ゲームセンターから料亭まで

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 という法律がある。

とんでもなく長いが、普通は風俗営業法とか、定まった略し方はなさそうだがなんしか略して言われる。


法律の名前に比べて意外と身近な法律で、第二条を見てみるとあれと思う。

第二条  この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
一  キヤバレーその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客の接待をして客に飲食をさせる営業
二  待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
三  ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(第一号に該当する営業を除く。)
四  ダンスホールその他設備を設けて客にダンスをさせる営業(第一号若しくは前号に該当する営業又は客にダンスを教授するための営業のうちダンスを教授する者(政令で定めるダンスの教授に関する講習を受けその課程を修了した者その他ダンスを正規に教授する能力を有する者として政令で定める者に限る。)が客にダンスを教授する場合にのみ客にダンスをさせる営業を除く。)
五  喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた客席における照度を十ルクス以下として営むもの(第一号から第三号までに掲げる営業として営むものを除く。)
六  喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの
七  まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
八  スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)

このうち、身近だというのは、7と8ですね。

7に掲げられているもので身近だというのはパチンコ屋ですね。「まあじやん屋、ぱちんこ屋」とひらがなで書くのは不思議だが。

重要なのはパチンコだということではなくて「客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる」ことらしいがわかるようなわからんような。

パチンコよりももっと身近なのが8に掲げられていること。わけわからんこと書いてあるが、ゲームセンターのことね。

ゲームセンターにあるゲーム機は「本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの」らしいが、

はて、ようわからんことだ。このあたりは国家公安委員会規則で具体的には決められている。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則

まぁメダルを使うゲームはわからんこともないが、テレビゲーム機はやっぱりはっきりしないなぁ。


この法律の適用を受けることがらをするとなるといろいろ制限がある。

第十三条  風俗営業者は、午前零時(都道府県が習俗的行事その他の特別な事情のある日として条例で定める日にあつては当該事情のある地域として当該条例で定める地域内は午前零時以後において当該条例で定める時、当該条例で定める日以外の日にあつては午前一時まで風俗営業を営むことが許容される特別な事情のある地域として政令で定める基準に従い都道府県の条例で定める地域内に限り午前一時)から日出時までの時間においては、その営業を営んではならない。

第十八条  風俗営業者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、十八歳未満の者がその営業所に立ち入つてはならない旨(第二条第一項第八号の営業に係る営業所にあつては、午後十時以後の時間において立ち入つてはならない旨(第二十二条第五号の規定に基づく都道府県の条例で、十八歳以下の条例で定める年齢に満たない者につき、午後十時前の時を定めたときは、その者についてはその時以後の時間において立ち入つてはならない旨))を営業所の入り口に表示しなければならない。

この2つは身近なポイントか。

1つは深夜0時から日の出までは営業できないこと。

そうだったかと、24時間営業もするボウリング店のゲームセンター部分についてどうだったか調べると、

確かに深夜0時までに営業を止めるようになってる。営業開始も季節によって器用に変えているけど日の出以降になるようしている。

もう1つは18歳未満の人は利用できないこと。ただしゲームセンターはこの限りではなくて10時以降は18歳未満の人は利用できないとしている。

この法律の目的は「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため」となっている。

それを実現するための制限だけど、はて、この意義はどのようにあるのか。いまいち分からん話ではある。


と、ここまでは身近にあるようなものの話をしていたが、非常に縁遠いものもある。

それが第二条第二号に掲げられていること。

「待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」

なんと料理店が対象になっている。けどただの料理店ならこの法律の適用を受けないのは言うまでもないこと。

ポイントはむしろその後ろにある「客の接待をして」ということ。

日本料理の基礎知識 (全国料亭・料理店案内)

ここにこの接待と言うことの答えらしきがある。

料亭・料理店と居酒屋さんや一般飲食店との違いを一口で言えば、料亭・料理店とは単に和食の食べ物を提供するだけではなく、女将さんや仲居さん方のおもてなしが伴っている店ということです。そのなかでも特に芸妓さんが入って接待をする店を料亭と呼びます。

