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スロープ不要で済めばうれしいけど

電車に乗り込むとき、ホームと車両の間には少なからず隙間と段差がある。

高い段差を「よっこいしょ」と上がらないといけないこともあった気がする。

この隙間と段差を埋めるために、車いすでの乗降時には渡し板をかけるわけだけど、

条件によってはこの渡し板がいらないほどに段差が縮小されていることがある。


この点で先進的な取り組みをしたのが、大阪モノレールだったという。

ちょっと具体的な導入時期はわからないんだけど、2000年代の早い段階で特定のドアの部分にスロープを設置、

この時点で渡し板をかけなくても車いすの乗降ができるようになった。

2007年には全ドアに同様のスロープを設置して、段差・隙間の影響を受けることが減った。

大阪モノレールは伊丹空港へのアクセス路線なので、キャリーケースでも段差の影響がなくなったのは好評だったのだろうか。

その後、他のモノレールでも同様の設備が導入されるようになったらしい。


それに続いたのがOsakaMetro今里筋線・長堀鶴見緑地線だった。

今里筋線は2006年の開業時から隙間・段差をできるだけ小さくなるようにして、

長堀鶴見緑地線は可動式ホーム柵設置時に同様の対策を行った。

その結果、隙間は20mm、段差は15mm以内となった。

この2路線はリニアメトロ方式なんだけど、床面の高さが変動しにくいという特徴があるようで、ここまで合わせ込めたようだ。

さすがに他路線ではここまでは難しいが、千日前線でも可動式ホーム柵設置時に隙間30mm、段差20mm以内にしたという。

これもスロープなしで乗降できるレベルだという。現在は御堂筋線も同様の対策を進めている。


じゃあ、他社・他路線でもやればいいじゃないかという話だが、実はけっこう難しいらしい。

車両の隙間・床面高さが変動する要因はいろいろあるようだ。

鉄道駅におけるプラットホームと車両乗降口の段差・隙間に関する検討会とりまとめ (PDF) (国土交通省)

  1. 車両の床面高さ (複数種類の車両が混在している場合)
  2. 軌道の変位 (バラスト軌道では砕石の粉砕などで沈下しやすい)
  3. 車輪の摩耗 (車輪の交換までに40mmの沈下が起きる)
  4. 車両の揺動 (レールとフランジには遊びがある)

今里筋線・長堀鶴見緑地線は、1.については同一種類の車両のみ、2.についてはコンクリート軌道であること、

3.はリニアモーター方式のため車輪が摩耗しにくい(レールとの摩擦力を使わないので)、4.も車両重心の低さから小さいらしい。

そこまで行かずとも、地下鉄では1.と2.の条件は満たしやすそうですけど。


ホームと車両の段差が妙に大きな駅というのは、車両の床面高さの差を吸収するための場合がある。

昔は鉄道駅のホーム高さは低くて、客車用ホームは760mmが標準だったらしい。

そこから車両内のステップまで段差があって、さらに車内で1段上がって乗り込むようになってたのだろう。

ただ、電車は床下にいろいろあるので、床面が高く、この高さに合わせると1100mmほどになる。

さすがに今は高さ760mmのホームはかなり少なくなったけど、ディーゼルカーを中心に高さ760mmのホームにも停車しうる車両は残っている。

そのような車両が停車する駅では、ホーム面を電車に合わせて1100mm程度にすると、ホーム面より低いところにステップが来る可能性がある。

そのようなことを避けるために、旧型の車両が停車しうる駅では、高さ920mm程度のホームにすることが一般的だという。

すると、このホーム高さの差だけで180mmの段差が出来てしまうんだよね。


記憶が正しければ大阪駅では特定のホームが低いホームで段差が大きくなっていたはず。(今は解消済みかも)

多分、特急用のホームだと思うんだけど。比較的最近まで定期列車でも 日本海 がありましたからね。

こういうのは他の主要駅でもあるかもしれない。旧型車両が入りうるホームだけ低く作ってあると。

ただ、実際に旧型車両が入ることはそう多くはないから、ほとんどにおいては段差をよっこいしょと上ることになる。

あるいは、改修が進まない郊外の駅なんかでもこういうことはある。


さすがにこれは極端な話だが、そこまでいかずとも数cm程度の差は電車同士でもあったりして、

車両の入れ替えが進んで統一されるまではどうやっても合わないということがある。

スロープなしで車いすの乗降ができる程度まで段差・隙間を小さくするにはいろいろ条件が必要で、

それが揃わない限りにおいては、結局はスロープ置いて対応した方がいいねってなっちゃうんでしょうね。

ちなみに先ほど出てきたOsakaMetro御堂筋線は千日前線と同様の対策をしているが、

車両の型式により床面高さが違うため、段差は最大50mmとの記載がある。


あと、隙間という点ではカーブで隙間が大きくなるという問題があって、これは安全面でも大きな課題のため、

カーブなどで隙間が大きくなるところ、あるいは先ほど書いたようにスロープ不要なまでに隙間を小さくしたいところでは、

ホームの端にゴムを取り付けて、それで隙間を小さくするということを行うことがある。

車両側面がぶつかっても許容できるが、上に体重がかかっても大きく変形しないという、そういうゴム部材らしい。

やっぱり強烈な印象があったのが阪神御影駅で、かなり急なカーブ上にある駅で、もともとホームの隙間が大きかったという。

ホームの端を削る工事をしてやっと近鉄車両がゆっくり通過できるようになったが、停車はできないので快速急行は全部通過となる。

ただ、この工事のときにホームの隙間を埋める部材を取り付けたことで、隙間はある程度縮小することが出来た。

今でも他駅に比べると少し大きな隙間は残っているが、すごい危ないという感じは受けない駅になっていた。


というわけで難しいですね。

ただ、車両の入れ替えが進めば、段差・隙間を解消・緩和できる可能性は増してくる。

スロープ不要までに段差・隙間を小さくするには緻密な作戦が必要で、そこまでできるのは一部だろうけど、

利用者の多い駅でできると効果は絶大なので、その点では期待したいところですね。


Author : Hidemaro
Date : 2020/09/24(Thu) 23:38
交通 | Comment | trackback (0)

