ナゴヤドームでもドームラン

出張の準備もしつつ、WBCをラジオで観戦する。

台湾・韓国と普段の野球の国際大会では強豪とされる相手との2連戦。

MLB組を中心にバッターが打つなぁということで感心していた。

乱打戦になると韓国は強いと思ったが、それをさらに上回ったのは驚いた。


そういえばWBC前のナゴヤドームでの強化試合のとき、

ナゴヤドームに新設されたホームランウイングのことが話題になっていた。

ナゴヤドームってのは元々広いことと外野フェンスが高いということで、

なかなかホームランが出ない球場として知られていたようである。

座席増設も兼ねて、従来の外野フェンスより手前にテラス席が作られることになったという。

今シーズンから運用開始で、ここに飛び込んでホームランというのが早速出たと。


このホームランテラス設置後の寸法は東京ドームに似ているらしい。

中堅122m、両翼100mというのは野球場の標準的なサイズに従っている。

ナゴヤドームもこの部分はほぼ同じ。教科書的な数字なんでしょうね。

ところがこの中間が東京ドームは浅くて110mで、ここに入ってホームランというのが比較的多い。

「ドームラン」なんて揶揄されることもあるが。

ホームランテラス増設後のナゴヤドームもほぼこれと同寸法になる。

この結果、東京ドームと同程度にはホームランが出る球場になるであろうと。


良くも悪くも東京ドームというのが基準になってるんでしょうね。

2019年にホームランラグーンを作った千葉マリンスタジアムもほぼ同様らしい。

両翼・中堅の寸法はかなり基準が明確なのに対して、その中間は球場に委ねられている部分が多いということか。

その中では東京ドームのデザインはホームランが出やすいと。


ナゴヤドームのホームランテラス増設で、甲子園球場のホームランの出にくさが際立つ形になった。

甲子園球場も一時期は「ラッキーゾーン」というのがあったんですけどね。

歴史ある球場であることや、阪神タイガースが投手力のあるチームだとか、

そういう事情も考えると、手を入れたくない思いも強いようだ。

ただ、甲子園球場でのタイガース戦は満員続きなので、座席増設という点で魅力はあるのかもしれない。

確かにそっちのほうが実利として大きいのかも知れないな。


ホームランを出やすくするための改修というのもどうかと思ったが、

東京ドームを基準として出にくいというのは1つの根拠なのかなと。

WBCやプレミア12などの国際大会でもおなじみの球場ですが、

そういうところも基準としてふさわしいという話なのかもねと。

寒い時期じゃなければ甲子園球場とかもふさわしいんでしょうが、

そんな時期にプロ選手集めて大会なんてできませんからね。

E-learningで1on1レッスン

出張に向けた仕込み作業をあれやこれやと、慌ただしい。

今回は1週間の出張で、その期間にやりたい仕事が大きく2つあり、

ちゃんと仕込みをしておかないと間に合わないと。


そういえばずっとBlogに書いてなかった話があった。

実はここ半年ぐらい会社の教育プログラムで、英語のE-learningを受講していた。

このE-learningの最大の目玉が1on1レッスンだった。

6ヶ月で24時間、ということは週1時間ペースである。

どう受講するかは委ねられていたが、全部30分だから計48回、

ほぼ週2回、仕事中に受講していた。


正直なところを言うと、想定よりハイレベルなレッスンだった。

実は目安とされているレベルを下回る中で上司に推挙されて受講したわけで、

こうなるのは当然の帰結だったのかもしれない。

それならそれなりにはレッスン組んでくれるわけですけどね。


この1on1レッスンというのはテレビ会議でつないだ講師と会話するもので、

典型的にはフィリピンの人とかが相手になっていることが多い。

日本の昼に受講しているので時差が小さいことも理由だろう。

それ以外の時間だとどうなんでしょうね。

英語がしゃべれるとこういう商売ができるわけですね。

当然、教えるということに求められるスキルはあるだろうから、ボロい商売とは言いませんが。


簡単な表現をいろいろ組み合わせて、乗りきるのも技だが、

こう言った方が効果的ですねとか、用法がおかしいですねとか、

そういうのが多くて、こういうのは慣れなんでしょうけど。

1on1レッスンで経験値は上がったかもしれないが、十分とは到底言えないように思う。


今回出張する仕事もそうだし、他にもヨーロッパとのやりとりがある仕事をやってるけど、

正直なところを言えば、語学の面では僕はあまりよくないようにも思う。

ただ、活用できるスキルが多いことはメリットではあるんだろうと。

出張ってのはチャンスで、絵を描いたり実演したりして説明できるし、

どういう状況ではあるか実際に見て把握することも出来る。

総合的に見て、期待以上の仕事をやっていると言いたいところだが果たしてどうか。

台湾籍とはなにか

Taiwanのユニフォームなのか、CT(Chinese Taipei)のユニフォームなのかという話を書いたが、

その中で日本で生まれた台湾籍の子は、許可を受けなければ台湾に「帰国」できないという話を見た。

なかなか日本では考えられない話だが、ここには中華民国の特殊な事情がある。


今は日本では中華民国のパスポートを呈示する人は国籍・地域欄に「台湾」と記載するルールである。

中華人民共和国と区別する必要性から導入されたルールと言える。

このため台湾籍と書いたが、台湾人と書くのはちょっと抵抗がある。

というのも 台湾原住民 と言われると昔から台湾に住んでいた民族がいるんですよね。

民族的なことを言えば大概は漢民族だから、やはり中国人?

