意外と知られてないんだなと思ったんだけど、
三井住友銀行と三井住友信託銀行って名前は似ているけど、資本的に関係のない全く別の銀行なんですよね。
確かに同根ではあるし、三井住友銀行の設立時に、さくら信託銀行の株式を当時の中央三井信託銀行に譲渡した経緯もあるらしく、
全く無関係とも言えないところはあるが、そうはいっても両行は競合分野が多すぎることでも知られている。
そもそも「信託銀行」というのは銀行なんですよね。
銀行傘下の信託銀行は銀行業務はおまけ程度だったりするわけだけど、
三井住友信託銀行は独立系の信託銀行なので銀行業務だけでもけっこうな規模になっている。
確かに他の都市銀行に比べると店舗数は少なめかもしれないが、けっこう見るなぁという印象はある。
この点から都市銀行的な側面もけっこうある。都市銀行だって明確な定義はないけど……
信託業務を併営して複数の大都市圏に店舗網を持つ商業銀行というだけなら、りそな銀行も三井住友信託銀行も変わらない気がする。
世間の認識は多分そうではないだろうけど。
やはり両社が明確に競合する存在になったのは、SMBC信託銀行の設立なんじゃないのかなぁ。
他の都市銀行が信託業務を行っていたり、信託銀行を傘下に入れる中で、三井住友銀行は信託銀行を傘下に入れてなかった。
この結果として、住友信託銀行と中央三井信託銀行が独立系の信託銀行として取り残され、
独立系信託銀行としての生き残りをかけて2012年に合併、三井住友銀行とは資本的に関係がない「三井住友信託銀行」が誕生したという経緯があったそう。
ところがその後、三井住友銀行は富裕層をターゲットにしたプライベートバンキングに手をのばしたいということで、
2013年にソシエテジェネラル信託銀行(フランスのソシエテジェネラル社の子会社)を買収、これをSMBC信託銀行に改めた。
まぎらわしいよね。三井住友信託銀行があるので、それと被らないで三井住友銀行(SMBC)傘下であることを示すためにこうなった。
その後、2015年にシティバンク銀行の個人部門の譲渡を受け「PRESTIA」ブランドを立ち上げている。
PRESTIA=SMBC信託銀行なのか、それは違う概念なのかよくわからないが、
ともあれシティグループと提携した外貨関係の業務と、富裕層向けのプライベートバンキング業務を行う銀行が誕生したのだった。
富裕層に興味があるのは三井住友信託銀行も同じこと。
そんな三井住友信託銀行が興味を持ったのは、ダイナーズクラブのクレジットカードを発行するシティカードだった。
そうか、これもシティグループが日本での事業を縮小する中で手放すことになったものでしたね。
三越伊勢丹が興味を持っているとかいろいろありましたが、結果的には三井住友信託銀行の傘下に入ることに。
こうして三井住友トラストクラブに名前を変えて、ダイナーズカードとTRUST CLUBカード(旧シティカード)の発行を行っている。
あと、両社はそれぞれインターネット専業銀行を傘下に持ってますよね。
三井住友銀行の傘下にあるのは、ジャパンネット銀行(PayPay銀行に改名予定)、ヤフーと提携関係にあり、
現在はZホールディングスの子会社となっている。(が、三井住友銀行も46.57%の持分を持っている)
あとソニー銀行の設立にも関わっている。(こちらは2008年にソニーに持分の全てを譲渡している)
三井住友信託銀行の傘下にあるのは、住信SBIネット銀行(住友信託銀行の時代に設立したから未だに「住信」と残っている)、
こちらはSBIホールディングスとの合弁会社である。
そういえば、SBIってソフトバンクグループから独立した経緯のある会社なんですけど、
ジャパンネット銀行の親会社をたどっていくとたどり着くのはソフトバンクグループ、と考えると複雑な関係ですね。
一度は金融業を手放したソフトバンクグループだが、後にヤフーが買収・資本提携などの方法で金融サービスを強化した結果、こういうことになったのかな。
そんな複雑な三井住友銀行と三井住友信託銀行ですが、だいたいは名前が悪いわな。
揃いもそろって日本語では「三井」「住友」と並べるのに、英語名称では「Sumitomo」「Mitsui」と並べるんだから。
ここが違ったら独立性を示せた? もうちょっと工夫があってもいいとは思うけど。