回転寿司だと思ったが回転してない

旅行中に回転寿司店(後で書くがこの書き方はあまり適切ではないかも知れない)に入った。

別にご当地の店というわけでもなく、手軽な料理店がそうだったからという話で、

普段はあんまり行かない店だからね。こういうことは時々ある。


入口で待ってる人がそこそこいて、しくじったかなと思ったら、

カウンター席が1つだけ開いていたようで「1人」とすると、すぐに案内された。

それで驚いたのは、寿司が回ってないということで、

それは回っている寿司がないというわけではなく、そもそも寿司を流せる構造になってないということである。


寿司が回ってないんだから注文するしかないよな。タッチパネルがあるのでこれで注文する。

するとベルトコンベアに乗って寿司などやってきて、注文者の目前でベルトコンベアが停止する。

ベルトコンベアはあるんですよね。ただ行き止まりになってるだけで。

上下二段のベルトコンベアになっていて、その2本を使い分けているよう。

同じ行き先の寿司ならば何皿か1本のベルトコンベアに載せて同時に運べるが、行き先が違う場合はそうもいきませんから。

もっともタイミングの問題か、ほぼ同時に上下のベルトコンベアで届いたこともあった。


確かに回転寿司に寿司を常時流し続けるのはなかなか難しい面もある。

流し始めた時間から自動判別してコンベアから除去するシステムなんてのを置いた回転寿司店もあったが、

鮮度管理あるいは食品ロスを考えれば、注文に応じて作ることの方がメインになるのは当然のこと。

とはいえ、なんやかんやと少ないながらに流れている寿司も意味はあったよねと。居酒屋のお通しみたいなもんかな。

あるいは寿司の現物は流れてなくても、宣伝用のポップが流れてたり、他の客の注文品が流れてたり、

それを見て注文するということはそこそこあったので、そう考えると惜しいなという思いはある。


もっとも、この行き止まりのベルトコンベアは注文品を早く渡すには効果的な仕組みですけどね。

客に個別に皿を持っていくのは手間がかかるので、回転寿司のレーンに注文品を流すことは多かったが、

回転寿司のレーンは客が手で取れるスピードで流れるので、けっこう時間がかかる。

一方で行き止まり式のベルトコンベアは、途中の客の前は早く通過してよいわけだから。

新しいデザインの店ではこうなっていく傾向があるのは確からしい。

あと、この方式の場合、誰が何を注文したか把握できているので、皿の数を数える必要はない。

一般的な飲食店では当たり前だけど、回転寿司では当たり前じゃないですよね。


というわけで、やっぱり食べ始めが調子に乗らない感じはしたが、

注文したのが届き始めて、これ食べたい、あれ食べたいとなってくると、これでいいんですね。

だからやっぱり回転寿司に常時寿司を流さないこと自体は別に間違えてないのだと思えてくる。

結局10皿ぐらい食べましたね。それでも安かったですけどね。


こうして寿司を食べていたときに思ってたけど、これってロボットレストランだなと。

店に入ったときに来客を受け付けて席へ案内するのは自動機だったし、注文を受け付けるのはタッチパネル、

客に商品を渡すのはベルトコンベアだし(一部の飲料などは店員が手渡ししているようだが)、茶・水はセルフサービスですね。

最後のレジだけは店員がいたが、あとはそんなに店員は見えなかったね。

もちろんバックヤードでは人が働いてるわけだけど。

というわけで、回転寿司店(寿司は回転してないかもしれないけど)というのはおもしろいなと思った。


Author : Hidemaro
Date : 2020/09/23(Wed) 23:56
買い物・消費 | Comment | trackback (0)

イベント規模の上限緩和はもっともな対策

この週末から新型コロナウイルスで制限されていたイベント規模が緩和されたらしい。

11月末までの催物の開催制限等について (pdf) (内閣官房)

わりとよく考えてるのかなと思ったが、ちょっといくつか例示して考えてみようと思う。


これまで、会場の収容率を50%にする か 5000人の少ない方だったのが、

「収容率及び人数条件の緩和を適用する場合の条件について」というのが示されて、

これにあたる場合は 5000人 か 会場の収容人数の半分 かどちらか多い方になる。

その上で、歓声・声援を発生する可能性がある場合、あるいは飲食を許容する場合は収容率を50%、

そうでない場合は上限人数の範囲で最大で収容率100%が認められるということである。

大雑把に言えば、歓声・声援が想定されない5000人以下の会場を使ったイベントは、

一定の対策があれば通常通りできるということである。ということで、3月から6ヶ月ほど経ってかなり正常化することになる。


「収容率及び人数条件の緩和を適用する場合の条件について」では業種ごとのガイドラインによるようにとのことだが、

収容率100%にすることを考えると、マスク着用の担保、大声を出さないことの担保が求められる。

一般的事項(5000人超のイベントを開催できるための要件)としては、

手洗、消毒、換気(法令に従った換気設備)、密集の回避(入退場列の分散)、飲食の制限(イベント前後・休憩時間含む)、参加者の制限(検温、参加見合わせの場合の払戻措置)、参加者の把握(連絡先把握、COCOAまたは通知サービスなど)、催物前後の行動管理 (交通機関、イベント後の打ち上げなど) ということになろうと思う。

催物前後の行動管理 の観点では、より厳しい入場制限が必要になることも考えられる。

例えば、バス輸送に依存する会場であれば、定員程度の乗車で運べる入場人数に制限するなど考えられるのではないか。

このような対策は地域・会場により異なるので、1000人以上のイベントでは都道府県に相談するようにと書かれている。


いろいろ考えることはあるが、座席があって換気設備も適切な会場を使って、声援・飲食が想定されない比較的小規模なイベントであれば、

マスク着用を徹底してもらったり、連絡先の把握をしたり、それぐらいのことでほぼ通常通りできるわけですね。

(ただし、厳密に満席にできるかというと、舞台~最前列は大抵2m離す必要があるので、大抵においては空席になる部分は残る)

ということで演劇やクラシック音楽のコンサート、各種の式典についてはほぼ問題ないものと思われる。

ただし、5000人超の規模となると、そこは上限まで入れられないことになる。

これはあまりに集客人数の多いイベントは会場外でのリスクも避けがたいということだろうと思う。

実際には会場の立地などによっては、5000人とか収容人数の50%と言わず、もっと絞る必要があるかもしれない。


ちょっと気になったのがオールスタンディングのライブハウスってどうなんだ? ということ。

ライブハウスにおける 新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン (日本ライブハウス協会)

ここで対人距離をできるだけ2mを目安に最低1m確保するようにと書かれている。

1m間隔で詰めても、本来の収容人数の1/3かそれ以下か。それぐらいで使う必要があるかな。

換気設備が不十分な会場が多いことも考えてか、公演前後・休憩中に換気を行うことを特に書いてある。

先ほどの資料で示されている要件との整合性では気になる面もあるが、

業種別ガイドラインによれば、ライブハウスでは定員の100%とか50%まで詰めて良いとは解さない方がよさそう。


「大声での歓声・声援等がないことを前提としうるものの例」というのが書かれているが、

実態に応じて判断するようにということなので、ここに書かれていても大声が出る可能性があるものはダメで、

逆に「大声を出さないように」という指示に実効性があるのなら、ロック・ポップコンサート や スポーツ でも可能とは思う。

先月、富士急ハイランドであったBanG Dream! 8th☆LIVE(cf. 5000人以下に絞ってやった)では、

声を出さないようにという指示は実効性があったという実績があるので、こういう実績をもって可とすることはできるか。

ただし、5000人であれば収容人数の50%を上限とする指示があるので、あまりここにこだわる必要がない場合もある。

バンドリだと来月に東京ガーデンシアターで公演があるけど、本来8000人程度入る会場なので、5000人の上限にかかる。

なので、おそらくは収容人数半分で計画しているそのままで決行するのではないかと、そういう想像はできる。


難しいのはライブハウスだが、逆にそれ以外はそれなりにやりようはある感じがしますね。

ライブハウスはもともと詰めるのが前提でやってたのが、かなり空けないといけないし、設備も不十分な点が多い。

(その点ではよっぽど収容人数を減らさない限りは飲食なんてもってのほかだと思うが、形式上は飲食店なので飲食できないのは根本的な問題である)