日本料理はもともと、個室での接待を基本としていますので、そこに仲居さんなり芸妓さんが居て、心のこもった「もてなし」を受けつつ料理を賞味してこそ、日本料理の本当の素晴らしさも発揮されてきます。

日本の人だけどこういうことを知って驚くばかりだ。というぐらい非日常のことである。

この法律の適用の対象になるのは、そういう料亭だとか言われるお店ですね。

いかにも政治家とかそういうのが密談してそうなイメージを受けるが、まさにそういう舞台として描かれやすいところではある。

まぁ他にも対象となるお店はあるんだけど、結局ポイントは接待するということなんですね。

ちなみに法律の定義では接待とは「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」というわかるようなわからんような話。


ゲームセンターから料亭まで、同じ風俗営業というくくりになるのは驚くばかり。

もちろん特性の違いはあるから、それに応じて適当な規制がかけられてるわけだけどね。

だから正しい理解が広がらないんだと思うけど。

紙パックのお茶の使い方

昨日、出かける前に水筒にお茶を注ごうと思ったらない。

この暑い日にないとか恐ろしい事だ。

中身はないけど、とりあえず水筒は持って出かけた。


そして道中のコンビニエンスストアで紙パックの500mLのお茶を84円で買って、これを開けて水筒に注いだ。

これで冷たいお茶の入った水筒ができた。

魔法瓶なので冷たいものをいれたら冷たいまま保たれる。

これで一日無事に過ごすことが出来た。


紙パックの飲み物というのはなにかと割安感がある。

よくコーヒー牛乳だとか紅茶とかを紙パックで買うことがあるのだが、500mLでも100円~120円で済む。

スーパーならそんなもんでペットボトルの飲み物も買えそうだが、コンビニエンスストアではなかなか。

350mLではやや少ない気がするが、500mLもあればそんな気はしない。

というわけでなにかと有利。


しかし最大の問題は紙パックの取扱いの悪さだろう。

紙パックの口を開けてストローつっこんで飲むとかしないといけない。ストローはくれるからいいけど。

一度口を開けてしまうと傾けたりするとこぼれる。このあたりはフタを再び閉められるペットボトルはかなり優れている。

紙パックはそれ自体保温するような効果はあまり期待できないから、さっさと飲まないとぬるくなる。

などなど、すぐに飲み切るような場合には適しているが、それ以外では都合が悪い点が目立つ。


結局そのことがあるから、紙パックのお茶が84円でもこれまであまり使ってこなかったというのが実際のところ。

まだ、500mLのは水筒のお茶が切れてあまりにのどが渇いた時に買ったことがある。

しかし、1000mLのが105円であるんだが、こちらはもっと使い道がない。買ったことないなぁ。

ペットボトルのものに比べたら圧倒的に安いんだがあまりに使い物にならない。


水筒と組み合わせればそれなりに使い物になることはわかったが、普通は空の水筒だけ持って出かけんわな。

ほんまにあのお茶売れてるのかなぁ。疑問だな。

Wolframさんに聞いてみよう!

WolframAlpha という便利なサービスがある。

わりと話題にしているが、どう便利なのか書いておこうと思う。


このサービスは computational knowledge engine らしい。

とりあえずいろいろな質問に答えてくれるサービスだということらしい。

とはいうけど、まず一番基本となるのは数式処理なのでまずそれを。


ところで数式処理が基本だと言ったけど、実はこのWolframAlphaを開発したStephen Wolframが作った有名なソフトウエアと関係がある。

そのソフトウエアというのがMathematicaだ。そう、むちゃくちゃ有名な数式処理ソフトなんですね。

というわけでこれがベースになっている。

やはり微分積分だな。

differential[e^(-x^2)]

と、微分が出来るのは当たり前か。

Integral[log(x),1,2]

