こんなニュースを発見した。
乗降客半減で金沢市内の路線バスが廃止…かつて金沢・名古屋を結んだ名金線も運行体系見直し (Yahoo!ニュース)
西日本JRバスは金沢周辺で一般路線バスを運行している。
昔から名金線とその支線の運行を行っていたことに由来するのだが、
その名金線の森本駅~不動寺間が廃止、現在の名金線の運行区間で残るのは金沢駅~香林坊~森本駅だけとなるが、
「名称の変更も含めて、運行体系の見直しを検討したい」と書かれている。
名金線というのは名古屋と金沢を結ぶ路線ということで命名された。
ルートは 名古屋~岐阜~郡上八幡~美濃白鳥~ひるがの高原~荻町~城端~福光~金沢というルートだった。
現在は一宮~福光では東海北陸自動車道が通っているルートである。
当時は高速道路もなかった時代、ひたすら一般道を走っていた。
なお、ひるがの高原~荻町(白川郷)のルートは高速道路とは大きく異なり、
これは東海北陸道は高山方面への接続を意図して飛騨清見ICを経由するのに対し、
名金線のバスルートは国道156号線経由のルートで直行している。他にもいろいろ差異はありますけどね。
名金線が1本につながったのは1966年とのこと。当時は長距離バスもいろいろあったと。
ただ、1979年には福光~白川郷の国鉄バスによる運行が廃止されて分断。
(城端~白川郷の間は加越能バスが世界遺産バスとして現在も運行している)
岐阜県側については2002年までJR東海バスにより運行されていたが廃止。
一部は岐阜バスなどの路線として残っているが、ひるがの高原~白川郷のように途切れた区間もある。
高速バスとしては名古屋~白川郷とかありますけどね。
一方の金沢側だが、金沢~福光でのJRバスの運行は2022年で廃止となっている。
背景には2015年に加越能バスが南砺金沢線の運行を開始したことにある。
金沢~南砺市の間のショートカットルートとしての意味合いのあるバスで、
JRバスとはルートの違いもあり、所要時間がだいぶ短いらしい。
福光~金沢間では、北陸新幹線の開業に合わせて加越能バスの南砺金沢線が開業しました。JRバス名金線は国道359号を経由するのに対して、こちらは県道金沢井波線を走り、JRバスで73分だった福光駅~金沢駅間を55分に短縮。
名金線は金沢~南砺市の都市間移動には有益とは言えない路線になってしまい、
結果として石川県側の一部のみを残したわけだが、あまり効果的とは言えなかったのだろう。
もっとも西日本JRバスの金沢周辺の路線をやめるという話ではないと思われる。
名金線の本線はほぼなくなったわけだが、支線はいろいろある。
特に知られているのが ひがし茶屋街ライナー(金沢駅→香林坊→東山→金沢駅)である。
名金線の香林坊経由のメインルートと、尾張町経由のショートカットルートをくっつけて、
観光客の利用が多く見込まれる区間を集中的に走るルートである。
北陸鉄道バスは基本的にICaという専用のICカードか現金でしか利用できないが、
JRバスはPiTaPa(相互利用でICOCA他も利用可)を導入しているため観光客にも利用しやすい。
実はこういう話は京都でもあって、それが高雄京北線である。
こちらはもともと京都駅と鶴ヶ岡(南丹市美山町)を結んでいた京鶴線に由来する。
鶴ヶ岡から先、小浜までつないで京都~小浜を結んでいた時代もある。
そのような鉄道路線の構想があったから国鉄バスが走らせていたと。
これは結局実現しなかったと思われているが、実は北陸新幹線の京都~小浜のルートはほぼこれである。
それはさておき、この路線も1994年に美山町から撤退している。
京北町内の支線は町営バス(当時: 京都市合併後の現在は京北ふれあいバス)に移管、
JRバスは京都駅~周山の幹線の運行を行い、路線名は高雄京北線となった。
京都市バスの1日乗車券・ICOCA定期券でも利用できるということで、
高雄などへの観光客の利用、立命館大学への通学利用というのが目立つ路線である。
当初の目的はほとんど失ったがJRバスの路線として存続している一例である。
かつての国鉄バスの長距離バスが本来の目的で残っているところはほとんどないな。
高速バスになって現在も存続しているというならよい方だが、それすら案外ないものである。
若江線(近江今津駅~小浜駅)みたいな忠実に残っている例もあるにはあるし、
防長線(防府駅~東萩駅)が新山口駅発着に付け替えられた スーパーはぎ号 は萩へのメインルートである。
(防長線自体は現在も存続しているが、山口市内で系統が分かれて直通していない)
事業規模が小さな営業所は地域のバス会社に移管して閉鎖されることも多い中、
本来の意義を失ってもJRバスが残れるというのは、それなりの事業規模があるからこそである。