こんな話がある。リニアで大阪~東京が結ばれるようになると、
伊丹空港の利用者の相当割合を占める東京(羽田)線が廃止され、そうなると伊丹空港も廃止されるだろうと。
確かに伊丹空港の利用者数が年間1382万人に対して、伊丹~羽田路線の利用者数は年間521万人(cf. 全国空港乗降客数一覧 (東急エージェンシー))、
割合でいうとなんと4割が東京線なんですね。確かにこれがなくなると伊丹空港には大きいかもね。
そんな伊丹空港にやってくる飛行機もいろいろだけど、
以前に比べるとダウンサイジングが進んだそうで、プロペラ機と小型ジェット機が多い。
特にJALはリージョナルジェット専門のJ-AIRの本拠地を小牧空港から伊丹空港に引っ越させたほどだ。
需要に見合った飛行機を持ってきたというのも大きな理由と思うけど、事情はそれだけではない。
騒音問題に悩まされている伊丹空港では、ジェット機枠とプロペラ機枠を分けて、
騒音の大きなジェット機を減らし、騒音の少ないプロペラ機を優先的に受け入れていた。
もっともリージョナルジェットであるところのCRJも騒音が小さいということでプロペラ機と同じ扱いになってたが。
最近ではジェット機の騒音も小さくなったということで、プロペラ機枠は低騒音機枠に振り替えている。
この低騒音機に分類されるジェット機は、CRJ、E170、B737-800、B737-700、A320とのこと。
CRJはJ-AIRとIBEXエアラインズが運航し50人か70人乗り、E170はJ-AIRが運航し76人乗り、
B737-800はJALとANA・ANAウイングスが運航し165人程度、A320はANAが運航し166人乗り、B737-700はANAが運航し120人乗り、
ということでいずれも小さめの飛行機だ。機内の通路が1本の飛行機は小型機というそうだから、これらはいずれも小型機ということになる。
まぁ50人乗りと165人乗りではかなり印象は違うけどね。
実際、伊丹空港発着の路線でどれぐらいが小型機なんでしょうね?
まずJALグループだが、
JACの運航するプロペラ機、DHC8-Q400とSAAB340Bは但馬・出雲・隠岐・屋久島の各路線の全便で使われている。
J-AIRの運航するCRJ・E170は福岡・函館・青森・三沢・秋田・花巻・山形・仙台・新潟・松山・大分・長崎・宮崎・熊本・鹿児島の各路線の全便で使われている。
低騒音枠に入る機材では他に737-800が新千歳で使われている。
そして、それ以上の大きなジェット機が使われる路線は羽田・成田・那覇、それだけ。いかにJ-AIRが大活躍しているかという話だな。
ANAグループは1つの路線でプロペラ機からB767(中型機)が混在してたり、なかなかカオスなのだが、
大半が中型機以上の路線は羽田・成田・那覇の3路線だから結局似たような顔ぶれだ。新千歳の2往復、仙台・松山の1往復でも見られる。
プロペラ機であるDHC-Q400が飛んでいるのが青森・秋田・大分の全便と福岡・仙台・福島・新潟・松山・高知・熊本・宮崎の各一部だ。
あとはB737-800、B737-700、A320、B737-500(これは低騒音枠対象外)が新千歳・福岡・函館・仙台・福島・新潟・松山・長崎・高知・熊本・宮崎・鹿児島・那覇と。
それとIBEXエアラインズが運航するCRJは新千歳・福岡・仙台・福島・新潟・大分の各路線に飛んでいる。
現在、ANAはいろいろな路線でプロペラ機を飛ばしているけど、おそらくMRJがやってきたら、置き換えられるんじゃないかなぁ。
JAL(J-AIR)もE170・E190とMRJを注文したのだけど、両方ともやってくると現在、JACがプロペラ機で飛ばしている路線も置き換わっちゃうんじゃないかな?
どうしてもプロペラ機じゃないとダメという路線は少ない。滑走路が短いとプロペラじゃないダメとかあるんだけど、ほとんどジェット機が飛んでる空港だしねぇ。
そう遠くないうちに伊丹空港はそんなリージョナルジェットに埋め尽くされるのではないかと思う。それとB737だな。
さて、それで最初の話に戻るわけだけど、現在の伊丹空港の着陸料は低騒音機は重量に対して割安、それ以外のジェット機は割高に設定されている。
もちろん重い飛行機ほどそもそもの着陸料は高いわけだから、伊丹空港に着陸料として落ちてくるお金のかなりの割合を東京線で稼いでいるのではないかと思う。
東京線は本数も多いし、どれもこれも大きい飛行機だからね。成田・那覇も中型機以上が飛んでるけど、本数は少ないからね。那覇・新千歳は関空発着もあるし。
そして、伊丹空港は騒音対策に多大な費用をかけているわけだけど、その費用は着陸料で賄われることになる。
東京線が落とした多額の着陸料で騒音対策をしているというのが実際のところではないかと思う。
実際、利用者数の4割が東京線なわけだし、一番の受益者が一番負担するというのは全く当然なのだが。
ただ、東京線がなくなった伊丹空港を想像してみると、確かに静かにはなるだろうけど、着陸料収入は激減するだろう。
静かといっても市街地を飛行機が飛ぶことには変わりないのだから、それなりの騒音対策は必要だろう。
そうなったとき伊丹空港を維持するのが合理的かといわれると疑問だ。
関空の発着回数の余力で現在の伊丹空港の発着回数を飲み込むことはできるらしいので、どうしても伊丹空港が必要なわけではない。
なるほど、これは確かにリニアができると伊丹空港はなくなるかもしれないなと。
けど、それだけの国内線が関空に押し寄せてきて対応できるのだろうか? という疑問はある。
そりゃ飛行機を飛ばすだけなら問題ないんだろうけど、ターミナルがね。拡張する余地はあるのは確かだけど。
といってもリニアが開通するのは2045年とのこと。もしここに書いたことがあたっていたとしても30年先の話だ。
現在、伊丹空港ではリニューアル工事が行われているが、あと30年は存分に活躍できるわけだ。
その先のことはまた改めて考えないといけないけど、とりあえずはね。
今は関空も伊丹も同じ会社がやってるわけだし、両空港の動きに不整合は生じないはずなので、その点でもあまり心配は無い。
もし伊丹を関空が飲み込むにしても必要なことはやってくれるでしょうと。
リージョナルジェット専用ターミナルとかそんなものもできるかもしれない。それはそれで楽しそうだ。