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そんなところに貨物線あったの?

JR東日本が羽田空港アクセス線の鉄道事業許可を受けたそうで。

羽田空港アクセス線(仮称)の鉄道事業許可について (pdf) (JR東日本)

今回許可を受けた区間は東京貨物ターミナル駅~羽田空港の区間。

羽田空港は第1・第2ターミナルだけかな。


当たり前ですが、東京貨物ターミナル駅は貨物駅ですから、これだけで旅客列車が走らせられるわけではない。

「事業区間位置図」には東京貨物ターミナルから都心方面に破線が示されている。

これなに? と思って調べたら浜松町~東京貨物ターミナル間の東海道貨物線だそうで。

なるほど、これとくっつけて使うんだな。


それにしてもこんな区間に貨物線があったのか。どんな列車が走ってるんだろ?

と調べたところ、1998年以来、この区間は休止されているらしい。

休止の直接の原因は地下鉄大江戸線の工事のためだそう。浜松町駅付近の工事にあたって休止した方が工事が容易だったからとか。

でも、実はその以前から貨物線としてはほとんど役目を果たしていなかったらしい。

というのも、もともとこの先に汐留駅という貨物駅があって、現在は ゆりかもめ と 大江戸線 の駅名として残っているが、

国鉄の貨物駅としては1986年に廃止されており、この時点でも東京貨物ターミナル~浜松町の貨物線の役割はほぼなくなっていた。

汐留駅自体は歴史の長い貨物駅なのだが、1973年の東海道貨物線開通時にできた東京貨物ターミナル駅に役目を譲っていたそうである。


結果的に見れば、この東京貨物ターミナル~汐留の線路は貨物線としては短命に終わった。

ちなみに東海道貨物線というのは、それ以前の貨物線を横須賀線の線路に転用するために建設されたもので、

そのルートは小田原~東戸塚は東海道線に併設、東戸塚~鶴見は山間部の別ルートを走り、この途中に横浜羽沢駅(貨物駅)がある。

相鉄・JRの直通運転では横浜羽沢駅に併設された羽沢横浜国大駅から貨物線に入り、鶴見までこの線路を走る。(cf. 相鉄直通列車のJRでの扱いはどうなってる)

鶴見~八丁畷はまた東海道線に併設、八丁畷~浜川崎は南武支線を走り、浜川崎~浜松町(~汐留)は臨海部を走るというルート。

この間には既設の浜川崎駅・川崎貨物駅、新設の東京貨物ターミナル駅と3つの貨物駅がある。


おそらく当初から汐留駅の役目を東京貨物ターミナル駅などが引き継ぐことを想定してはいたんだと思うが、

この路線ができた当初は今ほどコンテナ貨物が普及してなくて、なにしろ汐留駅廃止の頃まで築地市場に貨車が乗り入れていたのだという。

今からすればいろいろな意味で信じられないことだけど、とりあえず都心の貨物線の役割も残っていたのはそう。

結果的に言えば開通後13年で本来の役目を失ってしまったが、それを予期していたわけではなかったということである。


ただ、その後も1998年の休止まで走る列車自体は残っていて、それがカートレインだったらしい。

1985年に汐留駅発着で九州への便が運行されたが、まもなく汐留駅は廃止に。

そこで恵比寿駅発着に変更して、北海道への便も追加、後に浜松町駅発着になったという。

1990年代に入って利用も低迷していたようだけど、一応最後にトドメを刺したのは大江戸線の工事だったらしい。

カートレインは人間が乗車する寝台客車と車を積み込む有蓋貨車をセットにした列車で、

一応は旅客列車の一種だと思うが、車をパレットに乗せて出し入れする都合もあり、貨物駅としての設備が必要である。

そこら辺、考慮して都合が取れる駅というのが当初は汐留駅だったということらしい。短命だったが。


そんなわけで、結果的には短命に終わった貨物線を羽田空港へのアクセス路線に転用するということですね。

浜松町駅で東海道線に合流し、上野・大宮方面への直通運転を想定しているわけだが、

現状はそういう線路のつながり方になっていないので、この部分の改築が必要になる。

運行を継続しながら改築するということでけっこう大変そうな気はするが。


なお、東京貨物ターミナル駅は貨物駅だが、隣接地にはりんかい線の車庫がある。

あと、東海道新幹線の車庫も隣接地にあって、東京駅までの回送線に平行して東海道貨物線を引いたという経緯があるらしい。

で、りんかい線の車庫があるということは、ここからりんかい線の線路につなげることができるということを意味していて、

天王洲アイル~東京テレポート間で車庫~新木場方面を移動できるように作ってあるらしい。

これをそのまま使えば、羽田空港~新木場、さらには新木場駅で京葉線に入って千葉県方面へ向かうこともできる。

それは首都高速湾岸線を走るバスでよいのでは? という感じはあるけど、一応そういう構想ルートもある。

あと、りんかい線の車庫から大崎方面へ合流するルートを作れば、埼京線で新宿・池袋方面へ行くことができる。

新設区間が長いのが難点だが、既存のアクセスルートが使いにくいところにアプローチできるので、大本命かもしれない。


とりあえずは既存線を活用できる部分が多い、東海道貨物線経由のルートをやってみるかという感じなのかな。

しかし、こういう形で上野東京ラインが役立つとはあまり考えてなかったなぁ。

というのも、これがなければ東海道貨物線から東海道線に合流しても東京駅までしか行けなかった。

これが、上野東京ライン開通で上野・大宮方面、あるいは常磐線方面との直通運転が可能となるわけ。

浅草線~京急ルートと近接するといえばそうだけど、なんやかんや言っても東京駅は大ターミナルだし、

上野・大宮といったところから直通というのはメリットも大きいんじゃないか。


ところで、東京モノレールは現在JR東日本の子会社となっていて、これとの競合が気になるという話もあるが、

現在の東京モノレールは通勤・通学・レジャーでの利用が多いので、空港利用者が減ることはむしろ歓迎なんじゃないか。

羽田空港にしても第3ターミナルにはとりあえずJRは入らないし(将来的な乗り入れ計画はある)、

羽田空港の旅客ターミナル以外の施設に通勤する場合は、モノレール駅での通勤が便利なところが多いので、

そういうところでなんやかんやとすみ分けはできそうな感じはしますね。


Author : Hidemaro
Date : 2021/01/20(Wed) 23:51
交通 | Comment | trackback (0)

京都市の交通事業の危機感はもっともか?

先月、京都に行った時にトラフィカ京カードを使って鞍馬・貴船に出かけた話を書いた。

午後は鞍馬山へ

市原~鞍馬はバス・地下鉄1日券のエリア外である一方、地下鉄・バスの乗り継ぎ割引は適用され、

その割引幅はICカードに比べて、トラフィカ京カードの方が高い(というかICカードがなぜか割引幅が小さい)、

というわけで、叡電を使う場合に比べてもかなり安上がりだったということを書いた。

しかし、来年度にトラフィカ京カードは廃止の方向だという。しかも、それどころではなさそうだ。

京都市交、市バス一日券を700円に値上げへ コロナ乗客減で「危機的な状況」 (TRAICY)


