大豆のお肉を食べる

買い物に行くと「大豆のお肉」が投げ売りされていた。

値引きシールが貼られてるのはよく見るけど、ここまでの投げ売りはなかなか。

炒め料理用とあるので、これで炒め物でも作るかと購入。


見た目は炒めた後の豚肉みたいな感じだけど……

どんな味なんだろとつまみ食いしてみると……豆腐だな。

炒めて味付けするとそれなりになるのかもしれないとやってみたけど、

肉というのは軟らかすぎるのか……豆腐を炒めたような感じに。

肉の旨味とかそういうのがないのであんまりな炒め物だった。


「大豆のお肉」って一体何なんでしょうね。

豆腐なのかというとそういうわけではないようだ。

「大豆のお肉」は大豆の油分を搾油、加熱・加圧・乾燥させてできた、マルコメの大豆ミート製品。

(おいしい大豆のお肉の使い方 (マルコメ))

大豆から大豆油を取った残りということだそう。

豆乳は大豆の油分とたんぱく質のほとんどで、これをにがりで固めたもの。

大豆のお肉 は繊維質とたんぱく質が残ったものということで位置づけが異なる。

ただ、風味というのは似るんでしょうね。


どうしても肉は食わないという人は日本にはそうそういませんから、

大豆ミートの需要はそんなに多くないというのが実情か。

単純においしければ売れるかもしれないけど、

今回食べた感じだと、うーんとなってしまう。調理法も悪かったのかもしれないけど。

確かに単純に肉の代わりに使えばよいというわけではないのはそうだろう。


商売としてどうなんだろうなというのは気になりますが。

店で売れているのもそうそう見ませんからね。

ホーム柵対応で車番を上に書くか

最近気づいたことがあって、それは駅の可動式ホーム柵対応にあわせて、

車両番号を車体上部に書き直すのは必ずしも一般的ではないということ。


これ、地域によってピンと来る人とそうでない人がいるかも。

大阪市営地下鉄(現OsakaMetro)今里筋線は開通時からホーム柵が導入され、

それに伴って導入された新車は車両番号が窓上に書かれていた。

従来は窓の下に番号を書いていたのでちょっと異様な見た目だけど、

これは柵で番号が隠れてしまうのを防ぐという明確な理由があった。

以後、大阪市→OsakaMetroでは各線に可動式ホーム柵の導入を進めていく。

御堂筋線天王寺駅(2015年)など車両側の改造なしで導入した駅もあったが、

停止位置を手で細かく合わせるのを何駅もやるのはとても大変ということか、

全駅導入にあたっては停止位置を制御できるように車両を改造している。

このとき改造された車両も車両番号を窓上に移している。


ただ、ここまでくっきりしてるのはOsakaMetroぐらいかもしれない。

東京メトロでは副都心線開業時の新車からは窓の横に車番を書くようにしている。

それ以前の車両にはわりと近年になって窓横に車番が貼り足されているそう。

ところで東京メトロでは南北線でフルスクリーンタイプのホームドアを導入している。

こうなるとどこに書いても見えないので同じという考えだったと思うのだが、

実は直通先の埼玉高速鉄道では可動式ホーム柵が導入されているので、

ここでは意味があるということで近年は窓横に車番が貼り足されているそう。

ただ、その埼玉高速鉄道の車両は窓の下に車番が書いてあるんですよね。

開通当時からホーム柵があるが、車番を上に書くという発想がなかったか。


新車からというのは1つの考えとしてあって、

京都市も烏丸線の一部駅でホーム柵を導入したが、それ以降に導入された新車は窓上に番号を書いている。

烏丸線は車両改造なしで導入したので付替のタイミングがないのはあるけど。

直近で予定がなくてもとりあえず上に書いておけばよいという考えはあり、

ドア位置が揃う見込みが全く立たない近鉄も新車の8A系は連結部の上に番号を書いてあるよう。

(あべの橋駅と阪神三宮駅ではロープ式のホーム柵があるが、車番が隠れることはない)

一方で近鉄けいはんな線の車両はOsakaMetro中央線のホーム柵導入に合わせて改造されているが、

この改造を経ても車番は窓下にしか書かれていないそう。そこはやらんのかい。


対照的にJR各社はホーム柵導入路線の新車でも窓下に番号を書いている。

現在の山手線の車両はホーム柵導入後に入った車両だし、

大阪環状線の323系はホーム柵導入に向けてドア位置を揃えることを目的とした新車である。

それならホーム柵に隠れない場所に番号を書いておけばよさそうだが、そうはしていない。

特に不要という判断なのだろうか。

大手の私鉄では京阪と名鉄が直近の新車でも車番を窓下に書いているよう。

(南海は子会社で今年4月合併予定の泉北線用の新車で窓上に書いたものがある)