∫[1,e]log(x)dx とかけっこう計算するとめんどくさい積分も一発でやってくれる。

解析的に解いていて、不定積分だってちゃんとやってくれる。けどたまにむちゃくちゃな答えを返してくるので注意。

3x^2+4x+1<0

方程式はもちろん不等式だって。TAのとき問題集の答えの間違えを暴くのにも大活躍。

y”+2y’+y=x,y(0)=1,y'(0)=0

微分方程式を書いて、初期条件を連立させればこうやって簡単に解いてくれる。


ただ、これだけに留まらないのがこのサービスのすごいところ。

Examples by Topic

いろいろなことがらが載っている。

ここでは地理データを例に取り上げてみる。

distance from Seika to Tsukuba

精華町とつくば市の距離を聞いてみた。422.4kmだとか、それは1.41ミリ光秒に相当するだとかそんなこともでてくる。

光で何秒とかいらんやんと思ったかも知れないが、WolframAlphaは宇宙だってターゲットにしてる。

distance from Earth to Itokawa

こんなんだって答えてくれる。すばらしい。

elevatation Mt.Fuji – Yatomi

とすれば標高差も簡単に求められる。富士山は3776m、弥富市は-1mなので3777mと出てきた。

weather in Tsukuba

などすれば、お出かけ先の天気を知ることができる。

climate in Izumisano

とすると気候も知ることが出来る。ただしなぜか近くの空港のデータなので、ちょっと微妙。泉佐野なら関空のデータが近いからいいけど。


さて、このあたりを組み合わせて日本には偏差値78以上の人が何人いるだろうかという計算をしてみた

ずいぶんいい加減な話だが、偏差値はN(50,10)の標準正規分布に従うと考えれば計算することは出来る。

integral(PDF(NormalDistribution(50,10),x),78,infinity)

これで偏差値78以上となる確率が求まる。0.00256となる。

これに日本の人口をかければよいとなるが、それもWolframAlphaにお任せだ。

integral(PDF(NormalDistribution(50,10),x),78,infinity)*(population of Japan)

これで答えは32万人ぐらいと出てきた。

日本の人口全体からすれば驚くほど少ない。ということがわかる。

こんなこともできる。


できることはむちゃくちゃ多いのだが、なかなかうまい使い方がわからないのも事実。

それが大きな悩みかなとおもった。

その手間をかけても数式処理ならかなり意味のあるサービスだけど、Googleに聞けばわかるようなことだったらそうも意味は無いかと。

まぁけどおもしろいね。

微分方程式をコンピュータに解かせる意味

他専攻の学生向けの機械工学の授業で、力学のシミュレーションをする課題が出た。

ルンゲクッタ法でもって微分方程式を数値的に解いてこいと言う内容。


ルンゲクッタ法の詳しい説明についてはWikipediaを参照のこと。

ルンゲ=クッタ法 (Wikipedia)

dy/dx=f(x,y) という微分方程式を数値的に解く方法が書いてある。

これでは1階の微分方程式しか解けなさそうだが、

dy/dx=f(x,y,z) , dz/dx=g(x,y,z) と連立させることで2階の微分方程式が解くことが出来る。

というわけでかなり有用な方法である。


ところで力学のシミュレーションの意義についてだが、

解析的に解ける微分方程式なら解析的に解けばしまいだが、なかなかそうもいかないからシミュレーションするのだと言っていた。

今回の課題にも関係あるのだが、単振動する系に抵抗が加わる時、

その抵抗が速度に比例するものなら、解析的に解くことができることはよく知られている。

じゃあ、速度の2乗に比例する抵抗だったらどうなるのとなると、これは難しい。というか解けるのか?

