するほどだし)


もちろん、何かあったときに警察官が急行できる体制はあるのだろう。

確か、鳥羽港に警察の船が停泊してあった覚えがあるし。

ただ、消防は住民のボランティアに初動をゆだねることにあまり問題は無いが、警察はそうもいかない。

駐在所に警察官1人いるといないでは大違いだと思うのだが、なかなか難しいのだろうか。


一方で離島に駐在所があっても過酷な駐在所もありそうだ。

鹿児島県の十島村と三島村はトカラ列島の離島のみで構成され、

離島ばかりなので村役場が定期航路の起点の鹿児島港に設けられているほど。

その両村は鹿児島中央警察署の管轄なので、実際には駐在所が重要だが、両村とも1つしか駐在所がない。

十島村は7つの有人島のうち最も人口が多い(といっても全人口の2割ぐらい)の中之島に村内全域を管轄区域とする中之島駐在所が、

三島村は3つの有人島の中央にあたる硫黄島に村内全域を管轄する硫黄島駐在所がある。

十島村は有人島の北端の口之島から南端の宝島まで115km、三島村でも50kmあるのだから、1つの駐在所が管轄する範囲とは言いがたい。

しかも駐在所ってことは警察官は1人ですからねぇ。なんとも厳しい。


そう考えるとなにかと遠い小笠原村の母島(村自体が東京から1000km離れていて、村役場・警察署のある父島から50km離れている)にも、

ちゃんと駐在所があって、しかも2人体制なのは恵まれている気がする。

駐在所で2人体制ってそうそうないぞ。さらに父島は警察署があるわけだから、相応の警察官がいる。

もちろん、これほど手厚い警察官配置であることには小笠原村があまりに遠いからという事情があるのは言うまでもない。

世の中の離島はそこまで恵まれているとも限らないということは以上の通りだ。

何かあったときにすぐに駆けつけられないほどのことはないにしても、警察力へのアクセスが難しい地域があることは確かだ。