名鉄はともかく、京阪は京橋駅などにホーム柵を付けているのだが、それでも上には書いてないみたいね。


OsakaMetroの感覚では窓上に車番が書いてあるのがホーム柵対応の印とおもってたが、

世間的には必ずしもそうとは言えないということである。

もちろん車両側の改造なしにホーム柵を導入している駅もあるので、

こうすると車番を上に動かしているとは限らないのはあるでしょうけど、

JRの例を見てもわかるようにそんなの関係ないという会社もある。

そういうもんらしい。

織り込み区間との戦い

Cities:Skylines IIで渋滞を実感する最たるものが救急車待ちマークが並ぶことで、

渋滞で現場にたどり着けない救急車が何台もいるという状況である。

当然これでは都市機能の維持に問題があるわけで、渋滞対策をやるわけだが、

ものすごく手を焼いた交差点があって、渋滞が全くなくなったわけではないが、

とりあえずこれぐらい流れていればなんとかなるんじゃないかというところまで来た。


高速道路のインターチェンジ近くに病院・消防署・火葬場・郵便仕分施設と並べたエリアがある。

高速道路が使えれば広域のニーズに応えられるという発想である。

高速道路に接続する幹線道路(高速道路・細い歩道(側道)・高架の地下鉄を並べたもの)は、

右折による混雑を避けるために中央帯を挟んでの往来はできないのだが、

これらの公共施設から出る車両は往来できないと困るので、高架の歩道を通している。

歩道という名前だが、バスなどの公共車両は通行できるためである。

一般車は幹線道路中に設けられたUターン路で対応することになる。


まず問題となったのは高架の歩道との出入りで右折が発生して混雑すること。

そこまで通行量は多くないからいけると思っていたが、なかなかそうもいかない。

というわけで高架の歩道の代わりに高架の車道を作り、

できるだけ右折無しで済むよう幹線道路とのインターチェンジを作ることにした。

最初は不完全クローバー型にしてみたが、これだと高架の両側で右折が発生する。

主要なルートは右折にならないようにしたつもりだったが、少しでも右折車がいると大変みたい。

このゲームは本当に右折に弱いな。


それで追加のルートを足そうとしたが、高速道路のインターチェンジが近いことが障壁となった。

インターチェンジが連続すると合流・分岐が近接してスムーズに走れないだろうと。

案の定、車線変更の車両で交錯して大変なことになってしまった。

それでも右折が多かった頃に比べれば多少はマシだったが……

現実世界なら右折の方がマシな気がするけど。


短い距離で合流・分岐が連続する区間は織り込み区間と呼ばれ、渋滞の原因になりやすい。

合流して直進する車両は右に車線変更し、本線から分岐する車両は左に車線変更する。

ある程度距離があれば問題ないのだが、短い距離でこの交錯が発生すると車がスムーズに流れなくなる。

インターチェンジが短い距離で連続すると発生しがちな問題である。

特にスペースに制約が大きい都市高速では避けられないが、信号待ちよりはマシと考えるしかない。


東名高速道路と圏央道を結ぶ海老名JCTは織り込み区間の対策で特徴的な構造をとっている。

相模川を挟んだ対岸には厚木ICが存在するため、何も考えずにJCTを作ると、

厚木IC合流→海老名JCT分岐あるいは、海老名JCT合流→厚木IC分岐が連続してしまう。

まさに織り込み区間になってしまうので、対策として集散路を作った。

本線から海老名JCTへの分岐を厚木ICの分岐と同じところでやってしまい、

厚木IC→圏央道と走る車が合流して、本線と並行して相模川を渡る。

そして川を渡ったら圏央道に合流するという形である。

逆も圏央道→名古屋方面の車は相模川を本線と並行した別の橋で渡り、

厚木ICで出る車が分岐して、厚木ICからの車が合流してから本線に合流する。


無対策の場合は 分岐→合流→分岐→合流となってしまうところ、

集散路を作ること本線にとっては 分岐→合流→合流 という形になる。

これにより本線の渋滞を回避しようとしたわけである。

それでさえひどい混雑だが、これは圏央道八王子方面との車両が海老名JCTに集中するためで、

将来的には新東名と接続する海老名南JCTが名古屋方面との往来の主流になる。

新東名の伊勢原JCT~海老名南JCTだけ神奈川県内の他区間に先だって開通したのも、

東名名古屋方面~伊勢原JCT~海老名南JCT~圏央道と走ることで海老名JCTの混雑が多少軽減できるとみたためである。


当初は高速道路とのインターチェンジを含めて 合流→分岐→合流→分岐→合流→分岐→合流 となるケースもあった。

さすがにこれではスムーズに流れるわけはない。

接続点同士が近接していると対策もままならないので、本線との接続点を集約する。

これにより本線と並行する集散路のようなものができることもあった。

さっきの例で言えば、後ろの3回合流を1回の合流にできた。

合流→分岐→分岐→分岐→合流 でも多少よくはなったが、

高速道路のインターチェンジでの合流と、その次の分岐が近接するのが厳しい。


というわけで高速道路のインターチェンジ内に分岐点を動かすことに。

合流する前に分岐を加えるのである。地下を駆使してなんとか。

これで 分岐→合流→合流 となり織り込み区間は解消した。

反対側は 分岐→合流→合流→分岐 のまま残っているが、

合流点を遠ざける対策もできたので、こちらはなんとかなっているよう。

インターチェンジ周辺の交差点の渋滞が伸びたり、流れが悪い点もあるが、

本線が詰まってありとあらゆる車両が身動きがとれない状況は打開できたかな。


あと場当たり的な解決ではあるが車線数を増やすのも効く。

その分余裕を持って車線変更できるためである。

これも神奈川県内の東名高速道路の話になるのだけど、

基本的に片側3車線の道路だが、付加車線を付けて4車線になっている区間がある。

特に海老名JCT→横浜町田ICではかなりの区間に付加車線が付いている。

海老名JCTの合流部、綾瀬BS(スマートIC)付近、大和トンネル付近と、

渋滞しやすい場所に手当たり次第に付加車線を付けた結果、改善はしている。

渋滞の先頭が付加車線が途切れるところになっただけというのも実情だが、

それでも余裕をもって車線変更ができる効果は軽視できないものである。


人口12万人ぐらいまで来たけど、都市が広がると公共サービスの提供がだんだん大変になる。

ごみ処理ってのがけっこう大変で、なぜかというと処理施設周辺の汚染がひどいからである。

風下のほうに置けば、そこから風上への汚染の広がりは限定的だが、

それはごみ収集のために市内で大きな移動が発生するということでもある。

リサイクルセンターという大気汚染が少ない処理施設があり、

都市が広がるにつれて、リサイクルセンターを分散配置するのが定石みたいですね。

ただ、高密度住宅のゴミの排出量がえげつないらしく、

これに対応するにはかなりこまめにリサイクルセンターを置かなければならない。


そんなの無理だろというわけで、高密度住宅は全く設定していない。

10万人でもけっこう難易度高いと思いますよ。

公共サービスはことごとく道路を介して提供されるわけで、道路がダメになると容易に破滅してしまう。

そして道路は右折車と横断歩行者で容易に破滅してしまう。

横断歩行者は歩道橋を通し、幹線道路同士の交差点は立体化して右折が生じないようにして……

それでも車線変更に起因する渋滞がきついのだが、これは姑息な対策もある程度効くので。

決して主人公にはなれない声優

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの3rdライブツアーが完結して、

アップロードされていた2枚目の写真を見て誰だこれ? となった。

ライブイベント情報 ラブライブ!#蓮ノ空 女学院スクールアイドルクラブ 3rd Live Tour TRI TRI UNITY!!! 会場そして配信でご参加いただいた、 蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさん!ありがとうございました……

