普段使いなら代替になるかもしれない

京都市のバス1日券が廃止になるらしい。

京都市“バス1日券” 来年3月末で廃止へ 観光客による混雑緩和 (NHK)

かつては500円と異様に安かったが、今は700円である。

廃止の理由はポイントサービスの導入らしいけど……


「京都 地下鉄・バス ICポイントサービス」の御利用方法等について (京都市交通局)

従来のバス同士、バス・地下鉄の乗継割引をなくしてポイント付与にするという話があった。

従来の乗継割引がポイントになるだけなら何も変わらない気がするが、

1ヶ月の利用が3600円ない場合は対象外、1日2回までの回数制限付きと、

日常的に利用する人を対象にするための制限が加えられている。

このあたりは観光客などが乗継割引の恩恵を受けることを排除する仕組みである。


これに加えて利用額ポイント(最大3%付与)と「バス24Hチケット」というのもあると。

バス1日券廃止の背景とされているのがバス24Hチケットの導入である。

  • ICOCA・PiTaPaをポイントサービスに登録していること
  • インターネットで利用開始時刻を登録する
  • バス(均一区間)に乗車するが、この時点では普通に運賃が引かれる
  • 後日、利用開始時刻から24時間以内のバス運賃の700円超過部分をポイントとして付与
    (PiTaPaの場合は翌月以降の交通利用からポイント相当額を割引)

乗継割引と違って一定の利用額に達しないと使えないということはないが、

ICOCA・PiTaPaが必要で、ICOCAの場合は地下鉄と洛西営業所に設置されたチャージ機でポイントチャージが必要となる。

このことから観光客が利用するにはややハードルがある。

(関西発なら満たせる場合はあると思うけど、特にPiTaPa利用ならば)


なかなか従来のバス1日券と同じように使える仕組みではなく、

観光客にとっての実質的な代替先はバス・地下鉄1日券になるとみられる。

こちらは1100円で、市営地下鉄全線、市バス全線、京都バスは均一区間+大原方面、

京阪バスの山科・醍醐地区、JRバスの均一区間(高雄・栂ノ尾まで)が利用できる。

これも以前は900円だったのだが、1100円となると使い道を選ぶなと思う。

(以前は京都観光1日乗車券という名前で1200円だったから、それよりは安いが)


ポイントサービスにバス24Hチケットという仕組みを作ったのはなぜか?

これはバス1日券が元々500円と異様に安かった理由とも関係があるが、

バスを乗継利用する人への配慮という面もあったんですよね。

だから3回乗れば元が取れて、2回乗車(460円)とほぼ同額になっていたと。

観光客向けに安くしていたわけではなく、日常利用向けに安くしていたと。

このことから日常利用向けのポイントサービスで代替という話になったんだと。

ただ、事前にインターネットで利用開始時刻の登録が必要など、

日常的に利用する人にとって使いやすい仕組みかというのは疑問がある。

そもそも700円に値上がりしてから日常利用における有用性は減っている。

そのような経緯も考えれば、アリバイ作りでしかないのかもしれない。


たびたび書いているけど、京都市内の移動は鉄道が有用なケースは多い。

バスだけで移動はできるが、時間がかかり、混雑しやすく、渋滞の影響もある。

とはいえ、市内で鉄道だけで移動できるエリアは限られることと、

地下鉄だけで3社(市営・阪急・京阪)で運賃別切りになることなど課題は多い。

フリーきっぷも全部使えて便利なものはなかなかない。

そんな中で市営地下鉄とバスの乗継割引は地下鉄の活用の助けになる仕組みだと思っていた。

バスだけで移動した場合よりは高くなるとしてもある程度は差が埋まるので。

乗継割引廃止は地下鉄・バスの乗継を提案しにくくなる点で問題があると思う。


バス1日券の廃止そのものは必ずしも悪い話でもないと思う。

割安なバス1日券を使い倒して観光することのデメリットは多かったから。

地下鉄の活用を促す点から、バス・地下鉄1日券を値下げしたのだが、

値上げされてしまい、こちらの普及というところには疑問もある。

乗継割引の廃止も重なり、地下鉄の活用にマイナスな要素も多いのだ。


というわけでなかなか一筋縄にはいかない制度変更である。

最近は京都市内も目的地を絞って往来することが多く、

こういう問題が顕在化しにくいようにしている。

ただ、ガッツリ京都市内を往来したいということもあるでしょうし、

そのときにどういう作戦がいいのか難しくなったなという気はする。

900円時代のバス・地下鉄1日券はそこそこ手堅い選択だったのだが……

それでも嵐山方面だと鉄道が弱いので、どうするかなとなりますけどね。