東京証券取引所は世界有数の株式取引所であるが、特に多いのが上場企業数である。
この統合を上場企業数で見てみると非常にインパクトがあるわけだ。
これまで東京証券取引所には2323社上場していた。
ここに大阪証券取引所から新規に1100社やってくるわけだ。
もちろん重複上場分は差し引いた数字だ。数で見ると1.5倍ほどにふくれあがり、
その結果、ムンバイ証券取引所、トロント証券取引所に次ぐ、世界第3位の上場企業数となるとのこと。
しかし、それがゆえの難しさがあって、それが市場区分である。
東京証券取引所には第1部・第2部・JASDAQスタンダード・JASDAQグロース・マザーズ の5市場がある。
東京証券取引所・大阪証券取引所(現:大阪取引所)の現物市場統合のときに、
どちらかの第1部に上場している企業は第1部に、それ以外でどちらかの第2部に上場していた企業は第2部へ、
該当しないJASDAQとマザーズの上場企業はそのまま移行するという経緯をたどった。
しかし、この区分にはいろいろ問題があって、
まず、第1部の上場企業の中には時価総額・流動性で見劣りする企業があるということ。
これまで両取引所では第1部から第2部への指定替えを積極的にやってなかったのでこういうことが起きている。
また、JASDAQとマザーズという2つの新興市場が並立したこと。それぞれに上場基準などの差があったことによる。
この2つの問題を解消するために、来年4月より プライム・スタンダード・グロースの3市場への再編を行うこととなった。
現在上場している企業は、第2部・JASDAQスタンダード の上場企業は基本的にスタンダード市場へ、
マザーズ・JASDAQグロースの上場企業は基本的にグロース市場へ移行することになる。
一方、第1部の企業は、プライム市場かスタンダード市場か選択する必要がある。
選択の尺度としては、プライム市場の上場を維持できる水準であるかどうかということになる。
第1部の企業に限らないのだが、移行先として選択した市場の上場維持基準を満たせない場合は、
上場維持基準を満たすための計画書を提出する必要がある。
現在、僕が持っている現物株は大半が東京証券取引所第1部に上場している銘柄なのだけど、
その全てがプライム市場を選択するとは思えないところがある。
上場維持基準にはいくつかあるのだが、1つ大きな観点として流通株式時価総額が100億円以上というのがある。
流通株式時価総額というのは、上場株式数のうち流通性に乏しいと考えられる株を除外したものだが、
現状もTOPIXの計算に使われる浮動株時価総額では大株主や役員の株式数を除外しているのだが、
新しい流通株式時価総額では「政策保有株など」除外することを検討しているとある。
これってなんだって株式持ち合いってやつですね。企業間の関係性のために株式を持ち合っているのは除外すると。
新しい流通時価総額がどんなもんかというのは会社によるのでなんとも言えないんですが。
現状の基準での浮動株比率では7~8割程度の企業が多いみたいですね。
政策保有株は市場全体の1割程度ということで、その一部はすでに浮動株から除外されているので6~8割程度と見込みますか。
なんて考えると、流通時価総額100億円ということは、時価総額200億円超なら大体満たしてる?
もちろん、明確な大株主がいるような会社は流通時価総額は低くなるので、そこら辺の考慮は必要ですが。
そんなことも考慮しながら、僕が株式を保有している企業の時価総額を調べてソートした。
そしたら、そもそも時価総額100億円を下回る企業が5社あった。
心当たりはあって、これぐらいの企業だと流動性も低いんですよね。
持っている中で一番時価総額が低い企業だと、日当たりの取引額が300万円程度ということで、あまりにしょぼい。
というわけで、今回の市場見直しの観点も踏まえて、時価総額が低い会社の株を保有し続けるかは慎重に検討することにした。
そういう観点で今月に入っていくつかの会社の株式を売却した。
一方で、プライム市場の基準には厳しいにしても、スタンダード市場での上場は引き続き可能なはずなので、
特に保有すべきと考える会社なら、それはそれで持ち続ければいいかなと思う。
実は流通株式時価総額が100億円以上か否かというのは、どの市場を選択するかによらず重要な尺度である。
現在、第1部の上場企業全ての浮動株時価総額を指数化してTOPIXを算出している。
TOPIXに連動する投資信託を買えば、それは東京証券取引所第1部に上場している企業の株を全て買うということに等しい。
これが今回の市場再編にあわせて、流通株式時価総額が100億円未満の企業を段階的に除外していく措置がとられる。
TOPIX(東証株価指数)等の見直しについて (日本取引所グループ)
現在の試算では流通時価総額100億円未満の企業はTOPIX全体の1%以下の寄与度とのことでTOPIXという指数全体への影響は小さいと見られる。
一方でTOPIXから除外される企業にとっては影響は大きく、TOPIXに連動させるがために買われていた株が売却される可能性が高い。
東京証券取引所第1部に上場している企業なら大企業だというのは正しいですけど、
その幅が広くなりすぎていたのをしっかり線引きしようというのがこの目的であって、
それというのは第1部に上場していると自動的にTOPIXの構成銘柄になっていたので、
その結果として、企業価値を高める努力をせずとも自動的に買われてしまいがちという状態を是正する目的もあろうと思う。
これらの見直しにより、各々の企業に適した市場で企業価値を高める努力をして欲しいという意図なんでしょうね。
市場区分の見直しは来年4月、その後TOPIXの見直しが完了するのは2025年1月末とのこと。
影響度がどれぐらいあるかというのはなんとも言えませんが、
なにしろ東京証券取引所第1部という日本を代表する株式市場が大きく変わる話なので、いろいろ起きそうですね。