遠くへ行く人の列車と近くへ行く人の列車

例えば上本町から近鉄電車に乗る時、行き先に応じて乗る電車を選ぶ。

遠くへ行く電車は通過駅を増やして、遠くの人を中心に乗せて停車駅の多い電車より速く走っていく。

場合によっては通過駅の人でも途中の駅で各停の類に乗り換えて早くたどり着くことができる。


こういうことは日本各地で行われていて、早くて便利に使えるようにと工夫が重ねられている。

途中の駅での優等列車との接続を工夫したり、停車駅を時間帯に応じて変えてみたりといろいろしている。

大体の傾向としては朝晩は優等列車と接続すると混雑が激しくなるので、各駅からターミナルへ直接行くのに便利な列車が多くなり、

昼間は利用者が少なくなるので本数を減らすけどそれでも便利なようにと優等列車との接続を活用できるようにしている印象。

その結果、日本の鉄道は複雑で乗れたもんじゃないと外国の人には言われるかもしれないけど、

よく知っている地元の人は便利に使えることが多いのではないでしょうか。


まぁここまで複雑なことをするつもりはなくてもSimutransで途中駅折り返しの列車を作るに当たって、

ただ各停ばかりを走らせていたのではうまくいかなかったのでいろいろ試してみた。


途中駅折り返しの列車を走らせる動機ですが、終点近くでは利用者がまばらな電車が走っている一方でターミナルでは積み残しが出ていたから。

その乗客の様子を観察すると途中駅までの利用が多いことがわかったので、途中駅で折り返せばよいと考えた。

途中駅で折り返す列車はよりターミナルとの間を往復できる回数が増えるため輸送力を増すことができる。

まずはターミナル付近のごく近距離の多かった路線に2駅間だけの電車を走らせたが、積み残しを大幅に減らすことができた。

そのため同じような現象が起きている他の路線にも同様に路線の半分ぐらいの駅で折り返す電車を走らせてみた。


ところが、各停ばかり走らせると問題が発生した。

ターミナルで積み残しが多発している一方で途中駅で折り返す電車の利用がまばらで意図したように働かなかった。

近くに行く人は途中駅で折り返す電車だけでなく遠くまで行く電車も利用できる。

なので遠くへ行く電車が来ても乗ろうとする。

その結果遠くへ行く電車には遠くへ行く人も近くまでの人も乗ろうとして乗りきればよいが乗りきらなかったらSimutransは近くの人を優先する。

すると遠くへ行く人がとりのこされるが、この人たちは途中までの電車に乗れない。その結果、その電車は乗客が少ないまま出て行く。

この仕組みに問題がある気がするのだが、その結果遠くまで利用する人がターミナルに溜まって動けなくなってしまった。


そこでいろいろ考えた結果、遠くまで行く列車は通過駅を設けることにした。

といっても設備の都合追い抜きを行うことはできない。通過線を作ることは想定していなかったから。

ということで普通を追い抜かない急行というものしか設定できない。

果たしてそんなものに意味があるのかという疑問はあるものの、名鉄瀬戸線などそのような場合でも通過駅のある列車を走らせていることがある。

前の各停に急行が追いつくようなことも本数が少ないからさほど心配ないと考え、追い抜かない急行を走らせることにした。


途中で折り返す列車のある駅まで利用者の多い駅もないので、急行はターミナルからその駅まで2駅ほど通過することにした。

2駅通過したぐらいで変わるもんかとおもったが、少しは状況が改善した。

ガラガラで走っていた途中で折り返す各停だが、急行が通過する駅を利用する人が使わざる得ないため利用者が増えた。

折り返し駅より先の利用者で急行の止まらない駅に行く人は各停が折り返す駅で各停に乗り換える必要がある。

これは利用者にとっては厄介なことだが、各停に乗り換えるために降りたすき間にその駅から乗る人も乗車できる。

その結果、積み残しを減らしてターミナル駅の情勢は正常化した。

あとわずかに急行の方が所要時間が短いので往復できる回数が増えて、輸送力を増すことができた。


Simutransでは詳しいダイヤの設定ができないので、

ターミナルで途中駅折り返しの各停→遠くまで行く急行の順番で来て欲しいのに逆に来たり、

折り返し駅でターミナル行きの急行→始発のターミナル行きの各停の順番に来て欲しいのに逆に来たり、

不満は多いが、それでも多少はましになった。


ところで追い抜きを行う場合だが、先に書いたように日本では追い抜きのときに優等列車と接続して利用できるようにしていることも多い。

しかしこれはSimutransでは意味がない。というのもSimutransでは乗り換え回数の少ない系統を選んで使う。

全区間にわたって急行と各停を走らせていたとして、急行に乗って後で各停に乗り換えた方が早い場合でも利用しない。

ひたすら各停で目的地まで向かう。

なので日本で起きているような優等列車ばかりやたらと混むという問題は起きないのは良いことなのかな。