確認したところ、瑞河女子高等学校スクールアイドル部の桂城泉を演じる 進藤あまねさんだったらしい。


「えっ!? あまねす」と思ったのだけど、知らなかったから驚いたのもあるけど、

進藤あまねさんとラブライブ!と言えば、いろいろなエピソードがあり……

幼稚園からアニメを観ていて特にアイドルアニメが好きだったのですが、小学2年で『ラブライブ!』に出会い、特番で声優さんがパフォーマンスするのを観て心を奪われました。そこで先輩の三森すずこさんを知り、私も三森さんみたいな声優になりたい!と思ったのがきっかけです。

(進藤あまね「本当に17歳?って聞かれますけど、昭和ネタが大好きです」【声優図鑑】 (アニメ ダ・ヴィンチ))

声優を目指すきっかけであり、響のオーディションを受けるきっかけでもある。

三森さんの名前が出ているのは事務所の先輩だからである。

それでスクールアイドルの役をやるばかりか、それでステージに立つとはね。


とはいえ、これはライバルのスクールアイドルである。

考えようによってはラブライブ!シリーズの主人公には絶対になれないとも言える。

まさかステージに立つようなスクールアイドルの役をやった人が他の役をやるわけにもいかないでしょう。


そんなことを書いたのは昨年12月に発売された「声優ラジオのウラオモテ #12」を読んだからなんだが。

この巻のスタートはプリティアのオーディションを受けるとなったところから始まる。

由美子が声優を目指すきっかけがプリティアでこのことは1巻から散々出てきている。

現実世界のプリキュアシリーズがモチーフであろう。

由美子の母が「歌種やすみはいつかプリティアになる声優です」と千佳の母に言い放つのはTVアニメでもあった印象的なセリフである。

声優として目指すべき大きな目標として挙げられたものである。


#11の最後がプリティアのオーディション資料を渡されるところで、

もうこれで完結でよかったんじゃないかと思ったが、そう単純な話でもなかった。

この巻で終始話題となったのがプリティアのキャスティングの不文律である。

「『魔法使いプリティア』に、二度出演した声優は存在しない」ということで、

それは主人公であるプリティアに限らず、脇役でも二度はないという。

ところが由美子はプリティアに立ち向かう悪役としてのオファーを受ける。

そんな役をやったらもう決してプリティアにはキャスティングされないだろうと。

このオファーを受けるということは、憧れのプリティアシリーズへの出演である一方、

プリティアに決してなれない声優となるということでもあるので大きな葛藤として描かれるのである。

もっとも不文律というのは破られることもあるかもしれないのだけど。


キャスティングの不文律というのはなんぼでもある話だと思うが、

アイドルマスターシリーズとラブライブ!シリーズで主要な出演者が重ならないという話がある。

このことが殊更クローズアップされたのは一昨年12月の「異次元フェス アイドルマスター ラブライブ!歌合戦」のとき。

当然、アイマス側とラブライブ!側を行き来する人はいなかったのだが。

アイマスもラブライブ!もかなりの人数の女性声優が関わっている。

女性キャラクタが大勢いる作品だとアイマスやラブライブ!で見る名前がいないことはまずないと言っていいほど。

にも関わらず、アイマスとラブライブ!は被っていないのだという。

これは不文律なのではないかという話である。まぁ確かにね。


もっとも出演者の全てが被っていないわけではない。

穂乃果のクラスメイトでμ’sにいろいろ協力していた ヒデコ、フミコ、ミカの3人、ヒフミトリオと呼ばれてるが、

この3人を演じるのはいずれもアイドルマスターシンデレラガールズの出演者である。

言うてスクールアイドルではないからねというかもしれないけど、

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のアニメで他校のスクールアイドルとして出てくるのはアイマスの出演者がけっこういる。

それだけアイマスに関わっている女性声優が多いのだから不思議はないのだが。

今のところステージに上がるような人が重複しているという話はないが、

何があって破られるかわからない。回避し続けるのは難しいだろうから。


でも、何でも憧れの作品に出演できるのは名誉あることですよね。

主人公でなくてもある部分においてキーマンならなおさらである。

桂城泉っていうのはそういうスクールアイドルだったのでは?

