ヒグマの動物園

登別温泉に宿泊したのは、この旅行最後の目的地がのぼりべつクマ牧場だったからである。

この牧場というのはロープウェイで登った先にある。

というかロープウェイはクマ牧場への往来専用で、ロープウェイの入口にもクマ牧場としか書いてない。

直前に気づいたがWebで購入すると1割引なんですね。2550円が2400円になる。

まぁ動物園というよりはロープウェイの値段だな。それはそれでいいんじゃないか。


名前からわかる通り、エゾヒグマの展示を主とした動物園である。

ロープウェイ開業はなかったが翌年には開業したようだ。

当初は展望だけを目的としたロープウェイだったが、早々にクマ牧場の玄関口としてのロープウェイになったわけである。

ヒグマの展示場所は大きく3つに分かれ、オス・メス・子グマに分かれている。

子グマは今年1月に生まれて半年ほど、それでもけっこう大きい。

もちろん大人のヒグマはものすごく大きい。特にオスはすさまじい迫力である。

オスのヒグマを展示している第1牧場の中には「ヒトのオリ」という施設がある。

放牧場の中にガラス張りの建物があって、そこに入ってヒグマを観察できる。

オリというが改築によりガラス張りになったので、言うほどオリっぽくはないが。

中から餌やりをして観察することも出来て、他の人がやっているのをみたら、ガラスにかじりつくかのようなクマの顔や手を観察できる。


ところでここまで北海道を巡ってきて、アイヌ文化を見聞きする機会もあったが、

アイヌにとってヒグマというのは特別な生き物である。

そんなこともあってか牧場内にはアイヌのコタン(集落)を再現してあったが、

そこには子グマを飼育するための「ヘペレセッ」という檻も再現されていた。

クマを捕らえて肉や皮を使い、それを葬る儀式をするというのはまぁわかる話だが、

実はその中で母グマを殺して使い、子グマはしばらく飼育して、2歳ぐらいで殺して儀式をするということをやっていて、それを「イオマンテ」と言っていたらしい。

山の神であるヒグマを村に迎えておもてなしするという体裁ではあるのだが……


ロープウェイで上がってきてすぐに「クマ山ステージ」というのがあって、

ここで「クマのアスレチック」というクマがエサを取る技を見せてくれる。

例えば木の切り株をほじくって虫を捕るようにエサを取ったり、ぶら下がってるヒモに挟まったリンゴを取って食べたり……

これはこれで面白いけど、なんかちょっと違和感があるなと。

展望台の建物の中にある「ヒグマ博物館」のクマ牧場の歴史を見ると、

かつてはここでクマのショーをやっていたらしい。でもやめたんですね。

これはまさに動物園の役割が変わっていく様を表していて、クマの本来の能力をうまく見せる方向に転換した結果が「クマのアスレチック」だったらしい。

園内のヒグマでも人は不用意に近づけないので、人は柵越しでクマ任せ。

展示に「ヤリ型注射器」というのがあったが、麻酔をかけずに投薬するときは、柵越しにこれでおしりを突いてやるらしい。なかなかですね。


このヒグマ博物館はパネルの内容が古いところが多数あり、

「昭和を感じる」ということで所々追記されていた。今はジャイアントパンダもクマ科だよとか。

この中ではアイヌとヒグマという話があり、ヒグマを解体してどうやって使っていたか、特にヒグマの料理ですよね。いろいろあったけどなかなか……

あとはヒグマの生息域ですが、かつては農地化・都市化でヒグマの生息域が狭まっていると思っていたが、

これも「昭和を感じる」ということで、今は北海道ならどこでもいるぞと。

当時はヒグマの行動が十分追えてなかったというのが実情らしい。

人とヒグマの関係について考えさせられる機会も増えているが、

これは明治時代に農地化を進めたときからずっとそうなんですよね。

よき距離感で付き合っていきたいものだが。


展望台からはクッタラ湖が見える。まん丸だがカルデラ湖らしい。

来たときは海の方は曇ってたが、帰るときにはそこそこ見えるようになっていた。

室蘭が出っ張ってるなぁというのがまず印象的である。


ということでここから苫小牧まで列車で移動。

この距離でも特急使えるのは楽だわ。

苫小牧に来たということは、船で帰ると言うことだね。大洗行きですね。

大洗に到着してから茨城県内を観光することも考えたが、色々都合が合わず、直帰ということで。

それなら飛行機でもよかったんじゃない? という気はするけど。

まぁでも、さんふらわあ就航50周年記念の割引運賃で安いしいいかと。