難しい問題だが、中華民国が台湾地区のみを支配し、中華人民共和国との決別してもう長い。

このため、世論調査でも台湾人と自称する人の割合が相当高くなっているそうだ。


とはいえ、やはり表向きは中華民国の領土は大陸まで広がっている。

このあたりの事情を整理するため「台湾地区与大陸地区人民関係条例」というのがある。

この制度では台湾地区(澎湖・金門・馬祖含む)とそれ以外の大陸地区に分け、

台湾地区に戸籍のある国民を台湾地区人民、それ以外を大陸地区人民と規定している。

大陸地区人民は様々な制約があり、台湾地区への渡航・在留に許可が必要となる。

また、台湾地区人民は大陸に戸籍を置いたり、大陸地区(中華人民共和国)のパスポートを持つことを禁止されている。

ここは国籍唯一の原則に類似した考え方である。

現在、中華民国は重国籍を許容しているが、大陸籍との重複は認めていない。


ところでこの戸籍というのは日本とは少し意味が違う。

国民だけが対象なのは同じだが、住民登録を兼ねているわけですね。

このため海外転出すると戸籍が失われるわけである。

そしたら台湾地区人民ではなくなるじゃないかと。

ただ、実務上はほぼ変わらない。過去に台湾地区に戸籍があった人は届出ですぐ戸籍が回復するためである。

このことはパスポートの身分証統一番号の記載があるかで確認出来る。

この記載がある場合、現に台湾地区に戸籍がなくても許可不要である。


このことが冒頭の話につながるわけである。

外国で生まれた台湾籍の子は台湾地区に戸籍が存在したことがない。

このため大陸籍の人と同様に許可を受ける必要がある。

中華民国のパスポートがある人が許可を受ける場合は「臨人字号入国許可」というそう。

これで台湾に渡って、戸籍を登録すると台湾地区人民になるわけである。

この戸籍登録にはいろいろ条件があって半年以上の居住が求められるものもあるが、

外国生まれの18歳未満についてはすぐに登録できるという。


以前、日本で生まれた子の中には無国籍状態の解消に時間を要する人がいるという話を書いた。

無国籍はいかにして解消するか

「日本国内で国籍取得手続きが完了しないケース」があると書いた。

中華民国国民としてパスポートの発行を受けることは可能なので、

国籍を証するものがない状態が続くという意味の無国籍ではない。

しかし、台湾地区人民になるには台湾に渡る必要があるという点では共通的である。

日本人の子は外国で生まれても(重国籍になる場合は「日本国籍を留保する」と書いて)出生届を出せば、それだけで「帰国」は自由である。


この条例で重要なのは台湾籍と大陸籍を分けることである。

この定義上、親が台湾籍でも外国生まれの子はそれだけで台湾籍にならないが、

潜在的には台湾籍なので、手続きの上で台湾に渡れば、容易に台湾籍になる。

問題は明確に大陸籍と分類されてしまった人である。

先ほど書いたように中華民国では戸籍は住民登録と連動している。

このため大陸地区に定住すると台湾地区人民の資格を失うと。

中国の居住証で台湾戸籍抹消 第1号の大学教員が反発「中国のほうが民主的」 (風傳媒日本語版)

この場合、外国に転出して台湾地区戸籍を失った場合とは違うフローになるという。

これはさすがにどうなんだという話だが。


そういえば、この 身分証統一番号 の仕組みって、日本の国外転出者のマイナンバーカードと同じですね。

戸籍の附票からマイナンバーカード

マイナンバー(個人番号)は住民基本台帳の住民票コードを基礎としている。

国外転出者へのマイナンバーカード発行について様々検討があって、

戸籍を基礎にするのではなく、本籍地で管理される戸籍の附票を基礎とすることにした。

戸籍の附票は住民票と同じ住民基本台帳法を根拠としている。

番号利用法の施行(2015年)以降に1日でも住民票があればマイナンバーが存在する。

でも、それに当てはまらない人はマイナンバーがないのでマイナンバーカードが発行できない。

それとほぼ同じなんですよね。現時点ではここは特に問題になってないのかな。

ユニフォームにはTaiwanかCTか

WBCに向けた試合の話を書いたが、事前に台北で「日台野球国際交流試合」が行われていた話を書いた。

実はこのときのユニフォームとWBCで着用するユニフォームは大きく違ったらしい。


何が違うか。

台日交流賽》古林睿煬挨轟仍飆5K 盼把最佳狀態帶到正賽 (TSNA)

WBC》中華隊5比1勝軟銀 先發投手村田賢一:中華隊打者揮棒積極強勁 (TSNA)

台北で行われた日台交流試合ではTaiwanと書かれたユニフォームを着ている。

日本側のチームも「Team Taiwan(台湾代表)」との試合と説明している。

一方で宮崎で行われた強化試合、そしてこの先のWBCではCT (Chinese Taipei)と書かれたユニフォームを着用する。

オフィシャルには「チャーニーズタイペイ」と呼ばれることになる。

実況とかでも平然と「台湾」って言ってますけどね。


ナショナルチームとしてのオフィシャルな試合で台湾とは言えないが、

それが関係ないならばTeam Taiwanと呼ぼうという考えらしい。

ファイターズにとっては相手がナショナルチームでも、謎の台湾代表でも関係ないわけですからね。

このユニフォーム持ってるファンの方が多いのでは? というのも見たが。

WBCオフィシャルの場所では売れないが、東京でもTeam Taiwanグッズを売ってるとか。


ところでTeam Taiwanと言っておきながら、さっきのニュースを見ると「中華隊」ってなってるんだよな。

実は地元では「台湾隊」か「中華隊」という論争もあるらしい。

ただ、漢字表記だと中華隊の方がよく使われてるっぽいね。

台北駐日経済文化代表処/WBC開幕直前!台湾代表が東京に到着しました―― (X.com)

