今日から九州に向けて出発した。
九州にまっすぐに行くなら飛行機かせいぜい列車だが、
やっぱり九州だと瀬戸内海のフェリーでしょ、ということで往路は大阪に寄り道しながら行くことにした。
その後、G20サミットの期間と被っていることに気づいたけど、大きな影響は多分ないはず。
大阪・南港からのフェリーだったら気がかりだったけど、神戸港からだし。
昼まで在宅勤務をして、名古屋まで東名ハイウェイバスに乗るために東京駅へ向かった。
東京駅について、トイレに寄ってからバスターミナルへ行こうとしたら、
トイレにペットボトルなどが放置されていたが、1つ2つなら時々あるが、それにしても妙に多い。
なんで? と思ってトイレを出て、振り返ってみたら、ゴミ箱が封鎖されていた。
そう。G20サミット開催に合わせて、テロ対策という名目でゴミ箱を封鎖しているんですね。
それで、捨てれなくなったゴミがトイレに放置されていたということだろう。
テロ対策という名目でゴミ箱とコインロッカーが閉鎖されるのはよくあることだが、
本当に効果があるんだろうかという疑問はある。
テロの標的は大きくハードターゲットとソフトターゲットに分けられるそうだ。
ハードターゲットというのはクリティカルで警備が厳重な施設、
今回のサミットだと会場のインテックス大阪とか要人が宿泊するホテルとかそういうところだろう。
ただ、そういうところは警備が厳重なので、なかなか狙いにくいという面もある。
そこで、テロの標的として心配されているのが、警備の手薄なソフトターゲットということである。
別に要人が出入りするとかそういうわけではないが、G20で大阪への注目が集まっている中で、
観光地とかターミナルとかで事件を起こせば注目されるということで、そこを狙われかねないと。
ただ、どこでも対象になりうるという点では、警備の強化などしようにも手が付けにくい。
クリティカルではないが、それだけに数が多くて狙われやすいのがソフトターゲットということ。
それなら簡単に潰せそうなところは潰しておこうというのが、ゴミ箱とコインロッカーの閉鎖なのかなぁと。
ゴミ箱が警戒されるのは、捨てられたものがよくわからないまま放置されるからだと思うが、
平時からの対策として、透明部分を設けたゴミ箱はもうずいぶん普及した。
それが十分かはわからないけど、もともとゴミ箱の閉鎖だって気休め程度の対策である。
やろうと思えば危険物を公共空間に放置する方法はいくらでもあるだろう。
どうせソフトターゲットまで徹底した警備は行き届かないのだから。
それはそうとして、公共空間のゴミ箱というのは、だんだんと減ってきているし、
今後、さらに減る方向に行かざるを得なくなるのではないかと思う。
市町村で回収されるペットボトルや容器包装プラスチックは比較的よく分別・洗浄されているし、
市町村が選別など行って、容器包装リサイクル協会に引き渡せば、製品の製造者の責任でリサイクルされる。
ところが、公共空間のゴミ箱に集まるゴミは、まだ秩序があるように見えるペットボトルですら、
そのまま引き渡せるような代物ではなく、国内で適正に処理するには人件費が見合わないと、
外国に輸出してリサイクルされることに期待していたが、実は適正にリサイクルされてということで輸入差し止めも起きているようだ。
それでも費用を掛ければ何らかの処分はできるだろうが、それは見合わないとゴミ箱を撤去する場所も増えるんじゃないだろうか。
本来は、自宅に持ち帰って、本人の責任で分別などして捨てろということである。
容器包装について言えば、容器包装リサイクル協会に引き取ってもらえば、市町村の負担は抑えられる。
排出者にとっては分別・洗浄するのが前提ではあるが、あまりにひどいと回収されないからそこそこやる。
どこまで徹底されているかという話はあるが、公共空間のゴミ箱よりはよっぽど品質はよいに違いない。
というか、街中で容器包装を厳密に分別したり洗浄したりするのは無理ですからね。
ただ、そうはいってもゴミ箱がないならないで、街中にゴミを放置する人が一定出るんだよね。
ゴミ箱が閉鎖されたら、トイレにゴミを放置する人が続出したのもそういうことだろう。
そうして放置されたゴミがゴミを呼ぶわけで、根気強く向き合わないとゴミ箱をなくすことは難しいなと思った。
それでも、街中でゴミを捨てる手段が全くなくなると、どこに行くかという懸念はあるんだよね。
公共空間に置かれたゴミ箱に代わる選択肢を何か用意できないといけないだろうか。
リターナブル容器とか、有償引き取りとか、そういうことなのかなぁ。いずれにせよ運用は大変だが。
あくまでも今回のゴミ箱封鎖は暫定的なもので、来週には解除されることだと思う。
ただ、将来的にはそういうこともあるんじゃないかなと。
そうなったときどうなるかと考えると似たようなもんじゃないのかなと。