関空が明日に旅客ターミナルが全面再開となる。
貨物関係もある程度復旧してきたようで貨物便もほぼ再開になるよう。(今日時点で半分程度は再開している)
鉄道は予想よりも早く修復できたということで、すでに再開している。
一方で、連絡橋の完全復旧には橋桁を全く新しく作る必要があるということで、半年はかかるとのこと。
そこまでは自家用車の規制は続くだろうが、明日からタクシーは全てOKに規制が緩和されるようだ。
基幹空港で半月も機能不全が続いたのは異常事態だが、よく乗りきったなとは思う。
関空自身も段階的な再開に向けて、空港設備だけではなく、アクセス手段の回復を進めてきたのもあるけど、
なによりもセントレアの活躍によるところが大きいのではないだろうかと。
国内線は主に伊丹空港で肩代わりしたが、国際線はそうもいかない。
日本国内で関空の国際線を肩代わりできるのは成田空港かセントレアしかないだろう。
当然、成田も活躍していたが(特に貨物は多く肩代わりしており、その影響で貨物が滞っているらしい)、
目に見えて影響が出ていたのがセントレアで、機材の大型化、臨時便の設定が目立った。
本当にセントレアがあってよかったねという話で、というのもそれ以前の名古屋空港では難しかっただろうから。
というのも、かつての名古屋空港は国際線の基幹空港という扱いではなく、国際線の受入体制は十分ではなかった。
とはいえ、拡張余地も乏しく、それで常滑沖を埋め立ててセントレアを作ったという経緯がある。
セントレアは成田・関空に次ぐ国際線基幹空港に位置づけられ、就航便数も増えた。
セントレア開港直前の名古屋空港の国際線が週225便(うち貨物5便)、現在は週354便(うち貨物25便)となっている。
他の基幹空港は成田が週1915便、関空が週1366便だから、これと比べるとはるかに少ないけどね。特に長距離便が少ない。
ただ、セントレアって全体的にケチな作りなんだよね。
関空とセントレアの最大の差は1本目の滑走路の場所で、関空は陸側、セントレアは海側にある。
関空は当初からオープンパラレルの滑走路2本(+横風用1本)の計画だったので、2本の滑走路がターミナルビルをはさむようにしたかった。
そのためには1本目の滑走路は海側に作る必要があり、それでも騒音を抑えたいから、空港島全体を5kmも陸から離す必要があった。
一方、セントレアは滑走路2本にするにしても、クロースパラレルしか想定していない。(cf. 狭いが滑走路が増やせないわけでもない)
その代わり、空港島は陸から1.5km沖合で済んでいる。拡張に制約はかかるが、埋め立て費用の削減には効果があった。
ターミナルビルも窮屈で、関空では今のところ、ジェットスターの一部便を除いてはバス搭乗はほとんどないが、
セントレアはピーク時間帯を中心にバス搭乗の便があり、当初のバスゲートでは狭いからと増設工事をしたほど。
関空の肩代わりをするにあたっても、普段から混み合うチェックインがさらに混雑しており、朝早い便の人以外はあんまり早く来るなと呼びかけていた。
とはいえ、セントレアがケチな作りだと言っても、設備面での余裕が残されているのも確かで、
なにより、普段から乗り入れている航空会社が多かったのがよかった。
今、飛んでいる便を大型化するだけでも効果はあったし、もともと就航していれば増便も比較的容易だ。
関西から陸路での移動も比較的容易で(それでも混乱はあったようだが)、とても活躍してくれた。
成田発着に振り替えたところで、こちらは連絡便を飛ばさないと大変ですからね。
JALが伊丹から成田、後に関空から成田への連絡便を飛ばしていて、これを利用した人も多かったとは思うけど。
今回、伊丹空港と神戸空港の地元に関空の国際線を含めて肩代わりできないかという打診があったようだ。
すでに伊丹空港は国内線の肩代わりを行っていたが、12日に国際線も受入可と回答したようだ。
神戸空港は運用時間の拡大と国際線の受入が可と回答している。
とはいえ、12日時点では14日からの第1ターミナル部分再開が発表されていたし、第2ターミナルのみとはいえバス輸送も概ね順調だった。
さらに、13日には21日に全面再開するという発表もあり、鉄道も21日再開の見込み(実際は18日に再開)という状況。
これだと伊丹・神戸への国際線振替をやる意味はないだろうと思っていたし、実際行われることはなかった。
せっかく空港があるのだから、国際線も含めて肩代わりできないかという発想はおかしくないけど、
両空港とも国際線の設備は常設しておらず、仮設しようにもそんなに余裕があるわけでもない。
航空会社側の準備にも時間がかかるでしょうし、よっぽど長引くのでなければ意味はなかっただろう。
両空港の地元に打診した時点では、全面再開にはかなりの時間がかかるかもしれないと思ったんだろうし、
確かに数ヶ月と機能不全が続くのなら、少しでも両空港で国際線の肩代わりができることに意味はあったかもしれない。
でも、それでもセントレアと成田空港で持ちこたえるという選択をした可能性はあるけど。
こういう緊急時に神戸空港や伊丹空港に国際線の設備があれば役に立つかなと思ったけど、
伊丹空港は騒音問題もあるし、国内線専用として設備の充実を図ってきたので(旧国際線ターミナルは全て国内線に転用して、さらに増築中)、今さら無理だろう。
神戸空港の方が可能性はありそうだが、今のターミナルは窮屈なので、余っている土地に新ターミナルを建てるとかしないといけない。
もっとも、神戸空港は発着枠拡大などの検討が進んでいるのでターミナル増築はありえない話でもないが。
ただ、そうやって用意してもごく小規模な施設になるだろうし、セントレアほど即応性があるとは思えないし、ちょっと怪しいですね。
連絡橋のこともあるし、暫定対策で復旧したところの恒久対策もやらないといけないし、高潮対策の強化も求められるだろうし、
まだまだやるべきことはたくさん残っているだろうけど、とりあえず一段落ですかね。
関西での台風の被害は完全に復旧しきったわけでもないが、観光への問題はあまりないはず。
というわけで、空港が完全再開すれば、国内外からの観光客も順次戻って来られるはずだが。