まぁダイヤを詳しく設定できない以上はそのような接続が上手く働く気がしないので乗換の少ないルートを選ぶ方が賢明だと思うわ。


同じようなことをバスでも行ったがこちらはもっと顕著に効果が出た。

というのもバスはバス停をくまなく回るため遠回りしながら走っていたが、途中までノンストップにすればこれをショートカット出来る。

さらに遠くまで行く快速バスと途中までのバスとどちらも使えるバス停はほとんどないため、完全に利用者を分離出来た。

これにより遠くの人がバスターミナルに溜まる問題と近くの人がバスに乗れない問題を解決することができた。

ちなみにこの場合快速バスとそうでないバスの所要時間の差は多そうだが、どちらも利用できる場合は先に来たバスに乗る。

なので最終的な目的地への到着は遅くなるかも知れない。まぁそういうもんなんですわ。

市になるための方法

昨日、国勢調査の人口の話を書いたが、この国勢調査による人口というのはさまざまなところで使われる。

選挙区割りに使われるのはわりと有名だと思うが、実は市町村の別を決める要素にもなっている。

そんな国勢調査の結果を見て、市になろうと決めた町がいくつかある。


ところで、市になれる条件ってなんなんでしょうね。

地方自治法が出来る前は市制で定められていたが、現在では地方自治法で定めている。

町になれる条件は都道府県が条例が決めるので全国ばらばらだが、市の条件は地方自治法に書いてあってほぼ全国で同じ。

  • 人口五万以上を有すること
  • 当該普通地方公共団体の中心の市街地を形成している区域内に在る戸数が、全戸数の六割以上であること
  • 商工業その他の都市的業態に従事する者及びその者と同一世帯に属する者の数が、全人口の六割以上であること。
  • 前各号に定めるものの外、当該都道府県の条例で定める都市的施設その他の都市としての要件を具えていること。

1つ目の条件はそのまま人口ですね。それなりの規模がないと市にはなれないよということ。

しかし、ただ人口が多いだけで市というのはおかしいということで、都市としての機能を備えていることを残りの条件で問うている。

2つ目は中心市街地に6割の人が住んでること。これは村の集合ではいかんということですね。

実はこのことがひっかかって人口5万人を越えてるのにいまだ村というところがあるんですね。

それが岩手県の滝沢村で、盛岡市の郊外として人口は増えたが、中心市街地というものが存在しないという不思議な村なんですね。

このことは盛岡市への合併も考えろという意味なのかも知れんが、町にもなれないのは違和感がある。岩手県厳しいね。

3つ目は都市の人の生活をしている人が6割以上ということで、もはや農村ではないということを問うてるわけですね。

とはいうものの、最近は田舎でも都市へ行って働く人が増えている気がするので、この条件は簡単に満たせそうですね。


4つ目は都道府県によって異なる。

奈良県の場合は、

  • 幹線道路、鉄道、公園、水道、下水道、ごみ処理施設等の都市の基盤となる公共施設が整備されていること
  • 高等学校、大学又はこれらに類する教育施設、図書館、博物館等の教養文化施設及び体育館、水泳プール等のスポーツ又はレクリエーション施設が整備されていること
  • 病院等の医療施設及び老人ホーム、保育所等の社会福祉施設が整備されていること
  • 住民生活と密接な関連を有する国又は県の公用施設並びに銀行及びその他の会社の事務所、店舗等の業務施設が整備されていること
  • 当該普通地方公共団体の財政規模が適正であり、かつ、財政状況が健全であること
  • 自然的経済的社会的条件からみて都市としての発展が見込まれること

としている。まぁわりと易しい条件なんじゃないですかね。ほとんどの市町村が満たせる条件だと思う。

一方で大阪府はかなり厳しい。

  • 地方事務所、税務署、公共職業安定所等の官署又は府の公署が、五以上設けられていること
  • 学校教育法第六章に規定する高等学校又は同法第七章に規定する中等教育学校以上の学校が、三以上設けられていること
  • 公私立の図書館、博物館、公会堂又は公園等の文化施設を、二以上有すること
  • 上水道、下水道、軌道又はバス事業等の事業を当該普通地方公共団体において一以上経営していること
  • 病院、診療所、劇場、映画館等の施設が、四以上設けられていること
  • 銀行及び会社の数及びその規模が、他の市に比して概ね遜色がないこと
  • 最近年度における当該普通地方公共団体の住民一人当りの国税納税額又は地方税納税額が、府の区域内における他の市の住民一人当りの国税納税額又は地方税納税額と同額又はそれ以上であること
  • 当該普通地方公共団体の前年度予算総額を全人口で除した額が、府の区域内における他の市の前年度予算総額をその市の全人口で除した額と同額又はそれ以上であること
  • 商工業その他の都市的業態に従事する者の数が、最近五箇年間増加の傾向にあること