物体の位置によって抵抗の大きさが変わってくるとかいう問題はとても解析的に解ける気はしない。

実は今回の課題では最終的に位置によって抵抗の大きさが変わる系の解析を行うことになっていた。


というわけでルンゲクッタ法で微分方程式を解くプログラムを書いてみた。

C++で書けばよいそうなので、とりあえずさっと書いてみた。

テンプレートメタプログラミング使いまくって何連立でも解けるようにしようかとも思ったけど、

それはめんどくさいのでとりあえずは2連立に限って解くことが出来るプログラムをさっと書いてみた。

そしてまずは抵抗が速度に比例する場合について解いてみて、解析的に得られた解と比較してみた。

するとだいたい一致していた。条件によっては完全に重なって見えないぐらい。さすが有名な方法だけのことはある。

そして式をいろいろ変えてみたらすぐに問題は解けた。

いちいちコンパイルし直すのはめんどくさかったけど、まぁこれはしゃあないね。


まぁしかしシミュレーションのツールとかないんですかね。

「大学ではFORTRANでシミュレーションのプログラムを書くのだ」とか言ってたけど、そういうもんなんですかね。

FORTRANにしてもCにしても結局自作するもんなんですかね。

電子回路ならSPICEという有名なシミュレーションツールがあるけど。

まぁなかなか一般的に使えるツールがないのかな。

関空から京都に行くのに便利な茶色い乗り物

阪急というと大阪では梅田でしか乗れないイメージがある。

近鉄なら鶴橋~難波で、京阪なら京橋~淀屋橋・中之島でいろいろな路線と接している。

南海でも難波・新今宮・天下茶屋と、阪神はもともと梅田・野田ぐらいだったが、なんば線ができて西九条~難波も乗り換えに便利に使えるようになった。

けど阪急は十三で3線束ねられたあと、梅田まで他路線との乗り換え駅はない。だから梅田に行くしかない。

しかし、京都線についてはそれは正しくないらしい。

淡路から天神橋筋六丁目方面の電車に乗れば堺筋線で大阪の都心に行くことが出来る。

意外と使い勝手のよいルートらしく、京都線に限ってはこれはかなり有用らしい。


堺筋線は大阪の地下鉄の中でもあまりぱっとしない路線だよね。

西に御堂筋線・東に谷町線があって、特に御堂筋線は近いから、駅と駅が地下道でつながってるとか珍しくない。

京阪で大阪に来た時に日本橋に行くのに、北浜から恵美須町とか日本橋まで乗ったけどそれぐらい。

阪急・京阪・近鉄・南海と乗り換えができるが、まぁこのへんは御堂筋線にも言えること。

ただ、北端で阪急と直通していて、南端の天下茶屋での南海との乗り換えは他にない便利さらしい。

どうも堺筋線の改札出たらすぐに南海の駅があるようで。


そんな特徴を生かして、堺筋線は南海と阪急京都線や京阪を連絡するのに利用されているらしい。

御堂筋線で難波まで行ってというのもありだが、難波での乗り換えはややめんどくさいし、阪急からだと梅田の乗り換えもややめんどくさい。

京阪からだと京橋~新今宮で環状線に乗るのもいいし、そっちの方が安いけど天王寺で乗り換えとか長時間待たされることもしばしば。

といろいろ考えると堺筋線を使うというのは確かに賢い。

近鉄からだと南海は難波で歩いて乗り換えれば済むのであまり考えたことはなかったが、なるほどなと思った。


南海に乗って行けるところというと和歌山とか高野山とかありそうだが、やっぱり関空ですかね。

これまで僕も何回か南海に乗ったことあるけど、関空に行くのと堺に行くのにしか使ってないから一番重要そう。

関空へはJRでも行けるが、南海に比べてJRはかなり高い。

JRだと天王寺~関空で1030円するところ、南海だと890円で済む。JRは分割するとやや安くなるが、まぁ微妙な話。

さらに特急乗るぞとなれば、はるかの特急料金は自由席で730円に対して、ラピートの特急料金は指定で500円。

というわけで大阪と関空を移動するなら南海の方が断然安くて済む。

こうやって運賃が安いと示されると、けど南海は遅いんでしょと思ってしまうけど、実はJRも速くなくて、所要時間は同じぐらいというのが事実。