ステージでのパフォーマンス含めて強大なライバルを演じるのは誰にでもできることではない。

それがまさか あまねす とはね。Morfonicaのボーカルってのは大きかったんだろうな。

サークリングアプローチは続く

伊丹空港と神戸空港の着陸時にサークリングアプローチが使われている話を紹介した。

ILSと目視とGPS

ILSの電波に従って着陸する方法は悪天候に強いが、片側にしか付いていない(付けられない)ことも多い。

最近は人工衛星の位置情報に従って着陸するRNPでILSが使えないパターンをカバーしていることが多いが、

伊丹空港では北側から着陸するレアケースでは必ずサークリングアプローチ、

神戸空港でも東側から着陸する場合は必ずサークリングアプローチとなる。

また、伊丹空港では南側から短い方の滑走路に着陸する場合、

ILSに従って長い方の滑走路に降下してきて、短い方に方向転換するサークリングアプローチもみられる。


で、神戸空港だが発着枠拡大に伴い、3月から離着陸経路が変更される。

従来は離着陸ともに明石海峡上空を通っていた。

離着陸の経路が重なるといろいろ制約が大きいため、淡路島上空を通る離陸経路を導入する。

新しい神戸空港の離陸ルートでは淡路島上空を3000ft以上で通過するとなっている。

淡路島の中では人口の少ない夢舞台上空を通る配慮はあるし、低騒音の小型機が多いというのはある。


これにより神戸空港の離着陸経路が分離されるわけだが、

てっきりこれで東側から着陸する場合のサークリングアプローチを使わなくなると思っていたが、

そんなことなくて今後も東側から着陸する場合はサークリングアプローチである。

AIS JAPANで3月20日からのチャートを見ると計器着陸用のものは、

ILS Z or LOC Z RWY09、ILS Z or LOC Z RWY09、RNP RWY09と、

いずれもRWY09=滑走路に東向きに着陸するものしかない。

このため風向きにより西向きからの着陸になる場合には、

これらの方法で明石海峡から空港西側に接近してからサークリングアプローチとなる。

今までとほとんど変わらないってことですね。


なんでかなと思ったのだけど、他の空港との関係で神戸空港は明石海峡上空を通って着陸するルートしか使えないので、

西向きに着陸するにも空港に近づいたところで南側にぐるっと回る以外の方法がない。

それならILSに従って接近してから、空港近くで滑走路を目視しながらぐるっと回ればよい。

これは他の空港の都合とは関係なく自由にやって問題ないわけだし。

伊丹も地形や他空港との関係から南側から出入りするしかないんですよ。


伊丹空港は短い方の滑走路へのサークリングアプローチはよくあるが、ぐるっと回るというわけではない。

本当にぐるっと回って北側から着陸するのは極めてレアケースである。

いろいろ調べたんだけどジェット機が発着するような空港で計器進入が一方向きしか設定されてないのは、

伊丹・神戸以外だと岩国と高松かね。(高松は地形の問題があるらしい)

ただ、サークリングアプローチというよりばビジュアルアプローチじゃないかな。

空港の横辺りに誘導されて、そこから目視で着陸するということである。

悪天候かつ風向きが合わなければサークリングアプローチもあるかもしれないが。

と考えると、神戸空港ほどサークリングアプローチを行う空港は日本に他にないんじゃないかと思う。

そしてそれは今後も変わらないということである。


神戸空港は今年4月から国際線チャーター便の受け入れを開始する。

神戸市内や播磨などを目的地とするツアーでの利用を期待しているんじゃないかね。

神戸空港 国際チャーター便就航の意向表明相次ぐ (NHK)

思っていたより人気っぽいが、時間帯によっては関空が忙しい中で、都合のいい時間に飛ばせる可能性があるのかも。

伊丹の国内線が忙しい時、関空の国際線が忙しい時をカバーしつつ、

神戸周辺を発着地とする需要を掘り起こしていくのが3空港の中での役目なのかな。

それ地方管理空港の役割か? と思うけど、神戸空港はそういう空港である。

高架の地下鉄を引く

Cities:Skylines IIのバスはかなり利用してもらえるのはよいのだが、

バス停の混雑がすさまじいことになり横断歩行者による混雑や、

乗降時間が長くなり、後続のバスが待たされたり問題は多い。

そうなると鉄道の出番かねと思ったけど、引いたのは高架の「地下鉄」である。


高架鉄道がシステム上地下鉄と言われるとSimcityを思い出すが同じような発想なのかね。

ただ、鉄道も地下や高架を通すこと自体は可能である。

地下・高架を通せることは必ずしも地下鉄の特徴ではないのだけど、

問題は駅で、Cities:Skylineシリーズの鉄道駅は巨大である。

小さな鉄道駅は存在するが、地上に置かなければならない。

一方で地下鉄は地下・地上・高架のそれぞれのタイプが存在する。

小さな高架地下鉄駅は2セルの細長い土地があれば設置できるため、

幹線道路の本線(高速道路)と側道の間を広く開けておけば高架鉄道が引けるというわけ。


地下駅を使ってこそ地下鉄の価値があるというのはもっともな話。

ちなみに地下駅は地上に2×3セルの駅舎が顔を見せ、

その真下に線路が通る形になるので、道路の脇に線路を引く形になる。

道路の真下に引くと、駅舎と道路が被ってしまうのでダメだと。

現実世界で専ら沿線のビルの下に線路を引くのはどうかと思うけど。

高架の地下鉄を本線と側道の間に引くのは、まだリアリティはあるかもしれない。


鉄道と地下鉄のシステム上の差として大きいのは貨物輸送ができるか否からしい。

人を運ぶことだけ考えれば地下鉄の方が1編成の定員が多いらしい。

このため人の輸送に特化していれば地下鉄を地下・地上・高架問わず活用するのがよいとも言える。

ただし地上を通す場合は道路と平面交差できないという制約がある。

地下鉄なので第三軌条集電(線路脇に電気が流れている)を使っているという設定で、

平面交差すると危険なのでやってはいけないということらしい。

なので郊外では鉄道の方が使いやすいのはあるかもしれない。


ちなみに路面電車も高架・地下を通すことが出来る。

道路の上を通すと平面交差でいろいろ不都合があるので、

高架や地下を通せばよいという考えもあるし、その高架・地下に停留所のポールを置くこともできる。

ただ、リアリティとしてどうよという話もあり、高架の路面電車は不採用となった。

エクリプス賞から学ぶ

昨日JRA賞の話を書いて、ふと気になったのがアメリカ競馬である。

芝とダート両方のレース体系がしっかりあるという点では日本と似ている。

違うのは日本は芝が主流で、アメリカはダートが主流であること。


アメリカ競馬の表彰はエクリプス賞という。

エクリプスは現代のほとんどのサラブレッドの父の父の父……を追っていくとたどり着く名馬である。

アメリカの馬ではないんですけどね。じゃあなんでそんな名前にしたんだって。

その昔、アメリカではいろいろな団体が競走馬の表彰をしていたようだが、

1971年に統一的な表彰制度ができて、名馬の名前を借りてEclipse Awardと命名したと。

アメリカ競馬というのは州ごとに統括団体があり、薬物規制などのルールすらも違うという状況が続いていた。

にも関わらず全国レベルでの表彰制度の確立という点では先進的事例だったようで、

ヨーロッパ競馬のカルティエ賞はエクリプス賞をモデルに1991年に創設されたものだという。

(ちなみにこのカルティエとはスポンサーである宝飾品メーカーのことである)