としている。ちょっとこれは厳しくないですかね。まぁ大阪府なら大丈夫なのかな。


都道府県により4つ目の条件は違うが、都道府県によってはすでに満たしている町は多いはず。

となるとあとは人口だけとなるわけだ。そしてその人口は国勢調査により決まる。

そして速報値が出たので、市への移行を目指して動き出した町がたくさん。

石川県の野々市町、愛知県の長久手町と東浦町、埼玉県の白岡町、千葉県の大網白里町あたりが移行を目指した作業を始めた。


市へ移行するに当たって名前を変えることがある。

例えば京都府の田辺町が市になるにあたっては京田辺市に変更した。

これは市の名前は原則として重複しないようにすることになっているので、和歌山県の田辺市と名前が重ならないようにしたもの。

他に大阪府の狭山町が大阪狭山市になったり、京都府の長岡町が長岡京市になったりした。

変わった例では大阪府の三島町が静岡県の三島市との衝突をさけるために摂津市となった。

ただ、それ以外の理由で名前が変わることはまれな気がする。

が、ないわけではない。大阪府の南大阪町が羽曳野市になったり、美陵町が藤井寺市になったりした。


あと考えられるとすれば、○○町の名前で非常に定着している場合ですかね。

京都府の向日町は向日市になった今でも向日町で1つの地名として使われている事が多い気がする。

警察署の名前も向日町警察署だし、郵便局も向日町郵便局だしね。

そんなんだったら向日町市にしてもよかったんじゃないかなと思うけどね。

そのような例としては新潟県の十日町が十日町市、長野県の大町が大町市になったことがありますが、

これらは新設合併のときにやったようでちょっと事情は違うか。


野々市町、長久手町、東浦町については既にそのままの名前で市になるようですが。

まぁ普通はそうですわな。


と、このあたりは町が市になることですが、一旦市となれば人口が減っても市のままですね。

平成の大合併だと言われていたときに市を含む市町村が新設合併しても市になれないということが出てきたこともあったが、

そのときも法律を変えたりして市を含んでいれば市に、町を含んでいれば町にはなれるようにしたぐらいだ。

主には人口要件の問題ですから、人口は減っても都市としての姿は変わっていないという理屈は成り立つけどね。

まぁ今回市になろうという町はいずれも人口増加傾向にあるので当分は問題ではないと思うけどね。

もしも豊岡県があったら

どうもこの前の国勢調査の速報値として人口が出てきたようです。

そこで少し気になってたことを調べてみた。

何を調べたのかというと、もし豊岡県があったら都道府県別人口でどれぐらいの順位にあるのかということですね。


そもそも豊岡県とはなにかというと、かつて丹波・丹後・但馬の大部分を領域としていた県ですね。

丹波・丹後・但馬はもともと1つの丹波国だったものが分割されたものだからこれらの地域は密接に関係している。

これらをまとめて三たんと呼んでいる。(参考 : 三たん事典)

豊岡県は廃藩置県の後、いくつかの県を統合した結果できた県ですね。

ただ、現存していないことからも分かるとおり、その後豊岡県は兵庫県と京都府に分割されてなくなった。


京都市の郊外として発展している亀岡市を中心とする南丹が京都府なのは妥当かなとも思うのだが、

三たんのそれ以外の地域というのは京都市や神戸市から離れていて、どうも兵庫県・京都府であることがしっくり来ない。

それと豊岡県分割のときに但馬は全て兵庫県、丹後は全て京都府になったのだが、丹波は京都府と兵庫県に分割された。

そのせいでどこまで京都府か兵庫県かわかりにくい。

福知山市が京都府だと聞いた時、「えっ」と思った人もいるかもしれない。


というわけで僕は豊岡県に相当するものがあってもいいのではないかと思っているのだけど、

ふとこの地域は過疎化が進んでいて人口が少なくなっていることを思い出した。

そこで人口を調べてみた。

豊岡県の区域に相当する市町村は概ね、

  • 丹波
    • 天田郡 : (京都府)福知山市
    • 氷上郡 : (兵庫県)丹波市
    • 多紀郡 : (兵庫県)篠山市
  • 丹後 : 舞鶴市・宮津市・京丹後市・伊根町・与謝野町
  • 但馬 : 豊岡市・養父市・朝来市・香美町・新温泉町

となっている。

丹波のうち桑田郡・船井郡・何鹿郡は豊岡県ができたときに京都府になっている。

桑田郡・船井郡は南丹だからもともと京都との行き来が多かったからわかるのだが、

なんで綾部市に相当する何鹿郡まで京都府になってたのかはようわからん。

まぁどっちにせよ京都府になってただろうから早いか遅いかの違いだったわけだけど。


これらの地域の人口を足してみると564909人になった。

これは都道府県別人口最下位の鳥取県の588418人よりわずかに少ない。

実在していたら人口最下位の都道府県だという驚きの結果が出てきた。

もっとも実際に豊岡県が存在すれば、県庁所在地を中心に今はない雇用があったかもしれない。

そうなればもうちょっと人口は多くなってた可能性はある。が、それにしても少ないことには違いない。

ちなみに人口が2番目に少ない島根県は716354人だから、鳥取県はぶっちぎりで少ないんですね。

それと並ぶ少なさですから、もし豊岡県があればツートップだとか言われたかもしれない。


果たしてこんな小さな県で効率の良い行政ができるのかという疑問はある。

もっとも面積についてはそれなりに広い。

4740[km2]もあるから和歌山県や現在の京都府の面積に近い。

そう考えると小さいという指摘は必ずしもあたってない。

しかしこれは入ってくる税収が少なくて出ていく支出が多いと言うことだからけっこう厄介な話だ。


あともう1つ別に県があってもよいのではないかとおもっているのが熊野ですね。

元々熊野国造がおさめていた地域でとんでもない辺境ですね。律令国でいうと紀伊国ということになってる。

これも熊野川を境に和歌山県と三重県に分割されたんですね。

熊野の中心である新宮は和歌山県だけど、ここから津市と和歌山市だとどっちも遠いが津市の方が近いらしい。

ただ、やっぱり遠く離れている地域と言うこともあり不便も多いようだ。

しかし、これは人口が少なすぎる。さすがにこれは無茶かなと思った。

VISAデビットの海外取引事務手数料が上がる?