今年度、京都市の交通事業は地下鉄・市バスともども赤字の見込みだという。

京都市は鉄道の整備状況などから、市民・観光客ともどもバス利用が多い。

このことから他都市の公営バスに比べれば、バスの経営状況はよい傾向にある。

地下鉄も烏丸線・東西線の2路線のうち、烏丸線は利用者が多く、経営状況はよい。

東西線は建設時の経緯により、三条京阪~御陵は線路使用料を別会社に払う必要があり、これが経営の重荷になっていたが、

ここを公有化して、国の支援制度と組み合わせて負担軽減したことで、かなりの改善効果があったようで、

近年は地下鉄事業も黒字になっていたという。


単年の赤字というだけなら、そんなに問題はなさそうなのだが、

「かつてない危機的な経営状況」などと煽りを書くほどに、京都市は警戒しているようだ。

というのも、京都市の交通事業は大量の有利子負債を抱えている。

これは、地下鉄の建設費がかさんだことが大きいと思われる。

埋蔵文化財の調査に時間を要したことや、東西線の建設時期が1990年代ということで遅かったこともあると思う。

バス事業にしても、観光客急増に対してあれこれ投資しており、金をかけてきたわけである。

このことから、交通事業の収入がこのまま上向かない状態が続くと、容易に破綻してしまいかねないということである。


そこで対策として、各種の投資計画を先送りするということになった。交通調査の延期なんていうのもある。

来年度以降で延期予定のこととしては、地下鉄ではホームドア整備のための車両改造、バスでは均一先払いの導入拡大など。

そして、最初に書いたトラフィカ京カードを含めた、各種乗車券の見直しという話が出てくるのである。


まずはフリー乗車券の見直しということで、まず筆頭に上がるのはバス1日券、

2018年に500円から600円に値上げされたが、さらに700円に値上げを考えているとのこと。

まぁこれはそんなものかなと思うが、地下鉄・バス1日券については、900円から1100円への値上げを考えているという。

これは、2018年までは京都観光1日乗車券として1200円で売っていたのを、バス1日券との価格差が大きいということで、

2018年に値下げしたという経緯があるのだが、またしても値上げという。それでも2018年以前よりは安いが。

ただ、バス1日券との価格差という観点では300円から400円に拡大するので、ここが気になるポイント。

2018年の料金見直しはバスの混雑緩和や、道路渋滞などによる満足度低下を緩和する目的があったと思っていて、

2018年以前ほどではないが、価格差が広がるのはあまり好ましいこととは思わないが。


そしてもう1つの見直しが、トラフィカ京カード・バス昼間回数券・乗継割引・PiTaPa利用額割引の廃止だという。

その代わり、ICOCA・PiTaPaのポイント制度を導入し、利用頻度の高い人への還元を実施するという。

現状の割引制度で残るのは紙回数券ぐらいかね。ヤサカバスなど紙回数券しかないバス事業者もあるからね。

京都市としては利用頻度の低い人(主には観光客?)まで割引の恩恵にあずかれるのは適切ではないと考えているようである。

確かに回数券系の割引はそうだと思うのだが、乗継割引はちがうんじゃないって?

乗継割引は地下鉄とバスの役割分担のために設けられているものですから。

でも、これが京都市の本音だとすれば、乗継割引について「ICカードがなぜか割引幅が小さい」という疑問の答えにはなっている。

おかしいとは思うんですけどね。


一応、トラフィカ京カード廃止の背景には、磁気カードを廃止していく方向であることも理由にはある。

磁気カードの発行・取扱にかかるコストが増加していることは事実ですから。

これをICOCA・PiTaPaで代替するという方向性自体はおかしいとも言えない。

ただ、利用頻度が低い人は足切りされるということの妥当性はどうだろうということである。

とはいえ、1日乗車券は引き続き磁気カードでの発行になるとみられるので、磁気カード全廃というわけではない。


京都市にたびたび訪問する中で思うのは、バスだけで移動すれば安いことは知っているが、

それはやりたくないし、やるべきではないということ。

適切に鉄道とバスを組み合わせて移動するようにしなければ、時間の浪費がひどいし、混雑もきつい。

しかしながら、京都市は地下鉄だけで3社(京都市・阪急・京阪)とあり、運賃が別切りで高く付く。

このことから、鉄道のみで移動が可能でも、バスの所要時間が不利でなければ、直行のバスを選ぶことも合理性がある。

一方で、乗継割引や地下鉄・バス共通のフリーきっぷなどがあれば、市営地下鉄・バスの組み合わせを選びやすくなっている。

実際のところ、バスだけで移動した方が安く済むケースがほとんどなのだが、

乗継割引などあることで、乗継を行うことが時間と運賃のバランスが優れる場合は多くなっている。

これがなくなると、バスだけに比べてものすごく高くなるケースが増えると思っていて、どうしたもんかなぁと。


具体的な実施内容はまだ発表されていないが、おそらくこの通りになるんだろう。

確かにその通りだと思う部分もあるし、持続可能な公共交通とするためには利用者が負担するべき部分もあると思う。

ただ、京都市の交通体系にとって必ずしも好ましくない内容もあるので、そこが気がかり。

現状があまり好ましくないところはけっこうあるんだよね。

例えば、バスの均一制の区間が広い分には運賃が高く、乗車距離が短いと割高で、乗車距離が長い場合は割安すぎるということ。

そこを各種の制度で覆い隠している部分もあったわけだけど、なくなるとどうなるかなぁと。


Author : Hidemaro
Date : 2021/01/02(Sat) 22:36
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ハーバーハイウェイの悩み

大阪と淡路島・四国方面を結ぶバスは、たいていは阪神高速湾岸線とハーバーハイウェイを組み合わせて走る。

ハーバーハイウェイは六甲アイランドとポートアイランド(神戸大橋)を結ぶ道路で、

正式な施設名は「港湾幹線道路」、神戸港(管理者:神戸市)の港湾施設として運営されている。

無料区間もあるが、高羽ランプ~新港ランプの区間は有料道路になっている。

いまどき回数券を渡して使っているようだった。ETC導入してないからね。


どうしてハーバーハイウェイを使うのかと言えば、阪神高速湾岸線の西端が六甲アイランドで切れてるから。

六甲アイランドに渡る手前の住吉浜出入口がハーバーハイウェイに直結していて、

そのままハーバーハイウェイを真っ直ぐ走って新港ランプを出ると、阪神高速神戸線の京橋出入口がある。

ちなみに住吉浜出入口はよく詰まるので、その場合は六甲アイランドまで走りきって乗り継いでも良い。

これが基本の使い方(阪神高速の乗り継ぎ料金制度の対象)なのだけど、

他に阪神高速湾岸線と新神戸トンネルの乗り継ぎに使われることがあって、

これは乗り継ぎ制度の対象外だが、高速バスでこのルートを使って乗り継いでびっくりしたんだけどね。

よく知られた話だが、阪神高速神戸線~第二神明道路の月見山付近はよく渋滞するので、

これを回避するために北神戸線経由のルートが使われる。(というかバスだとこのルートに迂回することの方が多い)

大阪へ行くからといって中国道に合流すると宝塚東・西トンネルでさらなる渋滞に巻き込まれてしまうので、

新神戸トンネルか神戸山手線に乗り継ぐのが一般的で、いずれにせよ最終的には湾岸線に入るので、

乗り継ぎ料金制度の対象外であることを承知で、新神戸トンネル~ハーバーハイウェイ~湾岸線と走るんですね。


そんなハーバーハイウェイがニュースで話題となっていた。

通行量の徴収漏れ13億5千万円に 神戸のハーバーハイウェイ (神戸新聞)

どうもハーバーハイウェイは夜間に料金所が無人になるらしい。

無人の料金所には料金箱が置かれている。(Googleストリートビューで見たが、確かにあった)

なので、ここに現金や回数券を入れて通るのが正しいのだが、大半の車は素通りしていると。

素通りした車の台数に料金(110~210円)を掛けると2015年以降で13.5億円あったというニュースである。


注意点としては、ハーバーハイウェイは夜間に料金所が無人になっても有料だが、

ハーバーハイウェイの西区間と平行している摩耶大橋(これも港湾施設の有料道路)は夜間無料であるということ。

確かに通行料金にも「自動車1台1回につき、午前8時から午後8時まで 110円」と書かれている。

なので、こちらは料金所に料金箱は置かれていない。この時間帯は有人だから。


最初に書いたように、一般の人にとってはハーバーハイウェイは阪神高速湾岸線と乗り継ぎに使う有料道路という印象だが、

本来は港湾施設ということで、港を行き来する自動車のための道路である。

港湾道路というのは各地の港にあって、橋やトンネルなどでよく知られている物をいくつか挙げると……

大阪港の大阪港咲洲トンネル・夢咲トンネル、咲洲トンネルはかつては有料道路でしたね。(2014年無料化)