この写真には「TEAM TAIWAN 台湾加油」と書かれた横断幕があるが、

その横で「中華隊 陳冠宇」と書かれたのを持っている人がいる。

勝手に映り込んだ人か知らんが、漢字だとこうなるのかという感はある。


わざわざユニフォーム使い分けるのはマメだなと思ったが、

実は日本も侍ジャパンシリーズのユニフォームとWBC(強化試合含む)のユニフォームは少し違う。

後ろを見ると首元にあるのが侍ジャパンマークとWBCマークの違いがある。

WBCのグッズとして売ると、WBC Inc.にロイヤリティーが入り分配されることになるが、

それとは無関係に侍ジャパンのグッズとして売ればNPBの収入である。

3月を境にこういうものも切り替わるわけですね。

名古屋の強化試合の時、試合には出場できないがMLB組が練習をしていたが、

このときはMLB組は何着てたのか調べたら、侍ジャパンシリーズのユニフォームだった。

MLB組も常設化された侍ジャパンのメンバーということなのだろう。


ところで前々からChinese Taipeiって変な名前だなと思っていた、

この名前は1979年の国際オリンピック委員会理事会で提案された名前だそう。

1971年に中華民国が国連から追放され、中華人民共和国が国連加盟した。

これをうけて国際オリンピック委員会でも対応が検討されたが、

しばらく両方とも選手を派遣できない時期が続いた。

そこで妥協策として両方のオリンピック委員会をともに中国オリンピック委員会として参加させる案が考えられた。

区別が付かないので中央政府のある場所を付けることにして、

“Chinese Olympic Committee, Peking” と “Chinese Olympic Committee, Taipei” とすることにした。


ただ、これは中華人民共和国側が受け入れなかったという。

というわけで中華人民共和国の中国オリンピック委員会を承認する一方、

中華民国側は “Chinese Taipei Olympic Committee” として参加して、

国旗・国歌とは別のオリンピック委員会の旗・歌を用意するように求めたと。

さっきの名前をちょっと入れ換えたものだったんですね。

中華民国側もすぐには受け入れなかったが、1981年に同意、

1984年からChinese Taipeiとして台湾からの選手派遣が再開した。

2022年の北京オリンピックのときは「中華台北」か「中国台北」で揉めたこともありましたが。

中華民国で言うところの北平

漢字で言えば「中華台北」なんだから「中華隊」なのかなと思いましたが。


このような方策でのオリンピック参加は他にはないが……

アフリカに「ギニアビサウ」という国がある。このビサウは首都の名前である。

なぜこんな名前かというと「ギニア共和国」「赤道ギニア」との区別のためである。

ギニアというのは超広域の地名で、○○領ギニアというのはいくつもあった。

ギニアビサウも元々はポルトガル領ギニアだった。


というわけでめんどくさい話だった。

現場でもTaiwanのユニフォームでオフィシャルな試合に出られない不満はあるようで……

運動部の発足、9月9日に ロゴに野球・陳傑憲選手のポーズ取り入れ (フォーカス台湾)

プレミア12の決勝戦で陳傑憲選手がユニフォームの空白部分を指している写真があるが、

本当ならここにTaiwanって入っていてしかるべきだろうというアピールらしい。

なんとこのハンドサインが中華民国運動部のマークに取り入れられたらしいと。

なお運動部はスポーツ省の意味である。(外交部が外務省に相当するのと同じ)

真相はさておき、侍ジャパンは明後日にこのCTユニフォームを着た台湾代表と当たることになる。

WBC東京プールの行方を大きく左右するであろう一戦である。

WBCの強化試合の仕組み

WBC開幕を前にして、日本・韓国は大阪ドームでオリックス・阪神との強化試合をやっている。

一方、東京プールに参戦する他の3チームは宮崎で強化試合を行うことになっていたが、

昨日は雨天のため中止、今日は行われたようだけど。

【WBC】侍ジャパン初戦・台湾代表の不遇…雨天中止、宮崎へのLCC移動計画に地元ファンは不満 (東スポWEB)

日本・韓国だけ雨天中止になることがないドーム球場での強化試合というのはズルいと台湾で言われていると。


WBCは収益の多くをMLBが持って行くことにNPBの不満は大きかったが、

いろいろな形で日本国内でお金が還流する仕組みが考えられ、

その1つが侍ジャパンシリーズである。

WBC・プレミア12に向けた強化試合、国際交流試合を国内で開催すると。

これによりNPB球団は選手派遣に見合った収益が得られる仕組みである。

今回のWBCに向けては昨年11月に韓国との国際交流試合、

2月にソフトバンクホークス、中日ドラゴンズとの試合が組まれた。


今回のWBCに向けた強化試合もその枠組みだと思っていたのだが、

3月の強化試合はWBC Inc.と読売新聞社、すなわちWBC東京プールの主催者と同じである。

これもWBCの一部ではあるんですね。ただテレビ中継はあるんですけど。

日本戦は大阪ドームで開催されるのが通例である。

まだ寒い時期であり、東京ドーム以外でよき会場ということで選ばれているのだろう。

このことから対戦相手はオリックス・阪神となることが多い。

日本がナイター、もう1チームがデーゲームで対戦相手を入れ換えて試合をするわけである。


それ以外は宮崎でNPB 2軍との強化試合が行われている。

(オリックスが同日に大阪と宮崎で強化試合しているのは1軍と2軍で分かれているから)

