インターネットバンキングに必要なもの

昨日、スルガ銀行のネットバンキングにログインしたら、ずいぶん変わってた。

2012年1月23日 スルガのインターネットバンキングが生まれ変わりました (スルガ銀行)

これはすばらしい。


スルガ銀行は静岡県の沼津市に本店を置く地方銀行である。

ただ、その顧客は一地域の地方銀行とは思えないほどの広がりを持っている。と思う。

その背景にはネットバンキング・テレフォンバンキング、その他店舗に出向かずともできるサービスを活用してきたことにあると言える。

僕が口座を持つダイレクトバンク支店はかつてSBIと提携してサービスを展開していたという。

こういう他の企業とタイアップしたサービスを多く提供している。あとVISAデビットカードの発行も特徴的ですね。

このように地方銀行とはいえ、インターネット専業銀行に近いようなことをやっている銀行なのね。


とはいえ、インターネットバンキングのシステム自体は地方銀行らしいものに感じた。

地元の地方銀行のインターネットバンキングも使っているのだけど、傾向は似ているような気がする。

なかなか操作感は悪く、定期預金の預け入れするにも、定期預金メニューから預け入れを選んで次へとか、わずらわしい操作が多かった。

しかしそれにしてもスルガ銀行のシステムが問題なのは、

ログインパスワードが4文字まで、確認パスワードが7文字までということ。

セキュリティ上の問題も起きているようで、しょっちゅう注意喚起のE-mailが送られてきていた。


今回、ネットバンキングのシステムが変わって、

ログインには口座番号の代わりに自分で決めたログインIDが使えるようになり、パスワードの文字制限も32文字までとあるにはあるもののほぼ問題はなくなった。

操作感も他のインターネット専業銀行のシステムと遜色ないものになったと思う。

取引明細の照会もいままでより多くの件数が見れるようになり、便利になった。

あと、定期預金の中途解約もインターネットでできるようになったのかな? まぁ今は定期預金預けてないから関係ないけど。

などなど、これまでのスルガ銀行のインターネットバンキングを考えれば大きな進歩だと思う。


この一件から強く感じたのは、インターネット専業銀行にとってインターネットバンキングのUIというのは、

普通の銀行の対面窓口に相当する、銀行の顔なんだなということですね。

スルガ銀行は確かにインターネット専業ではないけど、実質的にはそれに近い。

僕も含めて、インターネットバンキングと提携ATMでしか銀行のサービスを使わないという人は多いことだろうと思う。

そういう人たちにとってはインターネットバンキングが全てだから、目指すべきものは同じなんですね。

対面窓口がメインで、インターネットバンキングはその補完に尽きるのならば、確かに簡素なシステムでもいいとは思う。

それでもセキュリティへの配慮は必要ですよ。スルガ銀行のこれまでのシステムはそれが十分でなかったのはそれ以前の問題ですわ。

TOEICの一日と一年の謎

今日は昨日書こうと思ってたTOEICのことでも書こうと。

学校に行ってTOEIC受けてきたねんと話すと、僕もと言う人がちらほら。

TOEICの人気の高さがうかがい知れる。


そのTOEICだが、そのスケジュールにはいろいろ問題が多い気がする。

問題の1つは当日のスケジュールのこと。

TOEICはテスト自体は2時間と短いのだが、その前に本人確認・説明で1時間半取っている。

えらい厳しい気がするが、TOEICの公式テストでは厳格に本人確認を行っているというのがウリなのだと思う。

確かにその氏名のものが受験しているか写真付き本人確認書類で確かめるだけでなく、

受験者の顔写真・署名を公式証明書に掲載するなんてことまでやっている。

顔写真と署名を掲載する意味は、公式証明書を提示した人が確かに受験者本人と一致することを後に確認するためだと。

