昨日、ロサンゼルスオリンピックの追加種目の話を書いたとき、
人数の多いチームスポーツで試合日程が詰められなくて……
という特徴に当てはまるオリンピック種目としてサッカーがあることに気づいた。
しかも男子はU23ということで世界チャンピオン決定戦とは言いがたい。
サッカー削れば、選手数も減らせて、会場確保もだいぶ楽になりそう。
と書いたけど、なんでこんなことになってるんだろうね。
この23歳以下という年齢制限は最初からあったものではない。
1992年のバルセロナオリンピックから導入されたものである。
それ以前は年齢制限はなかったのだが、別の制限があった。
それがプロ選手が出場できないという制限である。
昔はオリンピック憲章にアマチュア選手しか出られないと明記されていた。
オリンピックはアマチュアのチャンピオン決定戦だったという話を聞いたことはあったが、
競技によってはそれがオリンピックの大きな特色だった時代はある。
1988年からこの制約がなくなり、競技団体の判断でプロ選手出場の道が開けた。
1988年にすぐ認められて顔ぶれが大きく変わった競技には例えばテニスがある。
逆に近年まで参加できなかった種目がボクシングで2016年から解禁されたが、
現在も慎重な考えが多いようで、日本では現役のプロ選手の出場は認めていないとのこと。
オリンピックがプロ選手の出場を認めるようになったのは、
大会のレベルアップを図りたいという意図もあったかもしれないが、
当時、社会主義国では公務員として報酬を得ながら競技に専念できる選手がアマチュア選手として暴れ回ってた。
資本主義国ならば競技を行うことで報酬を得るプロ選手となるような選手が、
社会主義国では公務員として報酬を得るので、アマチュア選手と扱われて、
オリンピックに出場できてしまうというのは明らかにアンバランスだと。
で、この問題に対してサッカーではプロ解禁前にある対策をしていた。
それはワールドカップに出場した選手はオリンピックには出場できないという制限である。
プロ選手はワールドカップへ、アマチュア選手はオリンピックとすみ分けをしたいが、
社会主義国では全部アマチュア扱いになってしまうので、
ワールドカップに出る一流選手のオリンピック出場を阻止しようとしたと。
プロ選手の参加が可能になると、ワールドカップとオリンピックのすみ分けはなくなると思われたが、
FIFAはワールドカップのチャンピオン決定戦としての価値を維持するため、
オリンピックの出場資格に制限を付けることを求めて、
結果として23歳以下にオーバーエイジ枠を加えることができるとなった。
23歳以下というのは、ワールドカップとオリンピックのすみ分けが成立していた時代に、
オリンピックには比較的若手の選手が出場していたことにちなんだものらしい。
なお、1996年に導入された女子競技についてはこのようなことはなく、
当初からプロ・アマ不問、年齢不問のA代表での大会となっている。
FIFAにとって女子のワールドカップの価値が低かったがゆえではないか。
現在もその名残があるのがアジア大会の野球ではないか。
野球はオリンピックでは1992年から正式種目となったが当時はアマチュアのみ。
2000年からプロ選手の参加が可能になった。
日本は2000年はプロ・アマ混合のチームで挑んだが4位でメダルに届かず、
2004年からプロ選手で全て編成されるチームとなった。
一方でアジア大会についてはアマチュア選手の派遣が続いている。
制度上はプロ選手を派遣することも可能だが、プロの試合への影響を考えたとき、
従来通りのアマチュア選手の派遣を続けたほうがよいという判断があったのだと思う。
もし、アマチュアによる大会という背景がなければこうはならなかったのでは?
例えば、アジア大会の韓国チームはプロの若手選手によるチームで、
男子サッカーの年齢制限と発想としては似ていると言える。
夏に行われるオリンピックにチャンピオン決定戦を持ってくるのが適切か?
オリンピックがアマチュア選手に限られていた時代はまだしも、
プロ選手が参加するようになるとこの問題はより顕在化したのではないか。
FIFAの動機は男子ワールドカップの地位を維持するためだったが、
オリンピックでサッカーをやる意味を持たせる1つの方法だったのだろう。
そこまでしたのはオリンピックにとってサッカーは歴史と人気のある種目だったからということなのだろう。
野球はMLBからの選手派遣がなかったことが難点の1つとしてあった。
ロサンゼルスオリンピックではMLBからの選手派遣があるという話で、
もしかするとオリンピックへの野球の復権もあるのかもしれない。
フラッグフットボールについては、NFLからの選手派遣を見据えたものではないかと書いた。
プロ選手の参加を想定するならば参加できる環境を作らないと行けない。
そこにつながってくるんだなと理解することが出来た。