エクリプス賞の競走馬部門としては年度代表馬を筆頭に、

最優秀2歳牡馬・最優秀2歳牝馬・最優秀3歳牡馬・最優秀3歳牝馬と馬齢別の部門、

最優秀短距離牡馬・最優秀短距離牝馬・最優秀芝牡馬・最優秀芝牝馬・最優秀障害馬という条件別の部門、

そして、最優秀ダート古牡馬・最優秀ダート古牝馬という馬齢+条件の部門がある。

「牡馬」とは書いたが”Male Horse”という表記なので せん馬も明確に対象である。


2021年に日本のラヴズオンリーユーが最優秀芝牝馬を受賞しているが、

芝部門については外国馬の受賞が多いのも特色である。

日本・香港などで実績がある上にBCフィリー&メアターフを優勝したということで、

アメリカ競馬の芝競馬を代表する牝馬であると認められた形である。


2015年までは最優秀古牡馬・最優秀古牝馬とダートに限定しない形だったが、

その時代には芝部門とダブル受賞ということもあったようで、

2012年・2013年の年度代表馬Wise Danは最優秀芝牡馬と最優秀古牡馬をダブル受賞している。(せん馬だけど)

芝から年度代表馬ってあるのかと思ったが、2019年にもBricks and Mortarが芝部門から年度代表馬になっている。

2019年はアメリカ国内の芝G1 6連勝、その最後がBCターフでまさに世界チャンピオンである。

そして今は日本で種牡馬をしている。だから聞いたことある名前だったと。


エクリプス賞と日本の表彰制度を比較すると気づくことはいろいろある。

まず、アメリカでは1971年に全国レベルの表彰制度ができたわけだが、

日本ではJRA賞とNARグランプリは並立する形となっている。

2つの統括団体がそれぞれ賞を与えるという昔のアメリカ競馬と同じようなことをやっていると。

その上で部門を見てみると、JRA賞もNARグランプリも馬齢別の部門以外は性別を問わず1つだが、

エクリプス賞は障害部門以外は牡馬・牝馬が全て分かれているということ。

ダートだと牡馬・牝馬の差が比較的大きいのもあるのかもしれない。


部門についてはJRA賞は2023年から最優秀マイラーと最優秀スプリンターに分けられた。

JRAでは1600m以下を短距離と位置づけて、1200mと1600mのG1を交互に並べてきた。

ところが近年は距離にこだわり香港国際競走など外国を含めて転戦することが増え、

1200mと1600mで全く面々が異なり、スプリント路線とマイル路線どちらに賞を与えるか難しくなっていた。

このことから1400m未満をスプリンター、1400~1600mをマイラーで表彰するようになった。

一方のNARでは1500m以下を短距離としている。1600mは短距離ではない。

エクリプス賞も概ねその考えのよう。

短距離部門はJRA賞では芝、エクリプス賞・NARグランプリではダートの実績で表彰されるのが常だが、

おそらくそのような規定はないので、2023年にレモンポップ(フェブラリーステークス・南部杯とダートマイルG1級2勝)を最優秀マイラーに投票する人はいた。

ヴィクトリアマイル・安田記念を連勝したソングラインより評価するべきだったのかは疑問だが。


地方競馬にはサラブレッドの障害レースはないのでNARグランプリでは障害馬の表彰はないが、

その代わり「ばんえい最優秀馬」というのがある。ばんえい競馬もNARの所掌でしたね。

NARグランプリは地方所属馬の全国チャンピオンを表彰するものだと言えるが、

現在はばんえい競馬は帯広でしかやってないので……ある意味では世界チャンピオンですが。


馬齢別の部門はJRA賞では芝・NARグランプリではダートで選ばれるのが常だが、

昨年のJRA賞最優秀3歳牡馬でフォーエバーヤングが票を集めたように必ずしもそうでなくてもよい。

一方でエクリプス賞は4歳以上についてはダートと限定されるようになった。

2歳・3歳はダートと制限されていないから芝の実績で選んでもよいが、

BCジュベナイルやケンタッキーダービーなどのダートの世代戦の結果が重視されるだろうから、

現実的には芝で評価されるのは難しいということではないかと思う。

そう考えると昨年のフォーエバーヤングってすごかったんだなと思うけど、

3歳の表彰でさえ秋の古馬戦の結果を重視するJRA賞の特色なんじゃないですかね。


日本の表彰制度の最大の問題としてJRA賞とNARグランプリのスコープの差がある。

JRA賞は基本的にはJRAのレースで実績を残した馬が受賞対象である。

(ただし、JRA所属馬は地方開催のダートグレード競走・外国の重賞の結果も考慮に入れてよい)