ともかくそんなこともあって実際拘束される時間は4時間ほどである。

それで問題は集合時間で11:30~12:20なんですね。午後からの試験のわりには集合時間が早い。

早めにお昼ご飯を食べる必要があって、さらに食後に試験とろくなことがない。

集合した後試験をして解放されるのは15:15ごろ、夕方というには早いけどかといってその後の時間を活用できるほどでもない。


ただ、このスケジュールは実施者にとっては都合がよいものなのだろうと思う。

というのも、TOEICの公式テストの設営はそれなりに大がかりなようである。

教室を見てみると、大きなスピーカーが置いてあったが、よく見ると天井からスピーカーが吊られている。

さらにケーブルが教室に引いてあるが踏むなと警告があった。

そういうことを考えると、TOEIC用にスピーカーをわざわざ設置したという見方はおそらく正しい。

午前から試験を開始すると、それらの作業を前日までに行う必要があるが、そうすると会場コストが増す。

それなら当日午前中にやるというのは合理的と言える。

当然そうなると片付けもめんどくさそうな話で、回収した解答用紙だけでなく問題用紙も持ち帰る必要があるなど手間は多い。

その作業時間を確保するためには出来る限り試験を早く開始する必要があると考えているのだろう。

なるほど、それなら納得いくという話ではあるが、受験者からすればどうにもつらい。


もう1つは1年間のスケジュールのこと。

2011年度のTOEIC公式テストの年間スケジュールは5月・6月・7月・9月・10月・11月・1月・3月の8回となっている。

8回という回数からして2ヶ月か1ヶ月に1回だろうなと想像できる。まぁ実際3ヶ月以上開くことはない。

とはいえ、2ヶ月開くところが問題である。

TOEICは大学院の入学試験で使用されていたり、卒業・修了にあたっての条件となっていたりする。

今回、公式テストを受けに行った理由は実力確認という面が強いものの、大学院入試に使うことも意図している。

そういうことを考えると3月とか4月に需要が集中するように思うのだが、この頃のスケジュールは11月・1月・3月・5月と見事に2ヶ月間隔となっている。

そんなこともあってかな、今回のテストはとんでもない人手だった。

このあたりを1ヶ月間隔にそろえれば需要は増えると思うのだがどうにも。

2012年度では12月にテストが追加されて年9回になるようで、少しはましになるのかなと。


さて、これでスコアはいくらになるかな? 前に受けたIPテストより高くなっていればうれしいが。

TOEICはいろいろ批判はあるけれど、確かに英語の実力をよく表す試験だなという感想を持っている。

問題もすべて英語で完結して、ビジネスの場面を想定しているものの日常生活に近い領域でシンプルながらよくできていると思う。

このへん日本語が関わってくると日本語と英語をつなげる能力が相当要求されるから、そのへんあまり関係ないというのはやりやすい。

頻繁に実施されているから実力の確認にはもってこいである。テスト間の比較もスコアが能力をよく表してるのだから便利である。

そしてTOEICで学校が英語の実力を評価しようというのは、スコアの基準が不明瞭という問題はあるにせよ、お互いにありがたい話だと思う。

そんなわけだから今後もTOEICを活用しようという考えは広がるように思うが、そうならばやはり受けやすいテストというのを目指して欲しいと思う。

毎月実施になればそれだけでかなりありがたいことだろう。

地下にトンネル、地上に家

今日はTOEICを受けに行ってた。去年4月のIPテスト以来で、公式テストは2009年10月以来2度目になる。

以前もネタにしたけど、TOEICは11:30~12:20に集合で15:15までやるのだけど、

昼ご飯を食べてから行かないといけないこともあって、2時間の試験のはずなのに一日つぶれるやな試験ですね。

(参考記事 : 午後試験は無駄が多いぞTOEIC!)