前回は宮崎での強化試合は社会人チーム相手だった。

今回の東京プールは日本・韓国・台湾と普段の野球の国際大会では強豪とされるところが集まっている。

本当ならばいずれも相手はNPB 1軍がふさわしいのかもしれないが、

スケジュールの問題などもあって、大阪ドームで試合できるのは日本と1チーム、

韓国というチョイスは不思議ではないが、宮崎だと2軍相手だから格が落ちる。

その上、貴重な強化試合が雨天中止となれば、不遇というのはもっともだろう。


ところでWBCに向けた強化試合というのは日本だけのことではない。

調べたらこの一覧をまとめたページがあった。

2026 World Baseball Classic: A Full List Of Pre-Tournament Exhibition Games (World Baseball Network)

国内プロチームとの壮行試合は台湾は台鋼ホークス、韓国はサムスンライオンズ(キャンプ地の沖縄にて)と行っている。

台湾はそのまま台北で「日台野球国際交流試合」として、日本ハム・ソフトバンクとの試合をしている。

日本に渡ってからの強化試合が充実しないことも見越しての対応だったのかも。

キューバvsニカラグアというナショナルチーム同士の練習試合も驚くが、

それより驚いたのはオーストラリアの練習試合の多さである。

“Australia vs. All Fuchu”とか”Australia vs. Tokyo Metropolitan Police”とかすごい字面だが。

どうも東京都府中市でキャンプをしているそうで、地元のアマチュアチームとの練習試合を多く設定していたよう。

プロ相手では横浜DeNAベイスターズ(1軍)との試合もやっている。


これ以外の試合が充実するのは公式の強化試合がスタートする3月以降、

フロリダとアリゾナではMLB球団との強化試合が多く設定されている。

プエルトリコで1次ラウンドを戦うチームもフロリダでやってるみたいですね。

一方でドミニカ共和国はこの期間に国内でデトロイトタイガースとの強化試合を行っている。

ドミニカ共和国はほぼ全員がメジャーリーガー、国内凱旋という意味合いが強いのかもしれない。

ちなみに唯一メジャーリーガーではないのが中日ドラゴンズのアブレウなんだとか。


強化試合の体制が一番しっかりしているのは日本なのかなという印象はありますよね。

侍ジャパンシリーズはNPBにとって実利が大きいことも理由だが。

韓国でも2024年から K-BASEBALL SERIES という名前で似たような取り組みが始まり、

昨年11月の東京での日韓戦は侍ジャパンシリーズ と K-BASEBALL SERIES を兼ねていたそう。

WBC前の強化試合はWBCを想定したメンバーで行っているが、

サポートメンバーとしてNPB球団から別途派遣された選手もいる。

これは選手数の確保のためだが、将来のナショナルチーム編成の参考にするという目的もある。

すなわちプレミア12やその次のWBCも見据えた活動でもあるんですね。

WBCではMLB選手中心でやるようなところは、こういう体制は組めませんからね。

これが結果につながるといいですが、果たしてどうでしょうか。

イオン株式会社化100周年とは

イオンに買い物に行ったとき、こんなポスターが貼られていた。

イオン株式会社化100年特設サイト

イオンの会社化から100年ということで書かれているのだが、

当然100年前にイオンという会社があったわけではない。

100年前に設立されたのは (株)岡田屋呉服店 である。


現在のイオンにおいて重要な構成要素は、かつてのジャスコとマイカルとダイエーである。

もっともこれは経営が悪化したマイカルとダイエーが経営統合された結果だから、

イオンの創業という点ではジャスコにさかのぼればよいと言える。

なお、スーパーのブランド名としてイオンが使われるようになったのは2010年以降である。

(当初はかつてのカルフールを改名するところからスタートした)

ただ、2001年にジャスコの社名はイオンに改められているし、

1989年からイオングループという名前は使われていたそう。


さて、そんなわけでジャスコのルーツをたどるわけだが、

ジャスコという名前ができたのは1969年のことである。

岡田屋、フタギ、シロの3社が合同で設立した共同仕入会社に由来し、

“Japan United Stores COmpany”の略でJUSCOだという。

ジャスコには設立した3社やその他多数のスーパーが合流している。

この合流の中で存続会社が岡田屋になったので、イオン(株)の設立日は(株)岡田屋呉服店の設立日の1926年となった。


でも、なんで岡田屋が存続会社になったのだろう?

