急な話だなと思ったのだけど。
今年9月からワールドアスレティックスは女子選手への遺伝子検査を導入するとあり、
すなわち9月に東京で開催される世界陸上では適用される。
というわけで出場選手もおおかた決まっているであろう中で、
こういう検査が新規に導入されてトラブルにならないかとは気になる。
具体的にはSRY遺伝子が存在しないことを確認する検査で、
この遺伝子がある場合、男性の特徴が現れるとされている。
遺伝子的な性別確認としては典型的なものである。
この検査は世界ランキング対象大会で女子種目に出場する場合に必要となっている。
すなわちこの検査でNGとなると、世界ランキング対象大会の女子種目から排除されるということである。
対象外の大会への出場資格には影響しない。
世界陸上が対象なのは明らかとして、どのレベルが対象なのだろう。
【WRk対象競技会:ワールドランキングコンペティション】WAへの競技会申請について (JAAF)
高校生以上が出場する全国・地区レベルの大会は必ず対象となり、
都道府県レベルなどそれ以下でも手続きを行えば対象になりうる。
どこまで徹底して検査が行われるのかわからないけど、
アンチドーピングの「国内最高レベルの競技大会」より広い概念である。
(もちろんドーピングはそれ以外の大会でも禁止事項ではあるが)
過去にも女子競技への出場者には制約を課していて、
1つは「男性として思春期を経験したトランスジェンダー」は女子競技に出場できないというもの。
これは生物学的には明らかに男性なので、そこを明確にしたものと言える。
もう1つはテストステロンの値が高い場合で、これは投薬で下げることが求められている。
ただし、対象となる種目は400m~1600m走に限られている。
このため他の種目に転向するというのが大概のワークアラウンドである。
女子種目に出られなかった2選手、別種目で快走 物議醸す新規定 (朝日新聞デジタル)
投薬によるワークアラウンドは存在するが、24ヶ月以上にわたり値を下げる必要があり、
これに時間がかかるのも理由なのかもしれない。
高テストステロン者への対応が不十分だという話から発展して、
遺伝子検査の導入という方向に向かったのかなという気はする。
ただ、この遺伝子だけで男女の判別ができるという話でもない。
SRY遺伝子が検出されても、女性としての特徴を持つことはある。
決して男性ではないわけである。
もちろんこういう人が女性としては異常な能力を持つことはあるが、
そこの因果関係が立証されているのかはやや疑問もある。
この規定で排除される選手がどれぐらい出るのかはわからないけど。
遺伝子というのはそれ自体は変わることはないものである。
かといって男性ではないので、男子競技に出ればよいとはならない。
男女の別のない種目があればよいが、陸上競技ではほぼないのでは。
となれば、世界ランキング対象外の大会に出場するというのが、陸上競技を続ける道である可能性はある。
ところが都道府県レベルの大会ですら排除される可能性があると。
かなり重い話だと思いますけどね。
これに近い話じゃないのかなと思いましたが。
薬物容認大会「エンハンスト・ゲームズ」への参加を認めず 世界水連、日本水連も (産経新聞)
ドーピングをしてでも世界記録更新を狙う「エンハンスト・ゲームズ」、
参加したり、支持したりした選手、関係者は資格停止、すなわち選手・指導者から水泳界から追放されると。
陸上競技の話だと思ったけど水泳の話か。他の種目も同じだと思いますが。
女子選手という観点では、SRY遺伝子が検出されることとは、
エンハンスドゲームに参加することと同レベルの重罪と読んだ。