ものすごい受験者が多くて驚いた。以前受けたときはここまでではなかった気がするけど、まぁ1月はそうなるわな。

このことでもネタにしようと思ったのだけど、帰りの電車の中で見た広告で面白いことを発見したのでその話を書こうと。


その広告はなんの広告だったのかというと、北大和住宅地の広告ですね。

北大和住宅地は生駒市北部に近鉄不動産などの手で開発された住宅団地で、1989年に換地処分が行われて開発が完了している。

北大和の名前はおそらくここにあった北倭村から取ったものだろう。

生駒市の中心部からは離れていて、奈良市西部の住宅地と連続していることもあって学園前からのバスが主なアクセス手段だった。

そこに2006年けいはんな線が開業して、北大和住宅地に隣接して学研北生駒駅ができた。

ちょうどここに奈良交通の北大和営業所があったのだけど、そこの敷地をけずって駅を作ったようだ。

北大和住宅地に隣接して北大和営業所の土地を削ってできた駅なのに北生駒駅なのは生駒市の要望らしい。どうにも納得いかんが。

ともかくこうして学園前からのバスを使わなくても直接電車に乗れるようになった。


こうして便利になった北大和住宅地だけど、1989年には換地処分を終えて、もうほとんどの宅地に住居が建っている状態で、これ以上の開発が望めるわけでもない。

学研奈良登美ヶ丘駅のあたりはけいはんな線ができるときに駅周辺を区画整理で切り開いたので新しく売る土地があった。

白庭台駅のあたりも南側は未開発だったのでそこを新しく開発して新しく土地を売ることができた。

ところが北大和住宅地は完全に開発が終わっている上に、都市計画で一戸建てしか建てられないし、周辺を新しく開発をする気はないようだ。


ところが、なぜか北大和住宅地の広告が出ていたのである。売る土地あったのか? とおもって広告を読んでみるとこんなことが書いてあった。

一般定期借地権概要:契約時に以下の内容を設定します。●権利/一般定期借地権(賃借権)●借地権の存続期間/70年間●期間中および期間満了後ともに土地の買い取りはできません。●期間満了時の契約更新/なし●賃料/3年毎に見直しのうえ、改定される場合あり●保証金/契約終了後に全額返還(無利息)● 使用目的/居住用一戸建て建物所有のため●建物の買い取り請求はできません。●建物の再築による借地権の存続期間の延長はありません。●契約期間満了時には、借地権者(建物所有者)にて建物を解体し土地を更地にして返還していただきます。●建物の賃貸は可能。ただし、書面による通知が必要です。●建物の売却(譲渡)・借地権の譲渡は可能。ただし書面通知のうえ承諾を得る必要があります。●借地権設定登記はいたします。※近鉄けいはんな線のトンネルが土地の地下に存在します。※奈良生駒高速鉄道(株)の区分地上権が土地に登記されています。

(北大和住宅地 注文住宅用地 概要 (近鉄不動産))

簡単に言えば、近鉄が所有するけいはんな線のトンネルの上の土地を70年間貸しますよということ。

え? トンネルの上って家建ってなかったの? とおもって地図を見てみると確かに。

北大和住宅地 (Google Maps)

近鉄はちゃんとトンネルの上の土地を確保していたようだ。ということは近鉄はやる気あったんだな。


ところでこの概要の中で一般定期借地権という言葉と区分地上権という言葉が出てきている。

地上権というのは土地を目的の範囲で使用する権利のことだけど、区分地上権というのは土地の一定の高さ以上または以下と制限をつけた地上権だな。

この場合はけいはんな線の線路を保有する奈良生駒高速鉄道に地下をトンネルのために使う権利を与えているということだ。

地下なのに区分地上権とはこれいかにという話だが、まぁそういうこともある。

区分地上権を与えたことによって、奈良生駒高速鉄道は近鉄の所有する土地の地下に線路を引くことができた。

地下鉄建設においてはカーブ部分でこうして土地を確保するという方法が行われるようである。

ただ、当たり前だけど、土地の所有者と合意しないと地上権を設定することはできないから立ち退きはいらないにせよめんどくさい。


そして一般定期借地権だが、その前に借地権という言葉である。

借地権は賃貸借契約に基づいて土地を使用する権利ですね。

ん? 地上権と似てないか? と思った人がいるかもしれないが、本科5年のときの法学の授業のことを思い出した。

ノートを見返してみるとこんなことがメモしてあった。

借地は永小作権・地上権のように物権でもできるが借り主の権利が大きくなるのであまり用いられない

しかし、賃借人の地位安定のため宅地・家屋・農地の賃借権は不動産賃借権の物権化が行われほぼ物権に近づいた(借地借家法、農地法)

