スルッとKANSAIには特別割引用があった

どうもスルッとKANSAIが特別割引用ICカードなるものを発行するらしい。

スルッとKANSAI 特別割引用ICカード

そもそもここで言う特別割引っていうのは、障害者向けの割引運賃制度のことを言っている。

こういうタイプのICカードが出るのは日本初じゃないの。


障害者の鉄道・バス運賃の割引制度は、障害の程度により第1種と第2種に分かれており、それぞれ下記の通りだそう。

  1. 第1種区分の人と介助者とあわせて鉄道・バスを利用する場合→本人・介助者ともに半額
  2. 第1種・第2種区分の人がバスを利用する場合→本人が半額
  3. 第1種・第2種区分の人が100km以上の鉄道を利用する場合→本人が半額

1は障害の程度が重くて介助者が必要と考えられる人は、本人と介助者あわせて1人分の運賃にしますよ、

ということで鉄道・バスの利用に不便がない人と運賃の負担が同じになるようにという意図の制度だろう。

(ただし、本人が通学定期の半額でも、介助者は通勤定期の半額になるなど、完全な同等でもないが)

2と3は本人だけで半額になるというわけだから、かなり有利な制度である。

特に2のバス運賃の割引制度は、第1種・第2種とも対象ということで対象者が多く、区間を問わないので、

バスを降りるときに手帳を見せて、割引運賃を払っている人はそれなりに見る。

なんでこの人が割引なんだろ? って見えちゃうこともあるけどね。まぁ見た目だけで分からないことは多いけど。


なぜ、スルッとKANSAIはこのようなICカードを発行することにしたのか?

調べたところ、磁気カードのスルッとKANSAIには特別割引用カードがあったらしい。

ところがスルッとKANSAI廃止にともない、この代替方法を用意するべきという判断があったのだろう。

そこでスルッとKANSAIとして代替のICカードを出すことになった。

システム上はPiTaPaなんだろうが、プリペイド式ということでかなり特殊な存在である。


ただし、このICカードはスルッとKANSAI加盟社に限り使うことができるとのこと。

すなわちJR西日本などは対象外ということである。

特別割引ICカードという存在を認めるのはスルッとKANSAI加盟社だけで、その他の会社は認めないということである。

もっとも従来スルッとKANSAIは導入していなくても、PiTaPa導入のためにスルッとKANSAIに入った会社も対象のはずだから、

岡電や静鉄のようなところも対象になるってことだね。


他の会社ではどういう運用になってるのかという話だが、

バスでは手帳の呈示を受けて、運賃箱の操作で対応と言うやり方が通常だろうと思う。

バスは運転手が運賃箱を操作出来る位置にいるから、それでいいんですね。

なお、スルッとKANSAIの発行する特別割引用ICカードはバスでも使うことができて、この場合は要求がなければ手帳の呈示は不要となる。

関東圏の鉄道では1円単位運賃の導入に伴い、ICカードで利用する場合は、降車駅の改札端末で処理するという方式をとっている。

おからだの不自由なお客さまのご利用について (東急)

以前はきっぷを買ってから乗るでよかったのだが、紙のきっぷは1円単位にできないので不利になる。だからこうやっていると。

ただ、そういう問題がない他の地域では、定期券以外ではICカードの利用を想定していないようで、紙のきっぷで対応していたのだろう。

紙のきっぷって簡易には小児運賃のきっぷでいいですから。(小児運賃の半額はこれだけでは対応できないけど)


今では当たり前となった小児運賃用のICカードの先駆けとなったのは、こどもICOCA(2004年8月発行開始)とされている。

実はJスルーカードは小児運賃用がなかったのだが、同じく関西エリアで使われていたスルッとKANSAIには小児用カードが存在していた。

この2004年8月というのはPiTaPaの本格運用開始のときで、PiTaPaには家族カードの一種としてキッズカードが当初からあった。

この時点ではICOCAとPiTaPaの相互利用は始まっていなかったが、PiTaPaのことは意識してたのかなぁ。

もしかすると現在、鉄道・バスのICカードに存在する小児用カードの発祥はスルッとKANSAにあったのかもしれない。


そして今度は特別割引用ICカードがスルッとKANSAI由来で出てきたわけである。

これ、他社にも広がりますかね?

特にJR西日本だよね。主たる利用エリアを同じくする会社ですから。

通常、手帳を確認して、同伴者といっしょにきっぷを売る・チェックするという手順を踏むところ、

カード発行時に一度チェックすれば、あとは特に要求しない限りは手帳のチェックをしないし、同伴者と同時利用してるかのチェックもしない。

それでいいの? って思う事業者がいるとは思うんだよね。これに対してJR西日本がどう判断するかという話である。

お互い手間がかかるからICカード活用しようよってのは理にかなった話ではあるのだが、不正利用されないか心配だと。

もっとも、JR西日本グループの西日本JRバスはスルッとKANSAI加盟社(ICカードはPiTaPa)なので、ここでは認めることになるのだが。