昨日、関西空港・神戸空港の発着枠拡大の話を書いた。
ところで神戸空港というのは地方管理空港となっている。
重要度の高い拠点空港にはあたらなくて、神戸市の管理だからね。
神戸空港は開港以来、もっとも利用者の多い地方管理空港として存在している。
これがさらに利用者増が見込まれるところだが……
あれ? 関西・伊丹の両空港を経営する 関西エアポート の傘下にあるのでは?
と思った人もいるかもしれないが、制度上の管理者は神戸市である。
そもそも関西・伊丹にしても管理者は 新関西国際空港(株) である。
これらの管理者から運営権が関西エアポートグループに売却された形である。
運営権の売却のみなので施設の所有者は変わらない。
日本では会社管理の空港を除けば、空港ターミナルビルは地元企業の経営で、
国・地方公共団体管理の空港施設と経営が統合されていないところに課題があった。
所有権を変えずに一体管理できることに価値があるということである。
現在の神戸空港が全国の空港でどういう位置づけにあるか?
2019年の旅客の利用者数上位から見ると、
東京(羽田)、成田、関西、福岡、新千歳、那覇、大阪(伊丹)、中部、鹿児島、仙台、熊本、宮崎、神戸、長崎、広島、松山、新石垣、高松、大分、小松
と並んでいるが、中部(8位)が1346万人、鹿児島(9位)が607万人、仙台(10位)が386万人とここに段差が大きい。
日本における主要空港はまず中部までの8空港と考えるべきでしょう。
鹿児島空港は奄美路線の存在もあってか、これらに次ぐ存在である。
20位以内で拠点空港にあたらないのは地方管理の神戸・新石垣、自衛隊共用(国管理)の小松ですね。
この神戸空港で1日の発着回数を80回→160回と倍増させる計画がある。
うち40回は国際線を想定している。国内線だけなら最大1.5倍である。
そのための関西・神戸の飛行ルート変更案なのだが、倍増にあたっての課題はそこだけではない。
やはりターミナルビルなどの設備が全て地方空港スタイルなんですよね。
すでに拠点空港と並ぶ利用者数となっているわけだけど、もし倍増すれば鹿児島空港に並ぶほどになる。
制度上は拠点空港ほど重要性は高くない神戸空港だが、
利用実態としてはほとんどの拠点空港を上回るレベルになるという。
とりあえずの対策としてはサブターミナルの整備が進んでいる。
ここには国際線の設備も設けられ、駅・メインターミナルとはバスで結ばれる。
国内線も一部利用することが想定されているが使い分けは不明。
構造的な問題で現状のターミナルの横に増築できないからこうなっている。
400mほどだから歩こうと思えば歩ける距離ですが。
あと飛行機にも直結できないみたいでバス搭乗という形になるらしい。
福岡空港では滑走路挟んで国内線・国際線が分かれているし、
那覇空港も近年に連結施設を作って拡張するまでは分断されていた。
そういう事情を考えれば神戸空港のサブターミナルもそんなに悪くはないが、
長期的にはもうちょっと手を入れないといかんのかなと思う。
もう1つの課題がアクセス手段である。
神戸空港のアクセスとしてはポートライナーの利用が圧倒的に多い。
ポートライナーは日本初のAGT(ゴムタイヤ式の新交通システム)として作られた。
AGTは勾配・カーブの柔軟性が高い一方、一般的な鉄道に比べると輸送力が低い。
ポートライナーはポートライナー内の大学・企業への通勤・通学利用が元々多く、
そこに空港利用者も加わってかなり忙しい路線という実情がある。
ここに空港の利用者を倍増させるような話があると大変である。
元々ポートライナーの混雑は問題視されていて、地下鉄構想もあるのだが、なかなか手が付けられそうにはない。
となると打開策はバスぐらいしかない。
すでに通勤・通学利用の一部をバスにシフトさせる動きはある。
空港利用者が増加するとこちらもバスへのシフトが求められると思う。
将来的なことを言えばポートアイランドには阪神高速湾岸線が通る。
これを使ってバスで大阪方面、播磨・淡路・四国方面と直結という話も出てくるかも知れない。
ただ、長大橋が2本もいるプロジェクトで2028年という完成予定が実態に即しているとは思えないところはある。
というわけですでに地方空港としては破格の神戸空港だが、
根本的に地方空港であることによる難しさがいろいろ見えている。
神戸都心(三宮)とポートライナーで18分というのは数字上は便利である。
ただ、どの手段でも三宮付近を通らざるを得ないので、
どうやっても三宮までの移動時間+20分以上となってしまうということで、
広域からのアクセスではそこまで便利さを感じられないことは多々ある。
それでも神戸・播磨からのアクセスは他の2空港を凌駕するだろうし、
コンパクトで使いやすいし、地方空港として考えれば悪くはないんですよね。
それにしても鹿児島空港の利用者の多さには驚いたなぁ。
国際線が別棟になっていて、ボーディングブリッジが8本と。
プロペラ機の離島路線が多いので、バス搭乗の割合も比較的高いと思うが。
基本的に目指すべき規模感はこれぐらいなのかなと思った。
ただ、神戸空港は拡張後は空港の規模の割には国際線が多くなることが想定される。
国際線は駐機時間が長くなる傾向があるとは言われている。
そこをとりあえずバス搭乗で対応するのは理にかなっているのかな。
将来的には現ターミナルを含めた再構築を考えているとは思うんだけどね。