まぁだからほぼ一緒という見方はそんなに間違ってない。

けど根本的には地上権は第三者にでも主張できる物権なのに対して、賃借権は本来は賃貸人・賃借人の間でだけ通じて、第三者には主張できない。

けどそれじゃあ土地の所有者が変わってしまったら出て行けとなりかねない。住居や農地でそれは問題なので不動産賃借権の物権化が行われたと。

確かにそういうこと言ってたな。

一般定期借地権はその借地権の中でも特に期間を定めて、その期間が過ぎたら更地にして出て行くというタイプのもの。

例外を除いて最低50年間という決まりがあるから、50年が一般的なようだが、ここでは70年間にしている。

近鉄はこれについて若くして家を手にしても老後まで過ごせる、建て替えも可能であると主張している。

ゆとりStyle70にすると (近鉄不動産)


近鉄からすれば、住宅団地の中でトンネル用地を空き地にしておくのはもったいないけど、かといって売るとトラブルになりかねない、

と考えて土地は近鉄が保有し、これを一般定期借地権で新しく家を手にする人に貸すという方法をとることにしたのだと思う。

こういうやり方もあるんだなと感心した。

ちなみにけいはんな線の他のトンネルの住宅団地にかかっている部分だが、白庭台にあって、

そこにはローレルスクエア白庭台という近鉄が所有する集合住宅が建っている。

近鉄が建物を建ててしまうというのが一番簡単な解決法だけど、都市計画で一戸建てしか建てられない北大和住宅地では難しかったということだろう。

まぁしかし住宅地の中でトンネルを掘るというのはかなり大変なことだったようで、真上の土地はあってもやはり振動や騒音は周囲に伝わってしまう。

まだ振動や騒音だけで済めばよいが、地盤沈下も起きかねないことだけにいろいろ工夫をしたようである。開発済みのところに線路を引くというのはやさしくない。

コミュニティバスに大回りされちゃたまらん

昨日、図書館に駅から歩いて行ったのだが、

実はその前にそういやコミュニティバスあったよなと路線図・時刻表を開いて見てた。

いざ使おうと検討してみたら、あまりに使えなくて驚いた。


なんで使えなかったのかというと、一方方向のみ運行のループ系統だったからですね。

そのコミュニティバスは1時間30分で市街地と周辺地域を南北にわたってループするようになっている。

途中、市役所、2つの駅を2度通るようになってるから、輪っかが4つ連なったような路線になってる。

1台のバスが朝から夕方まで回ってるので、1時間30分間隔となっている。まぁ使えんことはない頻度である。

ところが実際使うとなると苦労が多い。


説明のため、この路線の各区間に記号をつけて
A駅―(a)→市役所―(b)→B駅―(c)→B駅―(d)→市役所―(e)→A駅―(f)→A駅
のように表す。

ここで(c)の区間にある自宅から(e)の区間にある公共施設へ行くことを考える。

往路はB駅・市役所を経てわりにすんなりと来ることが出来る。

一方復路だが、バスに乗るとA駅に行き、(f)のルートを通ってまたA駅に戻ってきて、市役所・B駅を経て自宅にたどりつく。

このとき無駄に(f)のルートを走るという問題はあるものの、まぁ許容できないことはない話である。

では、(f)区間の自宅からから(d)の区間にある公共施設へ行くことを考えよう。

このときA駅・市役所・B駅を経て、(c)のルートを通り、B駅に戻ってきて、やっとたどり着く。

なんと無駄に遠くのB駅まで連れて行かれて、さらに(c)を1周回らなければならない。


一方ループ系統はどれぐらいの大きさまで許容されるか?