というわけでルーツになった3社を調べてみた。

まず、岡田屋は四日市の呉服店がルーツで1758年創業(当初は屋号が違った)、

1887年に岡田屋となり、1926年に会社化、そこから百貨店化していく。

この会社がスーパーに参入したことがジャスコ設立のきっかけとなっている。

次にフタギだが、1937年の姫路で創業したフタギ洋品店に由来する。

1949年に会社化、食品の取扱も始め、播磨各地に展開した。

GMSの成立としてはよくあるパターンなのかなという気がする。

最後にシロだが、1961年に豊中に開業した衣料品店に由来する。

チェーンストア化を進めたのだが、同エリアではダイエーとの競合が激しかったよう。


と、この3社の中では断然古いのが岡田屋だったわけである。

岡田屋はジャスコになってからも四日市ではしばらく百貨店の商売をしていたという。

とはいえ、岡田屋にとってみれば異業種とも言っていいところへの参入だったわけだが

ここには「大黒柱に車をつけよ」という家訓があったとか。

商売の在り方としてはフタギの方がルーツに近いのかなとも思うが、

ジャスコの社長が岡田屋から出たことや、なにより歴史の長さですかね。


ただ、ジャスコってのは歴史を遡れる店舗が残ってないんですね。

岡田屋に由来し、ジャスコになっても百貨店を続けていたという、

ジャスコ四日市店は2002年に閉店、以後四日市市街には店舗がない。

フタギは元々姫路の洋品店と書いたし、ジャスコ初期にジャスコ飾磨店という大型店を姫路に開業、

しかし店舗の老朽化により2006年閉店している。

(中途半端に解体され、名店街だけ残っているらしい)

