先日、新東名高速道路の御殿場JCT~浜松いなさJCT~三ヶ日JCTが開業した。
162kmも一度に開通するのは史上最長だと宣伝していたが、ともかく開業したことは喜ばしいことである。
以前も書いたが、新東名のルートは新名神に比べると目新しさはない。(参考記事 : その高架は東名高速道路の迂回路、第二東名高速道路)
新名神高速道路の亀山JCT~草津JCTの開業時には、四日市・津・松阪から京都への高速バスが設定されるなど新しい流動が生まれたことは記憶に新しい。
けど今回は沿線からの需要が話題となることはあまりなくて、東名を通過する自動車が使っているぐらいのもんである。
沿線需要というとせいぜい浜松いなさJCTで接続する三遠南信自動車道ぐらいのもんじゃないかと。
東名高速道路の迂回路として当該区間の交通量軽減に役立っているんだけど、普段はそれぐらいの役割しかない。
東名高速道路の交通量を減らすだけでも大きな意義があるのは確かだが、実はそれ以外にも大変重要な役割がある。
この地図を見ると海沿いに東名高速道路・国道1号線・東海道本線と並行して走っていることが分かる。
山の中だが東海道新幹線が走っている。
このように由比には東海道沿いを走る主要幹線が全て集中している。
地形を見れば分かるけど山が海に迫ってるのよね。それゆえに集中するのは必然と言えるのだが。
そうして集中しているだけならよいのだが見ての通り海が近い。これが問題なのである。
台風のニュースやらテレビで見ると由比の風景が映ることがあるが、波が高くなれば当然水がかかる。
このとき真っ先に使えなくなるのが東名高速道路である。国道1号線まで通行止めになるとは限らないが、津波が予想されるときは当然通行止めになっている。
新東名高速道路はこれよりずいぶん山側を走っている。
この区間については富士川トンネルを掘って解決している。
こうして由比を回避する幹線道路がやっとできたわけである。これは画期的なことである。
今回の開業区間の中間は清水JCT~新清水JCTの清水連絡路が設けられている。
あまりインパクトはないが、これは由比のちょうど西側にあたる。
そして由比の東側にある富士ICから西富士道路を介して新東名の新富士ICへアクセス出来るようになっている。
こうしてこの区間だけスムーズに新東名に回避することも可能となっている。
清水連絡路とかなくても延々と東名使っとけばいいやろ、と思ってしまうが、いざというときは大変役立つものであると思う。
162kmも一気に開業と言うけど、これでも特に急を要する由比区間を優先したものなのじゃないかなと思う。
というのも今回の三ヶ日JCT~御殿場JCT開業にあたって、東名の音羽蒲郡IC~豊田JCTについて1車線あたりの幅を削り片側3車線する工事を行っている。
東名高速道路 音羽蒲郡IC~豊田JCT間の3車線(暫定)運用を開始しました。 (NEXCO中日本)
もとより交通量が多い区間だったのだが、今回の新東名開通により利用者がさらに増えることが予想された。
とはいえ浜松いなさJCT~豊田東JCTが完成するのは2014年であと2年かかることになっている。
それまで開業を待てばこのような問題は起きなかったのだが、できるだけ早くというのはあったのだろうと思う。
同様のことは新名神の亀山JCT~草津JCTにも言えて、東名阪の四日市西JCT~亀山JCTに過負荷をかけてまで急いだことには、
冬期に通行止めが相次ぐ関ヶ原区間の迂回路が必要だということがあったのだと思う。
ちなみに四日市西JCT~亀山西JCTは2018年開通予定ね。
ともかく、こうして道路のボトルネックが減ることはよいことだ。