座席の売り方もいろいろではあるが

以前、西武ドームに野球を見に行ったときに、座席の種類がいろいろあるなとは思った。

初めての野球観戦

ただ、いろいろあるって言っても、値段と席数の兼ね合いもありますからね。

だいたい売れ線はここら辺でしょうというのは、見ればわかるんだけど。


こういう座席の売り方って、球場の構造や、主催する球団の方針で、野球場によりまちまちのようだ。

例えば、阪神タイガースの本拠地、甲子園球場だとこう。

チケット/阪神甲子園球場 (阪神タイガース)

えらくシンプルだな、と思ったがよく見ると、バックネット裏が完全に白抜きになっている。

あれ? 座席ないの? と思ったら年間チケットかファンクラブ専用らしい。グリーンシートって言うんだって。

それはそうとして、3塁側の外野席の一部が「レフトビジター専用応援席」と書かれている。

わざわざ専用と書いてあるのは、ビジターチーム以外の応援グッズを使うことが禁止されているから。

裏返せばここ以外はタイガースファンに埋め尽くされてても当然ということなんだろう。

対戦相手のチームによって、レフトビジター専用応援席の席数が変わるようになっていて、

今シーズンだと巨人か広島だと一番広くて、楽天だと一番狭いと。近畿圏におけるファンの数を考慮しているのだろうか。

あと、基本的に全席指定のようね。指定席だからって高いわけでもないけど。


これがヤクルトスワローズの本拠地、神宮球場だとこうなる。

神宮球場 座席・価格表 (東京ヤクルトスワローズ)

外野席は試合によって指定席になったり自由席になったり。西武ドームもそんなんだね。

それで、外野席は1塁側がスワローズ側、3塁側がビジター側という売り方が原則らしいが、

「試合によって、レフトの一部をスワローズ側として販売いたします。★レフトのスワローズ側外野席は100円割引となります」という記載が。

裏返せば、半分はビジターチームのファンが買ってくれる試合があるってこと。

確かに阪神タイガースのファンが大挙して押しかけるとか聞いたことあるし、同じく東京を本拠地とする読売ジャイアンツのファンも多く来そう。

むしろ外野席の半分はスワローズ側が留保しているという方が正しい理解なのかも。


まぁ多少の方針の差はあるって言っても、だいたいそんなもんでしょと思ったら、

広島東洋カープの本拠地、広島市民球場 (MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島)ではずいぶん違った。

チケット (広島東洋カープ)

そもそも、この球場は移転にあたって、3塁側を狭くして、1塁側を広くする構造にしたんだよね。

ホームチームのファン向けの席数を多くできる構造ということで、アメリカで使用例が多いとか聞いたが。

だから3塁側の外野席というのはほぼ存在しない。話は聞いてたけど、ここまで極端な構造なんだね。

客席は2層構造になっていて、3塁内野側の中2階にビジターパフォーマンスというビジターチームのファン向けの席が確保されている。

ここだけはビジターチームに確保してるってことで、カープの応援グッズの使用禁止と示している。

逆に1塁外野側の2階にカープパフォーマンスという、カープの応援専用席がある。ここはビジターチームの応援グッズの使用禁止になっている。


ここまでは2階建てで、それぞれ2階に一方のチームの応援に専念できる席が確保されてるんだなって理解だが、

実は内野の2階部分が内野自由席になっているんだよね。

ここがこの球場で唯一の自由席で、一番安い席になる。なおかつ、全ての試合で自由席だそう。

上で甲子園球場では全席指定、神宮球場では試合によって全席指定になると書いた。

西武ドームも座席という概念がほとんどのない外野席(人工芝が貼られてるだけだから)以外は全席指定になることが多い。

そういうのと比べると、確かに特異な商売だよなぁ。

オリックスバッファローズが大阪ドームを使う時も、内野の上段の大半が自由席だったりするようなので、そういうことはあるのかな。

公式戦チケット情報 (オリックス・バッファローズ)

ちなみに阪神タイガースが使う場合は、自由席の範囲ははるかに狭くなる。(チケット/京セラドーム大阪 (阪神タイガース))


ご存じの通り、広島カープは大変絶好調で、ファンも多いとのこと。

そうすると内野自由席も含めて売り切れで大変という話がある。

ただ、その一方でビジターチームのファンがビジターパフォーマンス席を埋められるほど来ないという話もある。

対戦相手次第というのはあるんだけど、一番多い阪神タイガースのファンに合わせて確保したから、試合によっては余るのは必然だとかなんとか。

甲子園球場だと、対戦相手に応じて ビジター専用応援席 の幅を変えて対応している。

ところが広島では明確にビジターチームのファン専用席を用意したがために、融通が利かんというわけ。

単に空席があるだけなら仕方ないのだが、この問題が根深いのは、完売なのに空席が見受けられることがあるという話。

これってどういうことって、カープファンがチケットを買って、場内に入っては立ち見しているという話らしい。

ビジターパフォーマンス席では表向きカープの応援ができないが、場内には入れれば立ち見はできるだろってこと。うーん。


別にこの話に限ったことではないんだけど、行き渡るべきところにチケットが行き渡ることが肝心だ。

野球場なんて、人によって目的もいろいろですから。応援するチームもその1つだけど。

野球場はとにかく巨大だし、日取り、対戦相手、その他いろいろな事情でチケットの需給は複雑だ。

だから、試合によって料金体系を変えたり、指定席の範囲を変えたり、発売開始日や販売チャネルを変えたり、工夫してるんでしょうけどね。

そんな中で、広島カープはファンが多い割には硬直的なんじゃないの? って指摘があると理解している。

まぁ毎シーズン、試行錯誤の繰り返しなのはどこのチームもそうなんだと思うけどね。

一方でカープの問題は、今に始まった話ではないとも言うが。