大和川線と淀川左岸線

阪神高速のWebサイトを見たら、大和川線がすでに開業していることに気付いた。

ただし三宅JCT~三宅西出入口の1区間だけですが。

阪神高速6号大和川線の三宅西出入口~三宅中区間が新しく開通しました (阪神高速道路)

そしてもう1つ、今度の5月に2号淀川左岸線の島屋出入口~海老江JCTが開通する。

淀川左岸線 (阪神高速道路)


こうして2つの路線が相次いで開通するわけだが、実は大和川線・淀川左岸線はともに大きなプロジェクトの一部をなしている。

そのプロジェクトというのが「大阪都市再生環状道路」というもの。

大阪都市再生環状道路 (近畿地方整備局)

大阪市の外側をぐるっと囲むような環状道路を作り、阪神高速1号環状線やそれに接続する路線の負担を軽減させようと。

その環状道路を構成するのが、近畿自動車道と阪神高速大和川線・湾岸線・淀川左岸線なんですね。

松原JCT~三宝JCT~北港JCT~門真JCT~松原JCT と取り囲もうという計画だ。

その中で新しく建設される道路が大和川線と淀川左岸線、それと松原JCTの改良も行われる。


たいそうな計画だが、実は淀川左岸線の豊崎出入口~門真JCTのルートは決まっていないので完全な環状道路が完成する見込はない。

実際のところは大阪都心から湾岸線への唯一のアクセス路となっている16号大阪港線の負荷軽減という意味合いが強いのかなと。

大阪から関空へのリムジンバスや淡路島・四国方面への高速バスに乗るといつも思うんだが、16号大阪港線の混雑はひどい。

天保山JCTまで来て湾岸線に入れば、そこからは非常にスムーズに走って行くのだけど、そこまでがどうしょうもなく遅い。

都心から湾岸線への車両が集中するのは致し方ない面もあるが、

郊外から湾岸線へのアクセスにもこの大阪港線をつかわざるを得ないことは多い。

そのような状況を解決するために大和川線と淀川左岸線は役立つ。


大和川線は松原JCTで接続する西名阪自動車道・阪和自動車道・近畿自動車道から湾岸線へのアクセスを担う。

これまで松原JCTは西名阪自動車道・阪和自動車道から14号松原線を介して大阪都心へ向かうときの玄関口となっていた。

松原線も混雑がひどいのでこの混雑緩和も期待されている。

とはいえ、これまで松原JCTで近畿自動車道と阪神高速を乗り継いで使うことは想定されていなかった。

そりゃそうだ。近畿自動車道から大阪都心なら東大阪JCTから13号東大阪線を使うからな。

しかし、大和川線が開業すると湾岸線へのアクセスにも松原JCTが使われることになる。

これまでは13号東大阪線~16号大阪港線を使っていた需要が大和川線に転換するということだ。

それに対応して近畿自動車道と阪神高速をつなぐランプウェイが増設された。


淀川左岸線の豊崎出入口~北港JCTの区間は、海老江JCTで接続する3号神戸線、豊崎出入口で接続する新御堂筋から湾岸線へのアクセスを担う。

これまで3号神戸線から湾岸線へのアクセスは悪く、波除出入口~中之島西出入口を一般道経由で乗り換える必要があった。

乗り継ぎマップ/3号神戸線中之島西出入口⇔16号大阪港線波除出入口

なんでそんなことをしないとならんのかというと、阿波座JCTが郊外同士をつなぐ機能を持ってないからだ。

今回、海老江JCT~北港JCTが開業するが、それに伴いこの乗り継ぎは廃止される。

さらに豊崎出入口まで伸び、新御堂筋と接続すると新大阪駅や北摂方面から湾岸線へのアクセスが改善されることになる。


湾岸線につながる路線が2路線も整備されることになったわけだが、

それもこれも湾岸線が大変重要な路線と思われているからこそのことだろうと思う。

湾岸線を南に突き進めばその先にあるのは関空だ。

神戸側の湾岸線はまだ完成していないが、最終的には垂水JCTにつながり、淡路島方面に直結することになる。

今でも3号神戸線のバイパスとして重要な路線だし、3号神戸線に乗り継いで淡路島方面へのアクセスに使われることも多いんだけどね。

そんな湾岸線への希望が込められた新路線なんじゃないかなと思っている。