大規模イベントは難しいけど、プロスポーツでは収容人数の50%まで許容というところで救われる部分は多いよう。

一方で、映画館では飲食を許容するために、実質的に収容率50%の制限が継続することになったところもある。

映画館の場合、飲食以外が問題となることはほぼないので、特別な事情があれば飲食を制限して詰めてもよいとも言えるが。


この制限は11月末まで継続することになっている。ただし、状況によって見直しはありうる。

ちょっと気になるところはあるんだけど、落とし所としてはこんなところかなと思う。

3密の「密閉」「密集」「密接」のどれがマズイだろうと考えると、一には「密接」、二には「密閉」ではないか。

イベント規模というのは「密集」という観点での話だが、これは過度でなければ問題にならないと理解している。

一方で、あまりに大きなイベントでは、周辺の飲食店などでのリスクが気になるので、そこは注意が必要であり、

そこが規模の大きなイベントでの制限を厳しくしている理由なのは納得のいく話だ。


「密接」になるのを防ぐというのは、対面しない、マスクを着用するという対策をする。

これがけっこう効くというのは、それができない飲食店が感染拡大の温床になっていることからもわかる。

しかし、これで全部の飛沫をカットできるわけではないので換気をする。これが「密閉」を防ぐということ。

この2つの組み合わせで抜け目はすくないと思う。

「密集」は、確かにクラスタではそういう傾向はあったけど、付随的なものではないかと思う。

密集する人数に対して不十分な換気設備では密閉になるし、密集した状態で密接なやりとりがあればその被害はより大きくなる。

特に密集が短時間で、密接・密閉に手が打てていれば、そこで何か起こるというのは考えにくい話である。


当初は3つの密が重なるところが感染拡大の原因になりやすいということであり、どれか1つを回避すればよいように思ったが、

でも単に密集を回避するだけでは不十分と思われ(感染拡大リスクの軽減効果はあるだろう)、

密接・密閉というところにきちんと手を打てているところは、そう大きな問題にはなっていないように見える。

その典型が通勤電車だと思う。密集しがちだが、車内ではむやみに会話しないし、換気はけっこういいらしい。

イベント会場も条件によってはこの考えが成り立つということで、ごもっとも。そういうことが言いたかった。


Author : Hidemaro
Date : 2020/09/22(Tue) 23:41
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旅行が怖いわけではないが

来月から東京都発着の旅行でもGoToトラベルキャンペーンの適用が始まり、

さらに地域共通クーポンの運用が始まり(詳細はまだ確認してないが)、本来の形となる。

そんな中で旅行が新型コロナウイルスの感染拡大の原因にならないのか? という話はあるが、

懸念はあるが、地域内に留まったところでリスクはやっぱりあるというのが答えだと思う。


昨日までの静岡県方面への旅行は、そもそも1人旅であり、

目的地も屋外(浜名湖や箱根)や、比較的空いている博物館だったし、

移動手段は公共交通だったが、長時間乗った高速バスはガラガラだった。

あとの交通機関は比較的短時間だったり、そう混んでない通勤電車だったり。

ということで、おそらくこのあたりは何の問題もないと思う。


ただ、以前にも書いたけど、旅行中に残存するリスクとして比較的大きいのが飲食店だろうと思う。

飲食店は対策の穴か

今回、一人旅であることもあって飲食店での滞留時間は比較的短かったし、客も少なかったですからね。

けっこう手洗い場が使いやすいところにある飲食店はあったのだが、

「まず手洗いして」と促す店は全くなかったね。自分はじゃぶじゃぶ洗ってたけど。


これは僕の旅行が特別なわけではなくて、多くにおいてはそうなんじゃないかと思う。

実際、初期の北海道での流行は、さっぽろ雪まつり目当ての観光客によるものだとされていて、

雪まつり自体は屋外にもかかわらず、これが感染源となったのは周辺の飲食店を介してのことではないかと。

飲食店での滞留時間が長くなればリスクは増し、人数が多い旅行ほどにそのリスクは増すと言える。

でもこれって旅行に限ったことではないよね。地域内で生活していても宴会やらやれば同じことだもんね。

ただ、それが旅行を介して他地域に飛び火する可能性があるかという、その一点だけが違いである。


東京都では3月以来、程度の差はあれどずっとくすぶり続けているわけだけど、

地域によってはもうほとんど収束したとか、元々大きな問題はないとか、そういうところであろうと思う。

じゃあ「新しい行動様式」なんてやらなくていいね、という考え方もある。

でも、僕は違うんじゃないかなと思っていて、というのも今は外国との人の行き来がとても厳しくなっている。

なので、仕事などで必要性が高い人の移動すら難しい状況になっている。

ただ、これが本来の状態でないことは明らかで、行き来の制限は解除されなければならないと考えている。

スクリーニング検査を要するか、自宅待機を要するか、何もいらないか、これは発着地次第だが。

そうすると少なからず各地への流入が懸念されるが、そんなときに感染拡大を小さくしてくれるのが、

なににおいても基本的な感染症対策であり、さらにはマスク着用の励行、三密の回避ということであろうと思う。


日本国内の旅行でも同じだと思うんですよ。どこで誰が広げるか、どこで誰が拾うかというのはわからない話。

手洗いなどの基本的な感染症対策、交通機関などでのマスク着用の励行でリスク軽減を図ろうということだし、

大人数での旅行はリスクが高いので、やるならば小グループでの旅行でということである。

こういう感染リスクの高いところを抑えていけば、旅行だって地域内での生活とそう変わらないはず。

地域内の感染拡大を抑えることも、地域外への飛び火を軽減することも何ら変わらないことである。

ただ、難しいのが飲食である。食わないわけにはいかないし、なんなら旅の楽しみであることすらある。

あと、旅行中はどうしても外食になるので、ここも課題である。


そんな中で、こういうやり方もあるのかと思ったのが、富士で宿泊したホテルでのこと。

レストランの夜営業は休みと書いてある一方で ルームサービス をやっているという案内があった。

「税込み・サービス料はいただきません」というポッキリ価格のルームサービスである。

多分、このホテルは普段はルームサービスなんてなくて、おそらくはレストランの代わりなんだろうと思う。

富士というのは工業都市で、おそらくはこのホテルもビジネス客が多いんだと思うが、そういう人たち向けですね。

こうすれば飲食でのリスク軽減は可能ということですね。


おそらくこういう策をとっているホテル・旅館はけっこうあるかもしれない。

飲食を部屋での提供にすると、それはそれで大変なところもあるが、感染症対策という点ではよい。

滞留時間が短ければ飲食によるリスクは高々知れていると考える一方で、それは旅の楽しみという点では惜しい。

小グループで部屋での提供とすれば、その中で話が弾んでも、感染リスクは小グループ内で留まることになり、

他に飛び火すること、あるいは他から飛び火する可能性は低くなる。


ただ、こういうところで旅行での消費の形がいろいろと変わることになるわけで、

GoTo トラベルキャンペーンで潤うところ、ないよりはマシなぐらいには効果のあるところ、全くないところと。

屋外の観光地だとむしろ例年より伸びてることすらあるみたいだ。

観光関係の産業でも恩恵に濃淡が出てくるわけで、そこは難しいと思う。


そもそも、新型コロナウイルスなんて感染拡大したってどうってことないでしょ、

だって死んだ人の平均年齢は80代だっていうし、そのためにどれだけの人の生活が犠牲になってるんだという人もいる。

けど、これは違うんじゃないかなと思っていて、それはそれより低い年代の人を多く救えたからこその数字。

おそらくこの年代だと全身的な状態を考えると、治療効果が期待できないとか、そういう判断もあると思う。

50代ぐらいから重症患者が増えてくるという話で、そこに医療体制が届かず、その年代までバタバタ死ぬようでは困るわけですよ。

日本ではそういうことはここまで回避出来ていると考えてよいと思う。


7~8月の感染者の報告数は3~5月ごろに比べれば多いが、重症患者の数でみれば幾分少ないと言える。

高齢者施設での感染対策強化(これは大きいと思う)とか、マスク着用の励行とか、リスクの高い店の利用を控える動きなど、

そういう総合的な対策が効いているということで、そこは自信を持っていいんじゃないかと思う。

旅行もその延長で考えれば、そう怖くはないと思うんだよね。

むしろ地域内での感染拡大の方が心配ではあり、ずっとくすぶり続けている東京都は心配なんだけど、

その東京都内でさえ多摩地域は比較的マシだと、休業要請も早期で解除されたりするほどには差がある。

あんなに通勤などで人が動いているにも関わらずである。

旅行がそこまで怖くはないというのは、そういう経験を踏まえてのことでもある。


Author : Hidemaro
Date : 2020/09/21(Mon) 20:59
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箱根・仙石原経由の帰り道