港区~咲洲を結ぶ道路には阪神高速大阪港線(港大橋)もあって、こちらが有料なのとバランスを取る目的だったんじゃないか。

東京港のレインボーブリッジの一般道路部(首都高速台場線は港湾施設ではない)、これも無料ですね。

そして、神戸港のハーバーハイウェイ、通行料の設定はあるが、二輪車以外の車ならば全区間通行でも一律210円である。

大型車にとっては異常な安さだし、さらに言えば港湾関連事業者には通行券の配布もあるらしい。


このことから読み取れるのは、神戸市はハーバーハイウェイの料金徴収をあまり重視していないのでは? ということ。

大阪~四国を移動するような神戸港には全く関係ない車も多く、維持費程度は頂きたいという考えはあるんだろうが、

異常に安い料金ゆえに、夜間も料金所に係員を置くようなことは避けられてきたということである。

実際、17.5億円の徴収漏れがあったといっても、それを徴収するのにいくらかかったのかという話もあるし、

さらに言えば、無料突破できることを前提に通行している車両も相当割合あるだろうから、

実際に係員を置いてもこんなに集金できるかは別問題だと思う。あまり報われないだろうなと。


もっとも、ハーバーハイウェイの実情からすると、ETCが使えないというのは不便だし、料金所付近の渋滞も起きている。

このことから神戸市は2022年度までにハーバーハイウェイにETCを導入する方針だという。

ETC導入はハーバーハイウェイにとっては重い負担だが、この道路の実情を考えるとやらざるを得なかったということかなと。

このときには料金体系や夜間の料金収受体勢も見直しが行われることになりそうだという。

大型車まで210円は安すぎるので、ここは何らか見直しが入りそうですね。


そもそも、ハーバーハイウェイなんて使わせるなというのが、阪神高速湾岸線の利用者の思いだと思う。

六甲アイランドでちょん切れていても、渋滞ポイントが多数ある神戸線よりは、片側3車線で走りやすい湾岸線の方がマシとはいえ。

阪神高速湾岸線は六甲アイランド~名谷は計画はあっても、具体的な動きは最近までなかった。

2016年に六甲アイランド~駒栄の建設に着手し、やっとこの問題が緩和されそうである。

これが開通すれば阪神高速の乗り継ぎ目的でハーバーハイウェイを利用する人は激減すると思われる。

ただし、開通時期は未定、長大橋を複数作らないといけないので相当な年数がかかる見込みである。

(2026年完成予定とみたけど本当だろうか?)


というわけで、ハーバーハイウェイの夜間の徴収漏れについては、それなりの理由があったわけですね。

一応、神戸市としては看板を設置して、夜間の通行料について周知することを考えているようだ。


Author : Hidemaro
Date : 2020/12/02(Wed) 23:31
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通勤で特急指定席って使えるんですか?

Twitterで教えてもらったんだけど、JR神戸線の特急「らくラクはりま」が今年7月以降、全席指定になったらしい。

昨今の事情により、確実に対人距離が取れる指定席の利用が好調なのでそうしたらしい。

え? 通勤利用を想定した特急なのに全席指定ってそれ大丈夫なの?


というのも、JRの定期券というのは原則として特急列車に乗車することはできないルールになっている。

旅客営業規則/第2編 旅客営業 -第4章 乗車券類の効力 -第2節 乗車券の効力 (JR東日本)

「定期乗車券による急行列車等への乗車禁止」という項を見ると、定期券で乗車できない列車・車両が書かれている。

現在存在しないもの(普通列車の寝台車はかつてはあったが現在はない)もあるので、それを除くと、

  • 特急列車
  • 普通列車の指定席 (北海道の快速エアポート、瀬戸大橋線のマリンライナー、関西本線の 快速みえ、磐越西線の 快速あいづ 他)
  • 普通列車のグリーン車(首都圏の普通列車グリーン車、マリンライナー、その他特急車両を使った普通列車)

ちなみに、ライナーの場合、乗車整理券を購入して乗るが、これは制度上は例え座席番号が書いてあっても指定席ではないらしい。


でも、これも実態に合わないんですよね。というのもJR各社が例外規定を設けているから。

  • JR全社共通(新幹線) : 新幹線区間を2駅間以上含む定期券では、自由席特急券購入で普通車自由席に乗車できる
  • JR北海道・JR東海・JR西日本 : 自由席特急券購入で特急列車の普通車自由席に乗車できる
    • JR東海では ふじさん号(全席指定)に限っては、指定席特急券で普通車指定席に乗車できると規定
  • JR東日本の特急列車 : 一部の特急列車では別途特急券の購入で乗車可能 (JR東日本の時刻表検索では乗車条件が表示される)
    • 自由席が設定されている特急は全て、自由席特急券購入で普通車自由席に乗車できる
    • こまち(全席指定)の在来線区間では、立席特急券の購入で指定席の空席が利用できる
    • スワローあかぎ・あかぎ・ひたち・ときわ・あずさ・かいじ他(あかぎ以外は全席指定) では指定席特急券購入で普通車指定席に乗車できる
    • 成田エクスプレス(全席指定)は、東京~成田空港内で途中停車駅のある列車の品川~成田、午後の東京→大船など指定された列車・区間で指定席特急券購入で普通車指定席に乗車できる
  • JR東日本の普通列車 : 普通列車グリーン券の購入でグリーン車自由席、指定券購入で快速あいづの指定席に乗車できる
  • JR九州 : 特急券・グリーン券購入で、普通車自由席・普通車指定席・グリーン席に乗車できる

複雑なんですけど、結果的に言えば、JR全線で自由席がある特急では 普通車自由席 は利用できる。

一方で、JR九州管内を除けば、指定席特急券やグリーン特急券を購入しても定期券での利用は原則としてできない。

ただし、JR東日本・JR東海の全席指定の特急では緩和措置がある。(成田エクスプレスは複雑だが)

JR東日本管内の全席指定の特急では日光・きぬがわ(東武直通)とサンライズ瀬戸・出雲は明確に除外されている。


で、最初の話に戻るわけですが、JR西日本は定期券で特急指定席の利用は認めていないはずなんですよね。

なのに、通勤利用を想定した らくラクはりま が全席指定になるって、JR西日本は何を考えているのか。

と、気になったのだが、どうもいろいろ調べると、チケットレス特急券では明確に使えるらしい。

【e5489専用】【J-WESTカード会員専用】eチケットレス特急券 (JRおでかけネット)

チケットレス特急券というのは、普通車指定席が利用できるきっぷなわけだけど、説明にはこのように書かれている。

別に「eチケットレス特急券」ご利用区間を含む乗車券が必要です。なお、定期乗車券(FREX定期券を除く)、回数乗車券と併用してご利用いただけるほか、ICカード乗車券のSF残高でもご利用いただけます。

このように個別のきっぷの利用条件で定められていれば利用できるんですね。

そういえば、マイシート(指定席特急料金定期券)は定期券との併用が前提だもんな。

実際のところ、らくラクはりま の利用者の多くは、チケットレス特急券を使っているとみられる。

ちなみに特急ではないが、瀬戸大橋線のマリンライナーにもチケットレス特急券(商品名はこれで正しい)があって、

こちらは普通車指定席用とグリーン車指定席用が設定されている。ここはグリーン車も明確にOKなんですね。


ここに書かれていなくても、本当は定期券との併用が可能な列車・車両があるんじゃないかと疑ってしまうが。

気になって図書館で時刻表(JTB時刻表)を確認してみたんだけど、

全く実態に合わない原則(特急列車・指定車・グリーン車は利用できない)しか書かれてなかった。

快速エアポートの指定席(uシート)とか、定期券と併用できないというのはにわかに信じがたくて、

これもかつて存在した uシート料金回数券 では「定期券、普通回数券、普通乗車券等は別にお買い求めください」とあったらしい。

このあたり、駅員や車掌もちゃんとわかってるのかな? と気になっちゃうけど。


それにしても、原則では定期券と特急券の併用ができないのはなんでなんだろう? と思ってしまうわけだけど、

特急というものができた当初は、長距離移動用の特別な列車という位置づけで、全席指定が原則だったらしい。

現在もサンライズ瀬戸・出雲はそうだし、東武直通の日光・きぬがわ もそう。(東武もこれだけは定期券での乗車ができないらしい)

