「『ベラジョン無料版』のCMをよく見るね」という話があって、確かにテレビCMとして流れている。
では無料版があるのなら有料版はあるのか? それをベラジョンカジノという。
というわけで、外国のオンラインカジノの広告を公然とやっているのか?
と気になってアクセスして見たのだが、想像とはちょっと違った。
まず、ユーザー登録がないこと。このため、ベラジョンカジノにあるビデオスロットを遊べるだけである。
表示上、クレジットはあるのだが、アクセスするごとにリセットされる。
賭金を増やしたり溶かしたりする体験ができるという感じではない。
(もちろん1プレイでどれだけ増減するかという楽しみ方はできるけど)
あと、ベラジョンカジノとは運営者も違うらしい。ゆえに連動もしていない。
このことから、ベラジョン無料版の広告はオンラインゲームの宣伝でしかないというわけである。
なるほどなぁと思ったのだが、この広告がベラジョンカジノへの誘客を目論んでいることは明らかである。
でも、確かにベラジョン無料版のサイトを見る限りはベラジョンカジノへのリンクは見あたらない。
まぁGoogleでベラジョン無料版と検索すれば、それより上に広告としてベラジョンカジノへのリンクがあるんだが。
そのベラジョンカジノの広告にも「毎日楽しい無料ゲーム」なんて記載がある。
これは一定のクレジットが無償で提供されることを表している。
ただ、その条件には賭金を入金するという条件もあったりするんだけど。
当たり前ですが、日本では他の法令で認められた場合を除いて賭博行為は禁止されている。
他の法令で認められたものとしては、宝くじ・競馬・保険業などが知られている。
このような行為は外国の業者が日本にいる人に対して行う場合にも適用される。
宝くじも馬券も保険も日本国内の法令に則って運営されているところから買わないといけない。
というわけで、日本からオンラインカジノを利用することは、利用者側も賭博罪に問われる可能性はあるし(といっても利用者側ならせいぜい罰金刑で済みそうだが)、
運営業者は賭博場開張図利罪に問われる可能性はあるかもしれない。
ただ、賭博関係では外国で行われる行為について処罰の対象としていない。
日本から香港へ行った旅行者が、香港で馬券を購入することは特に問題にならない。
これは全ての行為が外国で行われているからである。
日本と外国にまたがって行われる賭博行為について、外国の業者を処罰できるかは、
法律上は可能かも知れないが、実務上は難しいというところらしい。
なにしろ外国業者は当地(ベラジョンカジノの場合はオランダ王国キュラソー政府)の許可を得ているわけだし、そこでは外国人相手の賭博も認めているわけだから。
ただ、日本と外国にまたがる賭博行為に関与している日本国内の関係者は明らかに処罰可能であって、ここを検挙して壊滅に持ち込みたいという考えはあるのではないか。
前にFC2で検挙されたニュースを紹介しましたけど、課題はお金のやり取りですね。
どうも日本国内での銀行振込による入出金が行われているようですね。
ゆえに入出金の手続きが早いという話らしいのだが、じゃあそこに関与しているのは誰なのかということである。
そういうところから足が付くんじゃないかと思うんですが、どうなんでしょう?
そのベラジョンカジノにしても、暗号資産(仮想通貨)による入出金に対応している。
そもそも暗号資産により賭博を行うことを前提としたオンラインカジノもある。
こうすると日本国内で暗号資産の売買を行えば済むわけだが、
それがオンラインカジノが関与したものであるかどうかはそう簡単にはわからないだろう。
現金で入出金できるものに比べればハードルが高いことは間違いないが、
暗号資産の利便性も高まっていることを考えれば、そこまで問題視されないのかもしれない。
ベラジョン無料版のCMを出すことが、ベラジョンカジノの営業活動を日本国内で行っていることそのものなのでは?
と思ったわけだけど、そういう解釈にはならないように工夫されてはいるんですね。
今回の記事を書くためにベラジョン無料版をカチカチと試しにプレイしてみたけど、
ゲーム自体は単調なビデオスロットばかりという感じだがね。
ただ、ベラジョンカジノとなると、ライブカジノということでディーラーと対面での賭博なんかも行われているそうである。
でもなんやかんや言っても、利用者のメインはビデオスロットなんでしょ? という感じはする。
オンラインカジノの普及に新型コロナウイルスが寄与した面はあるらしい。
これはパチンコ店の休業やあるいはそれを忌避する動きによるもので、
それ以前よりパチンコ・スロットの規制強化により、面白みに欠けるという話は出ていた。
このようにして客足が細ったパチンコ店は渋くなり、それにより客が遠ざかると。
そうして遠ざかったお金が公営競技に流れ込んで……というのならいいんですけど。
(これは法令で認められたものだし、売上金は地域社会に還元されることは明らかだし)
でも、少なからずオンラインカジノに流れ込んだ分はあるのが実情らしい。
パチンコ店の衰退がほぼ確定的な中で、オンラインカジノの健全化に取り組む方がよいのでは? という話もあるけど、どうでしょうね?
国内産業の発展という点では一理あるような気もするが、国内のオンラインカジノを入口にして外国のオンラインカジノへの流入を加速させる可能性はありそうだが。
従来は日本国内の宝くじ・スポーツくじ・競馬から興味を持って、外国の宝くじ・スポーツくじ・馬券を買うというのは難しかった。
しかし、インターネット時代になってやろうと思えばできるようになってきた。
JRAは凱旋門賞などの指定された外国のレースに日本からの遠征馬がいるなどの条件を満たしたとき、海外馬券の発売を行っている。
これはインターネットを介して外国の馬券を買おうとする行為の歯止めでもあると思う。
これにより、外国の競馬主催者、JRA、国の財政が多少潤っているはずである。
国内のオンラインカジノが外国のオンラインカジノへの歯止めになるか、誘引になるか?
でも、現状で外国のオンラインカジノに適切な対処が出来ていないことは問題だろう。
今後、具体的な検挙のニュースが流れることもあるんじゃないか?
それでも、いろいろ逃れながらやるところはあるだろうけどね。
それにしてもベラジョン無料版のCMはなんとかならんものか。
このサービス自体は形式的には問題はないとしても、広告の品位に関わる問題だと思うのだが。