この4月からスルガ銀行のVISAデビットの海外取引事務手数料が上がる。

これまで1.63%だったのが3.00%になるわけだ。

この変化は果たして大きなものなのか小さなものなのか見積もってきた。


ところでこの手数料ってのはなんなのかという話だが、

現金を両替したときにレートに上乗せされている両替手数料に相当する。

クレジットカードでの決済や小切手などのレートはこの手数料を上乗せする前のレートで考える。

しかし、それとは別に手数料を取るという方法で銀行はかかった費用を確保するわけだ。

この手数料がこれまでは一般的なクレジットカードと同じ1.63%だったのをうちは上げるよと行っているわけだ。


さて、アメリカで100USDの商品を買うことを想定して考える。

今、三菱東京UFJ銀行が示しているレートによれば

  • TTS(電信売り相場、送金・外貨預金入金に適用) 82.96JPY/USD
  • CASHS(現金売り相場、円からドルへ) 84.76JPY/USD
  • TTB(電信買い相場、送金されたとき・外貨預金出金に適用) 80.96JPY/USD
  • CASHB(現金買い相場、ドルから円へ) 78.96JPY/USD

なので現金で100USDを手にするためには8476円かかるわけだ。

一方VISAのレートだが、今日のレートは今はわからないけど、24日のレートはわかる。

82.71JPY/USDと出てきた。その時々でレートは変わるのでいい加減だがとりあえずこれで計算する。

どうもVISAのレートはJPY→USDもUSD→JPYもほぼ同じレートのようだ。

このレートで決済されるとして手数料1.63%で必要な金額は8406円となった。現金のときより70円だけ安い。

一方3.00%だと8519円になる。113円上がって現金より43円だけ高くつくことになった。


この手数料の差を大きいと見るか小さいと見るかは一概には言えないか。

ただ、この金額で100円程度なら気にならないかなとは思った。

100USDだったのが101.2USDに上がったようなものだと言われると、そんなに変わってないなと感じる。

そんなに高額な買い物をすることもないだろうし、この程度の金額でそんなに差がないと感じるなら実害はほぼないでしょうね。


現金とレートが逆転したことだが、調べたら24日に比べてわずかにドルの価値は下がっているようだ。

なので、今日決済したとすればVISAで決済した時の金額も下がって、逆転は解消されるのではないかと思っている。

しかし、まぁこういうのをみる限りでは現金で決済してもカードで決済してもそう変わらんなと思った。

手数料が上がったことでさらにその傾向が強くなるかと思った。

しかし、旅行先でお金をつかうとき、現金で支払うなら現金がなければいちいち両替する必要がありめんどくさいし、

必ずしも妥当なレートで両替されるとも限らない。ホテルのフロントで両替できるけどサービス料が上乗せされてるとかそういうの。

そういうことを考えれば、常にそのときの価値で換算され比較的安価な手数料をとられるだけで済むカードでの決済は有利だと思った。

もっとも他に手数料の安いカードがあるならそちらを使った方が有利なのは言うまでもない。

というわけでこの前作ったセゾンカード使うわ。これなら1.63%でいけるはず。


これはショッピング時の話だが、ATMでの引き出し時のことはまた少し事情が変わってくるか。

ATMでの引き出しにはこれに加え引き出しの度に210円の手数料がかかる。

確かにATMがあればどこでも引き出せるのは非常に便利だが、小口で引き出すと割高感がある。

きっと安い両替所があればそこの方が有利だろう。まぁ絶対値にすると数百円の差なんだろうけど。

これは手数料が上がる前からそうだったのだけどね。ただ、さらにその傾向が強くなった。


というわけでささいな変更かなという感想だった。

結局今までとそう変わらんわけですから。

この手数料変更の背景になにがあるのかは知らないけど、この程度のことならばと思った。

Simutransの車両を作る

Simutransにはアドオンがたくさんある。

それでどうなってるのかなと調べたら驚くほど簡単な構造だった。


その構造とはPNG形式の画像とテキストのdatファイルをmakeobjでくっつけてpakとするだけ。

画像さえ用意すればその動作はテキストでちょこちょこ書けば足りる。

なかなかおもしろいですね。

あと画像ですが、Simutransではある一方から見た姿だけ用意すればいいのでそんなに大変ではない。

3Dのゲームではないと言うことです。


それで郵便電車を作っていた。

動機としてはSimutransにはあまり電車がないということがあった。

このゲームはヨーロッパのゲームなので、鉄道での旅客輸送のメインは客車とされている。

まだディーゼルカーはあるのだが、電車は高速鉄道のようなもの以外は見あたらない。

やはり電車の国の人からすれば、機関車と客車を連ねるよりかは電車を走らせる方が便利なのでそういうアドオンを導入していた。

ちょうどそうやって見ていたら郵便電車が含まれている車両セットがあって、なかなかおもしろいなと思った。

なかなかそういうものはなくて、それも任意の列車に1両からとりつけられるものはないなと思い作ってみた。


一から作るのは大変なので、ちょっと他の車両アドオンを参考にすることにした。

アドオン/列車11 (Simutrans JAPAN)

ここに近鉄車両セットとか南海電鉄車両セットというのがある。これを利用した。

作者の方は自由に改変してよいと書いてあるから利用した。

当初近鉄のが赤色だからちょうどいいと思ったのだが、どうにもステンレスカーにつけると合わないのでステンレスカーということで南海のも利用した。

画像をカリカリ編集して1両編成の電車を作り、色を郵便の赤色にしたり、郵便マークをつけたりした。

そして適当なパラメータを決めてpakにしてSimutransに投げ込み、走ってる電車の1編成にとりつけてみた。


するとなかなか上手いこと動作している。

駅に設けた郵便局間の輸送をちゃんと行っている。

赤色の車両と言うことでどこにいるかわかりやすいのでいいですね。

またpakデータについてはまとめてアップロードしようかなと思っている。


積み荷を混載貨物にして日用品輸送電車を作るとか、そういうこともできるかもしれませんね。

まぁこの程度だと運べる量はトラックとあんまり変わらないので、わざわざ鉄道輸送する理由も乏しいけどね。

ただ、旅客列車に取り付けるだけというのは手軽なので、なかなかいいかなとは思った。

わかりやすいサインを目指そう

今日、八木駅で乗り換えたら、エレベータが完成していることに気付いた。

以前からバリアフリー工事をしていたけどとうとうその最も中心となるものが完成したわけだ。

そして同時にサインの入れ替えもされていて、案内があかるくきれいになってた。


ところで八木駅の構造というのは意外と複雑だ。

大和八木駅構内図 (近鉄)