あと、だんだんほころんできてるけど、成田エクスプレス もかつては厳格に空港利用者向けの列車でその名残はいろいろある。

ところがかつての急行が特急に移行する中で、自由席の設定や、区間を限って特急料金の引き下げが行われ、

特急は自由席を中心に比較的短距離でも利用される列車になってきたという。

このことが各社が 定期券と自由席特急券で特急の普通車自由席 を利用できるというルールを設定している背景だと思う。


でも、最近はまた別の流れがあって、それが特急の全席指定化で、これはインターネット予約で指定席のニーズが増してきたから。

といっても、東北・北海道新幹線 の はやぶさ・こまち は長距離移動を分離する目的もあるんだと思うが。

一方で、末端区間で立席特急券や自由席特急券での空席利用制度があったり、新幹線特急券FREXも仙台より北は空席利用できることを前提に売られている。

JR東日本では自由席があった在来線特急を全席指定化したものでは、定期券と指定席特急券の併用を認めている。グリーン席はダメですけどね。

そういうのと比べると、JR西日本はよくわからないんだけどね。チケットレス特急券なら大丈夫なんだけどね。

車内改札省略もあるので、実態としては黙認されてそうな気はするんだけど、一般の特急券でもよいかはわからない。

JR西日本に限らないけど、特に禁止する列車・区間・車両を列記した方がいいと思うんですよね。


Author : Hidemaro
Date : 2020/11/28(Sat) 15:28
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どうして特急形車両を使うんだ?

昨日、ふと思い出したんだけど――

2ヶ月前、遠州に旅行で出かけていたとき、浜名湖観光の後、宿へ向かうために電車に乗ったときのこと。

豊橋行き普通を待ってたら、やってきたのは特急形車両で「えっ!?」となった。

これでいいのか? と疑ったが、行き先表示は「豊橋」とある。

乗り込んだら学生や通勤客が乗っており、特急車だけど客層は普通の通勤電車だった。


後で気になって調べたところ、この電車はホームライナーだったものらしい。

沼津→浜松の ホームライナー浜松 は終点の浜松で、そのまま豊橋行きの普通になる。

ホームライナーとして運行される区間は乗車整理券が必要で、主要駅のみ停車する。

浜松からは普通になって、各駅に停車、乗車券のみで利用できるということである。

もっとも同区間で特急形車両が入るのは3往復だかあって、そのうちホームライナーと直通するのはこの1つだけ。

どうも豊橋発着の飯田線特急「伊那路」の車両を静岡の車庫とやりとりするという目的もあるらしい。


JRにはこういう特急形車両を使った普通列車がしばしばある。

(厳密に言えばライナーも普通列車の一種だが、ライナーはほぼ全てが特急形車両なので、これは本来の役目と考えよう)

乗車券だけで乗れる!特急車両とその区間は?【JR編】 (3/5) (ダイヤモンドオンライン) 

これは2018年現在の情報で、現在は常磐線や篠ノ井線の特急形車両の普通列車はなくなっているなど差は多い。

熱海~沼津でもホームライナー関係で1往復、飯田線でも伊那路関係で1往復あるみたいですね。

特急の末端区間が普通列車になるというのもあって、東室蘭~室蘭はそういう話らしい。

路線図を見るとわかるのだが、室蘭本線というのは、苫小牧~東室蘭~長万部の本線 と 東室蘭~室蘭の支線で構成される。

支線に入って室蘭発着の特急も支線の普通列車として、逆に室蘭に入らない特急も東室蘭で普通列車に接続するという仕組みだと。


ただ、そういうのとはちょっと違う理由で特急形車両が普通列車に使われている区間があって、

それが日豊本線の大分県・宮崎県境を走る佐伯~延岡である。

実はこの区間、2017年からは通し運転の普通列車は全て特急形車両での運行になっている。

なぜかというと、この区間は普通列車の利用が極端に少なく、そのための車両を用意する方が大変だからである。


どういうことかというと、この区間の時刻表を見てもらうとわかるんだけど。

JR日豊本線の「宗太郎越え」普通列車、下り最終は朝6時台に 上りも2本のみ (2/2) (乗りものニュース)

3往復の列車が書かれているが、これがこの区間の普通列車の全てである。

しかも、このうち夕方以降の佐伯発の2本、佐伯行の1本は、県境の大分県側の重岡駅発着になっている。

(往復で数が合わないが、重岡→佐伯の回送を走らせているので、車両自体は佐伯~重岡を2往復している)

この重岡発着便は一般的な通勤電車が使われているとのこと。(大分方面への直通もある)

そして、問題の特急形車両が普通列車になってるのが、佐伯→延岡が朝1本、延岡→佐伯が朝1本・夜1本である。


でも、この区間って列車の本数は1時間に1本程度はあるから極端に少ないわけではない。

以前、愛媛県から船で大分県・臼杵に入って、そこから宮崎へ行くのに特急でこの区間を通過している。

大分県最後の停車駅、佐伯駅から宮崎県最初の停車駅、延岡まで延々と1時間ほど、山深いところを進んでいく。
これほど山深いと普通列車はほとんどないらしく、九州内での宮崎県の孤立感をよく表している。

(城下町と県庁の町)

ということで、大半は特急でこの区間をノンストップで走り抜けていくというのが答えでした。

この区間の特急は延岡・宮崎方面が11本、佐伯・大分方面が10本運行されている。

双方とも、朝は特急の前に始発が普通列車で運行され、しかも佐伯行きはそこから大分行きの特急に化ける。

延岡・宮崎方面は比較的遅い時間まで特急があるが、佐伯・大分方面は最終の特急の後に1本の普通列車がある。

ということで、朝早く・夜遅くに特急が運行されていない時間帯を埋めつつ、数少ない通学客などを運ぶのが目的だというわけ。

この目的から、特急と共通の車両にしておくと好都合なわけですね。


ちなみに、さっきの「乗車券だけで乗れる! 特急車両とその区間は」に書かれている区間の中には、

普通列車が運行されていないので、特例で乗車券だけでの特急利用が認められている区間がある。

それが、石勝線の新夕張~新得なのだが、この区間は特急のショートカット目的で作られたという経緯がある。

石勝線自体、運行列車の大半が特急だけど、千歳~新夕張については、生活路線としての意義もあるということで普通列車がある。

新夕張発着は朝に千歳行き1本、昼に1往復、夕方に1往復の計2.5往復となっている。(朝は車庫から回送されてくるらしい)

これに対して新夕張~新得は開通以来、一貫して普通列車が設定されたことがないという、新幹線と同じく特急専用線なんですね。

そこで、この区間だけならば乗車券のみ、あるいは青春18きっぷのような普通列車に限るというきっぷでも、特急券無しで自由席を利用できる特例がある。


ただし、この区間から1駅でもはみ出ると全区間の特急券が必要(青春18きっぷの場合は乗車券部分も無効)というルールがあるので、

この区間を特急料金を払わずに使うというのは、なかなか実用的ではないと思うんだけどね。

というか、特急専用線ならば必ず特急券を買うことでもいいんじゃないの? という気はするんだけどね。

博多南線は新幹線の回送線を使った生活路線だけど、新幹線車両を使うので、必ず100円の特急券を買って乗るルールになってますしね。

もっとも、石勝線のこの区間は最初から普通列車がないので、それでいいと思うけど、

かつて同制度の対象だった津軽海峡線(現在は新幹線化された)は、当初は快速「海峡」があったのを後から廃止したので、

その代替措置としては、蟹田~木古内 に限って、特急自由席が乗車券のみで利用できるという特例は必要だったかも。

(しかし、前後の普通列車と、両駅に停車する特急の乗り継ぎは悪く、実用に堪えるものではなかったとの話も)


さっきの日豊本線の佐伯~延岡というのも、普通列車は1.5往復で風前の灯火という感じはある。

もしかして、特例制度の対象となることを防ぐために、わざわざ普通列車を走らせてるのでは? という人もいる。

ただ、最低限の生活路線としての意義(特急は途中駅に停車しない)を考えると、特急のない時間を埋めつつ、普通列車を走らせるのは妥当なのかなと思ったけどね。


Author : Hidemaro
Date : 2020/11/17(Tue) 23:54
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新しい指定席特急料金は新幹線より高い?