ラピート と はるか なら途中の停車駅の数が全然違うからはるかの方が速いけど、いまははるかは1時間に1本が基本だからその速さも生かせるか微妙。

乗り換えの回数など考えるとJRの方がよい面もあるのは確かだが、なにかと関空アクセスに南海を使うのはいいアイデア。


これを京都から堺筋線経由で使うことを考えてみる。

阪急だと関空~天下茶屋~天六~河原町が1550円、京阪だと関空~天下茶屋~北浜~三条が1520円と、

京都~関空を全区間JRで行く時の1830円とか、リムジンバスの京都駅~関空の2500円に比べると、かなり安くて京都の都心に直接行き来できるという点で優れている。

所要時間もJRで関空快速・新快速を使う場合に比べてそう悪いとも言えない。

せいぜい10分ぐらい余分にかかるだけだし。新快速の化け物じみたスピードを考えればこの程度で済むのはなかなか健闘していると言えるかな。


最近、この 南海-堺筋線-阪急ルートでの関空アクセスのための割引きっぷが売られるようになった。

関空アクセスきっぷ (阪急電車)

京都アクセスきっぷ (南海電車)

なぜか方向によって名前が違う。関空行きは阪急で、京都行きは関空でしか売ってない。

さっきの1550円相当の区間が1200円で利用できる。さらにラピートが+300円で利用できるなどかなりお得感がある。

あとおもしろいのは阪急の有効区間が天六から390円区間なので、嵐山とか河原町以外からも使える。


まさかこんな有用なルートがあったとはなぁ、とこのきっぷが発売されるニュースを聞いて驚いたもの。

ところで、このきっぷが発売されると同時ぐらいに堺筋線・阪急京都線の休日ダイヤが変わって、

休日昼間は河原町発着の準急が堺筋線に乗り入れることになった。

といっても京都に行くのに使えるかと言われると微妙で、準急は遅いから特急に乗り換えんとやってられん。

だというのに、これを京都まで乗り換え無しで行けると宣伝していることにはかなり違和感を感じた。

乗り換えがよくわからない人にはいいのかもしれんけど、それでも休日昼間だけだからなぁ。正直どうなのかなと思った。

ただ、昼間ガラガラの堺筋線が減便されたのは妥当だと思うけど。そのための方便なら別にいいかなとも思うが。

Cの制御構造もPerlに見習おう

今日も組み込みの講座へ。

今日からマイコンのプログラミングというわけで、ディジタル入出力について一通り。


プログラムを自分でいじいじして遊んでる人もいたが、まずはサンプルのプログラムを写すところからはじまる。

ただ、そのプログラムに紛らわしいものもあった。

void wait(int time){
  int i,j;
  for(i=0;i<time;i++)
    for(j=0;j<250;j++);
}

こんなコードだが、写す時にセミコロンを正しく付けないと全くうまくいかない。

つまづいているひと多数。まぁあまりにしょうもないミスなのでちょっと言えばわかってくれるけど。


この2重forをわかりやすく書けば、

fot(i=0;i<time;i++){
  for(j=0;j<250;j++){}
}

となるかな。

1つ目のforは{ }内が1文だけだから{ }を省略している。

2つ目のforは{ }内がなにもしないという文なので、;だけ書いていると。

しかし、これを正しく理解している人はどれぐらいるのだろうかという疑問がある。


ここでPerlは明快だなと思うわけである。

Perlではif,for,whileなどの{ }は省略できない。

まぁPerlには後置ifとかあるけど、そういうのは使わないとすればそうなる。

それでCのelse ifに相当するものはelsifという特別のキーワードを持っている。

Cでの else if( ){ } というのは、else{ if( ){ } } と解釈されてるからいいんだけど、Perlではこれができんから。


もちろん{ }を省略できるおかげでうれしいこともある。

if(i<0)       return -1;
else if(i==0) return  0;
else          return +1;