今日は富士からスタート。

今日は旅行中ではもっとも朝が早い。さっさと箱根に行って、さっさと帰ろう。


以前、箱根に行ったときは、かつての箱根越の街道筋を部分的に歩いて、小田原から三島に抜けた。

今回はその逆に静岡県側から入るわけだが、御殿場駅からバスに乗って入ることにする。

このルートは乙女峠をトンネルで越えるルートになっている。

問題はここを越えるバスなのだが、箱根登山バス(箱根登山鉄道)で調べてもごく本数が少ない。

おかしいなぁと思って調べると、同区間のバスは主に小田急箱根高速バスという会社(箱根登山鉄道とは別会社)が走らせていて、

大半は東京(新宿)から東名を走ってくるバスの末端区間を利用する形になる。

基本的に任意の停留所間で使えて、御殿場駅~箱根方面は予約できないので適当に乗れば良い。

御殿場駅で乗降があるので必ず利用できるはずである。(いざとなれば補助席もあるしね)


問題はこのバスが東名からやってくるということである。すなわちどれだけ遅れるかわからない。

もしかしたら1本前のバスに乗れちゃうかもなと思ったが、それはできず。

35分遅れでやってきたバスに乗ったのだった。

30分~1時間間隔のバスが30分遅れでくるとのでは、もはや時刻表が意味を成さないのが悩みである。

逆に予約がいらないので来たバスに乗れば良いということで、深く考えないのがこのバスの正しい使い方なんじゃないか。

運賃はPASMO・Suicaで払えるが、一応は高速バスなので、乗車時に降車停留所を申告して、紙のきっぷを買うという形。


バスがガラガラだったが、その半分ぐらいがハイキング客で、よくわからないところで降りて行った。

僕が降りたのは仙石案内所前、その名の通り箱根登山バスの窓口があるようだが、それはあまり関係なくて……

そこから歩いて少し、たどりついたのは 箱根湿生花園 という箱根町立の植物園だね。

園内を見て回り、説明を見て、どうしてこのような施設がここにあるのかという理由が理解できた。

このあたり一体を仙石原というが、大昔にはカルデラ湖だったものが、あるときに噴火で湖ではなくなったところである。

ただ、もとが湖だったので、平らな土地が湿地化しており、その草地を利用して暮らしていたらしい。

そこでは湿地帯ならではの植生もあり、ノハナショウブの景観はよく知られていたのだという。

ところが、箱根の観光開発が進むにつれて、草地としての利用が行われなくなり、1970年に定期的な火入れをやめた結果、

湿地は背の高い草木が茂って森林化していった。これを湿地の乾燥化とも言うようだ。


これはこれで自然の姿ではあるものの、湿地の環境を保全する必要があるということで、このあたりにあった水田を買い上げて、

そこに湿地を復元する「仙石原湿原復元区」と、湿原の草花を学ぶための植物園を作ったということである。

箱根湿生花園はこの地域に自生していない植物を含めて湿地の草花を学ぶことが出来る。

そして、箱根湿生花園から湿原復元区の観察路に入ることができるようになって、ありのままのこの地の湿地帯を知ることが出来る。

ここでは、かつての仙石原の湿地の植生を火入れ・草刈りなど人の手も入れながら復元しようとしているようである。

こうして見てみると、さっきみた花がここにもちらほらあるなという学びがあり、よい構成の植物園だなと思った。


あと、仙石原ではススキ原が知られている。さっきの園内・復元区内にもススキはけっこう生えてたけど……

ちょうどその北側を走る「ススキ通り」を歩くと、一面のススキだった。

このススキってのも火入れしないと保てないですね。人の手が入ってこその植生であり、景観である。

観光地化した箱根にとって、ここを草地として使おうとかいうのはもはやないわけで、本来の意味で手入れをする必要はないが、

この景観を維持して観光地としての価値を維持するには手入れが必要という、ちょっと複雑ですね。


もう1つ、箱根で行こうと思ってたのが、箱根湿生花園のすぐ近く、箱根ラリック美術館へ。

ここはおとといに じゃらん の期間限定ポイント(今月末で切れる)の使い道どうするかなぁなんて考えてたときに、

箱根で美術館のチケット代に充当できて、内容も面白そうだぞということで計画に加えた。

ルネ・ラリックという ガラス工芸・宝飾品 を作っていた人の作品を展示している美術館だね。

どうもラリックの作品を個人的に収集していた人が、そのコレクションを展示するために作ったという経緯があるらしい。

もともと森林事業をやっていたらしく、緑豊かな箱根・仙石原に美術館を作ることにしたようなことが書いてあった。

やはり日本にいると日本の工芸品を見ることが多く、そこでガラスってのは全体にしてはそう多くはない。

ガラスの作品を見ていて、光が通るというのがデザイン面の大きなポイントで、そこをうまく考えて作ってるなと思った。

宝飾品にしても透過部があるものがしばしばあり、この透けるものをうまく使うというのがポイントだったんだと思う。

見応えはありましたね。偶然の巡り合わせだったけどよかったですね。


さて、帰るぞ、というわけで箱根湯本駅方面のバスに乗り込んだが、これが大変だった。

箱根湯本駅~仙石~桃源台 はこのエリアの主要系統であり、特に疑うこともなく乗車したのだが、

大平台バス停の手前で「この先、箱根湯本駅まで渋滞となっております。お急ぎの方は大平台駅から電車に乗ることをおすすめします」と案内する。

どういうこっちゃと思ったが、本当にひどい渋滞でさっぱり進まない。歩くよりずっと遅い。(ただし、歩道がないので歩くには危険)

ここは国道1号の旧道区間にあたるが、どうも休日にはひどい渋滞になるようである。

そこで強羅駅~仙石原エリアを結ぶ「観光施設めぐりバス」の意義を理解した。これを使えば渋滞は回避できるのである。

というか、最初、仙石原から帰るに当たって強羅駅経由になるのかなと思ってたら、時刻表上はこっちの方がはるかに遅いし、運賃も高いから違うなと思ったんだよね。

  • 仙石案内所―(バス : 25分)→箱根湯本駅―(電車 : 16分)→小田原駅 バス760円+電車320円=1080円
  • 仙石案内所―(バス : 29分)→強羅駅―(電車 : 39分)→箱根湯本駅―(電車 : 16分)→小田原駅 バス430円+電車680円=1110円