ちょっと話題になってたんだけど。

東海道線特急が新しく生まれ変わります (pdf) (JR東日本)

東京・池袋・新宿~小田原・下田・修善寺 の特急が全席指定化されるとのこと。

在来線特急の全席指定化は、高崎線(スワローあかぎ)・常磐線・中央線 で行ったものと同じ。

このときに従来の座席定員制の通勤ライナーを代替するために、特急「湘南」が新設される。

これは中央線で通勤ライナーの代替で特急「はちおうじ」「おうめ」が新設されたものと同じである。

このことから全席指定化の対象は従来からある「踊り子」と新設の「湘南」で、いずれも新しい車両に置き換えられる。

もっとも新しい車両といっても中央線特急のお下がりなんだけど。今が古いからね。


全席指定化に伴い、特急料金が変更され、指定席特急料金としては従来に比べて値下げになる。

ただし、自由席特急料金よりは値上げになる。

また、通勤ライナーを代替するということで、こちらも比較されるが、こちらも値上げになる。

東京都心~平塚・小田原の50km超100km以下の料金で見ると、

従来の指定席特急料金は1480円(繁忙期・閑散期で変動あり)、自由席特急料金は950円、ライナー料金は520円、

これが新しい指定席特急料金では1020円(事前購入)となる。

自由席特急料金に比べてはあまり変わらないですかね。ただ、ライナー料金よりはだいぶ高くなるね。


このことについて新幹線より高いじゃないかという指摘があった。

東京・品川~小田原・熱海では東海道新幹線も並行して走っている。

新幹線自由席回数特別急行券(定期券用)(JR東海)

東京・品川~小田原については、この回数券を使うと定期券との併用という条件はつくが新幹線自由席が990円で利用できる。

定期券との併用でなければならず(普通乗車券では使えない)、回数券の1枚あたり料金と比べるのもどうかと思うが。

あと新幹線は自由席だ。こだま号の自由席は多いからまず座れるだろうというのはその通りだけど。


もっとも、この定期券用の回数券と比較することにも合理性はあって、来年春からIC定期券での新幹線利用サービスが始まる。

在来線および新幹線におけるIC定期券のサービス向上について (JR西日本)

新幹線停車駅を2駅以上含む在来線IC定期券を持っている場合、その区間内ではICカードで新幹線に乗車できるが、

このときICカードから引き落とされる特急料金は、これまでは回数券がある区間ではその1枚あたり料金になっている。

なので、湘南が運行開始される頃にはSuica定期券で小田原~品川・東京は990円で乗車できるはずということ。


そもそも特急自由席がなんのためにあるのかと考えると、きっぷの発売・購入の手間を減らすためというのがあって、

売る側にとっては発売枚数を管理しなくていいから、乗車券と同じような券売機で売ることもできる。

購入する側もどの列車と指定する必要はない。

実はこの点ではライナーの乗車整理券は問題があって、発売枚数を管理するために特定の券売機でないと買えないというのがある。

枚数管理さえできればよいので、一般的な券売機をカスタマイズしたものを使っているようだ。

一方で、自由席特急券は再利用できないように車掌が回って検札しては検印を押している。

ライナーの乗車整理券は、乗車口で駅員が立って確認しているそう。(その列車のみ有効なので乗り込んだことを見届ければOK)

これが手間がかかるという話がある。


一方で指定席特急券については、現在は検札が省略となることが一般的である。

これはシステム上で売れている座席に座っていれば検札を省略してもよいと判断しているから。

売れていないはずの座席に座っていれば声を掛けて、座席間違いなのか、きっぷがなければ特急券を購入してもらうか。

ということで乗務員にとってはこっちの方が楽なんですね。

指定席特急券の場合、券売機としては指定席券売機が必要になるので、従来の自由席特急券よりは買いにくくはなる。

しかしながら、チケットレス特急券が普及すれば、券売機を使わないわけですからね。

チケットレス特急券というのも回収の必要の無い指定席特急券だからこそできることである。


目論見としてはここまで書いた通りだが……

実際には特急の全席指定化したところでは、指定席券売機が混み合うなどの問題も起きている。

チケットレス特急券の普及以上に、自由席特急券を代替する指定席特急券を求める客の増加が多いと。

特急停車駅では指定席券売機の増設も行われるとは思うが、それが十分かということだね。

あとは料金体系で、自由席と比べてはそこまでではないが、ライナーと比べるとやっぱり高くはなる。

新幹線の方が安くて速いのでそっちを使うというのも1つの答えだと思うし、それでもいいとは思う。

ただ、特急化の付加価値はなんだという話はあるかもしれない。

特急になればライナーより速くなる? そうかな?


中央線特急のときは、全席指定化自体はそれでいいんじゃないという感じはあったし、

ライナーの特急化も、東京・新宿~八王子 や 新宿~青梅 であれば、50km以下の750円だったのでそこまでではなかった。

(これもさしてメリットはないのに値上げされると不満を言う人はいたけど)

それ以上に問題となったのは あずさ回数券 の廃止だよね。勤務先でも出張に使ってたんだけどね。

チケットレス特急券への集約という名目はあるのだが、とにかく元が安かっただけに値上がり幅が大きかった。

常磐線特急でもそうだったんだけど、いろいろあった回数券類をほとんど廃止したので、

定価ベースではさほど差がなくても、もともと割引幅の大きかった人にとっては大きな影響があった。


特急の全席指定化・チケットレス化という方向性自体は正しいとは思うんだけどね。

あと、JR東日本の特有の事情として、普通列車グリーン自由席というのがある。

平日・事前料金の50km以内が780円、50km超が1000円となっている。(休日は200円安くなる)

従来は特急の自由席よりも、普通グリーン自由席の方が高いことは珍しくなかった。

普通列車より特急の方が速いわけだし、車両設備もあんまり変わらないんじゃないか。なのに高い。

新しい料金制度でも50km以内では、特急指定席より普通グリーン自由席の方が20円高いのだけど、差は小さくなった。

それ以上では普通グリーン自由席の方が多少なりとも安くなっている。

このあたりの整合性を取る目的もあったのだと思うが、そもそも普通列車のグリーン車というのが……

(歴史的には2等級制のときの1等車に由来し、当時は運賃が2倍で定期券も別物だった。大衆化しても運賃体系のベースはここにあるのだろう)


ちなみに、これまで 踊り子 で主に使われてきたのが185系という車両で、これをもって引退となるが……

JR東日本185系「踊り子」昭和・国鉄の雰囲気残る特急列車で伊豆へ (マイナビニュース)

これを見て、なんか見覚えあるなぁと西日本管内にゆかりがある人で思った人もいるかもしれないけど、

かつて新快速用に導入された117系、現在は湖西線や岡山県内で走ってるけど、これの特急タイプですね。

「リクライニングシートにリニューアルされ」とあるけど、当初はなんと117系と同型の座席がついていたとか。

JR西日本ではとうの昔に第一線を退き、最近は観光特急に仕立て直されたのもあるけど(cf. WEST EXPRESS 銀河)、

踊り子号では40年近くにわたってずっとこの路線で走ってきたという、対照的なもんだなと思いますね。

中央線特急のお下がりでの置き換えにはなるが、大幅に新しくはなるのでよいとは思いますけど。


Author : Hidemaro
Date : 2020/11/16(Mon) 23:22
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朝はともかく、昼間もその停車駅?