一見すればこんな駅はよくあるんじゃないかと思うし、実際よくあるとは思う。

しかし現地にいてもなかなかこの構造というのがわからないものである。


大阪線ホームに降りた時のことを考える。すると階段2つとエスカレータがある。

それぞれ橿原線橿原神宮前方面ホームと西大寺方面ホームにつながっている。

間違えると困るので、階段を下りるところにはもともとどこ行きのホームかという案内と乗り換え案内のテレビが置いてあった。

乗り換える分にはそれでいいんですけど、問題は八木駅で降りる時ですね。

改札口は橿原神宮前方面ホームとおなじところにあるので、その階段から降りて行く必要があるのだが、この案内が不足していた。

まぁ乗り換えの利用者の方が多いとは思うけど、それはちょっとなぁと。


橿原線西大寺方面ホームに降りた時のことを考える。

大阪線との乗換の時は直接移動できる階段がずいぶん目立つ。

ただ、改札口へいく通路というのはひっそりしていて気付きにくい。

圧倒的に乗換の人が多くて、この駅で降りる人の割合が少ないからこそだろうが、そういうことがある。

小学生ぐらいのときから八木駅を使うことは多かったが、この通路の存在に気付いたのは数年前のことだった。

この駅自体で乗降しないから気付かなかったこととも言えるが、それにしてもなぁとは思う。

ちなみにこの通路は以前にバリアフリー化され、連絡通路の両側にエレベータが取り付けられている。

八木駅にエレベータが取り付けられるという話を聞いて、大阪線ホームに付くものだとおもってたら、

どこについたか気付かなくて、後に本屋の横にエレベータがあることに気付いたが、一体これがどこに繋がってるかは知らなかった。


まず、このバリアフリー工事の話だが、大阪線のそれぞれの方向のホームと橿原線橿原神宮前方面ホームを結ぶエレベータを取り付けることがメインだ。

これでは大阪線ホームと橿原線西大寺方面ホームの往来ができないではないかと思うかも知れないが、

連絡通路はすでにバリアフリー化されていて、この通路を使えば橿原線の両方のホームを相互に行き来できる。

なので、改札のある橿原神宮前方面ホームへのエレベータだけ取り付けて済ませることにしたようだ。

ただ、そうなるとエレベータを乗り換える必要がある。またわかりにくいことをと思った。

しかし、エレベータのところに西大寺方面ホームへの行き方が地図入りで書かれていてわかりやすくなるよう配慮されてた。

これならなんとかなるかなと思った。


それにあわせて駅のサインも一新された。

もともとちょびちょびサインの入れ替えはしていた気はするが、今回の変更はとても大規模だと思った。

まず、字が大きくなっていることに気付いた。大きい字の方が読みやすいのは言うまでもない。

少し字体が独特な気がしたが、これはイワタUDフォントを使ってるからですね。

UDフォント採用例 近畿日本鉄道株式会社 (イワタ)

