隔日営業と取次窓口でなんとか

ちょっと前に発表されてたことだけど、

店舗ネットワークの再編について (pdf) (南都銀行)

南都銀行が店舗の集約、一部店舗で隔日営業または昼休みの導入をするという発表をしていた。

店舗の集約というのは、今までも度々やってきたことだと思うが、

隔日営業と昼休みというのは新しい試みで、特に隔日営業は最近の法律改正で認められるようになったとのこと。


どんな店舗が隔日営業と昼休みの対象になるのだろう。

まず、隔日営業だが、吉野口支店・掖上支店(ともに御所市)と、菟田野支店(宇陀市)・小川支店(東吉野村)のペアで導入される。

吉野口支店・掖上支店はお互い3kmほどと近いので、十分補完関係にあると言えそう。

小川支店は東吉野村唯一の店舗なので、週2日営業ながら、隔日営業で踏みとどまれる。

菟田野支店を使っている人は、休業日にあえて小川支店には行かんだろうな。

市内の大宇陀支店とか榛原支店とかに行くだろう。そっちの方が近いし。


昼休みの導入だが、中央市場支店、川上支店、神宮前支店 神宮前駅東口出張所、名張支店 桔梗が丘出張所となっている。

昼休みを取っても、そんなに大きな問題はないんじゃないかと思うけど、

銀行の窓口営業時間は普通は9~15時の6時間なので、そこで1時間の昼休みは無視できないのかなと。

専ら取扱量の問題ですかね。昼休み取っても窓口が回りきるかが判断尺度かもしれない。

この中では川上支店は川上村唯一の店舗だが、この程度で踏みとどまれるならさほど問題ないだろう。


やはり影響度という点では、店舗の集約が大きくて、対象は30店舗にも及ぶ。

もっとも、その中には 登美が丘支店中登美出張所 の親店への集約のようなのもあって、

実はこれは登美が丘支店の移転時に、旧店舗を出張所として残したというものだったはずで、

しばらく様子見をしていたが、これを機に集約するというのもある。ATMだけ残すのかな。

三郷支店の王寺南支店への集約は、三郷町にとって唯一の店舗がなくなるとはいえ、

三郷町は小さな町で、集約先の王寺南支店は直線距離で1kmほどしか離れていないので、影響は小さいのかなと。

王寺南支店は住宅ローンの休日相談窓口を備えているなど、拠点的な店舗のようだし。


そんな中で、影響度が大きそうなのが、黒滝支店の大淀支店への集約である。

大淀支店には、下市支店(下市町唯一の店舗)も集約されるが、こちらは1kmほどしか離れていないので、あまり変わらなさそう。

黒滝支店から大淀支店は道のりで14km、山深い黒滝村の唯一の店舗がなくなるというのはそういうことである。

それに近いか考えようによってはさらに厳しいのが、城戸代理店の五条支店への集約で、こちらは道のりで13kmほど。

いずれも五條市ではあるが、城戸代理店があったのは旧西吉野村ということで、それなりに離れている。

銀行代理店(子会社のなんぎん代理店)という形で店舗を維持してきたが、それでも厳しいようだ。

よく見てみると、さらに山を越えた先の旧大塔村(現在は五條市)にあった大塔代理店はすでに五条支店に集約済みとなっている。

大塔地区の人が城戸代理店を使っていたとすると、今まで20kmほど離れていたのが、+14kmということで遠いな。


南都銀行にとって、南部・東部の店舗網が手薄なところをどう対応するかは今までも問題だった。

移動ATM (南都銀行)

現在の巡回先は、五条市役所大塔支所、上北山村役場、天川村役場、御杖村役場、曽爾村役場である。

これらに共通して言えるのは村内に南都銀行の店舗・ATMがないということ。

というか大塔代理店はATMすら撤去してしまったのか。ATMすら維持できないというのも辛い話だな。

ATMが巡回してくるならいい気もするけど、週1~2日で時間帯も限られてますからね。


そこで南都銀行はこういう対策をすることにしたようだ。

「日本郵便株式会社」および「日本ATM株式会社」との連携に関する基本協定締結 (pdf) (南都銀行)

郵便局に住所・氏名の変更、通帳繰越などの取次業務をしてもらうということと、郵便局内にATMを設置するということが書かれている。

おそらくは店舗網が手薄な地域の郵便局を指定して、取次業務を行うことになるのだろう。(これを共同窓口と書いてある)

ATMは通帳取扱ができるもので、現金取扱機能もあるということで、それがゆうちょ銀行ATMと並ぶのかな。

南都銀行にとってみれば、ATM単独で設置するのはコスト面で大変で、わざわざ移動ATM車を派遣しているほどなわけで、

建物は郵便局を使えるだけでも、ATMの設置のハードルが低くなるという話なのかね。

ゆうちょ銀行ATMで南都銀行のサービスが全て提供できるわけではないので、地域住民の利便性にもかなうという決断があったのだろう。


ちなみに取次業務というのはこんなの。

銀行手続の窓口 – 会社帰りや休日に、東京で銀行手続き

日本ATMは複数の銀行から、東京での銀行手続を取次している。(東京以外に店舗はない)

今回、日本ATMは初めて東京以外での取次に関わることになる。

システムとしては同じようなもので、設置場所が郵便局になり、郵便局員が取扱をすることになる。


南都銀行の店舗ネットワーク再編についての発表は、こういう書き出しで始まっている。

近年、コンビニATMの定着や電子マネーの普及に伴うキャッシュレス化の促進、お客さまのニーズの多様化により、銀行窓口やATMに求められる役割が大きく変化しております。

現金取扱というだけならば、必ずしも銀行窓口が必要なわけでなく、自社ATMである必要も必ずしもない。

かといって、銀行窓口がないとできないこともあるし、通帳の取扱は自社ATMに限られている。

そんな中で、隔日営業で窓口を維持するとか、郵便局に取次業務をしてもらうとか、そういう決断をしたということ。

取扱量からすれば、単純に撤退だという決断もしうるほどかもしれないけど、

奈良県を代表する金融機関として、県内にサービスの大きな穴をあけないようにという考えはあったのだろう。

銀行はキャッシュレス社会のインフラですから。でも、そのためには銀行も儲からないといけない。

取扱量の少ない店舗から人を引き上げた分は、付加価値の高いサービスに振り向けようという意図は明確だろう。


最近、地方銀行の再編が進んでいる。

東京都でも八千代銀行・東京都民銀行・新銀行東京の合併で きらぼし銀行 ができている。

奈良県では2005年まで奈良銀行という第二地方銀行があったが、りそな銀行に合併し、奈良県内の店舗もさほど多いとは言えない。

南都銀行は名実共に奈良県唯一の地方銀行と言ってよい状態となっている。

他の銀行とあわせて店舗網を集約するとリソースが浮くとか、そんなこともほとんどないと言ってよいだろう。

そんな中で取れる手がこういう方法だったんだろうなというのは想像できますね。