昨日知ってびっくりしたんだけど、

今って泉北高速鉄道~南海高野線の区間急行が昼間にも運行されてるんだね。

え、それラッシュ時はともかく、昼間も走らせるの? ってびっくりしたんだけど。


泉北高速鉄道は南海高野線と接続する中百舌鳥駅から、泉北ニュータウンを走り、和泉中央駅へ向かう路線。

中百舌鳥駅からは高野線に直通し、難波や堺東まで乗換なしで行くことが出来る。

一方で中百舌鳥駅は御堂筋線との接続駅ということで、ここで乗り換える人も多い。

どちらがよいという話ではないが、高野線で堺東・難波方面に乗車する人ばかりではないので、

時間帯により中百舌鳥発着で泉北線内のみを走る電車も用意されているのは特色である。


高野線直通のメインは準急で、かつては昼間の泉北線内は高野線直通の準急のみだった覚えがある。

準急の停車駅は、難波・新今宮・天下茶屋・堺東とその先の各駅で、

中百舌鳥から泉北線内に入らず、河内長野方面へ向かう準急は少ない。

主な役割は泉北線内と、利用者数は多いが急行通過駅の三国ヶ丘・中百舌鳥の利用者を拾うためであろう。


さて、それで最初に書いた泉北線~高野線直通の区間急行とはいかなる種別なのか。

先ほど書いたように中百舌鳥駅は各停・準急のみが停車する駅。

どうするのかというと、泉北線内は中百舌鳥駅以外、すなわち深井駅~和泉中央駅は各駅に停車する。

そして堺東~深井はノンストップ、中百舌鳥駅も通過である。

これでは中百舌鳥駅で乗換ができないので、ここは中百舌鳥発着の各停で補完しているというわけ。


この区間急行という種別はもともと朝時間帯をメインに設定されていた。

利用者の多い朝に、堺東・難波方面に行く人と、中百舌鳥で乗り換える人を分離するという役割があるとされている。

中百舌鳥で御堂筋線に乗り換えられないように嫌がらせをしているのでは?

という話もあったが、朝の本数を考えれば、使い分けを促すためというのは、そうおかしな見方ではないと思う。


これが現在は昼間にも拡大されたというのだが、

1時間あたり4本の区間急行、2本の準急、そして中百舌鳥発着の各停は2本とのこと。

難波・堺東へ行く電車は1時間6本に対して、中百舌鳥へ行く電車は1時間4本とこっちの方が少ないという。

まさかこんなことになっているとは思わなかったのだが……

なお、夕方は準急が1時間5~6本と、中百舌鳥発着の各停が1時間2本程度ということで、ここは昔からこんなのだったはず。


区間急行は準急に比べれば停車駅が少ない分早いのはその通りだが、短縮効果は最大4分とのこと。

そんなに効果あるかなぁ。むしろ中百舌鳥に行ける本数が減るデメリットの方が大きいような。

あと準急が減ったということは、高野線内では中百舌鳥・三国ヶ丘の停車本数が減ったということ。

各停の本数は確保されているし、堺東で急行・区間急行へ乗り換えできるのですごく不便ではないと思うが、

堺東で乗換が必要になるのは不利である。


意図はよくわからないんですけどね。ただ、昼間の泉北直通の区間急行を設定するときに、

高野線の河内長野・橋本方面への急行・区間急行を減便したという経緯はあるようだ。

すなわち、高野線にとっては橋本方面へ行く区間急行を泉北直通に付け替えたという意味なのかもしれない。

ただ、泉北直通の区間急行は高野線のみの利用者にとっては、難波~堺東でしか使えなくて、

この間の停車駅は準急も区間急行も差がないので、あまり区間急行にこだわる意味もないような気がするけど。

だからといって、準急を走らせてもカバーできるのは三国ヶ丘~中百舌鳥だけで、各停はやはり必要なのだけど。

(白鷺~萩原天神の各駅は、基本的には河内長野方面からの各停頼みなので)


高野線にとって利用者のボリュームとして大きいのが、北野田~三日市町から大阪市内への利用とみられ、

急行・区間急行が利用者の多い中百舌鳥を通過するのも、中百舌鳥~大阪市内の利用と混ざらないようにという意図はあるはず。

北野田方面から御堂筋線への乗換をしにくくするという意図ではないと思う。(不便であることに代わりはない)

ただ、そうはいっても北野田~大阪市内ノンストップというわけにはいかず、堺東には停車するんですよね。

それだけ堺市の中心駅である堺東駅の拠点性が高いということなんだろうね。

堺東に停車するだけならそんなもんかなと思うけど、それで堺東で急行・区間急行と各停の接続を行うので、ここで混ざるという。


高野線・泉北線双方の事情を考慮した上でこうなってはいるんだろうけど、

利用者からすると、目的に合う電車まで待たされるとか、乗換回数が多くなるという不便な点が多い路線だなとは思う。

ただ、特定の電車に利用が集中するというのも、それはそれでよくないことではある。

朝ラッシュ時の泉北線直通の区間急行は、特定の列車に集中することを避けるためのもので、実際にうまく行っているらしい。

じゃあ昼間の泉北線直通の区間急行は? これはちょっとわかんないですね。

泉北線内だけ見ればメリットは薄いと思うが、高野線まで含めるとこれでいいのかもしれない。でも、わからん。


Author : Hidemaro
Date : 2020/11/06(Fri) 23:33
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受取機だけどそれだけじゃない

昨日、新大阪駅のことを書いたときに、

中央口改札左にJR東海管理の受取機(というかクレジットカード専用券売機)が4台ぐらいあって、そっちの方がわかりやすいし。

という話を書いたけど、そういえばJR東海の駅で純粋な受取機ってほとんど見なくなりましたね。


ここでいう受取機というのはMV-60形という券売機で、各社カスタマイズして使用しているようだ。

スタンドアロンタイプ顧客操作型端末 - MV-60形端末 - (鉄道情報システム)

色とかは実際にあるものとは違うかもしれないけど、確かにこんな形の見たことあるなと思った人はいるはず。

JR西日本はこれを使った受取機を「みどりの受取機」と呼んで、新幹線・在来線の主要駅に置いている。

(変わったところでは四国の高松駅にJR西日本扱いの「みどりの受取機」があって、JR西日本扱いなのでEX予約の引取も可能)

設置駅の数で言えば多いと思いますね。


JR西日本はこれを専ら受取機として使っているわけだけど、JR他社ではその限りではない。

JR東海は当初、この機械を新幹線駅でのEX予約の引取専用に使っていたのだが、

現在は大半はクレジットカード専用券売機として、他の指定席券売機とほぼ同じ機能を持たせている。

(現在も受取専用機はあるとのことだが)

JR東日本はこの機械の設置駅はごく少ないので、この型の機械はあまり見ないかも。(確かにあまり覚えがない)

ただし、JR東日本はこの機械には指定席券売機と同じ機能を持たせているそう。(クレジットカード専用だけど)