一方でNARグランプリは基本的には地方所属馬のみが対象である。

ダートグレード競走特別賞に限っては所属を問わないことになっている。

この隙間に転落したのが2021年にBCディスタフを優勝したマルシュロレーヌである。

日本馬だってアメリカで表彰される

日本調教馬初の外国のダートG1制覇という快挙だったが、

JRA賞最優秀ダートホースはテーオーケインズ、最優秀4歳以上牝馬はラヴズオンリーユー、

NARグランプリの最優秀4歳以上牝馬は地方所属馬しか受賞できないし、ダートグレード競走特別賞は船橋のカジノフォンテンとなり、

なにか表彰してやれないかと考えたNARはマルシュロレーヌを「特別表彰馬」とした。

地方のダートグレード競走をステップにBCディスタフを制覇したことは地方競馬にとっての名誉であるという理屈である。


今の制度では NARグランプリ年度代表馬、ダートグレード競走特別賞、JRA賞最優秀ダートホースと、

ダートのチャンピオンを表彰する賞が国内に3つ存在するわけですよね。

2023年で言えば、イグナイター(NAR年度代表馬)、ウシュバテソーロ(ダートグレード競走特別賞)、レモンポップ(JRA最優秀ダートホース)である。

これではいけないじゃないかという考えは当然あると思うのだが、

地方所属馬をたたえることに主眼を置いているNARグランプリと、

かつての八大競走を筆頭にJRAの重要レースでの結果が評価されがちなJRA賞の考え方の差は大きい。

エクリプス賞もカルティエ賞もJRA賞も記者などの投票で決まるわけだが、

現状のJRA賞を見ても地方競馬のレースを正当に評価してくれるかは疑わしい。

なお、NARグランプリは選定委員会での投票により選定されている。


あと中央・地方通じてダートの馬齢・性別の表彰を行う場合の課題としては、

JRAではダート牝馬路線の整備がほとんど追いついていないというのがある。

3歳戦の関東オークス、古馬戦のJBCレディスクラシック、エンプレス杯とチャンピオン決定戦は用意されたが、

JRAからの出走馬を選ぶためのレースが不足しているという実情がある。

またJRA所属馬が出走できる2歳の牝馬限定戦はエーデルワイス賞が唯一、

それで牝馬ながらに全日本2歳優駿に出たミリアットラヴが優勝したのは快挙だけど……

本当なら地方所属・中央所属ともに目指すべきチャンピオン決定戦は同じであるべきのはず。


というわけで難しい問題なんだけど、昨年から大井の3歳ダート三冠が始まり、

こうなると地方・中央を通じたダートの3歳チャンピオンを表彰したくなるはずである。

芝・ダート通じて、中央・地方通じての年度代表馬を決めるべきだとは必ずしも思わないけど、

ダート競馬の表彰の在り方は改めるべきときが来ているのかなと。

JRA賞はどうやって決める

2024年のJRA賞の受賞馬が発表された。

「2024年度JRA賞」決定!年度代表馬はドウデュース! (JRA)

気になっていたのは最優秀3歳牡馬の行方だったのだが、

結果は日本ダービーを優勝したダノンデサイル、普通はそうか。


JRA賞の競走馬部門には 最優秀2歳牡馬・最優秀2歳牝馬・最優秀3歳牡馬・最優秀3歳牝馬・最優秀4歳以上牡馬・最優秀4歳以上牝馬

最優秀スプリンター・最優秀マイラー・最優秀ダートホース・最優秀障害馬、そして年度代表馬がある。

だいたいは各部門のJRA G1の優勝馬から選ばれるわけで、

最優秀2歳牝馬はほぼ阪神ジュベナイルフィリーズの優勝馬だし、

最優秀障害馬は中山グランドジャンプ・中山大障害のどちらかの優勝馬になる。両方勝てば当確だな。


ところでJRA賞の選考対象となるレースなのだが、このように規定されている。

JRA賞のルールブックを読んでみた 競走馬部門編 (百々書き置き場)

JRA所属馬はJRAの全レース、地方開催のダートグレード競走、外国の重賞(G1~G3)、

地方所属・外国所属馬はJRAの全レースとなっている。

このためJRA所属馬についてはJRAのレース以外での成績だけで評価してもかまわない。

とはいえ、やはりJRAのレースが重視されることは間違えない。

最優秀スプリンターは1400m未満、最優秀マイラーは1400~1600mのレース結果で決めることになっているので、

1400mの阪神カップの結果が反映されるのは最優秀マイラーである。そうなの? と思うけど。


最優秀3歳牡馬・牝馬、4歳以上牡馬・牝馬、そして年度代表馬の選定には傾向があり、

日本国内の古馬三冠と言われる天皇賞(秋)・ジャパンカップ・有馬記念のうち2つ以上勝てば年度代表馬を受賞する可能性が高くなります。

(JRA賞は国内>海外、古馬王道>クラシック重視傾向か (ぐりぐり君の個人馬主ブログ))

