今朝のニュースでも話題になってたけど、スイスのゴッタルドベーストンネルがやっと開通したそうで。
青函トンネルより長い、世界最長のトンネルができるのだということは以前より言われていたが、
着工から17年という歳月をかけてやっと開通したのだという。
このトンネルはアルプス山脈をこれまでに比べて低いところで越える鉄道トンネルで、
標高2106mのゴッタルド峠に対して、標高549m~312mのところにトンネルを作ったのだという。
従来、このルートには標高1100mほどのところに全長15kmのトンネルがあった。
これに対してゴッタルドベーストンネルは全長57kmと標高が低い分、山の中をくりぬいて進む距離も増えている。
このトンネルができたことでボトルネックとなっていた前後の山登り区間を減らすことができる。
青函トンネルというと、北海道新幹線の旅客列車も走っているが、どちらかというとメインは貨物列車だと言われている。
本州~北海道間の貨物輸送手段としては飛行機、フェリー・RO-RO船、そして青函トンネル経由の鉄道貨物が考えられる。
スピードだけ考えると船も悪くないのだが、天候に左右される部分もあり、安定性という点ではやや難がある。
それに対して青函トンネル経由の鉄道貨物は本州~北海道の輸送手段としては特に安定していると評判である。
一方の旅客輸送だが、本州~北海道だと飛行機が便利な区間が多いのが実情だ。北海道新幹線開通で少しずつ変わりそうだけどね。
実はゴッタルドベーストンネルのメインの目的は貨物輸送とされている。
山登り区間が減ることで貨物列車の輸送力を増大することができる。
これほどの苦労をしてトンネルを掘ったことの意義はそこにある。
こうして鉄道貨物の利便性を高めることで、トラックから鉄道貨物への転換を図り、
結果としてアルプスの自然環境を改善することを目的としている。これがこのプロジェクトの真意だ。
もちろん旅客列車にもメリットはあって、イタリア~ドイツあたりの移動が便利になるとのこと。
青函トンネルは1988年に開通して以来、28年間にわたり世界最長であり続けたわけだが、
さすがにこれだけの期間が経過すればトンネルの施工技術にも磨きがかかっているはず、と思うところである。
まず工期はどうなったか。
青函トンネルは1961年に建設開始、1964年に試掘開始、1971年から本格着工し、1985年貫通、1988年開通となっている。
青函トンネル掘るぞーと言い始めてから、本格的に掘り始めるまで10年、そこから開通するまで16年かかってる。
一方のゴッタルドベーストンネル、1993年に試掘開始、2003年から本格着工し、2010年貫通、2016年開通ということで、
試掘開始から本格的に掘り始めるまで10年、本格的に掘り始めてから開通までは13年ということで、青函トンネルと同じぐらいかな。
もう1つ、工事中の死者も比べてみた。
かつてはトンネル工事といえば残念ながら作業中に亡くなられる方も多かった。
現在はだいぶ安全に作業できるようになってきた印象はあるが、これほどの大プロジェクトだとどうなんだろうか。
青函トンネルは工事中に34人の死者を出している。
一方のゴッタルドベーストンネル、こちらは工事中に9人の死者を出している。
やはりこれほどの長大トンネルの工事はかなり過酷なようで、工事中にいろいろな事故が起きていたそうだ。
着実に減ってはいるが、ゼロにはなかなかならないというのが実情のようだ。
今の時代もこれだけの長さのトンネルを掘るのはすごく大変ということが読み取れる。
それでももっとも昔ならただの夢物語だったのが、今は現実のものになっているのだから、
それだけでも大したものなんでしょうけどね。