JR九州・JR北海道でも指定席券売機と同じ機能を持たせたものを設置しているようだ。


ということはこの機械を専ら受取機として使ってるのはJR西日本だけかい。

もっとも、その「みどりの受取機」も予約なしでのきっぷ購入が限定的に可能となっている。

それが当日・当駅発の乗車券購入である。

EX予約のe特急券は乗車券を別途手配する必要があるので、それだけは受取機でそのまま購入できるようにしてあると。

e5489とかだと乗車券と特急券は一括予約するから、受取機で乗車券を買える必然性はないのだけど。


JR東海がこの装置をクレジットカード専用券売機にしたのは、

東海道新幹線ほど本数が多いと飛び乗りが多いというのがあるんでしょうね。

新大阪駅では見なかった気がするけど、名古屋駅だと当日乗車に特化した券売機があった気がする。

当日乗車に特化させることで操作数が減らせるってことですね。

受取機は現金の取扱がないこともあって、設置しやすく、改札の真横とかにも設置されている。

その割には活用されていなかったので、それならばクレジットカード専用券売機にして多くの人に使ってもらおうと。

それじゃあ急いで受け取りたい人が困るんじゃないの? と思ったかも知れないけど、たいていガラガラなので問題ない。


在来線の近距離利用だともはやきっぷを買うことは少なくなったけど……

新幹線もチケットレスサービスが導入されつつあるけど、なんやかんや紙のきっぷを出す利用者は多いよね。

在来線特急もそうかな。水戸駅とか指定席券売機が盛況だった覚えがあるな。

チケットレス化が進めば、受取機みたいなのは無用の長物になるなと思うのだが。

一方で、カードが読み取れて、指定席特急券を出せる機械というのは、クレジットカード専用券売機として機能して、

いまどきキャッシュレスできっぷを購入する人は多いですから、現状にはマッチしてるわけですね。


機能的にはしょぼいが、JR西日本の「みどりの受取機」という命名は気に入っている。

「みどりの窓口」「みどりの券売機」「みどりの券売機プラス」とシリーズであることが一目瞭然。

それだけに受取機から脱することができないのかもしれないけど。


Author : Hidemaro
Date : 2020/10/27(Tue) 22:43
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山陽新幹線の駅でもあるはずなのだけど

ちょっと前の話なんだけど、新大阪駅を使うことがあった。

新大阪駅から新幹線を乗車することはこれまでもそれなりにあったが(降車はあまり覚えがない)、

今回は都合により新大阪駅の滞在時間が長くて、食事などで駅構内を歩き回って、

この駅はよくできた駅だけど、難しいところはあるなと思った。


新大阪駅は1964年、東海道新幹線開通に合わせてできた駅である。

主要都市の新幹線駅というと、既存の中心駅に併設されるようなことが多い気がするが、

新大阪駅については、将来的な新幹線延伸を考慮して、淀川の北側に作ったと言われている。

そもそも、大阪駅だって、当初は堂島あたりに行き止まり式の駅を作ろうなんて構想があったところ、

市街地からは遠くなるけど、将来的な延伸も考慮して梅田に作ったとされている。

淀川の北側にある新大阪駅はその考えをさらに推し進めたものとも言える。土地にも余裕があったしね。


そんな経緯で作られた駅なので広くて、乗換などで詰まるところがあまりないのはよい。

京都駅や名古屋駅も、伝統的な市街地からは外れたところにある分、広い駅だとは思うけど、新幹線は後付けだしね。

ただ、買い物や食事と言われると、百貨店や地下街を併設しているようなところにはかなわなくて、

そこはあくまでも新幹線の乗換駅ということなのかなとも思う。

もっとも新大阪といえば、周辺はオフィスも多くて、今や大阪の副都心でもあるのだけど。


そんな新大阪駅、難しいのはJR西日本とJR東海の窓口がそれぞれあること。

在来線と山陽新幹線がJR西日本、東海道新幹線がJR東海の管轄なのでこういうことが起きる。

同一駅にJRの異なる会社の窓口があると言えば、東京駅や京都駅などにも言えることなのだが。

ただ、これらと違うのは新幹線の駅はJR東海(東海道新幹線)の駅でもあり、JR西日本(山陽新幹線)の駅でもあるということ。

歴史的経緯から新幹線構内はJR東海が代表して管理していて、それは仕方ないと思うんだけど……


在来線で新大阪駅に到着した場合、新幹線乗換口の左側と右側、それぞれに窓口や券売機がある。

左側の窓口はJR西日本の窓口、改札口すぐ右側の窓口はJR東海の窓口になっている。目立つのは左側の方ですが。

御堂筋線で新大阪駅に到着した場合、2階から3階にあがる場所によって改札・窓口が違うんだけど、

一番メインの改札・窓口は中央口だけど、ここの窓口は全てJR東海の窓口になっている。

(ただし、トラベルサービスカウンターの脇にひっそりとJR西日本管理の「みどりの受取機」が1台ぽつんとある)

南口に併設された窓口も同様にJR東海管理になっている。

そこから東に少し進んである在来線の改札、東口に併設された窓口はJR西日本管理となっている。


新幹線改札に併設された窓口はJR東海、在来線改札に併設された窓口はJR西日本って言うと、

そりゃそうじゃないのと思うかも知れないが、新幹線利用者も場合によってはこの在来線改札の横の窓口に来る必要がある。

新幹線関係のサービスで両社窓口ともに取扱が可能なものを考えてみる。

まず普通に乗車券・特急券を購入するのはどちらの窓口でもOK。

両社共同運営のEX予約についても、どちらの窓口でもOK。東京・名古屋方面でも岡山・広島・福岡方面でも問題なし。

東海道新幹線のお得なきっぷ(といっても新幹線回数券ぐらいかな)も両社で取扱がある。

なので、総じて言えば東海道新幹線を利用する場合はどちらの窓口でもよい。


一方で、JR西日本の窓口でしか取り扱いできないサービスがある。

それがe5489とJR九州ネット予約の引取、あるいは山陽新幹線関係のお得なきっぷ である。

e5489はJR西日本の予約システムで、基本的にはJR西日本・四国・九州管内の窓口で受け取る。

JR東海は無関係だから、と思ったかも知れないけど、実はJR東海もe5489を導入している。

在来線特急の予約のために導入したと思い込んでいたが、東海道新幹線も予約できる。

しかし、JR東海は自社関係ではないe5489の予約の引取には対応していないのである。

このルールは新大阪駅でも容赦なく適用され、岡山・広島あるいは九州方面のe5489の引取はできない。(名古屋・東京方面は可能)

お得なきっぷについては、山陰・四国方面から大阪まで新幹線と在来線特急をセットにしたタイプのきっぷがいろいろあって、

復路の指定を受ける場合はJR西日本の窓口に限るとなっているので、JR東海の窓口ではダメっていうこと。

これも仕方ない面はあるが、山陽新幹線に乗る改札の手前で指定が受けられないのは不便である。


この問題を緩和する策として、中央口のトラベルサービスカウンター脇に「みどりの受取機」がぽつんと置かれてたんですね。

ただ、わかりにくいですけどね。確かにJR西日本のWebサイトの構内図には「e5489」ってマークがありますけど。

新大阪駅/構内図 (JRおでかけネット)

EX予約の人が使ってもいいけど、わざわざこんなわかりにくいところにある機械を使う必要はないわな。

中央口改札左にJR東海管理の受取機(というかクレジットカード専用券売機)が4台ぐらいあって、そっちの方がわかりやすいし。


JR西日本とJR東海はEX予約で共同戦線を組んでるんだし、e5489自体はJR東海も導入してるんだし、

新大阪駅に限っては融通が利かないもんかなと思ってしまいましたけどね。

JR東海窓口には他にもJR西日本窓口でないとできないこととして、ICOCAの取扱と、株主優待での乗車券類購入が書かれていたが、

ICOCAは新幹線関係ないから当然だと思ったし、株主優待もそれは仕方ないでしょうと。

山陽新幹線を利用する人にとって、在来線改札のきっぷ売り場に回るのはやっぱり不便ですから。


同様の問題は山陽新幹線(JR西日本)と九州新幹線(JR九州)の境界駅になっている博多駅にもありそうだが、

e5489・JR九州ネット予約は両社ともに基本的なところは受取が可能なので、そこはとりあえずよい。

あとはそこまで新幹線・在来線が遠くないので、そこは融通が利くのかなと。

実際に使ってる人にとってどうかはわからないけど。

新大阪駅だって慣れればそんなもんかもしれないし。


Author : Hidemaro
Date : 2020/10/26(Mon) 23:10
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注文してた飛行機が来ないんだが

