こんなニュースを見て、ふとライブドアのことを思い出した。
Lineが2014年に東京証券取引所に上場との報道 (Yahoo!ニュース)
LINEは正式に決定した事実はないと発表しているし、実際のところはどうかわからないけど。
この前、Livedoorドメインでドメインの更新をしてたときに気付いたんだけど、Livedoorの運営者って今はLINE株式会社なんだよね。
当然のことながらかつてはライブドアという会社がLivedoorのサービスを行っていた。
このライブドアという会社は東京証券取引所のマザーズの市場に上場していたのだが、
2006年に有価証券報告書の虚偽記載の疑いで捜査が入ったときに株価が大暴落して、後に上層部が逮捕され上場廃止になった。
まぁこの事件自体かなり怪しい話ではあるんだけど、株価が暴落したことは紛れもない事実だ。
上場廃止になると ほふり が使えなくなるということで、大暴落した株式のために紙の株券を刷る必要が生じて、
そのことで株券を刷る会社だとかなんとか言われたものだ。
けどその後のライブドアがどうなったのか気付いてない人も多いのではないだろうか?
ライブドアはポータルサイト以外にも様々な事業を行っていたが、その事業の整理が行われた。
例えばライブドアの金融部門は独立して かざかフィナンシャルグループ となった。
それに合わせて ライブドア証券 が かざか証券 に改名されたりした。(ちなみに かざか証券は今はかざかフィナンシャルグループに属してないらしい)
そしてポータルサイト事業・ネットワーク事業を新しく設立した ライブドア株式会社 に分離して、
それまでのライブドアは ライブドアホールディングス に改名して持株会社となった。後にこの会社はLDHに改名されている。
それで事業の整理を進めてきたのだが、2010年にライブドア の株式を NHN Japan が買い取ることが決まった。
この時点でライブドアとLDHの関係は切れ、LDHはライブドアグループを整理するという役目を終えて解散することになった。
解散に当たっては株主に1株あたり1134円を配当したが、それ以前から順次配当が行われていたようで、
上場廃止直前には大暴落した株式もこうして整理してみるとけっこうな価値があったようだ。
こうやって眺めてみると、かつてのライブドアの株主にNHNが金を払ってライブドアを引き取ったってことになるわけだ。
NHN Japan という名前を言われてピンとくるだろうか?
この会社はかつて ハンゲームジャパン という会社で、韓国のNHN傘下の会社だった。
その名の通りHangameの日本での展開のために作られた会社だ。
これが改名されて NHN Japan という名前で長らくやってきた。
その傘下には NAVER を運営するネイバージャパンという会社もあった。
このNHN Japanという会社は2011年にLINEのサービスを開始して爆発的なヒットを起こした。
このLINEのサービスを基軸にNAVER・Livedoorのポータル事業も加えてWebサービス事業の拡大を進めていくために、
2013年にWebサービス事業は LINE株式会社、ゲーム事業は NHN PlayArt株式会社 に分離された。
両社はともに韓国のNHNの100%出資のはずで、兄弟会社にあたる。
LINEというサービスは日本で開発されたサービスであることは間違いないのだが、
さっきも書いたとおりNHN Japanという会社は韓国のNHNが100%出資する会社なので、日本の会社なのかというと微妙なところ。
とはいえ、日本のNHNの独自性を表すサービスであったことは間違いなくて、
それが新社名に LINE の名前が取り入れられた理由だろう。僕はあんまりいい名前とは思わないけどね。
名前が変わっても資本関係はこれまで通り韓国のNHNが100%出資のままなのだが、大きな決意の表れではあったようだ。
新会社LINE発足 会社分割に隠された深謀遠慮 (日本経済新聞)
いろいろ書かれているのだが、現時点では資本的には韓国のNHN傘下ではあるものの、LINEのことは日本でやるということを明示できたこと、
海外展開のためLINE PLUSという会社を作ったが、LINEが6割、韓国のNHNが4割を出資する合弁会社になっていること。
これはLINEが主導権をにぎりつつ、資金的に韓国のNHNに助けてもらおうという考えだ、ということらしい。
この時点ではLINEで自律的に資金調達するのはまだ先の話だとは書いてあるけれど、将来的な検討事項ではあったのだろう。
だからといって韓国のNHNから独立するわけではないだろうが、上場したらLINE自身の株主が付くことになるわけだ。
そうやって資本的にも少し独立した関係になることで、LINEはLINEのものになっていくのだろう。
かつてライブドアという会社は派手に事業を拡大してきた。
株式分割を繰り返して、当時の制度上の不備なんかもあって、株式市場では大暴れだった。
しかし、騒動をきっかけにしてライブドアは株式市場から追い出され、
拡大しすぎた事業を整理して、会社はなくなり、事業はLINEの中でややひっそり生き残っているばかりである。
けどそのLINEという会社はLINEのおかげで注目を浴びていて、今まさに株式市場への上場を検討しているのではないかと言われている。
不思議なこともあったものだ。