運賃は大差ないか。でも所要時間は強羅経由の方が明らかに不利そうだよね。

なんで仙石~湯本を直行した場合より、強羅~湯本の電車の方がかかるんだって。そこは登山電車特有の事情があるんだが。

でも、実際にはこの渋滞区間を抜けるには時刻表上は10分ほどの区間で、1時間ぐらいかかるんじゃないかなぁ。

ここでトイレに行きたくなったが、とても湯本駅まで耐えられそうにはない。そこで塔ノ沢駅から電車に乗る体でバスを降りることに。

そこまで耐えるのもきつかったがなんとか耐えて、バス停近くの旅館に助けを求めて、トイレを貸してもらい事なきを得た。

そして、駅のある高台へ行く階段をトコトコ上がり、電車に乗って湯本駅へ。いやはやひどい目にあった。


箱根登山鉄道は去年10月の台風の被害を受け、湯本~強羅で今年7月まで長期にわたって運休が続いていた。

代行バスが運行されていて、これの時刻表上の所要時間は34分程度、なので時刻表上はバスの方が早かったということになる。

しかし、ひとたび渋滞となればこれでは全く動かず、この運休の最大の問題は道路の渋滞だったようである。

遅い登山電車も時刻表通り動くという点ではとても重要な存在だったわけである。

しかし、こういう状況だとこの区間のバスがメインであるかのように見せるのはよくないし、乗務員への負担も重いでしょう。

生活路線としてはもっとも重要なのがこれなんだろうし、毎日渋滞するわけではないし……ここら辺は難しいところなのかも。


そこからはロマンスカーに乗るかと思ったが、時間的な効果が薄い(新宿まで乗るわけじゃないから)ということで一般列車で。

そして市内に到着したときにはもう暗くなってて、やっぱり時間かかったなぁって。

強羅経由に回ってても、そもそもの所要時間がかかることを考えれば、30分早く帰れたかどうかってぐらい。

やっぱりなんやかんやとかかったけど、いい寄り道だったと思いますよ。

まだ休日は2日続くので、家でゆっくり過ごそうと思う。


Author : Hidemaro
Date : 2020/09/20(Sun) 22:44
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遠州の小京都と東海道の難所

泊まった宿は湖西市内の天竜浜名湖鉄道(天浜線と呼ばれているようだ)の駅の近くにある。
天浜線は新所原~掛川を山側で走るルートになっているが、どうも東海道本線の迂回ルートとして作られたそうで。
東海道本線の浜名湖・天竜川の橋が壊されたときに備えた軍事的な意図があったようだ。
今では主に1両編成の汽車が走るばかりだが。
せっかくなので、ここから東に進むには天浜線を使うことにしよう。
というわけで天浜線の汽車に乗り込んだ。
まずは浜名湖沿いに進む。車窓にも浜名湖が時々見える。
砂地に苗木が植えられたような土地が多く見えて、なんだこれは?と思ったが、みかん畑だとすぐに気づいた。
ここは三ヶ日、みかんの産地として有名ですね。みかん畑ってこんなのなのかなんて思って見てた。
ここら辺で東名高速道路と交差するが、浜名湖SAもこのあたり。
湖西市内を出て1時間ほどして、遠州鉄道との乗換駅の西鹿島駅に。
思ってたより時間がかかるなと思ったが、新所原・西鹿島・掛川のいずれか近い駅まで乗るというのがおおかたの使い方なんだろう。
そうすると天浜線の乗車時間はせいぜい30~40分程度ということになる。
天竜二俣駅で乗降が多くて驚いたが、おそらくは観光客だろう。天浜線の車庫があっていろいろやってるようで。
このあたりは林業が盛んな土地で、沿線にも木材加工会社があったりする。
そして、さらに進んで遠州森駅で下車した。
森町というと、新東名スーパーライナーの休憩場所の遠州森町PAでなじみ深い。
実際、新東名高速道路をくぐったあたりから森町PAは比較的近い。
森町は「遠州の小京都」なんてアピールをしていて、本当かな?なんて気になっていた。
駅を出て少し歩く限りではそう驚くこともない郊外の都市だけど。
高校があって、普段だと通学で汽車を使う人が多いようだ。
そうして町内を歩いてたどり着いたのが森町歴史民俗資料館である。
もともと近くにあった郡役場を移設して資料館にしたようだ。
職員に話を聞くと、秋葉山へ向かう秋葉街道の宿場町として栄えたようである。
この秋葉街道は諏訪まで通じ、かつては重要なルートだったようだ。
資料館には農機具などが雑多に並べられていたが、この土地らしいのは茶と林業に関わる道具があること。
ここに来るまでに見た遠江総合高校だが、そのルーツとなった周智農林学校のことも紹介されていた。
天浜線が国鉄二俣線だったときの資料もあったのだが、このころは遠江森駅だったんですね。
ちなみに遠江は とおとうみ と読む。ちょっと読みにくいね。
遠州 というのは 遠江国 を略したもので、こっちのほうがよく見るのは読みにくいからでは?と思った。
後で知ったけど天浜線にはほかにも遠江とついた駅名がいくつかあったが、多くは外され、遠江一宮駅だけが唯一残ってるそうで。
森町を去り、掛川へ。そこからは東海道本線で東へ行く。
ひたすら通勤電車スタイルの東海道本線だが、やっぱり利用者は多いですね。
途中、1回乗り換えを挟んで、由比(ゆい)駅で途中下車。
由比というと、東名高速道路・国道1号・JR東海道本線が海岸沿いに集中しているところで、
新東名高速道路開通までは道路には有効な迂回ルートがなく、すべて通行止めになると車が進めなくなっていた。
実際には東名高速道路が防潮堤のようになっていて、国道1号までやられることはそう多くなかったようだが、津波警報で全部通行止めはあったらしい。
今は新東名ができたこともあって、東名の通行量がそもそも少なくなっているようだった。
その由比は東海道の宿場の1つであった。由比宿は駅から東に進んだところだそう。
意外と遠かったが、その由比宿には由比本陣という、大名の宿泊するところがあって、今は公園になっている。
その由比本陣公園には東海道広重美術館という浮世絵の美術館がある。
というわけで、せっかく由比に来たので鑑賞することに。
浮世絵もいろいろあるけど、やはり高い表現力を持った版画である錦絵だろうな。
ただ、版画をきれいに刷るのは大変で、枚数刷るごとに工程を飛ばされたり、版の磨耗が起きてだんだんと内容が変わるようだ。
そのことを「後刷り」なんて書いてあったが、最良のものを収集できるとは限らないわけですね。
ちょうど中山道(木曾街道)の宿場を描いたシリーズが特集展示されていた。
今日の宿は富士である。
宿に新富士駅へのバスの案内が貼ってあったけど、新幹線の新富士駅は比較的近くにある。
その気になれば歩いてもいけそうなぐらいだけど。
ルール上は新富士駅で途中下車して富士駅から再開する、あるいはその逆のこともできるはず。
Author : Hidemaro
Date : 2020/09/19(Sat) 23:31
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楽器ゆかりの浜松と浜名湖を行く