ちょっとかわいそうだなと思ったニュースなんですが。

ANA国際線、羽田に集約へ…大型機売却30機検討 (読売新聞)

三菱重工、国産ジェット旅客機の量産化を凍結…早期の収益困難と判断 (読売新聞)

後者はいろいろ報じられたけど、航空会社が飛行機を買うには現金がいるが、今は現金がないということで、

むしろ本格的な量産に着手する前に止められたのはよかったんじゃないかという話もある。

お蔵入りになる可能性もあるが、この先につなげられる可能性を残すものかもしれない。

では、誰にとってかわいそうなのか、それはANAである。


最初のニュースで報じられたようにANAは大型機の数を減らすと言っている。

すなわち、飛行機を小型化していく方向であろうと思う。

ところが困ったことがあって、ANAの小型機は老朽化に対して、新型機が補充できていない状況がある。

そういえばこんな話もありましたね。

バニラエアのA320にもすがる思い

そのANAが期待していた小型機こそが三菱スペースジェットM90だったのだが、これが来そうにないということで、

機材の小型化というところに暗雲が立ちこめているということである。


というかM90が来ないという問題は今に始まったことではなく、

すでにつなぎとしてDHC-8-Q400というプロペラ機を購入している。

おそらく今後もその方向で行くのかも知れないが、今どきQ400なのかという話はある。

というか、もともと老朽化したQ400をM90で置き換えようという魂胆もあったはずなのに、

Q400をQ400で置き換えるということも考えないといけないのかという話である。ここら辺どうなんでしょうね。

一応、DHC-8シリーズでは、Q400だけは継続して生産されているので買えるはずだけど。


もう1つ、ANAが購入予定だった小型機、ボーイング737MAXの納入も遅れている。

M90の納入遅延に比べれば待てるかも知れないが、M90が来ない分、737-700/800やA320も多く使うことになろうわけで、

多く飛ばせばそれだけ早く置き換えないといけませんからね。

M90が来れば737MAXは多少待てたかもしれないし、737MAXが来ればM90は多少待てたかも知れないが、

どっちも来ないって過酷な話だなと思う。


ただし、よい面もあって、次には大型機の置き換えを考えないといけないところだったが、

次に購入する予定だったボーイング777Xのスケジュールも遅れている。こっちもさらに遅れるのは必至だろう。

なので、大型機を減らすというのは、老朽化した大型機の代替機を当面買わないとも言い換えられる。

トラブルで一時運航できないこともあったが、それを乗り越えて国内外を飛び回っている ボーイング787 が、

現在、大型機が活躍している路線に多く入り込んでいくということで、それはそれでやりやすいんじゃないだろうか。

他の機材が買えない分、ボーイング787は順調に買うというのが答えだと思う。


実は、これがANAの小型機不足の打開策ではないかなんて指摘があったんだけど。

ANA、構造改革でLCC強化 全日空のマイルで利用可能に=関係筋 (ロイター)

ANA自身が、老朽化した小型機をこき使って、そう儲からない路線を飛ばし続けるよりは、

Peach(A320を運用)をANA路線網に取り込めば、ANA自身はより儲かる路線に注力することができる。

こうして、航空需要の減退と小型機の老朽化を乗りきろうという作戦ではないかということである。

なるほど、これは一理ある話だ。


ただし、ANAの利用者がこれを受け入れるかは難しい。

よりによって「空飛ぶ電車」なんてフルサービスキャリアとの差別化を意識してきたPeachである。

JALやカンタス航空がJetstarを使うのと同じように考えてよいわけではないんじゃないか。

(JALとカンタスは、Jetstarの関西~ケアンズ線や、国際線接続便として成田・関空発着の日本国内線をコードシェアしている)

どういう使い方を考えているのかわからないのでなんとも言えないが、

JALとJetstarができているから、ANAとPeachができると考えてはいけない話だと思う。


これに対してJALグループの機材調達は絶妙だったねと言われる。

まず、三菱スペースジェットが来ないことについては、すでに必要数のエンブラエル E-Jetシリーズを持っているので問題ない。

ボーイング737については、JTAは737-800ですでに置き換えが完了しているので、737MAXの納入遅延は問題ない。

JALにとっての大型機の代替先である、A350 XWBはすでに納入が開始されている。

これはJALにとっては大きな挑戦だったのだが、国内線で導入して練度を高めてから、

国際線に導入するという作戦で、すでに国内線では幹線の主力になっており、国際線はあと数年先のこと。

A350 XWBはデカイ中型機という感じで、置き換え元のボーイング777より席数が少し減ることは覚悟しての採用である。

今になってANAは大型機を減らそうかなと言ってるけど、JALはもうすでに減らす方向で決断してたんですね。

1便で運べる人数は減っても運航コストが安いので、Point-to-Pointの路線網にも合っている。


最初のニュースにも書かれているけど、ANA国際線を羽田空港発着に集約していくというのは、

ANAが成田空港発着の国際線を充実させるのは、伸び続けるアジア各地~アメリカの航空需要を取り込むためだと言っていたが、

こういう状況では、アジア各地~アメリカの航空需要を集約して大型機で効率よく輸送するというのは厳しい。

こういうときに頼りになる日本発着の需要は、もともと羽田空港発着を中心に考えていたので、理屈には合ってるんだよね。

なお、関東圏以外の空港に発着するANA国際線はもともと少なく、ユニークな路線は皆無なので、こちらの影響はあまりないと思う。

関西・中部発着の中国路線がいくつかあるけど、中国の航空会社の路線が多く乗り入れてるので、そちらでどうぞと。


もちろんANAがここで苦しいのは、風呂敷を広げすぎたせいという面はあるんだけど、

正直、これほどまでに機材に苦しめられるのは運が悪すぎるとしか言えない。

確かに新機材に果敢に飛びついて痛い目を見ているという面はあるのだけど、買う機材全部で外れを引いているレベルである。

M90が来なければQ400に頼るしかないかと書いたけど、そのQ400もいろいろな不具合に当初は苦しめられたという。

さすがにここまでくるとANAはかわいそうだなと思っちゃうよね。


あと、M90が来ないせいで、DHC-8シリーズから手を引けなくなっちゃったのでは?

という指摘があったのが、長崎の航空会社、オリエンタルエアブリッジ(ORC)である。

長崎の離島に飛ぶのは何か

ORCはDHC-8-Q200を使っていたが老朽化が問題となっており、中古機を購入して当分はしのぐ予定という。

問題はQ200という飛行機はもう買えないということ。なので何らか移行先の飛行機を考えなければならない。

天草エアライン・日本エアコミューター・北海道エアシステムの3社が導入したATR42が本命だろうと言われて久しいが、

乗員の訓練や重整備の委託先なんかを考えるとなかなか踏ん切りがつかず、中古機に手を出してまで時間稼ぎをしているのだが、

どうしてそんなどん詰まりの選択肢をとるのかというと、ORCはQ200が足りない分、ANAからQ400を借りてるんですよね。

Q400は滑走路が短い壱岐空港発着の便には使えないが、操縦資格はQ200と共通なので、乗員の都合という点ではよい。

ORCはANAからQ400が借りられなくなれば、そこですっぱりDHC-8シリーズから手を引くしかないが、

そこまではQ200と借り物のQ400の2本立てで行く方が負担が少ない。確かにそれはその通りである。

でも、本当にそれで長崎の離島への足は続くんですか?


Author : Hidemaro
Date : 2020/10/24(Sat) 23:00
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