小説投稿サイトのプロ部門

BOOK☆WALKERで小説を漁っていると「人妻教師が教え子の女子高生にドはまりする話」というのを発見した。

KADOKAWAの本に使えるクーポンが配布されていたので買って読んでいた。

タイトルからしてひどいが、内容はなおさら破滅的である。


あとがきに「カクヨムネクストっていうのやるからなんか書いてよ」というので作った作品であること、

上下巻で完結する構想であることが書かれている。

どうやってオチを付けるんだよという話はさておき、カクヨムネクストってなんだ?

というわけで調べたのだが、その前にカクヨムというサービスを知る必要がありそうだ。


カクヨムはKADOKAWAの運営する小説投稿サイトである。

「書く」と「読む」で カクヨム らしい。

歴史はけっこう古くて2015年から始まっている。

小説投稿サイトとはいうが公式連載というのもあるらしい。

とはいえ、投稿サイトを出版社が運営する理由は作品・作家の発掘のためであり、

実際ここから書籍化された作品というのは様々ある。

というのを「週に一度クラスメイトを買う話」がカクヨムに投稿されているので知ったのだけど。

この作品は2022年に行われた第7回カクヨムWeb小説コンテストの受賞作で、

2023年に書籍化、これは当たると思ったのか発売後にPVが作られている。

小説だけど絵と声が決まっている

現在もカクヨムでの投稿は続いていて、これをまとめて加筆・修正して単行本にしているようだ。


カクヨムネクストは今年3月にスタートしていて、こういうサービスである。

「カクヨムネクスト」は、月額制の読書サブスクリプションサービスです。連載ラインナップは、KADOKAWAの各レーベル編集者たちが、「いまイチオシ!」と太鼓判を押す作品ばかり。書店に並ぶ前に、いちはやく人気作家の最新作が読めます。

月980円払うと、プロの作家の新作が読めるサービスということでよさそう。

最初の方は無料で読めるのだが、大半は有料会員でないと読めないわけである。

Webでの連載に適した新作を書いてみませんかという話があってできた作品だったって話ですね。


月980円というのは強気の価格設定という感じもあるが、これには理由があるようで。

元々サポーターズパスポートという、作家にギフトを贈れるサービスがあった。

ギフト1個が贈られると作家は「文庫本2冊分の印税相当額」を受け取れるという。

ギフトには対価性はないが、けっこう売れていたらしい。

カクヨムネクストの作品を読むと、それに応じて月会費の一部が作家に還元される。

本にならない作品だとしても、カクヨムネクストで連載すれば金になると。

そういう形で作家を応援しながら、新作が読めるサービスであるということで、

それが月980円、わりとマニア向けのサービスとは言えそうだ。


KADOKAWAはライトノベルの業界ガリバーである。

会社全体にとっても相当な規模を占める事業であり、稼ぎ方も様々考えなければならない。

その中で小説投稿サイトを直接的に収益源にするという方法を考えついたようだ。

向き不向きはあるだろうが、いろいろあるようだ。

まぁ


ところでライトノベルというやつは往々にしてやたらとタイトルが長いが、

これは小説投稿サイトの影響もあるのかもねという話を見て、

すなわち検索して見つかるようにいろいろなキーワードをタイトルに入れておくと。

楽天市場の商品名がクソ長いのと同じような話なのではないかと。

そう言われると確かに納得感があるな。真相はわからないけど。