金沢市街を歩いていたとき、道路標識に「自動車・原付」と書かれたものが多くあった。
「自転車・原付」と見間違えて、なんだこれ? と思ったのだが、
「自動車・原付」という組み合わせも一瞬悩んでしまった。
結論から言えば「軽車両を除く」と同じ意味である。
道路交通法の規定では車両は 自動車・原動機付自転車・軽車両・トロリーバスの総称である。
公道を走るトロリーバスは存在しないので、自動車・原付・軽車両 の3分類と言ってよい。
補助標識の「原付」は一般原付(排気量50cc以下で特定原付以外)である。
なので「自動車・原付」に含まれない車両は軽車両と特定原付となるが、
特に記載がなければ「自転車」(普通自転車)と「軽車両」は特定原付を含む規定なので、
「軽車両を除く」と「自動車・原付」は同じ意味ということになる。
しかし、冒頭に書いたような見間違いもあるし「自動車・原付」はイマイチな表記のような気がする。
「軽車両を除く」は見間違いはないかもしれないが、これも直感的ではない。
もっといい表記ないの? と考えて見ると、自動車とバイクの記号を書けば同じ意味になる。
一方通行に付ける補助標識として一部地域では「自動車(二輪を除く)」というのがある。
文字で書いていることもあるが、これを自動車の記号で書く場合がある。
補助標識に記号を使う場合はこのような意味になる。
- 自動車の記号 : 二輪の自動車以外の自動車
- バイクの記号 : 二輪の自動車・一般原付
- 荷車の記号 : 自転車以外の軽車両
- 自転車の記号 : 特定原付・自転車
- バスの記号 : 大型乗用自動車・特定中型乗用自動車(=バス)
- トラックの記号 : 大型貨物自動車・特定中型貨物自動車・大型特殊自動車(=大貨等)
- 「積○t」とある場合は、最大積載量○t以上の普通貨物自動車・準中型貨物自動車・中型貨物自動車も対象
上4つで車両は全て網羅されていると言えて、
自動車とバイクの記号を合わせたものは「自動車・原付」であり、
荷車と自転車の記号を合わせたものは「軽車両」に等しい。
ゆえに自動車とバイクの記号を合わせたものは「軽車両を除く」とも等しい。
でもこの組み合わせの補助標識はあまり見ませんね。世の中にはあるらしいけど。
文字で書くより標識が大きくなるのがイマイチなんじゃないか。
バスとトラックの記号はそれぞれ見ることは多いし、この組み合わせもちらほら見る。
バスとトラックの記号の組み合わせは文字で書けば「大型等」となる。
「大貨等」と紛らわしいのはその通りだと思いますけど。
それで、調べてみるとトラックの記号には特別な意味があるのだ。
「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」を見てみると、
トラックの記号に斜線を引いた標識に下記の2つの意味が設定されている。
- 大型貨物自動車等通行止め(305)
- 特定の最大積載量以上の貨物自動車等通行止め(305の2)
何これ? という感じだが、この使い分けはこのように規定されている。
「特定の最大積載量以上の貨物自動車等通行止め」を表示する本標識には「車両の種類(503―C)」を表示する補助標識を(中略)附置するものとする。
この「車両の種類(503―C)」こそが、トラックの記号+積○t である。
一般的に補助標識というのは規制範囲を制限するために使われる。
「二輪の自動車以外の自動車通行止め」に「小特を除く」とすれば、
「二輪の自動車以外の自動車」に該当しない二輪・軽車両・歩行者と、
除外された小特が通行できるということを表す。
ただ、トラックの記号+積○tは、トラックの記号より範囲が広いんですね。
規制範囲を拡張する珍しい意味を持った補助標識である。
なので、トラック+積○tに相当する表記を文字で行う場合、
トラックに斜線の標識との組み合わせだとうまくいかないんですよ。
トラックに斜線の標識と「最大積載量2t以上の貨物/居住者用車両を除く」の組み合わせは、
最大積載量2t以上の大貨等で居住者用車両を除くの意味になるが、
大貨等は車両総重量8t以上または最大積載量5t以上の貨物自動車なので、
普通に考えれば「最大積載量2t以上」が意味を持たなくなってしまう。
トラックの記号に積2tと書いてから「居住者用車両を除く」とするか、
記号無しの車両通行止め標識に「最大積載量2t以上の貨物/居住者用車両を除く」と書けば意図通りになるはず。
最大積載量の補助標識を文字で書いたものは東京都でわりと見るのだが、
上記の解釈によればおおかた誤用である。果たして意図通りなのか。
けっこう道路標識の記号ってうまくできてるんですよね。
荷車の記号とか単独で使われることはほぼないけど、
自転車だけか、自転車+荷車=軽車両全てか という区別には役立つ。
補助標識では自転車と荷車の記号は見ませんけどね。
通行止め以外で軽車両だけが規制対象になることがほぼないからだけど。