バイクで大阪を東へ西へ

今日は大阪にお出かけ。というのでバイクを持って電車に乗る。

上本町駅で降りて駅前でバイクを組み立て。

平面移動でそのまま外に出れて、ほどほどなターミナル駅というのはいいスタート地点だ。


そんなわけで中之島に向けて、上町筋を上がっていく。バスでよく走る道である。

どこで西に向きに変えようかと思ったが、選んだのは本町通である。

本町通は部分的に自転車専用通行帯がある……と思ったのだがなんかおかしい。

「自転車専用」ではなく「自転車」としか書いてないし、専用通行帯の標識もない。

自転車専用通行帯としての規制がかかっていないということである。

これが一番左の車両通行帯だとすると原付・小特も走行しなければならないということになるが。

果たして意図通りなんだろうか? 規制が追いついていないのかもしれない。

大阪では先進的な区間ではあるのだが、いかんせん駐停車車両が多い。

大阪では一方通行の多くは「自転車を除く」だが、御堂筋・四つ橋筋などは自転車も含めて一方通行。

というわけで一方通行の四つ橋筋を北上する。一方通行で幅が広いのでパーキングチケットの駐車枠が多くある。

シンボルロードの御堂筋の対となる四つ橋筋の扱いはわりと雑である。

そんなこんなで中之島に到着、大阪中之島美術館の駐輪場にとめる。


大阪中之島美術館では「塩田千春 つながる私(アイ)」を鑑賞。

平日だと前売券と同じ金額になるという。面白い仕組みだな。

入口にいきなり大量の赤い糸が垂らされていたが、糸を使ったインスタレーションで知られている人らしい。

大阪出身ベルリン在住、中之島での展覧会は里帰りのようなものか。

ただ展覧会の説明に「『生と死』という人間の根源的な問題に向き合い」とあるところのつながりはよくわからず、

ちょうど展覧会の中間で30分近いインタビュー映像があり、運良く頭から見られたのだが、

生と死の対比のため、その昔は泥を被るようなこともやってたらしい。(映像作品が展示されていた)

まず行き着いたのがドレスで人型を表す方法、次いで糸で空白とかを表す方法だったように思える。

糸には物などをつなぎ止めるという効果もあるけど、空白を表すのが根源的だったのかなと思った。

けっこうな盛況で、これも平日料金の効果かななんて思った。真相はいかに。


続いてお隣の国立国際美術館へ、歩道橋が完成していたので通って行く。

この歩道橋の工事が原因で国立国際美術館で漏水事故が起きていろいろあったのだが……

完成形をみれば、中之島の3博物館(もう1つは大阪市立科学館)を結ぶ効果的な施設ですが。

OKパスポート持ち、関西に来れば決まって行くのだからあまり調べてなかったのだが、

特別展「線表現の可能性」は実のところコレクション展である。

線というが鉛筆・ボールペンなどで書いた下書きは線表現、ある種の版画は細い線で濃淡を表すのだから線表現とかこじつけもよいところ。

挙げ句の果てに「2020年代の物故作家」と近年なくなった作家の作品を並べてはコレクション展第2会場か。

引き続きのコレクション展「彼女の肖像」もなかなかの集め方だった。

それだけ国立国際美術館のいろいろなコレクションが楽しめたということで。

学生時代からよく来ているけど、本当にいろいろな作品があるな。


そんなので中之島で芸術鑑賞したところで、バイクで曽根崎通を東へ進む。

曽根崎通とは国道2号線~1号線のことで通り名が付いた時期は比較的遅い。

左折専用レーンのある交差点はしばしばあるが、自転車は一番左の車両通行帯を通るため、

左折専用レーンでも一番左から直進・右折(二段階右折)をすることになる。

巻き込みが怖いが、左の車両通行帯の中で右に寄っておくという手はありますよと。

ただ、左折レーンが2本あるとそうもいかない。というのが梅新東交差点である。

(梅新とは梅田新道のことで、そのすぐ東にある新御堂筋の入口にあたる交差点)

