なかなかびっくりするニュースだったのだけど。
J1浦和、次回の天皇杯に出場できず サポーターの暴力行為問題で (朝日新聞デジタル)
浦和レッズがサポーターの暴動を理由として、次回の天皇杯の出場権を剥奪されるという処分を受けることになったというもの。
そんなことあるのかという感じはするのだけど……
ただ、この暴動一発でこうなったというわけでもない。
2014年に横断幕で差別行為をしたとしてJリーグ史上初となる無観客試合の処分を科されるなど、2000年以降、罰金などの懲罰が11件にのぼるとし、「改善を見せるどころか集団的に暴徒化する許されざる暴挙にまで至っている」と断じた。
今までも罰金や無観客試合といった制裁は幾度となく下されていた。
クラブ側も対策は行っていたと思われるが、暴動は繰り返されてきていた。
クラブの対策は不十分であったと断ずることは出来ないが、
実態としてこのような問題を防げなかった点は問題視されているということ。
今回の暴動というのは試合後にピッチ内にサポーターが侵入するなど、
主催者側の体制にも問題なしと言えないところはあった。
このあたりは天皇杯という大会の事情もあるらしい。
暴徒化騒動の天皇杯開催基準を変更か Jクラブ同士対戦の場合、Jスタジアム基準の適用を検討へ (日刊スポーツ)
天皇杯はJ1・J2のチームは2回戦から出場となるが、
それ以外の第1種登録チーム(J3を含む)も都道府県単位の予選を経て出場する。
実態としてはJリーグのチームが勝ち上がっていき、3回戦以降はほぼプロ同士のように見えるが、
4回戦までは都道府県サッカー協会が主体となって試合を実施している。
このように都道府県サッカー協会が取り仕切るメリットとしては、
天皇杯の入場料収入の約3割は、主管した各都道府県協会に入るからだ。厳しい予算規模で活動する地方協会にとって、主管の変更などあれば死活問題。普及の観点から全国各地での開催も求められている。
ということで地域のサッカー普及に役立っているということである。
しかし、プロ同士の試合ともなれば来場者も多く見込まれ、警備などの体制も相応に求められる。
問題となった試合が行われた CSアセット港サッカー場 は愛知県サッカー協会が確保した会場だが、
アマチュアではよく使われるようだが、Jリーグの試合は長く行われておらず、
プロ同士の試合を行うにはあまり適しているとは言えないようである。
以前もチラッと書いたのだが、天皇杯自体はJリーグも主催者として関わっている。
前は主催はJFAだけだったが、2005年からJリーグが主催に加わった。
それ以来、天皇杯の試合は全てJリーグの試合とみなされている。
ただし、その中でJリーグのチーム同士の試合だけが投票対象になる。
結果としてアマチュアチームが絡む試合は投票対象にならないというわけ。
このためJリーグのチームが関わる試合はJリーグ側で対応というのもあり得ない話ではない。
実務的にはそのようにするメリットは大きいと考えられる。
しかし、それをしてしまうと都道府県サッカー協会の収入源を奪うことになる。
理屈上はアマチュアだって勝ち上がれる大会である。
サポーターの暴動に対してクラブ側もできることは限られているだろう。
関与した人を入場禁止にする措置など行ってはいるけど、
数人の処分でこのような問題が全てなくなるとは思えないものである。
警備の強化など暴動を困難にする対策はできるだろうが、
結局はサポーターが自省する以外に根本的な対策はないのだと思う。
クラブに対する厳しい処分で考えを改めてくれればいいんだけど、
果たしてこの処分が効果的に働くのか? と言われるとよくわからない。
確かに大会への出場権剥奪というのはこれまでになかった重い処分だが、
これまでのクラブへの懲罰が必ずしも効果的ではなかった歴史からするとどうなのかなと。
というわけでこの騒動はまだ尾を引きそうだなと思うところ。
果たして浦和レッズはこの問題を打開できるのか。
どうもそう簡単ではないように思える。