旅行から無事に帰ってきて、明日は仕事である。
さすがに長く休みすぎたので今週1日だけでも行くかと。
そうはいっても昼間はガッツリ京都観光をしていたのである。
バイクを畳んで近鉄特急で京都へ、乗換がないのが特急を使う決め手である。
八条口で荷物をコインロッカーに入れて、バイクを組み立てて出発。
まず目的地は京都国立博物館、前にもバイクで来たことあるんだよね。
特別展をやると平常展がお休みになる京博、今日は特別展「法然と極楽浄土」、
東京でもやってたやろと、京都で見るからスルー……なんて機用な考えがあったわけでもないが。
浄土宗開宗850年にちなんだ展覧会で、全体としては絵が多かった印象。
印象深かったのは法然が念仏を唱えながら亡くなると阿弥陀仏が迎えに来たというような絵で、
こういうネタは多く見られたのだが、こういうのはけっこう説得力があったんだろうなと。
死後の世界をなんと言おうが勝手というのは大きなポイントである。
南無阿弥陀仏を唱えれば、なんでも極楽浄土へ行けるというのは意外に説得力がある。
火の河と水の河に挟まれた狭いところに極楽浄土への道があるのだと絵があっても、
当然そこを渡って極楽浄土に行けるので、地獄に落ちることは想定していないと。
こういう考え方は日本ではかなり定着した考えなんじゃないかなと思う。
専修念仏には他の宗派からの批判も多く、トラブルもいろいろあったようだ。
でも、誰でも等しく極楽浄土へ行けるという発想はとてもよい影響を与えているよね。
博物館を出て、七条通をひたすら西へ進む。西大路を経て八条通に移ってさらに進んで、
たどり着いたのは桂離宮、バイクで往来するならと考えた目的地である。
桂離宮はグループで案内を受けながら見学するということで事前予約が必要である。その上で当日1000円払うと。
もっとも当日枠も多少あるようだったが。普通は予約しますわな。
桂離宮はもともと宮家の別荘だったが、現在は宮内庁管理で一般公開している。
皇族が京都に住んでいた頃なら別荘と言ってもふらっと来られただろうけど。
よくできた日本庭園ということではあるが、所々攻めた構造もあるなと。
茶室にオープンキッチンのような水屋を付けたり、月見のためにステージのような月見台を張り出させたり。
見学できるのはいいけど、活用の機会がなかなかないのは残念だな。
まぁ現代では近くを走る阪急電車の音が気になってしまうけど。
五条通を走って市内に戻る。五条通は国道9号~1号なのでとても広い。
自転車道の整備された区間も多く、特定原付なら自転車道走れるしと走ってみる。
ただ、自転車道が急に歩道走行区間に変わるところが多く、こうなると特定原付は走れない。
近所の自転車道に比べれば、自転車道でつながる区間も長く、
途切れるなら途切れるで車道との往来もなんとかなるところは多く、使えなくはないが……
ただ、五条大橋西詰の自転車道はすぐ歩道通行になるのに短い自転車道があり、
間違えて入ってしまうと車道に戻れないってのはひどいと思った。
その五条大橋を渡って川端通を上がり、二条通から岡崎公園にやってきて、
京都国立近代美術館、今日は特別展「LOVEファッション―私を着がえるとき」
ほとんど女性のファッションとあっては観覧するのも女性が多かったが。
美術館の注力分野に工芸があり、工芸の一分野に染織があり、さらに範囲を広げてファッションを扱っているという理解である。
定期的にそんな特別展をやっていて1階にポスターがずらり、
直近では2019年にも「ドレス・コード?――着る人たちのゲーム」ってのをやってた。見に行ったな。
こういうことができるのも京都服飾文化研究財団がアーカイブしてるからこそで、京都が芸術の都であるからこそである。
その昔にはコルセットだのクリノリンだのあれこれ誇張していたのが、
現代では紐のような服もしばしばあり、着る人を選ぶとも言えるし、着る人ごとに良さがあるとも言える。
いろいろな人のグラビアを見て、振り返ると確かにそうだと思った。
あとは昔ということで言えば毛皮か。悪趣味なのもいろいろ展示されてたが。
必ずしも毛皮が野生生物の乱獲につながるとも言えないけど、現代的ではないのはそうかもしれない。
最後の方はとうてい実用品とは思えない衣服が並んでいたが、
オリンピックの開会式で使われた衣装と言われれば、そういうのもあるなとなる。
それで美術館を出て走り出して気づいたのだが、これ予約してたこだま号に間に合わないのでは? と。
元々余裕があると思っていたのだが、美術館でのんびりしすぎた。
ギリギリ間に合うかと粘ったが、こりゃ無理だと列車変更、2000円少しの追加出費になった。
まぁ元が安かったのであり、定価になっただけである。(少しでもケチってひかり号にしたけど)
いくら京都駅八条口がコンパクトと言っても、20分前ぐらいには着いてないと。
走行時間を見誤ったわけではない。それ以前の問題である。
秋の関西旅行はそんなほろ苦い結末だった。
今回の旅行が丸一週間にも及んだ要因はいろいろあるのだが、
実は1日短縮する案もあったのだが、桂離宮の参観予約をここに入れてしまい、
動かすのも面倒でこうなってしまったという側面は大きい。
親元に滞在するのに宿代もかからないのだし、それでもよかったのだけど、
冒頭に書いたように1日差でも長休みに過ぎたという思いはある。
1日仕事に行き、帰ってきたら冷蔵庫を埋めるように買い物ですね。