仕方ないので2番目のレーンの車に待ってもらい、とまったのを見てから直進した。

他に手はないかと調べたのだが、歩道橋を押し歩きするか大きく迂回するしか手はなさそう。

後で知ったのだが、かなり最近まで左折可標識があって、こうなると自転車の直進はおおよそ困難である。

左折可にするために横断歩道が作れず、自転車横断帯もないため、この通行方法が正規の方法である。

全国的にもトップクラスの事故多発地点で改良工事の一環で左折可を外したらしい。

これが自転車走行空間整備のための準備なのかはわからないけど。


曽根崎通は蒲生四丁目で鶴見通に名前を変え、今福鶴見駅の出入口が見えた少し先、

びっくりドンキーの独特な外観の下にある「資さんうどん」の看板、

北九州を遠く離れて昨年に大阪進出を果たした資さんうどんである。

その昔、北九州に行ったとき混雑がひどく諦めたのが心残りでやってきた。

入って驚いたのは回転寿司店で見るような自動受付機と席案内装置があったこと。

注文もタブレットで、精算も受付票を読み込ませてのセルフレジ、回転寿司だな。

まぁうどんなんですけどね。それにしても盛況である。いろいろ奮発して注文してしまった。

先日、資さん はすかいらーく傘下に入るというニュースが報じられた。

全国進出に向けた足がかりとして大阪の今福鶴見店を開店させたことはかなり確からしい。


せっかく鶴見区に来たのだしと、少し走ってやってきたのは鶴見緑地である。

前の道路ではいろいろ工事していたが、阪神高速淀川左岸線の関連工事だろうか。

バイクの駐輪場は道路沿いにあるのだが、自転車の駐輪場はないんだなと思ったら、

公園内の一定エリアは自転車で走ってよいらしく、駐輪場は園路沿いにいろいろあった。

特定原付はどうでしょうか? 明確なルールを示すものは見あたらなかったけど。

「つるモビ」という立ち乗りの移動用小型車と座り乗りのシニアカーの貸出(予約制)をやっていた。いずれも6km/h制限か。

鶴見緑地に来たからにはと向かった先は鶴見新山、標高39mだが大阪市最高峰である。

眺めはそれなりにいいけど、大正区の昭和山にはかなわないかな。

ちなみにこれゴミの山で、火山のようにメタンガスが出ていて、高さも当初45mぐらいなのが減ってこれらしい。

周辺は国際庭園ということで花の万博のときの各国庭園が残されている。

ただ、花木はともかく、建物など朽ちる物は朽ちるまま、可能な範囲で残している感じ。

日本庭園と大韓民国庭園は恒久的に残す前提で維持されているが、草取りなど追いついていないようにも見える。

それだけ鶴見緑地が広いということなのだが。花の万博の伝承は容易ではない。


バイクで来た道をほぼ戻ってやってきたのは梅田である。

今回、大阪にバイクを持っていくとなって気になったのが駐車場のこと。

調べてみると大阪市内は案外バイクの駐輪場も多く、無料時間の設定があるところも多い。

なんと梅田周辺は2時間無料なんて駐輪場もあり、これならバイクで来ていいねと。

で、阪神百貨店の南側にあるって話だが、どこだとキョロキョロするとあった。

「原付(50cc以下)」という表記で、原付二種はダメなのかと不思議に思う。

どうも大阪市内ではそういう傾向があるらしい。どっちも上限寸法は同じなんですけどね。

来年以降、125cc以下のエンジンに出力制限した原付一種が出てきたらどうするんだろ?

ともあれ、ここに停めてしばらく梅田周辺を散策することに。


歩いて行って目に入るのが、大阪中央郵便局の改築が完了し、JPタワー大阪が見える。

これに伴い大阪駅西口も本格的に利用されるようになった。以前は全然人いなかったのに。

郵便局の地下に立ち飲み屋などあるというのは変な感じだが、立地的にはいいな。

梅田もどこもかしこも綺麗になっていく中、高架下は相対的にアンダーグラウンド感がある。汚いわけじゃないが。

高架をくぐると JR大阪駅 うめきた中央口の駅ビルがあった。こうなるのか。

完成してみるとグランフロントとはこうやってつながるのかと。

うめきたエリアの中央には公園があるが、周辺が高層ビルに囲まれる公園って大阪にはあんまりなかったかもなと。

東京で言えば六本木ヒルズの毛利庭園みたいな感じかも。これはこれでいい。

なんといっても長らく線路で分断されていた新梅田シティが平面道路で一直線につながったこと。

新梅田シティ-うめきた公園-グランフロント大阪-ヨドバシ梅田-阪急梅田駅

と新旧様々、一直線に並ぶのを見るとなかなか感慨深い物がある。

なお、うめきた公園の芝生広場はオープン後に荒らされまくったので養生のため閉鎖中、仕方ないか。

芝田交差点から周りを見渡すと、阪急百貨店・阪神百貨店・大丸・ルクア・ヨドバシと百貨店やそれに準ずる大規模店がずらり。

凝集度の高さでは日本一では? 好みはあると思いますが……


そんなのでひとしきり見物したところでバイクで走って上本町まで。

帰りは谷町筋を下っていく。立体交差はあるけど「自転車」は使えないので平面路を。

ところで大阪を走っている中で、これは違法なモペットでは? と思う車に何台も遭遇した。

日本では電動アシスト自転車にはアシスト比率規制があるが、これを守っているかはパッと見てわからない。

この範囲を超える場合は原付としての装備を付けて出荷するのが常識的な対応だが、

輸入品などは当地の自転車仕様で出荷され、そういう車両が多く出回っている可能性がある。

特定原付は20km/h以上に加速できない制約から基本的にペダルは付けられず、

最高速度表示灯やライト常時点灯など自転車と明確に異なる特徴があるので、ごまかしが効かない。

しかし外国仕様のモペットは自転車の特徴に合う部分が多いのでごまかせてしまう。

同じブランドでも日本のアシスト比率規制に適合した商品もある場合もあり、なおさら取り締まりは難しそうだ。

大阪に限った話でもないのかもしれないけど、なんとかしないといかんと思うのだが……