引っ越してきてから冬になると時差を感じる。
経度の差ゆえに体感と時間が食い違うんだ。
日本標準時はUTC+9、東経135度を基準に決めている。
なので東経135度線の通る神戸市なんかは、日本標準時と太陽の動きがよく一致することになる。
そこから東に離れると、標準時より太陽の動きが早くなってしまう。逆に西に離れると太陽の動きが遅くなってしまう。
ちょうど昨日は冬至だったが、神戸と東京で日の出・日の入りの時刻を比較するとこうなる。
神戸 : 日の出 7:02 日の入り 16:52
東京 : 日の出 6:47 日の入り 16:32
日の入りの時刻で見ると20分ほどの差がある。
ここには太陽が昇ってる時間の差もあるのだが、ほとんどが緯度差によるものである。
東京の緯度は139.7度ほどなので、135度との差は4.7度、15度変わると1時間変わるので、
確かに標準時に比べて20分ぐらいの差があるのだ。
この20分の差は意外と大きい。
神戸では冬至でも日の入りが16:52、それから30分ぐらいは明るいから17時20分ごろまでは明るいということだ。
これが東京だと日の入りが16:32だと、明るいのは17時ごろまでとなる。
今も昔も17時過ぎに帰路につくことは多いわけだけど、
この時間帯では東京ではすっかり暗くて、神戸ではまだ少し明るいというぐらいの差はある。
冬至という1日だけに着目してみたわけだが、秋から春にかけての日の出・日の入りの変化を列挙してみるとこうなる。
2016/10/01 神戸:出5:54 入17:44 東京:出5:36 入17:25
2016/11/01 神戸:出6:20 入17:06 東京:出6:03 入16:46
2016/12/01 神戸:出6:48 入16:49 東京:出6:32 入16:28
2017/01/01 神戸:出7:06 入16:59 東京:出6:51 入16:39
2017/02/01 神戸:出6:58 入17:28 東京:出6:41 入17:08
2017/03/01 神戸:出6:29 入17:55 東京:出6:11 入17:36
神戸では日の出が17時より早くなるのは11月上旬~1月上旬の2ヶ月間に限られる。
これが東京だと10月下旬~1月下旬の3ヶ月間となる。けっこうな差だよね。
ただし、標準時より早く太陽が動くというのは、日の出も早いということである。
東京では日の出が7時より遅くなることはないが、神戸では12月中旬~1月下旬の1ヶ月半ほどは日の出が7時より遅くなる。
大学院のときは家を6時半ぐらいにでてたけど、冬にはほとんど真っ暗な中で家を出ることがあった。
日の出も日の入りと同じく30分前ぐらいには明るくなりはじめるということだが、7時より日の出が遅いと6時半でも暗いということだ。
関東平野では6時半には年中通じてある程度明るくなっているということである。
時差がある分、東日本は早起きに向いた地域である。
そういえば高専時代に国際交流プログラムでシンガポールに行ったとき、朝に暗い中、朝食を食べてた覚えがある。
シンガポールの標準時はお隣のマレーシアと同じくUTC+8である。
UTC+8の基準は東経120度だが、シンガポールの経度は東経103.8度、なんと15度以上も西にズレているのだ。
本当ならUTC+7でちょうどいいのだが、マレーシア独立後はマレー半島がUTC+7.5(イギリス領時代から継承)、ボルネオ島がUTC+8と決めて、
後にキリがいいボルネオ島のUTC+8に統一したという経緯があるそうで。
隣接するタイやインドネシア西部(ジャワ島を含む)はUTC+7だし、ちょっと不思議なんだけどね。
交流の深い中国と時差がなくなるというメリットを取ったのかもしれない。
シンガポールのUTC+8に比べれば、関東平野のUTC+9は20分のズレだから大した話ではないのだが、
それでも長年の感覚とズレてしまうというのはけっこうきついのだ。
休日、昼ご飯を食べて、あれこれしてから14時半ほどに家を出ると、もう太陽が低いなと感じる。
なんて1日は短いんだと残念な気分になる。
早起きすればメリットはあるはずなのだが、日が落ちるのが早いからって早く寝ようということはないからな。
なかなかままならないものである。