とある機器で、接続するスイッチに対して、直列に素子A、並列に素子Bを接続すると、
そのスイッチまでの配線異常が発見できる機能がある。
確かにそれで動くんだけど、素子Aと素子Bってなんだよって。
スイッチに並列に接続する素子Bは、これはただの抵抗。
この抵抗があることで、スイッチがOFFのときも、オープンではなく、一定の抵抗値に見えるようにしていると。
もしもスイッチまでの配線が断線したら、オープンに見えるから、スイッチOFFとオープンを見分けられると。
一方の素子A、こっちは+と-を示すマークが入っているから、抵抗ではないらしい。
気になって詳しい人に聞いたら、ツェナーダイオードだとのこと。
これを挟むことで、スイッチに電流が流れると、素子Bで5V程度の電圧降下があるので、スイッチをONにしても電圧が見えると。
もしもスイッチまでの配線が短絡したら、0Vに見えるから、スイッチONとショートが見分けられるわけ。
ツェナーダイオードは定電圧ダイオードとも呼ばれるが、一定の電圧を得るために使われる。
ただし、普通のダイオードとは使い方が大きく異なる。
普通のダイオードは電流を一方向だけに流すという目的で使われ、アノードが+、カソードが-になるように接続する。
電流を流しているときの順方向電圧降下は材料によるが、シリコンだと0.6Vぐらいになる。
でもツェナーダイオードは通常はカソードを+、アノードを-にして使われるんだよね。
というのも、ツェナーダイオードは逆電圧をかけて電流が流れ出す電圧が一定になるダイオードだから。
普通のダイオードと同様にアノードを+、カソードを-にすると、普通に順方向電圧降下が見えるだけなので。
だから回路図で見るとこんなんなんだよね。
ツェナーDiを用いた定電圧回路。最大電力、安定抵抗、最大電流等の計算 (無線工学の基礎)
ダイオードの回路図記号って矢印に棒を付けた形で、その記号から受けるイメージの通り矢印の向きに電流を流す意図で使う。
でも、ツェナーダイオードは逆電流を流したときの電圧降下が一定になることに期待する素子なので、
通常電流が流れる向きと矢印の向きは逆になるんだよね。
電気電子分野の技術者にとっては当たり前のことなんだけど、なんで矢印と逆向きなんだよと思う人もいるかも。
常時電流を流すという用途で見ると矢印の向きがおかしいって話になるんだけど、
いざというときに電流を逃がすという目的で使われるツェナーダイオードもある。
信号ラインとGNDの間にツェナーダイオードを入れてある回路図がある。
信号ラインの電圧が通常動作時の電圧レベル(例えば3.3V)がかかってもツェナーダイオードに電流は流れない。
ところが過電圧が印加されると、そのツェナーダイオードに電流が逃げて、ICに過電圧がかかることを避けられると。
そのまま過電圧が印加され続けるとツェナーダイオードは燃えちゃうんだけど、
ここで想定してるのは静電気のようなごく短時間の現象なので、ツェナーダイオードをGNDとの間に入れることで過電圧から保護できるわけだ。
いざというときには期待しているのは矢印と逆向きに電流を流すことだけど、普段は流れないので。
回路図上の見た目がおもしろいだけで、あとはそんなにおもしろい話はないんですけどね。
あとは、マルチメーターで極性を調べるときは、普通のダイオードとして極性・順方向電圧降下を調べるしかないということぐらいかな。
ツェナーダイオードとしては+側をマルチメーターの-側で当たることになる。
意味がわかっていればどうってことはないでしょうけど。