コンビニのセルフレジといえばファミリーマートである。
ファミリーマートは駅構内の店舗が比較的多かったことがセルフレジ普及のきっかけだったのでは?
JR東日本のコンビニ、NewDaysがセルフレジを多くの店舗に置いているのもそうだけど。(そっちの方が普及は早かった)
路面店にも多く導入するようになったのはまずファミリーマートで、今は多くの店舗に置かれるようになりましたね。
ただし、立地上の特徴を考慮しての導入とも見られ、大半の店舗にあるとまでは言えないが。
これを追うように普及が進んできたのがローソンで、最近は網羅的にセルフレジを入れている印象。
ローソンのセルフレジはご存じの方もいると思うが、一般のレジをベースとしたもの。
ローソンのレジは客向きに大型ディスプレイがあって、これをセルフレジの操作画面にしてるんですね。
既存のレジを転用することもできるので、その点では導入しやすかったのかも知れない。
ただ、これがローソンのセルフレジの大きな弱点だなと。
多くのスーパーに導入されているセルフレジも、ファミリーマートやNewDaysに導入されているセルフレジも、
商品を読取り部の前にかざす方式が基本で、ハンディスキャナはないか、あったとしても補助的なものである。
ところが、ローソンのセルフレジはハンディスキャナしかないので、ここが煩わしい。
もう1つがセルフレジの設置場所で、有人レジと並びで設置されていることが多い。
実はファミリーマートだとセルフレジは有人レジとは離して設置されることが多い。
これにより従来のレジの配置にとらわれずレジが増設でき、有人レジと導線を分けることで混雑緩和を図っていたりする。
このあたりは両社のセルフレジの考え方の違いなのかなと。
ファミリーマートはセルフレジはピーク時の混雑緩和を重視して導入しており、
セルフレジは既存のレジの置き換えではなく純増分として導入されることが多いように見える。
従来のレジの配置にとらわれない配置というのは、従来のレジの並びにセルフレジを増設するスペースがないからとも言える。
一方のローソンのセルフレジは、人手が少ない時間帯に使うことを想定しており、
夜間にレジ対応できる店員が1名であっても、セルフレジが動いていれば客を待たせずに済むということである。
逆に言えば、客が集中する時間帯はセルフレジをやめて有人レジにするのも選択肢である。
実は今日、ローソンで買い物したのだが、セルフレジ1台と有人レジ1台の店で、有人レジには店員がおらず、
どうしても有人レジで精算する必要があったので、ベルで店員を呼び出して対応してもらった。
ただ、このような場合でもセルフレジで対応できれば店員は呼ばなくてよかったのである。
ローソンは無人コンビニ指向なのかな? 昔からローソンは無人コンビニの構想を言ってるもんね。
ということでファミリーマートのセルフレジほどのメリットはないなと。
この辺はファミリーマートのセルフレジの完成度の高さを感じましたね。
初導入が2015年11月だそうだから、4年半ほどの積み重ねですね。
コンパクトで多く設置できる割には、不便さを感じることはあまりないし。
ローソンのセルフレジは客にとってのメリットというよりは、経営的なメリットを追求したのかと思ったが。
ところで、ここでもう1つの大手チェーン、セブンイレブンのことが出てこなかったが、
一部の実験的店舗には、既存のレジを改造したようなセルフレジがあるらしいが、
まだ多くの店舗に導入する段階ではないようである。
多分、セブンイレブンにとってはセルフレジを導入するメリットがつかみ切れていないんだろうな。
ファミリーマートとローソンにはそれぞれセルフレジに期待するところが明確にあるように見える。
ただし、両社の目指すところは違うため、実際に導入されたレジは異なるほどである。
セブンイレブンがセルフレジはいらないという決断をするのも、それはそれで正しいと思うので。
店の価値を高めるセルフレジという点ではファミリーマートの一人勝ちだと思いますね。
混雑してる店でも、セルフレジがあるファミリーマートならそんなに待たされないだろうという期待はできる。
ローソンのセルフレジは客にとってのメリットは薄いので、どうやって手に取ってもらうかに課題があるが、
今はキャンペーンをしてPontaポイントの割増をしているので、ここで定着を図ろうということだと思う。
客が慣れてくれれば、単純にレジの店員が減らせるので、経営的なメリットは出てくるんだと思う。
それは結果として客に還元されるという見方もできる。果たしてどうなるかなという感じだけど。