東京電力管内は特に電力需給が厳しいわけですが、そんな中でこういう話が。
北海道と首都圏結ぶ送電線、経産省きょう計画要請…日本海経由で最大200万キロ・ワット (読売新聞)
北海道から東京電力管内に直接的に電気を送る送電線を作るという計画である。
具体的には北海道~新潟県の日本海に海底送電線を引くということである。
新潟県は東北電力の営業エリアだが、東京電力は新潟県に柏崎刈羽原子力発電所を持っているため、営業エリアに向けた送電線を持っている。
おそらくここら辺で既存の送電線に接続するということではないかと思う。
容量として200万kWというのが示されているが、
現状、津軽海峡を挟んで北海道・本州を結ぶ直流送電線(北本連系)の容量が90万kWである。
これは1979年運用開始の設備(下北半島経由)が60万kW、2019年運用開始の青函トンネルに送電線を敷設した施設が30万kWである。
後者については2027年度までに30万kW増強し、60万kWとする計画がある。
これが実現すると北海道~東北で120万kWになるが、それより大容量の構想なんですね。
日本では交流送電線にループを作らないようにしてきた。
60Hz地域では中部~関西、北陸~関西、関西~中国、中国~四国、中国~九州について交流での接続がある。
本州~四国は瀬戸大橋経由、中国~九州は関門海峡(早鞆の瀬戸)上空を通っている。
しかし、これ以外にも営業エリアが隣接した会社というのは存在する。
これは直流送電の出番ということで、関西~四国(紀伊水道直流連系)と中部~北陸(南福光連系所)という60Hz地域同士を結ぶ直流送電がある。
紀伊水道直流連系が直流送電なのは海底を通るという事情もある。
容量140万kWと実は本州~北海道よりも容量が大きいという。
四国と大需要地の関西を直接結んでいることによる恩恵は大きいのだと思う。
一方で後者については交流ループを許容して廃止するという計画があるらしい。
送配電事業者間の連携による一層の効率化に向けた取り組み(設備形成の最適化)の進捗について (中部電力)
すでに会社内、あるいは2ルートで接続された関西~中国の間などではループが存在するらしく、設備の改良で中部~北陸~関西~中部のループにも対応できる見込みらしい。
やはり北海道電力管内にとっては、電力の出口が増えるということは大きな意義だと思う。
特に北海道・東北管内では風力発電の導入が拡大する見込みがある。
その出口がないのは困るということである。
逆に北海道に電力を送るという需要もないとは言えなくて、
2018年の北海道胆振東部地震で大規模停電が発生しましたが、あれは北海道内の限られた発電所がまとめて停止したことによる。
こういうときに本州側の発電所で北海道側の電力供給を補完するという機能も期待できるはず。
ただし、海底送電線の敷設、変換設備の建設には時間を要する。
当面はすでに設備のある北本連系の増強や、既存の交流送電線の増強で対応するという。
あと、60Hz地域と50Hz地域の周波数変換所(これも直流送電の一種である)も、
現状が210万kWなのを300万kWに増強する計画がある。
というか2021年に信濃飛騨周波数変換設備(90万kW)ができたのも、この増強構想の一環である。
残り90万kWの増強は既存の変換設備の増強で2027年度までに対応する予定である。
再生可能エネルギーの導入拡大で、50Hz地域は特に長距離送電が重要になるのは明白でこれが大変だと。
50Hz地域は関東圏に需要が極めて集中している。
水力(これは今さらだが)あるいは太陽光・風力の適地は全く異なるところにある。
60Hz地域は需要地はそこそこ分散してるんですがね。
コストはかかるが省資源のためにやるべきことであるということである。
しかし60Hz地域でもこういう話はあるんかな?
いろいろ調べたが九州~四国間の連系線というのは見たが。
これは既存の紀淡海峡で四国~関西を結ぶルートと合わせて九州からの出口を拡大するという話なんだろうか。
火力発電への依存が大きいとか、逆に再生可能エネルギーの受入制限が顕在化している沖縄・奄美方面との海底送電線はなかなか見合わないのかなぁ。
さすがに距離が全然違いますよね。