住宅団地やターン場が用意できなかったバスでは末端区間で一方ループになることがある。(参考記事 : くるくる回り続けるバス)

例えば、あべの橋~浅香の63系統は浅香側で、杉本一→市立大学前→浅香→浅香東住宅前とループする。

このとき杉本一へ行くのは32分、あべの橋へ行くのは45分となる。ただし復路は浅香での時間調整8分を含んでいる。

バスが遅れてたらこの分は削られるから、実際には6分ほどしか差がない。この程度の差はたいしたことないと言える。

ループが小さければよいのだが、大きいと話にならない。


このコミュニティバスはそのループの大きさを無駄に大きくしているようにしか見えない。

特にA駅~市役所~B駅の間の公共施設へのアクセスで、A駅→B駅でしか行けない、B駅→A駅でしか行けないというのがあるのが問題である。

なのでこの部分を共通化して、A駅からA駅への一方ループ、A駅とB駅を結ぶ双方向運転区間、B駅からB駅への一方ループ、

と組み合わせればまぁ使いやすくなるんじゃないだろうかと思った。


無駄に大きなループというのはコミュニティバスにはありがちなことのように思う。

できるだけ広い範囲をカバーするにはループがよいというのも確かなことである。

それでまだ両方向のループがあればよいのだが、それほどコストもかけられないので一方ループというのはよくある。

まぁ実際、今回の例で同じ台数で両方向ループにすると1時間30分間隔が両方向3時間間隔になるから実感としてはかなり違う。

ただ、全体として東西に走っているとか、南北に走っているというのなら、途中だけでも双方向化すれば便利になるに違いない。

それでできるだけループ部分は小さく、せいぜい反対に回っても30分までだな。それぐらいならなんとか許せるだろう。

あまりに大きいならループ部分の両方向運転も考えるべきでしょう。ただ、それならポイントを絞ってAルート・Bルートと複数の往復系統を設けた方が便利かも知れない。

レポート作りに図書館へ

今日はレポートのネタを仕入れに地域の図書館に行ってきた。

思えば高専入学以来、技術書やその他勉強に必要な本は学校の図書館で見てきた。

今回、なぜ地域の図書館に行ったのかというと、文化財についての資料が必要だったからですね。

高専の図書館にそういう本は限られるのだが、地域の図書館には郷土資料として所蔵している分を含め関連する図書が多数あった。

となれば行こうと出向くことにした。地域の図書館に行くのはもう何年ぶりだろうか。


というわけで駅からとことこ歩いて図書館へ到着。

そのとき15時前だったのだけど、平日の昼間なのにけっこうな人がいた。これには驚いた。

閲覧席で特に資料を閲覧するわけでもなく勉強している人も多かったけど、その一方で資料を読んでいる人も多く見受けられた。

なかなか役に立ってるんだなと思った。

これまで休日の図書館に来ることは多かったけど、平日はあんまりね。


今回、3冊の本を見ながら情報収集をしていた。

そのうち2冊は一般書架にあるのだが、1冊は郷土資料として特別の書架に置かれていた。

郷土資料は禁帯出で持出を防ぐためにゲートが設けられてるという気合いの入れよう。

というわけで他の資料と共に持ち込んでゲート内で情報収集をしていた。


ところで郷土資料の書架の本はここまで厳しいセキュリティ下にあるんでしょうね?

書架を見るといろいろ本が並んでいるが、中にはやたら古い本もある。

実は僕が読んでいた本もそれなりに古い本で、昭和39年、1964年出版の本だった。

これは古いなと感じたのは、奥付のところに検印を押した紙切れが貼ってあったことだな。

昔は著者発行を認可した証に検印を押してたんですよね。けど今となってはそんなことはしない。

この中にはもっともっと古い本もあることだろうと思う。また、そうでなくても新しく手に入れるのは困難なものが多いんだろう。

そりゃまぁこの地域に根ざした資料なんだから、あんまりよその図書館にはないのかもしれない。

そういうこともあってか厳しいセキュリティ下にあるんだろうと思う。

ちなみに禁帯出で貸し出しはできないけれど、複写は著作権法で認められた範囲でできるので、どうしても必要ならばどうぞ。


ノートPCを持って行って図書館でレポート書こうかとも思ったのだが、作図の都合もあるのでメモだけして帰ることにした。

結局17時ごろまでいたから、4時間も資料とにらめっこしてたようだ。

一般書架の本の1冊は役立ちそうな資料でそんなに大きくないので借りて帰ることにした。

このとき住民基本台帳カードの裏に貼られたバーコードを見せて借りた。

ここのバーコード使ったの初めてだな。(参考記事 : 住民基本台帳カードを作ってきた )