シロは比較的店舗としては残ったところが多かったが、2021年のイオン東山二条店の閉店で全部なくなった。

ここは改築されて再出店しているので、その点では残っていると言えるが。

シロは比較的そういうのがある方だという話は見た。


イオンのルーツが呉服店にあるというのも妥当な言い方かは難しい。

現在それを継承するものは残っていないからである。

この点はユニーとは違うんだよな。こちらは さが美 として祖業が残っているので。

もっとも2016年に当時のユニーファミリーマートホールディングから離脱、

現在はベルーナ傘下の会社となっている。知らんかった。


ちなみにマイカルは1963年に大阪の衣料品店らが設立したニチイ、

ダイエーは1957年に神戸で設立、1号店を大阪・千林に出店した薬局に由来する。

これらと見比べても岡田屋の歴史の長さがわかる通り。

もっともGMSという商売のルーツはダイエーにあるんだけどね。

ダイエー、マイカル(サティ)、ジャスコ が西日本を中心に競い、

とはいえ、店舗面積がかさむこの商売の宿命か、苦しい時代が続き、

最終的に残ったのはジャスコあらためイオンだったという。


実態としてのスタートはジャスコ設立の1969年なのだろう。

そこから数えても58年だから、けっこう長い商売である。

調べてみるとダイヤモンドシティも同年設立されてるんですね。

現在のイオンモールのルーツとなった会社で、

ショッピングモール開発を行う会社としては特に古い会社である。

ダイヤモンドシティというのは三菱商事が出資していたことに由来するが、

2006年にはイオンの完全子会社に、社内で同様の業務を行っていたイオンモールと合併している。


そのイオンモールの設立日が1911年とえらく古い。

岡田屋呉服店より会社化は古い。

なんで? と思ったのだが、実はこれ、昔に土地ごと買った岐阜繭糸という会社の設立日である。

その後、この会社はジャスコの不動産部門として規模を拡大していく。

その経緯から1989年からショッピングモール開発を行う会社となった。

見ての通り、この商売を始めたのはダイヤモンドシティの方が古い。

この店ではイオンモールの原点はダイヤモンドシティにあると見るべきで、

その起点はジャスコと同じ1969年で老舗ですねと。

パシフィコ横浜ノースは会議場だった

パシフィコ横浜は日本初のIR(統合リゾート)だと思っているが、

カジノを設置する話も立ち消え、あまり省みられない存在になるのかもしれない。

そのパシフィコ横浜の増築棟、パシフィコ横浜ノースに昨日入っていろいろ見て気づいたのは

この多目的ホールは展示場ではなく会議室として作られたものだったということである。


パシフィコ横浜が日本初のIRだと思っているのは、展示場・会議場の充実度が共に高いことである。

日本ではより大規模な展示場としてインテックス大阪、幕張メッセ、東京ビッグサイトとあるが、

いずれも展示場に付帯する会議室は必ずしも多くない。面積重視である。

展示会に付帯するセミナーをしようにも、大概は会場内に仮設して対応している。

一方、パシフィコ横浜は当初から展示場に付帯する会議室が充実していた。

さらに2001年にアネックスホールが増築され、セミナー会場として多用されている。

展示場の面積では2万m2で比較的小さいが、展示場の外も活用できるので面積の割には広々活用できるはず。


そこにパシフィコ横浜ノースが増築されたわけですね。

目玉はやはり6300m2の多目的ホールで、8分割して使うこともできる。

僕はずっと展示場だと思っていたし、実際に展示場の面積とカウントされていることもある。

ところが一般的な展示場と違って床がカーペット敷きなんですね。

で、思い出したのである。そういえば大阪・夢洲のIR計画で、

最大6000人収容の最大会議室は平土間、すなわち平面だということである。

6000人収容の会議室の正体

で調べたら最大会議室の面積が6548m2と書かれていて、ほぼ同じなんですね。

実際、講演・パーティーなどで活用することも想定して作られたものである。


パシフィコ横浜ノースはこの多目的ホールの他に2~4階に会議室があり、

3階・4階には連結させて600人程度入る会議室が計4つ、その他会議室をあわせた面積は6185m2、

ノースだけでIRの要件にある12000人規模の国際会議場の要件を概ね満たすことになる。

実際には隣接してアネックスホールがあり、ここが1350m2、最大4700人ほど入る。

調べてみるとノースとアネックスで学会などの国際会議に使われている例も多いようである。


大阪・夢洲のIRはまさにこれを追う施設である。

展示場2万m2、最大会議室6000人(合計12000人)というのは、

パシフィコ横浜の展示ホールとノースを合わせたものとほぼ同じ。

展示場は将来的に6万m2までの拡張計画もあったり、

なによりホテルが3000室と格段に大きいので、追い抜く気は満々なのだけど。

そうですね。今のパシフィコ横浜だとホテルの要件を満たしてませんね。

大阪は2019年にG20サミットをインテックス大阪で開催している。

このときは大阪中の高級ホテルを総動員して各国首脳ら一行を受け入れた。

この点は近年に大阪が強化してきたところだが、IRでさらに引き離しにかかっている。


ただ、パシフィコ横浜ノースにしても、夢洲の国際会議場にしても、

それをフル活用する国際会議がどれぐらいあるのかという話はある。

今回のように展示場的な利用もそれはそれで重要なんじゃないか。

あまりそこに垣根は持たずに考えた方がいいのかもしれない。

あと、Kアリーナ横浜と連動した使い方というのも面白いですよね。

Kアリーナ自体はグッズ売場を作る想定はちゃんとあるけど、

バンドリはその規模がやたらと大きいので、そこには入らないという想定で、

それでこうしてでっちあげて大盛況なのだからすごいことである。

バンドリ正味11周年の日

再来週出張だというちらっと話を書いたが、本当なら来週だった可能性もあって、

でもちょっとシフトしてもらったのは今日がバンドリ10周年ライブだったから。

もっとも実際には今日はちょうど11周年の日である。

10周年イヤーの最後を飾るイベントという位置づけであって、

実際に10周年記念という意味合いが強かったのは、昨年5月のPoppin’Partyの日本武道館でのライブである。

10周年で使う武道館


このイベント、なんといっても10バンド50人勢揃いということである。

このうち7つはリアルバンドだけど、3つはリアルバンドではない。

ガルパの当初5バンドのうち、Poppin’PartyとRoselia以外は実際にキャストが演奏することを想定していない。

ボーカルだけなら比較的イベントへの出演機会はあるが、全員揃うのは異例である。

そもそもボーカルに限っても2022年に西武ドームで開催された「Girls Band Party! 2020→2022」では揃わなかった。

(実際には体調不良のためPastel*Palettesのボーカル、前島亜美さんが出演しなかったので揃わなかったのだけど)

(覆面ガールズバンドってわけではないが)

なお、今回は当初はボーカル以外で一部欠けている人がいたが、調整が付いて全員揃うこととなった。


しかし、こんなに集めてどうするんだろう? とは思うわけだよな。

そんなことは気になりつつも、まずは横浜へ。

会場へ行く前にやってきたのはパシフィコ横浜ノースである。

パシフィコ横浜自体は展示会や国立大ホールでのコンサートで来たことはあるけど、

2020年に増築されたパシフィコ横浜ノースに入るのは初めてだ。

で、なんでここに来たのかというと、ここで展示・グッズ販売をしているから。

入るのに少し行列があったのだが、だいぶ短くなった方で、当初はとんでもない行列だったらしい。


パシフィコ横浜ノースの1階多目的ホールの半分を使い、

そのさらに半分がグッズ売場、半分が展示といいつつ多くは協賛社などのグッズ売場である。

ぬいぐるみ売場が大盛況だった。ラインナップにある商品を並べていたが圧巻である。

パシフィコ横浜ノースから会場のKアリーナ横浜はすぐ近くですからね。

いい使い方だよね。そこまでしないといけないバンドリも異様だが。


だいぶ余裕を持って出たつもりだったが開演が早いので気づけば開場時間、

今回はグッズ付きのチケットである。A席だと必ずグッズ付きなんだよな。

それで25000円、S席(=アリーナ)だと35000円だからもっと高い。

もっともそういう席を買うことが難しいという側面もある。

Poppin’Partyの武道館、今年5月のPoppin’Party・Roseliaの合同ライブ、

ともにグッズ付きでないと買えない席を第1希望に出したが、

下級席に回って当選していて、それならグッズなしでとなっている。

渡されたパーカー、とりあえず着とくかとは思ったが、正直暑かった。


10バンドのうち3バンドは実際に演奏しないにせよ、

リアルバンドが7バンドもいれば準備が大変なのは誰でも想像できる。

どうしたかというと、楽器を複数並べて、さらに途中に休憩を2回入れて交換するという方法だった。

なんか映像とかで場を繋ぐのかと思ったが、シンプルに休憩である。

正直なところ、こういう点では分の悪いイベントである。


ただ、リアルバンド以外も揃うからこそできることもある。

今までこういうイベントではRAISE A SUILENがリアルバンド以外のバックバンドになるのが通例だったが、

今回は段取りが難しいからか、ボーカル以外も揃ったからか出番はなし。

ちょっと寂しい気はするけど……今後も何か機会はあるかな。

意外なところでは 夢限大みゅーたいぷ と ハロー、ハッピーワールド! と一緒に演奏したこと。

これは 夢限大みゅーたいぷ の曲がまだ少ないことへの対応でもあったのかも。

ハロハピはその後の休憩の入りのところも含めて妙に完成度が高かった。


リアルバンド以外がリアルバンドとコラボするという話では、

FILM LIVE 2nd Stageの曲とかあるんかなと予想していたが、それはなかったな。

よくよく考えて見ればそれは2022年のときにやっていたか。

またやってもよかったとは思うんですけどね。

全体的な話としてMyGO以降の3バンド、今後Our Notesのゲームで主に扱われることになるが、

この3バンドとそれ以前の7バンドの関係が疎な印象はあって、

それはわざわざ「CiRCLE THANKS MUSiC♪」を当初35人で歌い始めたことにもあるのかも。

じゃあこれがガルパからの第2世代の完結編だったのか?


