先日、久々に大阪に出かけたわけだけど、主な目的地は日本橋界隈ということで、
僕にとっては慣れ親しんだ街ではあるものの、最近は行く機会もそうそうない。そりゃそうだ。
東京の秋葉原と大阪の日本橋はよく比べられるし、似ているところも多いが、
かつて大阪の日本橋に足しげく通い、ここのところは東京の秋葉原にたびたび行き、
改めて日本橋に来ると、意外と違うなと思った。
全体として、大阪の日本橋は華やかさに欠ける街だ。
2つ理由があると思うのだが、1つは繁華街の中での位置づけが違うことかな。
東京の新宿を散策したとき、新宿の繁華街は意外と狭いという話を書いた。(新宿界隈をぐるっと回る)
このとき大阪・ミナミの繁華街の範囲について、
北は南船場、南は日本橋五丁目、東は堺筋、西は四つ橋筋まで、自信を持てないところもあるけど、広く見ればそれぐらいある。
と一応は日本橋界隈も連続的に広がる繁華街に含まれるものだととらえている。
繁華街のコアは心斎橋筋~戎橋筋、道頓堀、千日前あたりで、それこそ毎日お祭りのような賑わいだ。
その周りに広がる街はそれぞれ特色を持った街だと思うが、日本橋界隈も電気街であり趣味の街ということで専門的な役割を担っているはず。
というわけで特に用事のある人しか来ないので、華やかさに欠けるのかなと。
そういえば秋葉原界隈といえばドンキホーテのビルにAKB48の本拠地があるということで、それにちなんだ店が多いが、
その姉妹ユニットであるところのNMB48の本拠地は吉本の本拠地のある千日前だな。
ちょうど日本橋界隈の街と目と鼻の先なんだけどね。けど千日前と日本橋じゃ全く雰囲気は違うしね。
もう1つの理由は日本橋の電気街が南北にえらく細長いということ。
秋葉原の電気街は中央通りの万世橋北詰から外神田五丁目交差点(末広町駅)のわずか600m区間の左右に広がっている。
一方で日本橋は堺筋の日本橋三~五丁目の区間で、これでだいたい840mある。
さらになんさん通りの南海難波駅~日本橋3交差点の区間もだいたい電気街の延長線上なので、そこまで入れると1100mある。
けど、さすがに細長すぎて、面的な広がりには欠ける。堺筋から左右1筋ぐらいの範囲にしかそういう店はなく、すぐ隣はもう住宅だ。
そのせいで回遊性はいまいちだし、かつて賑わったという日本橋五丁目あたりはもはや電気街の中心ではない。
電気街というけどもはや家電を買いにくるような人が少ないというのはどちらも同じだが、
これでも日本橋にはジョーシン日本橋1ばん館という一般的な水準では大型店というべき店がある。
ジョーシンで家電を中心に扱う店はこれだけになったが、日本橋界隈はジョーシンの店舗が多く並んでいる。
J&Pテクノランドは現在もJ&Pを使い続けている唯一の店で、ジョーシンとは思えないほどPCパーツなどマニアックな商品が多く、
2店舗あるスーパーキッズランドは模型専門店として定評があり、キッズランドの名に反して大人向けの商品が多い。
ディスクピアは音楽・映像・ゲームソフトの大型専門店ということで、なかなかのものだ。
キッズランドはジョーシンの他店舗でも展開され、模型を買うにはいい店だと思われてるとか。
もはや電器店ではない店も多いものの、今も大型の家電専門店も含め多くの店舗を持っているジョーシンの存在感は大きい。
実は秋葉原界隈もかつては石丸電気の店舗が多くあったそうだが、石丸電気は合併しエディオンになり、ブランドも統合された上に、
秋葉原に多くあった店舗ももはやエディオンAKIBAの1店舗のみとなっている。今となってはあまり存在感はない。
秋葉原の電気街の家電専門店というとそのエディオンAKIBAと2つ隣のオノデンぐらいだそうだけど、あのあたり外国人観光客が特に多いからな。
まぁ線路の反対側にはヨドバシAkibaがあるけど、一般的に言うところの電気街には含まれないので。
電子部品についても日本橋では共立電子がシリコンハウス共立とデジットの2店舗を展開し、
ホビー用途や試作用途の電子部品を買い求めるのに役立っている。僕は全く使いこなせないが。
通販も充実しているので、学校で試作するときの部品の調達にも共立をひいきにしてたもんだ。
そういう事情があるので電子部品に限ればデパートのような存在感だよな。
秋葉原界隈はそれに比べれば電子部品店は小さな店が多く並んでいるもので、秋月電子は有名だがあれだってけっこう狭いよね。
あそこも通販があって、店舗ともども安く買えるのはいいのだけど、請求書払いができないので不便な場合もある。
まぁ全体的な充実度でいえばいくつも店のある秋葉原界隈の方が上を行くのだろうけどね。
電子部品に限れば世界一の品揃えを持つ街だと言われているが、あれほど店があるのはすごいことだ。
ただ、どうやっても日本橋がかなわないなと思うのがPC関係の店で、これは単純に店が少ないからかなぁ。
最近はさらに取り扱う店が減った気がするね。なかなか厳しいもんで。
秋葉原界隈はソフマップが何店舗もあり、あとツクモeXも存在感がある。意外と狭い気がするけど。
中央通りから西側に入ればPC関係の店がひしめき合っており、あれほど充実しているのは他にない特色ではないかと思う。
実は秋葉原界隈でPC関係の店をじっくり見て回ったことはあまりないのだが、PCの作り替えを考えているのでそのときにはあれこれ見て回ろうと思っている。
見て回る楽しさがあるのはよいことだと思う。
電気街としてどうなんだというところにフォーカスして書いたわけだけど、今の秋葉原は電気街というより文化発信拠点としての役割も大きい。
最初に日本橋界隈が華やかさに欠けると書いたけど、これは裏返せばいかに秋葉原が華やかな街であるかということである。
秋葉原が電気街であり趣味の街であることは全く同じだが、それに付随してコンテンツを生み出す力があるってことなんだろうなぁ。
その1つがAKB48の本拠地ということなんだろうと思うけど。
そのことを指して日本橋は秋葉原のコピーにすぎないのではと言われるけど、ソフト的なものについてはそういう面は全く否めない。
メイド喫茶とかそうでしょ。書店なんかも東京発祥の店が多いし。そういうところはコピーだというのはその通りだ。
ただ、電気街としてのコア要素については、全く独自に発展した街だと思っていて、実際けっこう違う。
ジョーシンと共立電子の話を上に書いたけど、その2つは典型例だ。
あと秋葉原でも見るという意味ではイオシスかな。あれ日本橋に本社がありますんで。