一般に印刷物に使われるフォントに比べると誤読を減らすために細工を入れてあるので少し違和感を感じたようだ。

まぁ近鉄の新しいサインは全部これですから気にしててもしゃあないけど。

それともう1つ違和感を感じたことがあった。トイレのサインがピクトグラムだけで文字が入ってなかった。

これは字でも書いた方がいいと思いますけどね。まぁ日本の人なら書かなくてもこれはトイレだとわかるとは思うけど。

あと、問題の大阪線ホームから出口への案内も少しわかりやすくなってた。

乗り換え案内の表示が主ですが、そんな中にもここを降りればいいとか、中央の階段を降りるとかいうことがわかりやすくなってた。


世の中、物理的なバリアに限らず、様々なバリアがあるとは思うけど、それを少しずつ取り払っているんだなと思った。

あとはテレビの案内装置の更新をすればもっとよくなると。

テレビの案内装置は文字が小さいし解像度が低いのでちょっと読みにくいかも知れない。あと焼き付きで表示が怪しい。

最近、近鉄ではLCDを利用した案内装置を並べていることがある。西大寺とかね。

非常に読みやすいのでそれが配置されるとなおいい。

まぁ今のままでもわかりやすいのは確かだけど、見やすいところまで目指すといいかなと思ってね。


あとこれはこの駅だけの事情ではありませんが、近鉄の時刻表もちょっとわかりにくいよね。

例えば桜井で降りたい人が八木で時刻表を見る時、いろいろなところを見ないといけない。

  • 宇治山田・鳥羽行き快速急行
  • 青山町・松阪行き区間快速
  • 宇治山田行き急行
  • 青山町行き急行
  • 榛原・名張行き準急・普通

ようは特急以外全部なんですが、どれが次かというのが一見わからん。

乗る列車が一種類に限定される場合はよいのですが、なかなかそういう人ばかりではない。

他の事業者では種別・行き先に関わらず時間順に並べていることが多いが、

ごちゃごちゃしているけど、自分が必要な列車だけ拾い読みしていけばよくて時間順だからなにかと都合がいい。

まぁこのあたりは一長一短ありますが、僕は時間順に並べた方がうれしいですね。


どうするかは近鉄次第ですが、こういうことにも積極的に取り組んでいるようなので期待しておこう。

こういう動きが広まれば見知らぬ駅やターミナルでも迷わず動けるはずだから。

高専専攻科に入学するのはお得か

今日、高専から郵便が届いた。

なんだろうと思って差出元を見てみると専攻科の事務所から届いていた。

専攻科の入学手続きの案内ですね。


専攻科に進学すると言っても、一旦高専を卒業して改めて同じ学校にある専攻科に入るだけだから改めて手続きが必要になる。

まぁこのあたりは大学の学部と大学院でも同じだと思いますけどね。

そうでないのは大学院の博士前期課程・修士課程と博士後期課程の間ぐらいのものかなと。

博士前期課程という名前からもわかるが、5年間で博士課程であるところを修士の学位を取るまでの2年とそれからの3年で分けてあるだけだからね。

だから同じ大学院で進学する場合は検定料・入学料はかからないことが多いようです。


ただ、そうでないのなら検定料もいるし入学料もかかる。

国立高専の専攻科の場合、検定料・入学料・授業料は全て本科とおなじ金額になってる。

検定料は16500円、入学料は86400円、授業料は年額234600円ですね。

本科と同じというのは不思議な感じだが、国立学校の授業料などはだいたい専攻科と本科の標準額が同じなんですよね。

だから専攻科だからといって違う値段にすることは難しい。

まぁわかりやすくていいですけどね。


この金額は国立大学に編入学する場合に比べて安いのか高いのか。

国立学校における授業料その他の費用に関する省令

見れば分かるけど、確かに(専攻科を含む)という字が目立つ。

まず授業料だが、大学学部の授業料の標準額は520800円がなのでだいたい高専が半額ぐらい。

これはよく知られていることですね。

こうやってみると国立大学の授業料は高いなと思うのだけど、これでも私立の大学に比べれば安いそうだ。

公立高校の授業料不徴収が始まる前の話だが、公立高校の授業料3年間と国立大学の授業料2年間よりも高専5年間の方が安いって話ありましたね。

今でもこのあたりの事情は変わってないはず。高専にも就学援助金の給付もされているわけですし。

だから5年の後、大学に編入学したとしても安いのだが、専攻科に進学した場合さらに安くつく。


検定料ですが、国立大学の学部への編入学の検定料は大学院の検定料と同じ30000円ということになってる。

なので高専専攻科の検定料は国立大学の編入学するときの検定料の半額ぐらいで済む。

安いの確かだが、僕は予備に豊橋技術科学大学に出願したので別に30000円払ってますからね。

金額も小さいしそういうことを考えるとあまり重要な差とは言えないかなと思った。

ちなみに大学に学部1年から入学する時の検定料は17000円と高専と同じぐらい。

ただし、国立大学の入学試験を受けるためには基本的には大学入試センター試験も受けなければならない。

これの検定料が18000円(3科目以上)なので、合わせると35000円になる。だから別に安くはない。

あと、大学によっては大学入試センター試験の結果などを利用して二段階選抜をすることがある。

その場合は一段階目の検定料は4000円、二段階目は13000円になる。

なので、一段階目で不合格になったら13000円戻ってくる。わざわざめんどくさいことを。


一番大きな差が入学料で国立大学の学部・大学院の入学金は282000円する。

さすがにこれには驚いた。なんでこんなに高いんだ。

もっとも高専だってそんなに安い訳ではなくて86400円もするのだけど、それのさらに3倍以上だと言うから驚いた。

これ、2年後に大学院に入学するなら、そのときにもまた必要だから入学金だけでかなりの負担になりますよね。

気になって県立高校の入学料を調べたらたったの5650円だった。安いですね。


あとこれは余談だが、高専は寄宿料がとても安い。

この省令の第11条を見るとわかるが、基本的には寄宿料は単身用で月4300円~5900円になっている。

これでも安い気はするけど、高専の寄宿料は第3項に別に決まりがあって、1人部屋は800円、2人部屋は700円になってる。

さらに高専の寮というのはそれなりに入りやすいと思うので、自宅から離れて勉学に励む場合、特にお得だ。

あとこのこの金額は専攻科生でも変わりませんから相変わらず安い。

もっとも専攻科生でも寮に入れるかは学校により事情は違うと思いますが。