レポートのネタはこうして仕入れられたので、再来週のレポート提出までレポート作りに勤しもうと思う。

まぁ他にもやるべきことはあるんだけど、まぁこれぐらいあればまとめられるでしょう。

くるくるジャンクション

高速道路のインターチェンジやジャンクションではランプウェイが欠かせない。

このの構造にはいろいろあるのだが、まぁよう考えられてるもんだ。


インターチェンジ#分類 (Wikipedia)

わりに簡単に思いつくのが、ここでいうダイヤモンド型、高速道路へ合流・分岐する道を平行して引いてやればいいねって。

名阪国道はこのタイプのインターチェンジが多い。

上野東IC (Yahoo!地図)

シンプルでよいのだが、このタイプのインターチェンジはそんなに多いわけでもない。

というのも多くの高速道路は出入口に料金所を設ける必要があるけど、ダイヤモンド型だと出口・入口あわせて4つ料金所が必要になる。

都市高速や都市部の高速道路ではダイヤモンド型のICは多いけど、均一料金制が採用されてることが多い。

均一料金制なら入口の料金所だけで済むし、本線料金所の設け方を工夫すればもっと料金所を減らせる。

名阪国道は通行料無料なので、料金所のことをまったく考えなくていいもんだから、シンプルなダイヤモンド型のICが乱立している。

ともかく、料金所を1つのインターチェンジで複数設けるのはもったいない。そこでトランペット型やY型がよく使われているよう。

甲賀土山IC (Yahoo!地図)

信楽IC (Yahoo!地図)

甲賀土山ICがトランペット型で信楽ICがY型、どちらも郊外の高速道路では典型的なスタイルですね。

どちらも1つの料金所で入口・出口のチェックをしている。

もっとも最近は郊外の高速道路でもダイヤモンド型のICを使いつつ、1つの料金所で済ませるスタイルは多いんだとか。

荘川IC (Yahoo!地図)

ICの西側で平面交差があって、合流して東の料金所へ向かってる。西側の合流点には信号機が設けられている。

大して通行が見込めないIC向けで建設費が安くできるのがウリ。まぁあきらかに面積狭いですからね。


ジャンクションだとどうなのか?

T字に分岐するジャンクションはトランペット型かY字型のインターチェンジとそんなに変わらないことが多いよう。

米原JCT (Yahoo!地図)

トランペット型の分岐があってそれがそのまま北陸自動車道になっている。まぁシンプルな構造ですね。

問題は十字に交差するジャンクションだ。

久御山JCT (Yahoo!地図)

京滋バイパスと第二京阪道路が交差する久御山JCTだが、これはかなりきれいな構造ですね。

実際に走行するときはどうなってるのかという話だけど、例えば北から第二京阪道路でやってきたら、分岐があって、

その分岐で分かれると、さらにそこから京滋バイパス大津方面と大阪方面に分岐する。

京滋バイパス大津方面はそのまま左に行って合流、大阪方面はぐるっと3/4周して合流するようになっている。

こういう形式をタービン型というのだとか。十字に交差するジャンクションでは基本的な構造らしい。

垂水JCT(Yahoo!地図)

この垂水JCTというのは神戸淡路鳴門自動車道の淡路島方面と山陽自動車道方面、第二神明道路方面、第二神明北線の4方面に伸びるジャンクション。

典型的な利用としては、神戸方面から第二神明道路でやってきて淡路島方面に進むという利用でしょうか。ちょうどここで180度ターンして淡路島へ向かう。

一見コンパクトそうに見えるが日本一面積の広いJCTらしい。なんでそうなったのかようわからんけど。


タービン型は空から見てる分にはわりにシンプルだしいいけど、世の中そんなもんばかりでもない。

大山崎JCT (Yahoo!地図)

