公共放送の追ったAqours

昨晩、NHK総合で「シブヤノオト」の特番として「Aqours東京ドームへの道」が放送されていた。

シブヤノオト は若者向けの音楽番組、調べてみると過去にもAqoursは出演していたようだ。

昨年末の紅白歌合戦に企画コーナーの中で出演していたのもあって、NHKが注目しているのは知っていたが、

こういう特集番組を組むというのはすごいなと思って見ていた。


僕自身は「ラブライブ!サンシャイン!!」という作品を追っかけていたわけではないんだけど、

一方でこうして注目されるAqoursはただ者ではないなと思って、たびたび気に掛けている。

西武ドームをやたらとコンサート用途で使うということで、このBlogにも書いている。(cf. 西武ドームは音漏れどころか)

やたらと名前を見る声優がいると思えば、代表作がラブライブ!サンシャイン!!で、Aqoursのメンバーで納得したりということもある。

ちなみに、Aqoursは「ラブライブ!サンシャイン!!」の作中に出てくるアイドルユニットであるとともに、キャラクタを演じる声優のユニットでもある。


タイトルの通り、Aqoursが昨年11月に行った東京ドームでのコンサートに至るまでのドキュメンタリーだったが、

ファンの皆さんの反応を見る限りでは「これは永久保存版だ」などと、非常に満足感の高い内容だったようだ。

Aqoursの魅力ってどういうところがポイントなんだろう、というのをいくつかの切り口で言っていたが、

よく取材して、掘り下げて取り上げていたわけである。


その昔、「ラブライブ!」のμ’sのライブをライブビューイングで見にいったことがある。

ハンドマイクなしかありか

この記事ではアニメのステージを再現するためには、ハンドマイクではなく、ヘッドセットを使うということを書いた。これはAqoursも同じ。

こうしてアニメに合わせることを、番組では「シンクロパフォーマンス」と言っていた。

振付師がアニメの映像を見ながら、指先の動きまで、合わせられるようにと指導している姿が紹介されていた。

どうして、そんな細部までこだわるのだろうかというと、アニメの絵はそこで見栄えがよくなるようにいろいろ考えて作られている。

それを現実でもやってみると、きっと完成度が高いものができるんじゃないだろうかと。そういう意図があるようだ。

ラブライブ!シリーズでは、CDの代表曲には最初からアニメPVを作っているからこそ、シンクロさせることができるとも言える。

でも、全ての曲にMVがあるわけではない。

そんな曲が最近はゲームに収録されつつあるようだが、その場合は、現実のAqoursのパフォーマンスにゲームがシンクロしている面もあるらしい。


キーワードの1つに「μ’sの存在」とあった。

実はAqoursの皆さんは、2016年に東京ドームで行われたμ’sのファイナルライブを観客として見ていたらしい。

当時、すでにAqoursは存在していて、ラブライブ!プロジェクトの先輩のパフォーマンスをそろって見る機会があったわけだ。

NHKにとってみれば、μ’sは2015年末の紅白歌合戦の出場者である。そのことも言っていたが。

そんな大きな道標があったからこそ、ここまで来れた面は確かにあったようだ。

東京ドームでの公演も、紅白歌合戦への出演も、今のところμ’sに並ぶものはAqoursしかいませんからね。

こうして大舞台に立つことも増えたAqoursのメンバーにとってみれば「自分がステージに立っている感覚はない」ということで、

キャラクタが憑依しているような気分のようだ。これを番組では「心のシンクロ」と言っていたが。


シンクロというところが、非常に大きなキーワードであるが、一方でこんなことも紹介されていた。

「想いよひとつになれ」という曲は、アニメ作中ではAqoursのメンバー9人から1人欠けた8人で披露された曲だった。

なぜ1人欠けているかといえば、その1人は同時にピアノコンクールに出ていたから。

これを再現して、ピアノの演奏を実際に披露したエピソードなんていうのも紹介されていたのだが……

一方で、去年の東京ドーム公演のときは、この曲を9人で披露した。そのために、アニメとは少し違うストーリーを作り込んだのだという。

シンクロを破ったと言っていたが、一方でそこにもストーリーを与えるというのは手の込んだ話だと思った。

このシーンの観客の表情がそれを物語っていたように思う。


アニメやゲームのキャラクタが現実のステージに現れるというのも、もはやあまり珍しいことではなくなってきたけど、

こうして見ると、μ’sであったり、Aqoursであったりというのは、アニメのステージを現実に再現することに重きをおいてきたようだ。

ただステージだけではなく、アニメのストーリー、あるいは現実の人間のドラマがあって、それをあわせて魅力だったということがわかる。

表面的なシンクロパフォーマンスだけでは語れない、ということをこの番組でも伝えたかったのだろうと思う。


これって、アイドルマスターシリーズだとだいぶ違うんですよね。時々比べられるんだけど。

ゲームやアニメの演出はあれば参考にされるけど、現実のパフォーマンスがそれと同じになることはまずない。

歌うメンバーの組み合わせも、ゲームでは自由に選択できる背景もあって、必ずしもオリジナルメンバーで披露されない。

ゲームやアニメの演出を忠実になぞる場合もあるんだけど、ゲーム・アニメとは違うことをできるのがメリットの1つと考えられている面もある。

現実世界だからできることもあれば、ゲームやアニメの中だからこそできることもある。それぞれの良さを引き出していこうということだろう。

ここまでのAqoursのこだわりと比べると、ずいぶんいい加減だなと思うかも知れないが、これはこれで魅力なのだ。