こういうことはよくやるよね。1行でまとめて書けばコンパクトで読みやすくていい。

ただ、あくまでもifの対象になるのは後の1文だけ。2文以上書くのにはやっぱり{ }省略は出来ない。

だから意外と限られた状況でしか使えなくて、そう考えると、さっきのような例でも { } を書く方が無難なのかも知れない。


初心者向けの講座なのでこういう部分でも丁寧に書いておいた方が正しい理解が得られるんじゃないかなと思った。

特に今回のようななにもしないループを for(…); って書くのは正しいけどどうかとも思うのよね。

普通はこんなループ作らんから、一体なにをしてるのかなと思ってしまう。

それなら { } と書いておけば、なにもすることがないんだなと明快だ。

ぜひ人に説明する時は制御構造はPerlで書いているつもりで { } を欠かさないように心がけていこうとおもった。


ところでCで書くようなforってPerlとかRubyではあんまり書かんよな。

for my $i(1..$time){
  for my $j(1..250){
  }
}

と数値についてやるときは範囲演算子を使うのが普通。

配列についてやるなら、Perl・RubyだけでなくC#でもforeachを使えば出来る。

ただ、Cではforeachのような機能はない。だからこうやってfor(i=0;i<time;i++) とか書くわけだけど、

ここでiとjが出てくると1つ目のforでjが出てきたり、2つ目のforでiが出てきたりというミスをしやすい。

意図してやっているならそれでもいいんだけど、こんな風に数字を数えるのならそれではいけない。

どうにかならんもんかねとは思うけどCではどうにもならん話。C++ではどうなんだろ。

boost::counting_iterator とかかなぁ。けどalgorithmと組み合わせて使うぐらいしか使い道ないよな。

今のところは注意して書くしかないってことか。

ソフトウエアもハードウエアもCで書ければいいな

今日聞いた研究に関する発表で興味深い話があった。

この発表はハードウエアのC言語設計についての論文紹介だったのだが、

なかなか夢が広がる話だった。


論理回路を設計すると言われて、NANDとかNORとかNOTでカリカリ回路を書いてみる設計をゲートレベル設計というのだが、

最近では論理回路の設計の主流というのはVerilogとかVHDLとかHDLを使って記述して設計する、RTL設計が主流。

実際僕もこれで画像処理を行う回路を作った。

具体的にNANDとかNORとかそういうのを考えるんじゃないというのがポイントで、ゲートレベル設計よりも抽象度が高いとされている。

回路の動きをポコポコ書いて行くだけなので複雑な回路でもうまく書くことが出来る。

ここで作ったソースを論理合成すると実際の回路にすることができる。こうして複雑な振る舞いをする回路でもうまく作れる。

というわけだけど、どんな回路を作ろうかなと頭の中にないと設計できないのは言うまでもないこと。


と、そのどんな回路を作ろうかなとか、これはソフトウエアでやろうと決める段階の設計をシステムレベル設計というらしい。

そこでそのシステムを記述するのにCのような言語を使って、それでそこからソフトウエアとハードウエアを作っていこうと。

そういうことをやりたいねというのが、このハードウエアのC言語設計って話。

それでなにがうれしいのか、その発表で行ってたことと、後に質問で聞いたことによれば、

ソフトウエアとハードウエアを統合して考えられるから、システムレベルでの見直しがしやすくなるとのこと。

紹介されていた論文ではハードウエアとソフトウエアの切り分けをいじるということをやっていたのだけど、

まさにそういうことに向くものらしい。


とはいえ、今のところは夢のような話というのが事実だそうで。

というのも、このようにCのような言語で書いたものをうまく回路に落とすことができないらしい。

だから実用的にはVerilogやVHDLのようにRTLの記述ができる言語が欠かせないのが実情だそうで。

だから真に使えるものなのかなという疑問はある。そこらへんは明らかにされてなかったのでなんとも。