まぁお金のことばかり言っててもしゃあないけど、このあたりは高専専攻科のメリットの1つですからね。

高専本科・専攻科の組み合わせだと学士の学位を取るまでにかかる費用はかなり安く済むことは間違いない。

もしかするとそういう理由で選んだ人もあるかもしれない。

まぁそれでもタダ当然のヨーロッパの大学に比べればかなり高いとは思うけど。

定時運行の敵は平面交差

近鉄電車に乗って京都や奈良に行こうとすると西大寺駅を通る。

近鉄の路線ネットワークでもっとも重要なジャンクションだが、この駅に着く前にかなりの確率で一旦停止する。

そこまで行かなくてもずいぶん減速することが多い。

なんでこんなことになるのかというと信号待ちのためなのですが、ちょっと多すぎる気がする。


そもそもの原因は平面交差にあると言われている。

奈良線・京都線・橿原線が立体交差によらずポイントによってつながっているということだ。

立体交差の場合、上を走っている線路と下を走っている線路は全く無関係に走ることができる。

大阪の地下鉄を見れば分かるが、各路線はすべて立体交差なので他の路線の都合で信号待ちとは基本的にはならない。

各々が何分間隔かで勝手に走っているだけだが、ぶつかったりはしない。

ただ、平面交差の場合、ポイントのところは同時に1つの列車しか通ることができない。

なので信号によりこれを制御している。その結果信号待ちが生じて一旦停止してしまうわけだ。


なんでこんなことをわざわざ取り上げたのかというとSimutransで作ってた線路がこれでえらい目に合ったからだ。

平面交差しているところで向こう側から電車が来るのを待って停まるんですよね。

単線と同じことが起きるわけだ。

それがあっちでもこっちでも起きるからなかなか荷物が運べない。

というわけで立体交差にせざる得なくなったわけだ。


ただ立体交差を作るのは簡単な話ではない。

ああでもない、こうでもないと組み合わせて作ってた。

ある一方向からだけ入ってくる駅は高架橋で線路を1回乗り越えるだけで作ることが出来る。

これぐらいなら簡単なのだが、二方向から入ってくるにはどうすればいいかとかそういうのを考えてると難しい。


これでだいぶましになったと思ったのだが、まだ列車の流れがおかしい。

なにがおかしいのか見てたら、貨物駅を出る列車を入る列車が待ってた。

貨物駅はフォーク状に枝分かれしてホームがある。

このフォークの根本の部分は入る列車と出る列車で平面交差になっていたわけだ。

この問題を解決するためにはそのフォークの先をもう1回まとめて出口にすることにした。

これで貨物駅を通り抜けできるようになった。

実は最近流行のE&S方式の貨物駅の構造は、こうなっていて通り抜けながらコンテナの荷役を行う。

E&S(着発線荷役)方式の拡充について (JR貨物)

これを採用している主な理由はディーゼル機関車に付け替えてプラットホームに運んでなどすることを省略できることにあるのだけどね。

まぁこれでそれなりにうまく動くようになった。


ところでこのような変更が本当に必要なほどの運行密度だったのかという疑問はあるかもしれない。

一旦停止することはあっても西大寺駅はちゃんと電車が流れているわけですし、それに比べれば列車も少ないのだからいけるだろうと。

ただ、SImutransの運行システムは満載になったら走るなど行き当たりばったりで走らせている。

もしうまく運行できるように調整できたのならなんとか走れたのかも知れない。

けどその調整がかなわないなら、一見オーバースペックにも見える設備が必要になるわけだ。

同じことは単線での運行にも言えて、このぐらいなら単線でもいけるはずと思いつつ複線化してた。

まぁそういうもんかなと思っている。

都の区の作り方

この前愛知県知事選挙があって、大村秀章さんが当選した。

この人が言っていることで特に印象に残っているのが、愛知県と名古屋市を合併して中京都とすることと東三河に東三河県庁を置くという話。

まぁ東三河県庁のことはちょっと権力の強い出張所を置くぐらいのもんだから大したことはないが、

中京都についてはなかなか厄介な事情が多い。


ところでなんで東京都は特別区があるんでしょうね。

そもそもの事の発端は戦時中に東京府と東京市が合併したことにある。

戦時中の統制の一環でこうなったのだが、じきに戦争は終わった。

日本国憲法が出来て、地方自治法が出来たわけだが、特別区の制度は残されることになった。

ただ、以前の特別区に比べれば自治が認められることになった。現在ではほぼ市町村と差はない。

このあたりは指定都市の行政区とはかなり違う。これは指定都市は大きいから分担させるために設けているだけだ。

最近ではゴミ処理を東京都から特別区へ移転して、収集を行政区、処分を東京二十三区清掃一部事務組合が行うようになった。

都がやっても特別区がやってもどっちでもいい気はするが、だいたい市町村がやっていることなのでそれにあわせたのだろう。

それでも一部の税金の水平調整などは行われているから千代田区などは不満もあるようだが。


そんな事情はあるわけだが、地方自治法では特別区の決まりはけっこうあやしい。

第281条第1項 都の区は、これを特別区という。

この書き出しからして怪しすぎる。この法律の中では都の定義はない。

都道府県の中で都と付いていれば都なのだろうが、都道府県の名前というのもかなり怪しい。

第3条第1項 地方公共団体の名称は、従来の名称による。

市町村の区別については地方自治法第8条に定めがある。

市については人口などの条件が法律に書いてある、町は都道府県が条例で決める。

ただ都道府県の区別に決まりはない。


じゃあ、奈良県を奈良府にするなどしていいのかという話だが、地方自治法上は問題ないけど手続きがめんどくさい。

第3条第2項 都道府県の名称を変更しようとするときは、法律でこれを定める。

第3条第3項 都道府県以外の地方公共団体の名称を変更しようとするときは、この法律に特別の定めのあるものを除くほか、条例でこれを定める。

基本的に都道府県が変わるというのは法律で決める必要がある。

廃置分合と境界変更が身近な話だが、

第6条第1項 都道府県の廃置分合又は境界変更をしようとするときは、法律でこれを定める。

第6条第2項 都道府県の境界にわたつて市町村の設置又は境界の変更があつたときは、都道府県の境界も、また、自ら変更する。従来地方公共団体の区域に属しなかつた地域を市町村の区域に編入したときも、また、同様とする。