浜松市街で一泊して、最初の目的地は歩いていけるところ。
浜松市楽器博物館、アクトシティ内にある。
アクトシティってコンベンションセンターということになろうと思うけど、アピールポイントとして東京・大阪双方から1時間半とあって、
確かにここら辺はいろいろ中間地点だなと。高速道路だと浜名湖SAが中間地点だと言われてましたが。
以前も書いたことがあるけど、静岡県は木工が盛んだった歴史があり、静岡の地場産業のプラモデルは木造模型に由来するそうだが、
浜松だと木工がピアノの製造につながり、そこから楽器製造で知られる都市となったということである。
そんな浜松市が作った、日本でも珍しい楽器の博物館である。(公立では唯一とのこと)
所蔵品のおよそ半分は日本の伝統楽器とアジアの楽器、ということでアジアを代表する楽器博物館を目指したように見える。
もちろん、その他のヨーロッパやラテンアメリカなどの楽器もあるし、
浜松の楽器製造のルーツとなった国産洋楽器、日本で大きく発展した電子楽器の展示なんてのもある。
(電子楽器の展示は1995年の開館時にはなかったが、少し時代が進んで展示が組み立てられたことが紹介されていた)
ところで楽器というからには音が出るわけですよね。
といっても観覧者はむやみに触るわけにはいかないのだけど。
ちょうどギャラリーツアーということで、鍵盤楽器について案内してくれたのだが、
その案内では展示されていた楽器を3つピックアップして実際に演奏してくれた。
その上でそれぞれの楽器の構造や特徴なんてのも解説してくれた。
ほかの楽器でもこういうツアーやってるのかな?
あと、博物館の活動としてコンサートもやってるんですね。確かにそういうことも必要ですよね。
そのためのホールも建物内に備えていて、普段はアクトシティの施設として扱われてるってことだろうと思う。
なかなか見応えのある博物館だった。思ったより長居した。
電車に乗って豊橋方面へ。そして浜名湖が見えてきたところで弁天島駅で下車。
どっち向いても浜名湖みたいな駅ですね。
レンタサイクルを借りれそうだったが、レンタサイクルの事務所が閉まる前に戻れるか自信がなかったのでひたすら歩くことに。
これがなかなか過酷だった。まぁでも基本的には歩けないことはないので。歩いてよいこともある。
弁天島駅から北に進む。この辺は釣り用の船がたくさんおいてある。当たり前のようにヤマハ製ばかりだが。
そしてキャンプ場があるのだが、ここに「ウォット」という施設がある。まぁ水族館ですね。
実はこれ、静岡県水産・海洋技術研究所浜名湖分場に併設された展示施設で、研究所の姿も少しかいま見える。
ここで浜名湖とその周辺の生き物のことが紹介されているわけだが、
ここで知って驚いたのは浜名湖って河川管理上は都田川(二級河川)の一部なんですね。川の太いところということか。
地図には浜名湖とかかれ、漁業では海の漁業と扱われ、河川としては都田川ということだそうで。
浜名湖沿いを歩いていても海っぽい雰囲気は強かった。志摩の入り組んだ海よりも海らしい景色かもしれない。
やはり浜名湖の漁業にとって、大きな悩みはニホンウナギの漁獲量のことかもしれない。
今年は養殖につかう稚魚のシラスウナギは豊漁らしいですけどね。わからないことだらけである。
このことはこの施設の研究テーマとして大きなところのようで、完全養殖の研究なんてのもやってる。
ウォットでもアピールされていたのだが、浜名湖では親ウナギの放流事業をしているとのこと。
ウナギは稚魚が海からきて、浜名湖で育つわけだけど、数年して産卵に行くために海を出るという。
浜名湖で捕られる天然ウナギのうちこの海に出て行く下りウナギを分類して、買い取って放流するという事業が行われているそうだ。
ウナギ漁による悪影響を軽減できるかということだが、効果のほどはわかりにくいだろうなぁ。
そこからさらに北へ、浜名湖大橋を渡る。ちゃんと歩道があるので徒歩でもわたれる。
自動車だと途中で停車するわけにはいかないが歩きなら途中で立ち止まって眺めを楽しんでもよし。
自転車は?まぁ歩道走行可なので同様にできるとは思いますが。自転車とはそれなりにすれ違いましたね。
そうしてたどりついたところにあるのが浜名湖ガーデンパークである。
これは何かという話だが、浜名湖花博(2004年)の会場だったところ。
だだっぴろい芝生広場はもともと各種の展示・販売施設が並んでいたところのようだ。
園内は季節の変わり目だからかあまり華やかではなかった。これからいいんでしょうけど。
ここには展望塔があって、立地からして浜名湖に囲まれた展望塔である。
展望台から見て、ここが湖であることをもっとも意識するのは海とつながる今切口の付近だろう。
そんなところも展望台から双眼鏡(持ち歩いてる)で見るとよくわかる。
今日の宿は湖西市内で、移動距離としてはごく短かった。
浜名湖周辺は徒歩での移動でなかなか思ったようにいかないところもあったが、
レンタサイクルは時間の制限があるので午前から使い始めるとよかったですね。
(そもそもそういうのあることを計画段階で知らなかったので織り込めてなかった)
でも、帰りに浜名湖大橋から見た夕日はよかったですね。
これはいろんな意味で歩かなければ見られなかった景色かな。
Author : Hidemaro
Date : 2020/09/18(Fri) 23:55
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東名ハイウェイバスで行く浜松

今日は昼過ぎまで在宅で仕事をして、家を出て旅行スタート。
まずは電車で移動して厚木市の愛甲石田駅へ。
え?なんでそんなところかって?それは東名厚木バス停が近いから。
今回の往路は東名ハイウェイバス 東名スーパーライナーを使う。
往路はびゅんとバスだろうとは思ってたが、直行系のバスは本数減の影響が大きい中で、
東名ハイウェイバス(新東名スーパーライナー以外)は比較的本数が保たれている。
これは停車駅が多く需要が集約できることや、生活路線の色も濃いことが理由だと思う。
いろいろ目論見があって東名スーパーライナーにしたわけだが、東京側始発の東京駅へ回るのは少し遠回り。
そんな中で鉄道駅に近くて時短効果が見込めるバス停はないかと調べたら東名厚木があった。
小田急の愛甲石田駅から近いみたい。うちから小田急だとロスが少ないですね。
愛甲石田駅からバス停までは徒歩15分ほど、途中に通勤バスの発着場があってそれで駅が立派だったのかなんて納得。
特にバス停に向けての案内はないし、なんならバス停への階段にも「高速バス 名古屋方面」なんて看板すらない。
不親切だなぁとは思ったが、わかってる人には便利ではあると思う。
待合室でしばらく待ち、時刻表から15分ほど遅れてバスがやってきた。
バスの乗客は十数人ほど、まぁ数少ない生き残りだけあってはという感じはある。
足柄SAでは普段ならJRバスが複数台、他社もいるだろうというところにバスはこの1台だけ、バス専用駐車マスの多くはトラックに埋められていた。
途中、リニューアル工事の車線規制はあったが、これといった渋滞はなく。でもじわじわと遅れていくんだよなぁ。
これが東名ハイウェイバスのよくないところで、時刻表通りに走れないんですよね。
JR東海バス担当便は全体的に鈍くさい傾向があって、JRバス関東担当便よりも遅れやすい印象はある。
渋滞で遅れるのは仕方ないと思うのだが、本当にそうなのかなと首を傾げるところはある。
定刻よりおよそ30分遅れで降りたのは東名浜松北である。
このバス停は駅が近いこともあって、浜松の高速バスの玄関口としてよく使われている。
東京方面であれば本来は浜松駅発着の直行便が便利なわけだけど、よりニッチな路線、たとえば京阪神方面の路線とかも使えるわけですよね。
だが、すぐに電車に乗るわけではないのだ。
ここからロードサイドを北に歩いて10分弱「炭焼き さわやか」という看板が。
静岡県内で展開していて、「げんこつハンバーグ」で知られる さわやか である。
神奈川県に近い御殿場インター店など異常な待ち時間が話題になることもしばしば。
以前、東名浜松北周辺の地図を見ていたときにあるなぁと気づいてたので、使うことがあれば寄るかなんて考えてたのだ。
本拠地は遠州なので、このあたりの店舗数は比較的多い。
さらに交通至便というわけでもなく、さらに平日で時間帯もやや遅かったので全く待ちはなかった。
というわけで看板メニューの「げんこつハンバーグ」を注文してみた。
なにがげんこつなのかと思ったら、球体のハンバーグなんですね。
これを目前で店員が半割きにして提供してくれる。食べるときには俵型のハンバーグ2つみたいに見えるがそうじゃないと。
炭焼き というのは、この球体のハンバーグを炭焼きにしてるということ。
逆に中は生っぽい。鉄板に押し当てれば火が通りますよとのこと。
すごい感動するほどのことはなかったが、ユニークなハンバーグですね。
百聞は一見にしかず。というわけで意外と公共交通でのアクセスがよい穴場ではないか。
近くにある遠州鉄道の さぎの宮駅 (ちなみに東名浜松北の最寄り駅は自動車学校前駅)から電車に乗る。
ナイスパスというローカルなICカードは持ってないので現金できっぷを買う。
ここから新浜松駅(JR浜松駅隣接)までは15分ほど。
遠州鉄道はひたすら単線の割には12分間隔(今は一時的に休日は20分間隔に減便しているが)と本数が多い。
時間帯も時間帯だし、都心方向だが、それでもガラガラというほどではなかった。
利用者の多くはナイスパスを使っていて、新浜松駅で降りた人で紙のきっぷで乗ってたのは自分だけだったのでは?
駅員も改札を俯瞰で眺めていて、ICカードの自動改札機任せのようだった。
紙の切符は拠点駅ですら回収箱に入れて終わりってそれでいいんか?
というわけでほとんど移動だったが、今日はそれでいいんです。
Author : Hidemaro
Date : 2020/09/17(Thu) 23:42
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過失に対して自衛できるか?