このネタに食いついていたのが、画像処理の研究室の人。

自分たちがソフトウエアでやっている処理には時間がかかるけど、

これを同じようにCで書いて、ハードウエア化できて高速化できるなんて夢のような話じゃないかと。

もっともなことで、アルゴリズムを書いて、ちょこちょこいじったらソフトウエアもハードウエアもできてしまう。

それが目標ではあるわけだろう。

果たして彼の研究はなにをやろうとしているのか。実はよくわかってないのだけど、少し期待しておこう。

数学のTAで教えたいこと

今日は数学のTAに行ってた。

クラスにより2つに教室を分けてやっていたのだが、電気工学科の学生がいる方の教室でやってた。


うちの高専は1~3年は数学の授業が2つある。

それで、それぞれ個別にTAの課題が出ていて、TAに参加するかどうかも各科目独立に決まるらしい。

あと課題も担当教員によって違うなどなにかとめんどくさい。

ただ一方の科目は担当教員が同じなので課題は同じだったが。


課題は問題集のこの範囲として出されることが多いが、ある担当教員は自分でプリントを作って持って来た。

問題集の問題は事前に調べてくることが出来るが、プリントの詳しい内容はなかなか。

というわけでこれは1年生にとっても初見で解くことになるし、僕たちにとっても初見で教える必要がある。

まず1問目から厄介な問題だった。

x3+x2+ax+bをx2+2x-1で割った時の余りが5x+2であった。a,bと商を求めよ。

まぁ大概詰まってたな。ヒントは書いてあったけど。

まず最初に1年生が詰まってたのは、一体どんな計算をすればよいのかということで、

これについては授業でもやったであろう (割られる式)=(割る式)×(商)+(余り) という式を思い出してもらえばよかったが、

ここで商はなんやねんとなるわけだ。

ここで商は1次式だなと気付けば cx+d を商とおいて、そして両辺比較すればまぁうまくいく。

教える専攻科生はすぐにそれに気付かなあかんと。「それはちょっと厳しいで」とは一緒にやってた学生の言葉。


それで課題ができたら、自分で丸付けしたのをチェックして回収して、全部課題ができたら帰ってよしと。

まぁ大概の学生はちゃんとできてるからよいのだが、中にはむちゃくちゃな学生もいる。

ある学生ができたというから見たら何を書いてるかわけがわからん。

聞けば最初に答えだけ写したらあかんと言われたから、赤で途中の計算をちゃんとやったとか言う。

むちゃくちゃなことやりおるな。と思ったが一応順序を追って解いているので回収したが。


まだ時間中に解けた学生はよいのだが、時間中に全て解けなかった学生というのもいる。

主には2つの科目両方の課題を解かなければならなかった学生だったが。

1時間という時間制限があるのでそれを超えたら翌日までの宿題になる。

詰まっている学生がいれば解けるように助言するようには心がけていたが、それでもうまく進まない学生というのもいる。

ぜひ、こんな学生には次のテストまでにはちゃんと解けるようになってくれればなと思うけどどうだろうかね。


この数学のTAの意義だが、やはり1年生でつまづいているようじゃこの先辛いということで、

これをフォローして2年以降もうまいことできるようにしようということにあるんだろう。

実は1年生の数学の授業は中学校でやってきたことがらの拡張という面が強い。2年に微分積分や行列が出てきてからが大変。

本当はここにもなんしかフォローする仕組みが必要そうだが、それはさておき。

そこらへんでうまくいくためにはやっぱり1年生でつまづいているとつらい。だから1年でやってるんだろうと。

今回見ていた限りではTAに来ていた学生でも半分ぐらいは大丈夫そうかなともおもったが半分ぐらいは心配だったな。

この人たちが進級した後にうまくいくことを願ってやらんことにはな。

静電気をはかる電圧計をつくった

そろそろ暑くてやってられんので扇風機を出した。

もう夏かとも思うが、まだ梅雨は続くか。


最近、静電気でいろいろやってるのだが、そこでコンデンサに静電気がどれだけ溜まってるか確かめるための方法を考えていた。