例えば、北山村を和歌山県から三重県に移転する場合、これをいちいち法律で決める必要がある。

どう考えても手間がかかるのでこんな変更は未だかつて行われたことはない。

けど、違う都道府県に属する市町村同士で合併や境界変更を行った時は法律を作らなくても変更できる。

長野県の山口村を岐阜県の中津川市に編入したときもこの規定によって両県議会の議決と国会の承認で変更できた。

もっとも、長野県側の承認を得るのは簡単ではなかったようだが。


もう1つ問題なのが都と市の合併ですよね。

これは地方自治法に決まりがある。

第281条の4 第8項 都内の市町村の区域の全部又は一部による特別区の設置は、当該市町村の申請に基づき、都知事が都の議会の議決を経てこれを定め、直ちにその旨を総務大臣に届け出なければならない。

第281条の4 第1項 市町村の廃置分合又は境界変更を伴わない特別区の廃置分合又は境界変更は、関係特別区の申請に基づき、都知事が都の議会の議決を経てこれを定め、直ちにその旨を総務大臣に届け出なければならない。

市町村が特別区への変更を申し出て都の議決と総務大臣への届出で変更できると。

まぁ普通の市町村合併といっしょですね。相手が都なのかは釈然としないけど。

逆に特別区から抜けるのはどうすればいいのかというのは1項の決まりによるのかなと。複雑だけど。

特別区が自分の特別区を廃止して市町村を設置するという議決して都議会の議決を得ればいいわけだ。

これが本当なら特別区が普通市に転換するのは簡単そうに見えるが、都議会の議決が得られんからやらんのだろう。


以上のことをまとめると、愛知県と名古屋市が中京都となるためには、

  • 国会で愛知県を中京都に名前を変える法律を作る
  • 名古屋市議会で名古屋市を廃してそこに特別区を設置する議決をして中京都に申請
  • 中京都議会でこれを承認する議決をする

ただ、ここには1つ重要なことが抜けている。

新聞読んでて初めて気付いたのだが、この法律というのは一の地方公共団体のみに適用される特別法なんだね。

日本国憲法第95条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

この法律の場合、愛知県に関わる法律なので愛知県で住民投票をやる必要がある。

なので相当難しい。国会で法律が議決されるところから厳しいが、その先もハードルだらけだ。


地方自治法見てても思ったけど、基本的には特別区は新しく作る気はないんだろうね。

出来た経緯からすればあらたに作ろうというところは出てこないと考えたのだろう。

指定都市と都道府県の役割分担のことが発端となってこんなことが出てくるなんて予想外だっただろうね。

この問題の解決法の1つとして合併するという案が出てきたことはわからないことはない。


もう1つの解決法には指定都市を都道府県から独立させるというのがある。韓国の広域市制度はまさにこれですよね。

指定都市はあくまでも都道府県の下にあるから問題だけど、これならこういう問題が無い。

僕はどちらかというとこちらの方がよいと思っているですけどね。都道府県から独立すると問題も大きいかもしれないけど。

そういう発想で大阪市について大阪特別市という話はあるけれどもあまり表には出てこない。

橋下さんがいう大阪都は実現するのは現行法でも全く不可能とは言えないけど、特別市は現行法では不可能ですから。


何にせよ地方自治というのは今後さらに重要になっていくと思う。

市町村には大阪市のように大きなものから上北山村のように小さなものまでいろいろある。

小さい町村は自分でできることはほとんどない、一方で大阪市は港も道路も地下鉄も作ってきた。

このあたりを市町村の事情に合わせて選べるようになってには、都道府県が行ってきたことを市町村に移転するとよいと思う。

そうなったとき小さな町村はほとんどできないから広域連合などを作って共同でやるとか他の市町村に委託するということになる。

現在でも消防はそういう仕組みでほとんどうまくいってるんだからなんともならないことはないはず。

一方で大きな市では好きにやればいいわけである。これは融通が利く。

そういうことが選べるようになって市町村合併の意義も大きくなるだろう。どうせ一緒にやるんなら合併しましょうと。

実は民主党の考えはこれらしいので、そういう方向で制度改正されるのかなとも思うけど、まぁ先の話でしょうね。

Simutransから発見する車庫のうまい使い方

今日もSimutransで遊んでたのだが、世の中で当たり前でやっていることの重要性を感じた。

何のことかというと車庫が重要だと言うことである。


貨物の量というのはその時々で変動する。

基本的に貨物列車は荷物を100%乗せたら発車するようになっている。

それである地点とある地点に3つの列車を走らせていたら、3つ全部使い切るときと余る時がある。

駅に列車が停まっている時は駅に入れないので、線路の上で待つことになる。

すぐに列車がのいてくれるなら問題は無いが、そうでなければ線路をふさいで何も運べなくなる。


こういう現象は実際の鉄道でも事故が起きた時に見ることが出来る。

ただ、それではこまるので車庫にどんどん電車をしまっていた。

そういうわけで、この場合は車庫に列車をしまう必要がある。

確かにそれは当たり前のことで、ラッシュアワーが終わったらどんどん車庫に電車入れますもんね。

そういうことをしろというわけだ。


とはいうけど、ゲームの中でいちいち入れたりしまったり手で操作するのは無理がある。

なので貨物を積み込む駅の線路を何本にも枝分かれさせて、それぞれを駅にする。

そして入線切替信号を使って空いている線路に入るように設定する。

そうすれば積み込む荷物がなかった時も駅の空いている線路に入って待機することができる。

駅を車庫代わりに使うわけですね。これでうまく回るようになった。


まぁしかし実際もそうなってますよね。

だいたい車庫は大きな駅にあわせてあるし、貨物駅だと空コンテナを積んであったりするし。

実際には行き当たりばったりでなくきちんと需要など見当を付けた上でやっているわけですが。

世の中うまいことできてるなと思った。