明日、同会場ではMyGO・Ave Mujicaの合同ライブがある。

そこではOur Notesで追加される2バンドのボーカルが来てオープニングアクトをする。

MyGOから始まっていたバンドリ第3世代が姿を現すことになる。

そういうことも踏まえればなおさら第2世代完結なのかもしれないが。


あらためて振り返って思ったのは、ガルパ は大きな転換点だったんだなということである。

当然、Roseliaのスタート地点だからというのも大きな理由だが。

ただ、当初はリアルバンド以外も相当な活躍だったよねと。

なかなか最近は機会もないんですけどね。それだけリアルバンドも増えたということか。

キャラクタを演じて楽器を演奏するというのはPoppin’Partyが起点なのは言うまでもないが、

少しずつ形態に差があって、Roseliaが後のお手本になっている部分が多い。


一方で11年前にバンドリが立ち上がったときには愛美さんしかいなかったし、

さらにそのルーツをたどれば12年前の「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2014」という話もあるのだけど。

裏方にせよ、バンドリ初期の頃からずっといる人がどれぐらいいるんだろうとは思うけど。

まぁ今はMorfonicaでドラム叩いてるmikaさんは長いとは思うが。

知る限りではずっと大橋さんのドラムの先生なわけだし。


バンドリ11年の相当な期間を追ってきたので、やはり思うところはいろいろありますね。

だからこそ外せないイベントだったというのは間違いないことである。

ダイエーとイオンフードスタイルに分かれても

今週はあれやこれやとバタバタしていた1週間だった。

今週やるべきことはだいたい済んだが、他にやりたかった仕事がさっぱり。

で、再来週はまたヨーロッパに出張なんだよな。社内なんですけど。

そこまでにけりを付けておきたい仕事はいろいろあるが果たして。


明日で(株)ダイエーの関東圏での事業が終了する。

3月からはマックスバリュ関東 あらため イオンフードスタイル の店舗となる。

これに伴い明日は少し閉店が繰り上がるそうである。だからどうという話はないが。

もっともイオンフードスタイルの本社は現在のダイエーの本社と同位置だし、

ほとんどの店舗はこれで店舗名が変わるというわけではない。


一方のダイエーは光洋と合併し、ダイエーは関西圏のローカルスーパーになるのだ。

と思ったのだが、どうもそういうわけでもないらしい。

『新生・ダイエー』がスタートします! (pdf) (ダイエー)

価値提案型スーパーマーケット「Food Style」1号店フードスタイル三田店オープンのお知らせ (pdf) (マックスバリュ関東)

なんとダイエー、イオンフードスタイルの両社ともに、今後はフードスタイル(Food Style)というブランドに統一していくという。

現在はダイエー、グルメシティ、マックスバリュ、ピーコックストア、KOHYO とあるが、

これらは関西・関東ともにFood Styleに順次改めていくと。


確かにダイエーのGMSタイプの店舗は多くがイオンリテールに移管されている。

かつての感覚で言えばグルメシティにあたるような店舗がほとんどである。

なので関西圏もダイエーというブランド名が適しているかという疑問はあった。

計画が進捗すれば、社名以外にダイエーというのは残らないかもしれない。

理解できる面はあるが、なかなか衝撃的な話である。

ただし、関西圏のブランド切替は比較的ゆっくり進めるようだし、

結局ダイエーのまま残る部分はあるのかもしれない。


イオンとしてはマックスバリュに代わる食品スーパーのブランドのつもりなのかもしれない。

そうなると他地域でも? という話はあるが、すでにマックスバリュで定着した地域は手が入らないかな。

中国・四国・兵庫県播磨他 を担当する フジ は雑多なブランドが混在しているが、

今のところは地域別に使い分けるという戦略でやっているようだ。

あれこれ混在する地域は限定的という言い方はできる。

大都市圏で統一ブランドにしてブランド力を高めるというのとはまた事情が違うかもしれない。


というわけで「フードスタイル」ですか。

グルメシティと語感はあまり変わらない気がするので、これはこれでいいんじゃないか。

慣れるまではちょっとありそうですけどね。

関東圏では2030年頃までの切替を予定しているよう。

一気に切り替わるというわけでもないのでしばらくはこのままですが。

智頭急行と鳥取県とICOCA

意外とかかった? という話ですが。

2027 年春 山陰本線下北条駅~淀江駅・因美線・智頭線にIC改札機を導入します! (pdf) (JR西日本)

