こんなニュースが出ていた。
電報サービス「終了させる方向で議論を」NTT社長 (NHK)
NTTとしては将来的に電報サービスを畳みたいと考えているという話。
ただし、電報は電気通信事業法に定める手続きが必要であり、今すぐにというわけではない。
ところで、電報は2022年に料金制度を大きく見直している。
従来は一般電報と慶弔電報で料金が異なったのだが一本化された。
慶弔電報は1.5倍だったのだが、こちらを選ばないと台紙が選べない仕組みになっている。
一般電報は単純に急ぎの連絡手段なのだが、近年はこの用途で電報を使う人はほとんどいなかったとみられる。
漢字電報・かな電報の区分により、5文字単位で料金が変わるという料金体系を、
漢字電報に一本化し、1ページ(300字)までを定額とすることになった。
これにより慶弔電報の典型的なケースでは安くなることが多いようだ。
急ぎの連絡手段という点では、2017年に緊急定文電報の夜間配達を廃止した。
当時は電報の当日配達締め切りは19時だったが、それ以降でも緊急定文電報で2000円の特別料金を払えば当日中、あるいは翌朝までに配達してくれた。
さらに2022年の料金改定と同時に当日配達の締め切りが14時に繰り上げられた。
急ぎの連絡手段としての有用性はかなり薄れたのが実情である。
今の電報の用途ってそれでだいたいカバーできるよねって話なんだろう。
この結果、現在は急ぎの連絡手段としてはレタックスの方が有用なようである。
レタックスは配達する郵便局までファックスで送信して、そこから速達扱いで配達する郵便サービスの1つである。
当日配達の締め切りは15:30ということで、元々は電報に対して劣っていたが、
現在はむしろこちらの方が遅くまで受け付けているわけである。
レタックスの特徴としては文字に限らず伝達可能というのがある。
値段も604円(郵便局から発送)・524円(Webから申込み)と、速達と比べて倍も高くはない。
慶弔用途で使われることも多いが、一般的な連絡用途としてもそれなりに使われているとみられ、
Web申込もWebレタックスとWeb速達の2サービスがあって、
後者もレタックスではあるが連絡用の文書に特化したサービスである。
レタックスは末端の配達体系は速達と同じですから、レタックスのためだけにやっているわけではない。
一方の電報は電報のためだけの配達体系を構築しなければならない。
昔はそれが重要だったからやっていたけど、急ぎの連絡手段としての電報の意義が薄れると割に合わない。
件数が減る中でレタックスの方がサスティナビリティが高いのは明らかだろう。
もっとも電報が急ぎの連絡手段としてもはや役目を果たしていないのは、昔からNTTも認識していたことで、
多彩な台紙を用意するなどして、特別なメッセージのニーズに応えているところである。
この部分ではレタックスは全くかなわないところはある。
ただ、こういうサービスが電気通信事業なのか? というと疑問は付くところである。
現在は佐川急便の傘下になっている佐川ヒューモニーが提供するサービスで、
特定信書便の許可を受けて信書にあたるメッセージの配送を行っている。
メッセージ部分は信書かもしれないが、台紙を配送するという部分はギフト配送に近いかもしれない。
いずれにせよNTTがやる意味がほとんどなくなっていることは確かである。
どういう形で事業を畳んでいくかは考えなければいけないが、
近い将来、NTTの提供する電報サービスがなくなるのはその通りなんだろう。
ところで電報と呼ばれるサービスにはKDD→KDDIに継承された国際電報もある。
現在も制度としては存在するのだが、日本宛の国際電報ってどうなんだろ?
外国宛の電報も宛先の国で電報というものがないと、最終的には郵便になってしまう。
宛先国で封入して送ればある程度は速いだろうけど、どんなもんか。
北朝鮮には国際郵便が送れないので、国際電報が唯一の連絡手段みたいな話は見たことがあるけど、
果たして北朝鮮で電報の配達が正しく行われているのかはよくわからない。
逆に北朝鮮から電報が届いたという話はありましたが。