先日、「d払い」のチャージ方法「ドコモ口座」を使って、不正に口座残高を引き出される被害が出てるという話を書いた。

どうしてd払いが狙われた?

その後、やはり他でも件数・金額の差はあれど被害が出ていることが判明して、

被害が出た銀行の中では事業規模が大きい ゆうちょ銀行 では10のサービスで新規登録・振替を停止した。

やっぱりあるんだなぁって。


不正利用について、どのようなアクセスがあったのかということが調査されているが……

ドコモ口座 不正引き出し 10のIPアドレスから不審なアクセス (NHK)

どうも、暗証番号をあてずっぽうで当てたわけではなく、口座番号・暗証番号のペアをあらかじめ知ってたんじゃないかとのこと。

フィッシング詐欺などで口座番号・暗証番号のペアを入手していたのでは? という話もあって、

もしそうだとすると、利用者の過失を問われる可能性もあるのかもしれない。


当たり前ですけど暗証番号は本当に必要なところ以外に漏らしてはいけないわけですよね。

金融犯罪にご注意ください! (ゆうちょ銀行)

こうして警告しているにもかかわらず、暗証番号を漏らすというのは利用者の過失なわけですよね。

ゆうちょ銀行では、ゆうちょダイレクト や キャッシュカードの不正利用について、一定の条件で補償すると言っている。

ただ、利用者に重大な過失があった場合や、同居人や二等親以内の親族に引き出された場合は補償しないと言っている。

(この辺のルールは他行でも似たようなもんだと思う)

単に4桁の暗証番号を漏らしたことを重大な過失と言えるかはわからないが、

重大な過失とまで言えなくても、何か過失があったことが判明すれば、全額補償しないことがあるとも書いてある。

今回のケースに適用するかは不明だけど。


ただ、一方で利用者側にとってみれば、4桁の暗証番号を漏らしただけで不正利用されてはたまったものではないという考えもある。

そこに対して自衛策があるかという観点もある。

キャッシュカードの不正利用について、ICチップ付きキャッシュカードと生体認証の普及を進めているわけだが。

ゆうちょICキャッシュカードのご案内 (ゆうちょ銀行)

磁気ストライプ・ICチップ・ICチップ+指静脈認証 のそれぞれについて限度額を設定できる。

磁気ストライプの限度額を0円にすれば、スキミングの被害を受ける可能性はなくなる。

指静脈認証を使わない場合の限度額を0円にすれば、カード盗難による被害を受ける可能性はごく小さくなる。

そういう観点で利用者側で対策していることはそう多くないだろうけど。

(ATMではICチップ取引しかしないだろうと思いつつ、J-Debitを使う可能性があるので磁気ストライプ取引の限度額を0円にしがたい実情もある)

どちらかというとICチップ利用時、生体認証利用時に希望によって上限額を引き上げられることの方が嬉しいかも。


ネットバンキングもそうですよね。

ちなみに僕が契約しているインターネットバンキングでは、下記の通り、認証の強固化を行っている。

  • ゆうちょ銀行 : スマートフォンでの生体認証 と PINコード の両方が必須
  • 住信SBIネット銀行 : スマートフォンでの生体認証 または PINコード が必須
  • みずほ銀行 : ハードウェアトークンが必要
  • 三菱UFJ銀行 : スマートフォンで発行されるワンタイムパスワードが必須

そういえばスルガ銀行は利用者側で設定できる強固化はないんですよね。

一方でスルガ銀行では取引内容によってE-mailによるワンタイムパスワードを併用するようにしている。

僕はそのE-mailの送信先を携帯電話のMMSにすることで、ワンタイムパスワードの流出リスクを下げている。


ただ、今回の Web口座振替受付サービス は自衛策に乏しいんですよね。

この口座振替の設定は何かのサービスに付随するものではないと思う。あらかじめ口座振替の限度額を決めるのもあり得ない。

キャッシュカード持ってなければ暗証番号もないかも知れないけど……今どきそんな使い方できるのかな?

そこら辺を考慮すると、暗証番号の流出は確かに過失かも知れないが、

暗証番号流出があった場合に想定されるリスクの範囲を想定していた人も、さすがにこれは気づかなかったのでは?

対策するにも、口座振替設定の認証が簡易な銀行に口座を持たない、あるいは残高を少なくするという以外の有効な手はないよね。

(だからこそ、ゆうちょ銀行は一時的に問題となりそうなサービスの新規登録・振替を停止したわけですよね)


あと、だいたいの銀行で「同居人や二等親以内の親族」だとか一定の関係の人による被害は補償しないと言っている。

もちろん、そこには合理的な理由もあるとは思うのだが、親族であっても他人は他人なんですよね。

そういう不正利用もできるだけ防ぎたいが、なかなか実現手段に乏しいところはあるかもしれない。

1つの打開策は生体認証ということになろうと思う。

スマートフォンの生体認証でできることも増えてきましたからね。


不正利用の被害を完全になくすことは難しいと思うね。

理論上はこうすれば……というのがあっても使える人が少なければ意味は無いわけですよ。

一方で、根本的に強固になったと言えなくても、操作の手間が増えれば被害が少なくなるというのは、

d払いとそれ以外のPayPayなどの被害件数の差を見てもわかるところはある。

そういう意味では手間ばかりかかってそこまで強固になったか? という対策もご勘弁ってことだね。


そういえば、この話とは直接関係ないんだけど、スマートフォンに「イオンウォレット」というイオンカードのアプリを入れてて、

これの用途の1つにはサンキューパスポートをはじめとするイオンで使うクーポンを表示するというものがあって、

それはこのアプリ特有のものではあるけど、このアプリは明細確認にもよく使っている。

明細確認ならばPCからWebサイトにアクセスしてもよさそうなのだが、ほぼ毎回、E-mailでのワンタイムパスワード認証を要求されるんだよね。

それが煩わしくて、スマートフォンアプリで生体認証でログインしたら必ず回避できるわけですから。

このPCからログイン時にワンタイムパスワードを要求されるのはリスクベース認証である。

本当に強固化されてる? とは思うんだけど、少しでも難易度が上がれば効果のある可能性はあるんですよね。

接続環境が変わったときなどに追加認証を要求する仕組みなんだけど、なんかPCからだと妙に厳しい。


銀行によってはこういうことも増えてくるかも知れない。本当に効果があるのかなという操作ばかり増えると。

一方で、生体認証を利用するとか、そういう強固な手段を使っている人への恩恵も欲しい。

前の記事にも書いたけど、インターネットバンキング相当の認証ができれば救える部分は多いんですよね。

まずはそこだと思いますね。もちろんそれでも不十分なところはあるんだけど、利用者側にとっても打てる手は増えてくるので。


Author : Hidemaro
Date : 2020/09/16(Wed) 23:53
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古びた地下街のルーツ