静電気というのは数kVと言われているが、かなり高い電圧であるというのが1つポイント。

かといって電荷はたいしてないから、そんなにエネルギは取り出せないという悩みもある。

実際に触って静電気を感じればわかるが、それでは定量的ではないと指摘を受けた。


とはいうけど電圧計で測ろうにも電圧が高いのでなかなかうまくいかない。

エネルギを取り出してそれでとやかくやろうとしてもどうにも。

まぁそういうわけでなかなか難しいかなと思った。


とりあえず、はく検電気を作ってみた。

これは電荷を与えると、金属はくが開いて電荷があることを確認できる装置。

摩擦で静電気を起こした塩ビパイプを近づけると確かに開く。

それはよいがこれではコンデンサにたまった静電気を確かめることが出来ない。


そこでふと計測工学の授業で静電形計器というのをやったよなと思い出した。

これは高電圧を測定するためのものなのだけど、

平板コンデンサの片方を固定、片方を可動できるようにしたもので、平板間距離が変化することを使って電圧を測定する。

この平板にアルミ箔をつかって、それでアルミ箔が動くのを観察すればうまくいきそうだと作ってみた。


ある程度距離を近づける必要はあったが、確かにアルミ箔同士が引き合うのを観察できた。

が、ある程度たまるとアルミ箔同士が接触して放電してしまう。

かといって離すと動かないという悩みが出てきた。

というのも受ける力が極板間距離の2乗に反比例するので、近づくと一気に力の大きさが増えてしまうんだな。

そこが大きな悩みですね。


まぁとりあえずおもしろいものは作れたのでうまく使えるようにせんとな。

新しい教科書の弱点

数学のTAで使う教科書と問題集が届いた。

TAで学生に解かせる問題は各担当教員からメールで知らせが届いているから事前に解いておくことに。

しかしなんで担当教員ごとにばらばらの範囲を指定するかなぁ。


ところでこの教科書、僕が1年生のときに使っていた教科書とは違う。

なんでだろとおもって奥付をみたらすぐわかった。

この教科書の著者の中にうちの高専の教員の名前があった。そりゃ採用するわけだ。

そして出版年は去年と非常に新しい。おそらく今年の1年生から使うのだろう。

著者に高専の教員が多いことからも高専でつかうことを意図していることは明らかで出版社も高専専用だとも言っている。

高専専用とまで言うか、とおもったけど1~2年ぐらいの内容というのはまぁ大学でやることはまず考えられんだろうな。

一応、大学でもリメディアル教育、すなわちは学び直しには使えるとは書いてあるけど、やっぱり高専がメインなんだろうと。


教科書をパラパラ見ていたのだがかなり丁寧に書かれているなとおもった。

問題もポコポコ入っていて、ちゃんと解答も巻末に載っているのはいかにも教科書らしいことか。

さらにすばらしいのは詳細な解答は出版社のWebサイトに掲載されているので、

なにがおかしいんだろと思ったら、それを調べればなるほどとわかる。これはいいですね。

実は僕も解いていて、問題を勘違いしていてさっぱりな答えが出てきたことがあって、ああここを間違えてたのかとすぐ気付くことが出来た。


というわけで指定番号の問題を解いていたら、どうしても答えが合わない部分が出てきた。

詳細な解答を確認したところ、その中で解答の中で計算が間違えてた。

自分で計算した結果が正しいことはWolframAlphaを使って検算して確かめた。

こういうこともある。


こんな教科書でいいのか、と思ったかも知れないが、やはり教科書を書いているのも人、間違いはありえるはなし。

特にこの教科書は出版されたばかり、どうしても間違えた内容が多いのは止む得ない。

ただ、このあたりは徐々に解決されていくことで、ここで発見した誤りを報告すれば修正していくことができる。

なので、まぁそんなに悪いもんでもないかと。内容はかなりよいわけですし。


しかしこれで問題なのはその問題を解いてみた学生がうまく答え合わせできないことだな。

TAでは参加した学生自身が答え合わせをすることになっている。だからけっこう問題。

そこらへんはどうすりゃいいんだろ。教員や他のTAの学生とも相談するか。