最重要なのが秋の中長距離G1の3つだということである。

これを勝つと日本競馬のチャンピオンにふさわしいということである。

なので、天皇賞(秋)・ジャパンカップを勝ったドウデュースはそれだけで最優秀4歳以上牡馬は当確、年度代表馬も最有力だった。

皐月賞・ダービーと2着も天皇賞(秋)・有馬記念と勝ったイクイノックスが最優秀3歳牡馬・年度代表馬になったように、

3歳戦よりも秋の古馬戦という傾向はかなり強い。

実績馬でも5歳ぐらいまで現役を続けることが多い日本競馬ではまさにチャンピオンが評価されるのだろう。


最優秀ダートホースについてはJRAのダートG1(チャンピオンズカップとフェブラリーステークス)の結果が特に重視される。

ダートについてはJRA所属でも地方開催のダートグレード競走が主戦場という馬も多いし、

ドバイワールドカップデーやブリーダーズカップなどの外国の有力レースを中心にスケジュールを立てるものもいる。

JRA所属馬にはこれらのレースだけで結果を出した馬に賞を与えてもよいのだけど、

やはりJRA賞なのでJRAのレースで結果を出した馬が重視されると。

特に今年はチャンピオンズカップを勝ったレモンポップが、

さきたま杯・南部杯と地方開催のG1級レースを2勝しており、合わせ技で最優秀ダートホースは堅いとみていた。


今年の場合、問題は最優秀3歳牡馬だとみていた。

最優秀3歳牡馬の選定で重視されるのは当然クラシック三冠、そして秋三冠である。

とはいえ、それ以外の活躍馬を最優秀3歳牡馬に選ぶこともできて、

この観点で浮かび上がるのがフォーエバーヤングである。

東京大賞典(GI)・ジャパンダートクラシック(JpnI)・UAEダービー(G2)・サウジダービー(G3)と重賞4勝、

ケンタッキーダービーとBCクラシックで3着2回とダート競馬の世界チャンピオンに迫った馬である。


問題はJRA未出走であることと、ダートでの戦績であること。

とはいえダートでの戦績を芝での戦績に置き換えてみればすさまじい結果で、

東京大賞典は芝で言えば有馬記念のような秋のチャンピオン決定戦だし、

ジャパンダートクラシックは芝で言えば菊花賞の位置づけだが、メンバーの充実度は三冠の中で一番だし、

UAEダービーはG2だが、ケンタッキーダービーの前哨戦と考えれば皐月賞に近いかも知れない。

BCクラシックは芝なら凱旋門賞とかジャパンカップのような世界チャンピオン決定戦だろう。

これは最優秀3歳牡馬になってもいいんじゃないかと思っていた。


ただ、一方で芝中長距離ではないというところが気になるところで、

これは最優秀○歳牡馬・牝馬というのは暗黙的に芝中長距離の活躍馬を表彰するものだという説もある。

確かに過去にさかのぼってみると2013年にロードカナロアが年度代表馬になっている。

マイル以下、特に高松宮記念・スプリンターズステークス・香港スプリントと1200mのG1を3勝したことが評価され、

香港スプリントは香港勢が強いレースであり、そこで勝ったことは歴史に残る快挙である。

というので、当時の最優秀短距離馬をあわせて受賞するのは当然としても、

最優秀4歳以上牡馬には選ばれず(かなり票は集めたが)、こちらはオルフェーヴル(有馬記念優勝・凱旋門賞2着)が受賞している。

年度代表馬なのに4歳以上牡馬を代表しないというちょっと奇妙な結果になっている。


フォーエバーヤングについて、最優秀ダートホースとしても評価に値するという声はあるも、

さっきもあったようにこの部門ではレモンポップが最有力という状況である。

一方の最優秀3歳牡馬については、G1級を2勝以上したのはフォーエバーヤングだけである。

とはいえクラシック三冠・秋三冠に目を向けてみるとダノンデサイルの活躍も悪くなく、

クラシック三冠の中で最重視される日本ダービーを優勝、そして有馬記念で3着と一定の結果を出した。

とはいえ有馬記念を勝ってはいないので、東京大賞典を勝ったフォーエバーヤングの方が評価すべきという考えはある。

問題は芝中長距離でないことだけだったんじゃないかと思う。


で結果は冒頭にも書いたようにダノンデサイルが最優秀3歳牡馬となっている。

ダノンデサイル144票・フォーエバーヤング103票とかなり割れたようである。

ジャスティンミラノ(皐月賞優勝・ダービー2着)もあるかと思ったがわずか8票、

屈腱炎のためダービーが結果として引退レースになってしまったのが痛かったか。

ここまで票が集まらないのかと思ったが、それだけ秋の結果も重視されているということである。


フォーエバーヤングは最優秀ダートホースでも票を集め、レモンポップ160票に対して90票まで迫っている。

あと、これは最優秀マイラーでソウルラッシュ(マイルチャンピオンシップ優勝・香港マイル2着・安田記念3着)が182票で選定されているが、

次点が安田記念を勝った香港のロマンチックウォリアーで66票となっている。

確かにロマンチックウォリアーは香港のチャンピオンホースであり、

これが日本で結果を出したなら表彰に値するというのはもっともな話である。

ただ、ロマンチックウォリアーでは香港では2000mを中心に走っているので最優秀マイラーには違和感はあるが、

JRA賞の選定では外国馬はJRAのレース以外見ないとすればそれもあるのかもしれない。

対照的にJRA所属のソウルラッシュは香港マイルで加点して最優秀マイラーなんですよね。


そんなフォーエバーヤングも特別賞という形では評価されることになった。

ダートの活躍馬を評価する仕組みはまだ不十分なところはある。

NARグランプリとの関係もある。

最優秀3歳牡馬受賞となれば風穴を開ける結果だったと思うが、

そうはならずとも昨年の日本競馬で大きな話題を生んだ馬であったことは確かである。

今年は早速地元ダービー馬としてサウジカップ・ドバイワールドカップと世界チャンピオンを目指すところから始まる。

頑張って欲しいですね。

uintptr_t型を使う

以前、データ型モデルの話を書いた。

long型のサイズの方がアテにならない

64bitのシステムではポインタ型が64bitになるのはともかくとして、

それに伴ってlong型も64bitになるLP64というモデルがある。

UNIX系のシステムのコーディングではポインタを格納する整数にlong型を使う慣例があり、

その場合は修正量が少ないのだが、そういう使い方でなければ面倒なわけである。


元々、32bitのシステムのデータ型モデルであるILP32では、int型もlong型も同じ型で、

ゆえに使い分けもなく漫然とintとlongを混在させていたのが実情である。

移植にあたってはとりあえずはint型に統一してから考えようということになった。

で、新年早々に「全部、longからintに置き換えたコード作りましたよ」

というのでソースコードを見るとコメントのlongまでintに置換されていたので、

一括置換してから、ビルドエラーになる部分を調整してやったんだろう。


ただ、ワーニングはいろいろあるわけで……

int* ptr1, ptr2;
ptr2 = (int*)((unsigned int)ptr1 + (unsigned int)size2);

ポインタ型をint型にキャストして足し算して、ポインタ型に戻しているが、

64bit→32bit→64bitという変換になってしまっている。

元々は全て32bitだったから特に問題はなかった。

元がintだったかlongだったかはわからないけど、特に規則性はないので。


というわけでこの計算は64bit幅のlong型でやるべきなのだけど、

単純にlongに書き換えると修正漏れなのかパッと見てわからない。

で、こういう場合に使える表現があって、それが uintptr_t型である。

stdint.hで定義されている型の1つで、ポインタ型と同じ幅を持った符号無し整数型である。

これを使えばさっきのはこう書ける。

ptr2 = (int*)((uintptr_t)ptr1 + (uintptr_t)size2);

これだと意図が明確ですよね。


ところで他にもポインタ型と同じ整数型を表してそうなものがある。

stddef.hで定義されている size_t と ptrdiff_t である。

size_tはsizeof演算子の結果が格納できる符号無し整数型ということになっている。

現実的に配列などのサイズがそんなに巨大であることは考えにくいけど、

アドレス空間が64bitのシステムならば char arr[0x4000000000000]; みたいな配列を表現することはできる。

1PB(ペタバイト)のメモリを確保できるシステムが存在するかはさておき。

なので size_t型はポインタ型と同じ幅の符号無し整数型、すなわちuintptr_t であるのが通常である。

この配列の先頭と末尾の添字の差は -0x3FFFFFFFFFFFF~0x3FFFFFFFFFFFF  の範囲となるが、

そのような数値を格納できる型というのはポインタ型と同じ幅の符号付き整数型、すなわち intptr_t であるのが通常だという。


size_t と uintptr_t が同じ、ptrdiff_t と intptr_t が同じである保証はない。

違う型にする理由がないので実態としては同じ型であると考えてよいのだが。

配列の添字を表現する型としては size_t が最も適しているから、

for(size_t i=0; i<len; i++){
   sum += arr[i]; }

というようなときに使うとよいけど、そういう書き方が一般的とは思わない。


さっきのポインタ演算だけど、char型のポインタを使ってこう書いても同じ意味になる。

ptr2 = (int*)((char*)ptr1 + (size_t)size2);

