教務主事の先生が持ってる授業を履修することにしたら、その1回目の授業は本題に入らず授業に関する説明だけだった。
そのときにこれまでの経歴について話してくれた。
興味深い話だったので書いておこうと思う。
高専の教員には高専出身の人も珍しくない。
実はこの先生も高専出身の人、しかもうちの高専である。
今教務主事をやっているということからもだいたい予想がつくが、卒業したのはかなり昔の話である。
卒業後、就職することとして、とある会社から内定をもらったようだ。
ところがちょうどこの頃オイルショックがあって、その影響で自宅待機になって、結局違う職場で働くことになったようだ。
それで思うような仕事ができなくてどうしようかなとおもったら、ちょうど高専で定年退職する教員の代わりに若い人が欲しいとなったので、
ここで会社を辞めて、高専に助手として戻ってきた。実に卒業の10ヶ月後の話だという。
その後ずっと高専で働いているのだから、高専にいなかったのは15歳までと10ヶ月だけというものすごいことになってる。
ただ、高専卒業だけで助手として働くことはできても、やはりその先のことも考えれば学士は欲しい。
そんなわけで夜間の大学に編入学して、3年かけて学士の学位を取得した。
そして長いことやってきていたのだが、博士の学位を取得するため大学院の社会人コースに入学して学位をとったようだ。
そしてちょうどその後に教授となり、教務主事となり現在に至る。
論文博士じゃなくて、課程博士というのにも驚いた。最近は課程博士に一本化しようかという話もあるようなので、その流れにはあってるか。
しかし、今となっては高専に限らず大学でも教員となるためには博士の学位を有することなんて条件があることも多い。
なんでこんな風にして高専に戻ってくることはきっとできない。
けど博士の学位をとって高専の教員となる人はいる。
実は僕の指導教員は高専出身なんですよ。しかもうちの高専出身で。
話を聞いてみるとだいたい2つのパターンがあるように思う。
1つは高専卒業後に豊橋技術科学大学・長岡技術科学大学に編入学してそのまま博士後期課程までいって博士の学位をとってきたパターン。
もう1つは高専専攻科修了後にどこかの大学院へ進学しそこで博士後期課程までいって博士の学位をとってきたパターン。
他にも考えられるが、この2つのパターンが多い気がする。
まぁそんないまの様子をみていると、学士も博士も高専に戻ってきてから取っているというのはなかなかないかなと思った。
なかなか学士や博士をとらせてくれる職場もないだろうが、職場が職場だけにね。
今ではむしろそういうものをすでに有している人を採用する傾向がある気はするが。
ただ学位を有しているだけではどうにもならんけど、それに伴い仕事ができそうでなけれはならんのだろうが。