ニュースを見てて、こんな話があった。

渋谷地下商店街「しぶちか」、63年の歴史にいったん幕 来夏新装へ (シブヤ経済新聞)

しぶちか ってご存じですかね? 渋谷駅前交差点(スクランブル交差点として知られる)の地下にあるんですけど。

実際にこの地下街を通ることはあまりないのだが、マークシティ前と田園都市線・半蔵門線渋谷駅を結ぶルートが、

この地下街の出入口(井の頭口)を使っていて、それでこの地下街の階段だけはよく使っていた。

そうして目に入る度に古くさい地下街だなという印象はあったが、このたびリニューアルが行われることとなったそう。

地下街のリニューアルというのはそれなりにあることのような気がするけど、どうも現状の課題が多すぎるようだ。


大改装で変わる「渋谷地下街」の知られざる歴史 (東洋経済ONLINE)

この地下街のルーツは戦後の闇市にあるんだそうだが、闇市の代替として作られた都合、

1軒あたり2.2坪と狭い店で、その一方で当初からの入居者は安い賃料で入居しているということらしい。

店の入れ換えは起きにくく、さらにこの狭さでできる商売は限られる。(現在は複数区画をつなげた店も多くなっているようだが)

地下街と言えば、飲食店と衣料品店という印象はあるが、しぶちか は飲食店が立地できそうにはないし、実際にない。

というわけで しぶちか のメインは衣料品店や雑貨店ということになるが、この狭さでは競争力に乏しく、

さらに経営者の高齢化もあって、現在の入居者のうち今後も入居したいのは7名ほどらしい。


ところで、しぶちか の建設には東急も関わっているようだが、いろいろ調べていると、

しぶちか に隣接して、東急百貨店東横店(地下階以外は今年3月閉店)の地下階、東急フードショーがあったらしい。

東急フードショーのあったところは改装工事に入り、しぶちか のリニューアルと同じく来年7月に再オープンするとのこと。

ちなみに移転先はマークシティ地下(かつて 東急のれん街 があったのが移転した跡地)で、地下通路でつながっている。

すぐには理解できなかったんだけど、どうも東横店地下階の大半は道路の地下にあるようだ。

道路の地下にあるという点では、しぶちか と 東急百貨店東横店地下 は一体の地下街と言えるようだ。


これを見て似てるなと思ったのが、阪神百貨店梅田本店である。

ここも地下階の一部が道路の地下(阪神梅田駅の上部)にあるんですね。

そして、少し前まで、この地下階に隣接して地下街のようなものがあった。「アリバイ横丁」などと呼ばれていたが。

これは地下街ではなく、大阪駅前地下道 という道路で、その一部を店舗が占用するという形だった。

しかし、大阪駅前地下道の拡幅のため、占用を受けていた店舗は退去したので、地下街のようだったのは過去のこと。

地下道自体は市道だが、この拡幅費用は阪神が負担しているらしい。(ビル建て替えで規制緩和を受けたことの見返りらしい)

その点では阪神百貨店地下階に付帯する地下道という見方もできるかもしれない。


地下街の目的もいろいろだが、典型的には 地下道+商店街 ということになろうと思う。

歴史の長い地下街は地下道としての役割を期待して作られたものも多い印象があるが、

大阪のクリスタ長堀、京都のゼスト御池、名古屋のエスカ、東京の八重洲地下街など、駐車場のための地下街というのもけっこうある。

クリスタ長堀は日本一面積の広い地下街だが、その多くは駐車場であり、一般的にイメージする地下街としてはそこまででも……

いずれも地下街の方向に移動する人の流れは少ないかな。地下街を横断する人の流れはけっこうあるかもしれないけど。

クリスタ長堀やゼスト御池は都心ではあるけど、繁華街の外れなので、地下街として苦戦した時期も長かったという。


一方で、最近は道路事業として地下道が整備されることも多い。

札幌駅前通地下歩行空間(2011年開通)はその典型だと思うが、地下道の方が整備費の面でメリットがあったんだよね。

沿線のビルの地下階との連結や、広い地下道の一部を占有してのイベントなど、地下街のような一面もある。

地下街の整備は最近は下火で、2000年代に開業した地下街は、広島の紙屋町シャレオ(2001年)と名古屋の大曽根駅前地下施設(2006年)ぐらいしかなさそう。

紙屋町シャレオは通路部分は道路(国道と広島市道)、商店部分は地下街ということらしい。

一部を道路事業にすることで建設費・維持費を工面したかったのだろう。ただ、それでさえ地下街としての経営は苦しいらしい。

後者はほとんど駐車場で地下街としての店舗はごくわずか。地下街というには寂しい。(大曽根という立地を考えればそんなものか)


そうして考えてみると、しぶちか は地下道にしてしまうのも手ではないのか? という気はした。

渋谷駅前交差点の地下というのは好立地に見えるが、逆に言うとせっかく歩行者導線として重要な地下道なのに、

それが店舗に圧迫されて狭い(店舗も狭ければ通路も狭い)ということで、効果的に使えてないんだよね。

それなら地下道としての機能を強化する方が理にかなってるんじゃないかと思うんだよね。

そうは言ったけど、今回のリニューアルは地下街としてのリニューアルなので、店舗は残るんだろう。

どういう形になるのかはよくわかんないけど。東急フードショーだった部分も活用するのかも知れないけど。


地下街というのは維持費も高いわけですから、それでうまくいくってのはなかなか大変なんですよね。

大阪・難波の NAMBAなんなん は しぶちか と同じ1957年開業、そこから現在まで2度の大規模リニューアルを行っている。

定期的なリニューアル効果もあってか、現在においても、それなりに競争力のある地下街となっていると言えるんじゃないか。

置かれた事情は違って、しぶちか は かつての露天商と東急の作った地下街で、古くからの入居者が安い賃料で入居している。

NAMBAなんなん は実質的には大阪市の経営する地下街(現在はOsakaMetroの子会社による)となっている。

それなりの投資をして今に至るわけですよね。


もう日本で新しく地下街ができることはないんじゃないかという気もするけど、

道路の地下に歩道と商店街ができるというのは画期的なものではあるんですよね。

ただ、それを生かしていくことは難しいという現実がある。

地下道として地下街らしい空間を作ったという札幌駅前通地下歩行空間はうまくやったもんだと思いますけどね。

東京・新宿では副都心線開業にあわせて、国道20号(甲州街道)に地下歩道ができたけど、本当に殺風景なもんですからね。

地下歩道 (東京国道事務所)

沿線のビルの接続もないから殺風景で気が滅入りそうになる。悪いもんでもないが積極的に使いたいかというとなんとも。

これもれっきとした国道、その点では整備しやすかったのは違いないし、国道の改良としてはいいと思うんだけどね。


Author : Hidemaro
Date : 2020/09/15(Tue) 23:44
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