国外転出者のマイナンバーカードの謎

以前、外国に住む日本人がマイナンバーカードを所持・取得できるようになる話を書いた。

戸籍の附票からマイナンバーカード

今月から運用が始まるようだが、いくつか気になることがあったので調べてみた。


マイナンバーカードの裏面に記載されるマイナンバーだが、

「住民票コードを変換して得られる番号」という性質から住民票がある人にしか付与されない。

外国在住だと住民票がないので、裏面に記載されているのは元マイナンバーである。

では、もし転出前のマイナンバーがなければどうなるのか?

この疑問の答えはマイナンバーカードの発行ができないである。

また、現在マイナンバーカードを持っていない国外在住者(2015年10月5日以降に国外転出をしている方に限る。)もマイナンバーカードを申請することが可能になります。

2015年10月5日は番号利用法の施行日、マイナンバーの運用開始日である。

というわけでマイナンバーが存在したことがある人だけが申請できるという意味になる。

当然、これは外国で生まれて日本に住んだことがない日本人は発行できないという意味である。


国外転出者のマイナンバーカードの発行主体は本籍地の市町村である。

しかし、本籍地の市町村の窓口に行くのは容易ではない。

この問題は把握されていて、運用開始時点から在外公館や他市町村を介して手続きできる仕組みが用意された。

国外転出者はマイナンバーカードの受取場所として、本籍地の市町村だけでなく、

在外公館と本籍地以外の市町村(一時滞在先)も選べるようになった。

ただ、カード・電子証明書の発行手続きを本籍地の市町村で行う都合もあり、

交付申請書とともに暗証番号設定依頼書も送付することになっている。

国内在住の場合、交付時に自分で端末に入力する内容である。

在外公館への転送もあるので2ヶ月はかかると書かれている。

なお、国外転出者が新規にマイナンバーカードの申請を行った場合は、

住所欄に「国外転出 2024(令和6)年11月3日」のように記載されるよう。

外国で住んでいる場所が記録されるわけではない。


マイナンバーカードの記載事項変更だが、

国外転出届を提出するときの変更だが、これは転出届を出す窓口でできる。

電子証明書の発行手続きもその場でできるので、本籍地の市町村は絡まない。

転出後に氏名が変更になった場合の手続きだが、本籍地の市町村窓口で行う場合はその場でできる。

国外転出者の場合、住所は「国外転出」と登録され、生年月日・性別は通常不変で、

氏名の変更というのは圧倒的に結婚だろう。養子縁組、離縁、離婚もあるが。

で、いろいろ煩雑なので一時帰国時に手続きをするケースもあるだろう。

そのとき出向いた市町村が新たな本籍地であれば、本籍地市町村でマイナンバーカードの変更手続きもやってしまえばよい。

この場合の手続きは国内在住で住所地の市町村に各種届出をするときと同じフローになる。


一方、在外公館で届出をするケースもあるだろう。

この場合はマイナンバーカードの再発行手続きになるという。

なんで? という気もするが、在外公館では書換ができない事情があるのだろう。

その上で本籍地市町村で書換をするとなればマイナンバーカードがない期間が長くなる。

それなら新たに発行してもよいだろうと。氏の変更だけならわりと稀なケースだし。

そういう判断があったのではないかと思う。


イマイチだなと思ったのは国外転出者のマイナンバーカードの申請は、

本籍地市町村・在外公館・他市町村への郵送・窓口提出に限られていること。

更新手続きも含めてこの方法でしか対応できないんですね。

国内ではマイナンバー付与時あるいは有効期限通知書に記載された申請書IDを使えば、

インターネットからマイナンバーカードの発行申請をすることができる。

記載事項変更なしの更新ぐらいは電子申請に対応してほしいものだが。


国外転出者のマイナンバーカード発行というのは、

帰国時にすぐマイナンバーカードを使えるようにするという意図もあるし、

転出後の税金関係などの手続きをインターネットからできるようにという意図もある。

まだ使い道は少ないかもしれないが、国外転出時にマイナンバーカードを残すだけならば簡単である。

有効期限内に帰国すれば単純にマイナンバーカードの失効・発行の手間がなくなるのだから楽になる。

それだけでも効果は実感出来るんじゃないか。