NHK BSで包装されている「BSニュースWorld+Biz」が今月で終了するらしい。
毎時50分からの10分間のニュース番組というのも今は昔、
現在は8時台・11時台・12時台・15時台・16時台と平日で1日5回、
土曜は1日2回、日曜は放送なしと大幅に放送回数を減らしていた。
原因の1つは昨年のBS再編で2K放送がNHK BSの1チャンネルだけとなり、
従来はニュースとスポーツに注力できていたところ、娯楽・教養番組も増えたことがある。
BSニュースが毎時50分からのニュースとなったのは24時間ニュースチャンネル化の構想があったためだという。
地上波の総合テレビに比べれば、毎時ニュースを差し込む編成はしやすかった。
ただ、BS1のもう1つの柱であるスポーツ中継との相性はイマイチだが。
この体制でずっとやってきていたが、深夜帯の放送は2017年から省かれるように。
2022年には地上波のニュースを補完するという観点か、地上波のニュースと被る枠を廃止、
国際・経済分野を注力分野とするということで「World+Biz」と付加された。
そもそもNHKのBS放送は2011年にBS2とBSハイビジョンが統合されBSプレミアムとなった。
BS2は難視聴対策のために地上波の番組を再放送・同時放送することを主眼としていた。
統合によりその役目は大きく減ることとなった。
この統合には「地デジ難視対策衛星放送」が行われるようになったことも関係あるかもしれない。
期間限定で難視聴地域に限り、民放含めて東京の地上波の番組をBSで見られたのだ。
これが終了する頃には中継局も増え、ケーブルテレビの整備も進んでいるはず。
そこを見越しての廃止だったのだと思う。その後2015年に終了している。
この期間中に小笠原村にはケーブルテレビが、大東諸島には地デジ中継局ができている。
以後、地上波とBSとの役割分担が進んでいくこととなる。
BSを2Kと4Kを1チャンネルずつに整理できたのも、そのような方針の転換がある。
地上波の番組は基本的には地上波で見られればよいということである。
それでもBSの難視聴対策の役目は全くなくなったとは思っていなかった。
BSニュースも難視聴地域にニュースを伝えるという役目があったはずだと。
しかし、来月からの番組表を見るとBSでは一般的なニュース番組は全廃となる。
NHK BSでは午前にワールドニュース、夜10時に国際報道2024が放送され、
プレミアム4Kでは土曜9時に25分間の 週刊4Kふるさとだより がある。
一応、BSニュース廃止の代わりに国際報道の放送時間を延長したとはある。
国際・経済分野のニュースを充実させるためにBSを使うという考えはあるようだ。
事情は理解できるし、昔ほどはBSの難視聴対策の役割はないのかもしれないが、
今でも電波もケーブルテレビが届かない山間部、小規模な離島、海上など、
BSでないと対応できない地域は残ってるんじゃないかなと思う。
そういう地域に一般的なニュースを伝える手段がなくなるのは残念である。
インターネットが不自由なく使えれば、NHK+でもいいんだけどね。
(地上波が見られない地域でBSだけ受信する場合に適用される特別契約でもNHK+は使えるはず)
でも、ケーブルテレビがないということはブロードバンドインターネットもないのでは?
実は総合テレビをそのままBSで見られるようにしてくれれば事足りるというのはあって、
能登半島地震後の暫定対応でNHK総合(金沢)をBS103チャンネル(旧BSP)で流してるんだよね。
ただ、BSも民放の新規参入希望がある中で、そういう枠を抑え続けるのも難しいところはある。
少ない帯域でそういうのを実現する方法があればいいんだけど。