本人確認書類のICチップを読み出すべし

少し前にマイナンバーカードの画像が流出して、それで偽造マイナンバーカードが作られ、

携帯電話回線の契約に使われたみたいなことが話題になった。

ただし、ICチップは搭載していないので、ICチップを読み取ればおかしいことはわかるのだが。

しかし、問題はそこまでしているところが少ないということである。


そんなこんなで電話契約や金融機関での本人確認は、

原則として写真付き本人確認書類のICチップを読み取るべしという方向に向かっている。

まずは非対面での携帯電話契約時の本人確認の見直しが考えられている。

不適正利用対策に関するWGにおける検討状況について (pdf) (総務省)

現在は本人確認書類の画像と顔写真の送信を非対面の本人確認手段として認めているが、これは廃止の方向で考えられている。

  • ICチップの搭載された本人確認書類のICチップ読み出し+顔写真
  • 署名用電子証明書での電子署名
  • 住民票の写しなどの書類原本の送付+携帯電話などを転送禁止で送付
  • 特定事項伝達型本人限定郵便での書類送付

この4つは存続する方向で考えられている。


対面の本人確認もICチップ読み出しを必須化することが考えられているが、

こちらについては実施まで期間を要するかもしれない。

ただ、実際に携帯電話事業者では先取りして実施していく可能性はある。

実際、法令上は認められている健康保険証での本人確認は各社廃止している。

健康保険証などの書類の本人確認書類としてのお取り扱い終了について (Y!mobile)

この結果、受付可能な本人確認書類はこんなところである。

  • 運転免許証
  • 日本国旅券 (住所の記載がない場合は住所が確認出来る書類が必要)
  • マイナンバーカード
  • 住民基本台帳カード+住所が確認出来る書類
  • 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者手帳
  • 在留カード・特別永住者証明書 (在留資格により追加でパスポート)

このうち各種の障害者手帳を除いてはICチップが搭載されている。

ICチップ付きの本人確認書類の割合がほとんどを占めるとは言えそう。


しかし、この中で問題なのが運転免許証である。

運転免許証とマイナンバーカードをタッチだけで使うこと

運転免許証には2つの暗証番号を設定する。

暗証番号1を使うと、顔写真以外の券面情報、裏面の追記事項を含めて偽造がないことが確認出来る。

暗証番号2を使うと、顔写真と券面に書かれていない本籍地の情報が読み出せる。

暗証番号1があればとりあえずの本人確認としてはよいと思うが、

これを忘れている人も多いわけで、ここが大きな問題になる。

マイナンバーカード、在留カード、パスポートのICチップからの読み出しは、

いずれも券面を見れば認証用のコードを確認出来るようになっている。

しかし、運転免許証だけはそれができないのである。


このため運転免許証のICチップ読み出しを必須化するのは難しい面がある。

なにしろ運転免許証を本人確認書類として呈示する人の割合が高い。

その運転免許証でICチップ読み出すのに暗証番号という障壁が存在するがゆえ、

本人確認書類のICチップを読み出すことが習慣づかないのではないか。

僕はこう見ているところである。


ただ、全く手がないわけでもなく、運転免許証のICチップは暗証番号なしでも有効期限と発行日は確認出来る。

これが生年月日と矛盾がないことを確認すれば一定の効果はあるとみられる。

でも、やはりそれだけでは個人情報はほぼ何もわからないに等しいわけで、

例えば裏書きの偽造とかやられると、これは全く気づけないわけである。

というわけでやはりこれは大きな問題である。


運転免許証の暗証番号を忘れてしまうことはいろいろ問題になっており、

都道府県によっては暗証番号1を運転免許証番号の5~8桁目(赤色斜線の部分)に合わせることを推奨している。

ただ、2年前に東京都で更新したときにはそういう話は聞かなかったし。

まだそれが当たり前になっているとは言えないのが実情である。


あともう1つ気になったのが 特定事項伝達型本人限定郵便 のこと。

これは本人確認を日本郵便に委託して行う仕組みとも言い換えられる。

受取に必要な書類としては顔写真付きの本人確認書類となっている。

なお住所の記載が必須なので、所持人記載欄のないパスポートは使えない。

こちらも同様にICチップの読み出しを行わないと穴になってしまう。

このあたりの対応もどうするのかなというのはある。

郵便局という点では ゆうちょ銀行 の業務で本人確認書類のICチップ読み出しは必要だけど、

特定事項伝達型本人限定郵便 は郵便局で受け渡すよりは配達の方が多いだろう。


外堀は埋まってたんですけどね。

所持者が限られる各種の障害者手帳を除けばICチップ搭載の書類ばかり。

各種の本人確認で健康保険証は使いにくくなる中、取得の容易性からすればマイナンバーカードを利用する割合は増えている。

ただ、それでも依然として運転免許証の割合は高く、そこには暗証番号の問題がある。

それも非対面での本人確認ではすでに一定程度活用されているのだが。


顔写真付き+ICチップ付きの本人確認書類がない場合、

運転免許証の暗証番号が確認出来ない場合のワークアラウンドは必要だろう。

いろいろ見る限りは住民票の写しなどを持参させて、

なおかつ転送不要で郵送して住所確認を行うというのが代替策になるのかな。

マイナンバーの申告でもそうなんだけど、いちいち住民票の写しなど必要なのは面倒な話で、

そういう手間を省くにはマイナンバーカードがあると大変便利である。

すでにそういう方向にかなり進んでいるけど、なお一層加速するのではないか。