智頭急行にICOCAが導入され、スーパーはくと・スーパーいなば をICカードで利用できるようになる。

これにより西日本管内の新幹線接続特急では スーパーおき(新山口~鳥取)を除き、

主な区間ではICカードが利用できるようになるということである。


驚いたのは、これと同時に途中駅は未導入だった倉吉~伯耆大山、

因美線も鳥取~郡家に限っては特急停車駅以外も導入することである。

鳥取県としてもバスへのICOCA導入含めかなり気合いが入っていることがわかる。

鳥取~郡家の全駅導入には、郡家で接続する若桜鉄道へのICカード導入も視野に入れた動きなのかな。

これを導入しても鳥取県内全線全駅とはならないが、相当なカバー率にはなる。


注意が必要なのは、スーパーはくと 停車駅相互ではICカードが利用できるが、

大阪~鳥取で別ルートで走る はまかぜ号 は大阪~城崎温泉のみの導入であるということである。

さっき新幹線接続特急はスーパーおき以外主な区間で利用できると書いたが、

城崎を超えて、香住・浜坂まで乗車するのは対応できない。

まして1往復だけ設定されている鳥取発着便で鳥取まで乗車するのはアウトである。

もっとも大阪・姫路~鳥取を通しで乗ることは基本的に想定してなくて、

現在は主に豊岡~鳥取のような利用を想定した運行形態である。

(cf.鳥取砂丘を行く: 浜坂~鳥取で はまかぜ を利用している)


鳥取県にとってみれば、主要都市との往来がほぼICカードで済むようになり便利である。

それで新たなICOCA導入エリアを見ると、岡山~伯耆大山~鳥取~上郡~岡山 というループが生じることがわかる。

今までICOCAエリアには近畿圏以外で環状経路は1つだけあり、

岡山~総社で吉備線と倉敷経由の2ルートが存在するところである。

ICOCAではエリア内に複数経路がある場合、最安経路を適用するルールである。

岡山~総社を通り抜ける場合、多くは倉敷経由での利用で、紙のきっぷを買う運賃表も基本的にはこちらで書かれている。

しかしICOCAでは安い吉備線経由のルートで計算する。

また、極端な例だが、岡山~備前三門を倉敷・総社経由でICOCAで乗車しても、

ICOCAでは最安経路で計算するルールなので150円引き落とされる。

この区間は特例がないので紙のきっぷで150円で乗ると不正乗車である。


ここも最安経路での計算となるわけだが、近畿圏や岡山~総社と異なるのは、

最短経路と逆に乗ると200km以内というルールを満たせない場合があるということである。

とはいえ、両回りとも合法という駅も存在することは事実である。

岡山~(吉備線)~総社~伯耆大山~鳥取~上郡~岡山 は377.8km、

ループ内の駅発着で最短経路が 177.8~188.9km にある駅同士であれば、

どちらに回ってもICOCA利用が合法ということになる。

見ての通りすごく狭い範囲なので、どれぐらいあるのかという話だが。


当然、特急を主な区間で利用する限りでは発生し得ないものである。

智頭急行が挟まるので最短経路=最安経路とは単純には言えないが、

極端に運賃が高いわけでもないので、あまり乖離は生じないようだ。

このためICカード利用で従来と異なる運賃になるケースはあまりないようだ。

というわけで従来的な考え方で問題ないということらしい。


ただ、これを見て思ったけど、津山~智頭の因美線がICカード未導入だからよいが、

ここがICOCAの運賃計算経路に入ると大きく変わってしまうことになる。

智頭急行開通から少し後の1997年まではこの区間も優等列車があった。

(津山線に2009年まで1往復だけ急行つやま号があったのはその名残である)

現在は1日7往復の運行、少ないなりには本数はあるが。

ICカード導入の意義も薄い区間で未導入なのは当然とも言えるが、

ここに導入すると最安経路が大きく変わるので考え物である。


城崎~鳥取もICカードを導入すると環状経路が成立してしまう。

ただ、こちらも最安経路と実際の乗車経路の乖離はそう多くないようだ。

姫路~鳥取であれば スーパーはくと の智頭急行経由のルート、

姫路~浜坂であれば はまかぜ の播但線経由ルートが最安である。

大阪~鳥取であれば スーパーはくと の智頭急行経由のルート、

大阪~浜坂であれば はまかぜ利用時の運賃・料金計算ルートである福知山線経由が最安である。

ただ、乖離が全く無いというわけではなく、それが京都~鳥取である。

スーパーはくと も京都発着便があるので乗り通しは一応想定しているが、

直通列車がなくなって久しい山陰本線ルートの方が距離としては短くて安い。


今までICカードのエリア同士が接しないように未導入区間を残す事例は多く見られた。

現在でも常磐線で 浪江(Suica首都圏エリア)~小高(Suica仙台エリア) の2駅間だけがICカード未導入で残っている。

JR西日本ではICOCAエリアは全部一体化され、エリア内に明確な境界はない。

ただし200km以内・特急停車駅相互という利用範囲の制限はある。

ハピラインふくい・IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道が絡む場合、

これらは連絡運輸の取り決めの範囲内という制限もある。

(智頭急行にはそういう制限はないんですね)

とはいえ、日常的な利用や特急の利用には不便しない仕組みである。


ただ、ICOCA未導入路線が点在していることも事実ではある。

加古川線の西脇市~谷川や岩徳線のようにICカード利用はできないが、

他の特例との整合のため運賃計算上は使われる路線というのもある。

ただ、基本的にはICカードのエリアが寸断されていると計算には使われない。

その中には利用実態との乖離もあって繋げられない路線もあるんじゃないか。

もちろんJR東海のように特急のルートで計算するルールを入れる方法もあるんですけどね。

TOICAの不思議なルール

似たような問題のある 南紀号のルートにも来年春に導入予定である。

こちらは伊勢鉄道という他社も絡み、快速みえ という通勤列車もあり、

相当難しい話ではないかと思うが、打開できたということなのだろう。