ポインタ型は1進めると、配列要素1個分進むことになっている。

なのでint型のポインタにy加算すると、ポインタの数値は4×y増えることになる。

これは面倒な話なのだが、1byte型であるchar型のポインタだと加算した数値がそのまま進むことになる。

なので一旦char*型にキャストして加算して、目的のポインタ型にキャストするという方法が考えられる。

さっき書いたように配列の添字を表す型としてはsize_t型が最も適しているので、

size2はsize_t型にキャストしてchar*型に加算している。


ただ、この書き方もそれはそれでわかりにくいなと思ったので、

冒頭に書いたように uintptr_t型を使うのが最もわかりやすいと思った。

結局のところはポインタ型のサイズの整数型で演算が行われるわけですからね。

というわけで、多分こう言う形になるんじゃないか。

USスチールがぶち切れるわけ

USスチールがぶち切れているということで話題となっていたのだが……

日鉄のUSスチール買収阻止にCEO「中国が小躍り」と激怒 労組は「歓迎」で温度差 (産経新聞)

社長のコメントとしてこういうことを言うかという話だが、それだけ道理のないということで。


外国企業がアメリカ企業を買収する場合、CFIUSの審査を受けなければならない。

多くはすぐに承認されるようだが、詳細な検討が必要となると時間がかかる。

日本製鉄によるUSスチールの買収はこのパターンにあたったわけだが、

CFIUSの審査結果は「合意に達することができなかった」というものだった。

は? と思ったのだが、複数の省庁の合議体で全会一致できないとこうなるらしい。

その場合に最終判定を行うのは大統領ということでめんどくさいことしてくれたなと。


バイデン大統領は日本製鉄によるUSスチールの買収を阻止すると豪語していた。

これは民主党の支持団体の1つである 全米鉄鋼労働組合(USW)の働きかけもあったのだが、

次期大統領のトランプ氏も同じようなことを言ってるから、2大政党が揃って阻止すると言ってるのだが。

じゃあ、大統領が判定するとなればNO GOになるに決まってるじゃないかと。単純に考えればそうだが。


ただ、CFIUSの審査で残った懸念は「国内の鉄鋼生産量が減少するおそれ」なんですよね。

日鉄のUSスチール買収審査、国家安全保障リスクで合意できず=米紙 (ロイター)

とはいえ、USスチールは買収不成立となれば、老朽化したモンバレー製鉄所を閉鎖すると言っているほどである。

USスチールには老朽化した製鉄所を改修する金はないのである。

大義がないのに大統領が買収を差し止めたとなれば、国の信用にも関わる話である。

公約で買収を阻止するとは言ったけど、CFIUSの見解を見て阻止するには値しませんでしたというのもあると思っていた。

ところがなんと大統領の手で買収を阻止したのである。そんな野蛮な国が存在したんですね。


それに対するUSスチールの社長のコメントもひどいものである。

「北京の中国共産党指導者たちは路上で小躍りして(喜んで)いる」というのはいかにも陰謀論めいた話である。

USスチールを追い詰めた要因の1つが中国での鉄の過剰生産だとされている。

世界的にも製鉄業が苦境になる中、日本製鉄は高付加価値の鉄でうまくやっていて、

過剰生産に打ち勝つための方策があり、そのための投資をすると言っている。

ところが買収阻止によりこれが打ち砕かれれば、過剰生産をする中国の思うつぼじゃないかと。


買収が成立しなければモンバレー製鉄所の閉鎖もあるという話が出てきて、

日本製鉄としても丁寧な説明をしたこともあってか、USスチールに近いところでは買収への理解は深まっているところである。

地元市長は買収を承認するようにと大統領に陳情をしていたというし、

実はUSスチールの労働組合も買収には賛同しているところである。

上部団体のUSWは反対しているのだが、その下部では賛成なんですね。


日本だと会社別の労働組合が基本だが、アメリカでは業種別の労働組合が基本である。

業種全体として処遇改善を訴えかけるには協調して労使交渉やストライキにあたるのが効果的だが、日本ではあまりみられない。

善し悪しはあるが、会社ごとの事情を見ながら対話できるのはよい側面である。

USWとしては製鉄業全体を見て買収を阻止するべきと主張したという理屈だが、

下部団体の組合員の意向が反映されていないのはどうなんだという話になり、

それが実際に影響を与えたとすれば、USWにとっても大きな問題ではないか。


司法判断を仰ぐという話もあるのだけど、早々どうにかなりそうな話ではない。

ビジネス的には買収失敗という方向で動かざるを得ないわけだけど、

こうなると日本製鉄がUSスチールに違約金を払わないといけない。

そうなんですよ。競争法上の問題などで買収が成立しなかった場合は、

買収をしかけた会社が違約金を払うという商慣例があるんですよ。

その額はなんと約890億円、USスチールに投資額に比べれば小さいが何のリターンもないお金である。

買収不成立の違約金といえば、T-Mobile USのことを思い出す。

ソフトバンクがアメリカで当時加入者数3位の携帯電話会社、Sprintを買収したとき、

業界4位のT-Mobile USと経営統合して、上位2社と戦うことを目論んでいたとされている。

この当時、AT&TによるT-Mobile USの買収が2社合計のシェアが高すぎると阻止されている。

ならば3位のSprintなら認められるだろうという目論見はあったのだが、

このときT-Mobile USは多額の違約金を得て、このお金で顧客開拓を進めたと。

するとみるみる契約者数が増加し、Sprintを抜いて業界3位となったわけである。

こうなるとSprintがT-Mobile USを買収するという目論見は成り立たず、

最終的にはT-Mobile USにSprintが吸収されるという形になっている。

ソフトバンクは引き続き大株主だが、親会社はドイツテレコムである。


いろいろ信じがたい話ですよね。

アメリカがわりと閉鎖的な国であるのは今さらではあるけど、

それにしてもさすがにこれはおかしいと思いますけどね。

アメリカの製造業にとっても波及効果の大きな買収案だっただけに本当に変な話である。