瀬田で名神から分かれた京滋バイパスが大阪側で合流分岐する大山崎JCTだが、なんのことかわからない構造に見える。

ただのT字のジャンクションにしては複雑な構造だが、実はここから先、京滋バイパスは京都縦貫自動車道に繋がり、丹波へ向かう。

なので十字のジャンクションになる予定だけどまだ未完成というそういうジャンクションなんですね。

ただ、久御山JCTのようなきれいなジャンクションになるようには見えない。そんな作る面積もなかった。

そこで使われた方法が、名神高速にY型のランプウェイ、京滋バイパス・京都縦貫道にトランペット型のランプウェイを作りこれをつなぐというもの。

名神高速京都方面から京滋バイパスへ行く場合を例にして考えてみると、

まず名神から分岐して進んでいくと名神高速大阪方面から分岐した道路と合流する。さらに進むと一般道からの車と合流する。

大山崎JCTは大山崎ICを兼ねた構造となってるので一般道との往来も出来る。

そして京滋バイパスをくぐり西側で一般道への分岐があり、さらに分岐が作ることができそうな構造物がある。そしてまた京滋バイパスをぐぐってループを回り合流する。

この分岐が作れそうな構造物はおそらく京都縦貫自動車道の丹波方面へのランプウェイにつながるのでしょう。

このようにY型のランプウェイとトランペット型のランプウェイをつなげればフルジャンクションができるのだが、こんなじゃまくさい構造では渋滞が起きかねない。

そこで、京滋バイパスと名神高速大阪方面とのショートカットルートもあって、これを使えば複雑なループを通らずに往来できる。

まぁけど、トランペットとY型を往来する方法でもこの分岐はできる。あまりそんなことする人はいないと思うけど。

もうちょっときれいな例はないのかと言われたら、名神高速の豊中IC・阪神高速豊中南出入口とか。

豊中IC・豊中南出入口 (Yahoo!地図)

これはショートカットルートもなしで、トランペット型のジャンクションが2つ連なった構造になってる。これならわかりやすいですね。


あともう1つ、クローバー型というのがある。アメリカではよう使われてるらしいが、面積を食うもんだから日本では鳥栖JCTぐらいしかないそう。

鳥栖JCT (Yahoo!地図)

南北に九州自動車道が走っていて、北に福岡、南に鹿児島、西に向かって長崎自動車道、西に大分自動車道がある。まさに九州の高速道路の重要ポイント。

この北側に基山PAがあって、ここに高速基山バス停が設けられている。ここに福岡と各地を結ぶ高速バスが多数停車する。

なんのために多数停車するようになったのかというと高速バス同士の乗り継ぎのためですね。

鳥栖JCTで一挙に集まった各路線が最初に集まるのがここだから、ここで乗り継げば各地にいけるよねって。

まさにバスのジャンクションとでもいうべきものである。それがあるのも鳥栖JCTがあるから。

この鳥栖JCTで大分から福岡へ進むとなると、まず集散路と呼ばれる脇道に分岐する。そして、福岡から長崎へ行く車が合流してくる。

九州自動車道をくぐると福岡方面の分岐があって、ぐるっと270度回って福岡方面の本線に入るようになっている。

ここでおかしいと思った人がいるかもしれないけど、福岡から長崎方面への分岐を通った後、大分から福岡方面の分岐に進むことができてしまう。

そう、なんとこのジャンクションでUターンできてしまう。

さらに、この2つの分岐の間では、福岡から長崎の車と大分から福岡の車が混在することになる。

それで生じるのが織り込み交通といわれる問題。福岡から長崎へ行く車は左車線にいるが、本線に合流するため右車線に行きたい。

一方で大分から福岡の車は本線から左に分岐するため、右車線から左車線に行きたい。すると交差する。そう、立体交差に見えるけど完全じゃない。

そんなもんで渋滞の原因になるから、ショートカットルートをつくることになった。特に往来が激しいのが福岡~長崎で、

このうちループで270度回らないといけないのは福岡→長崎なので、ここを直接つなぐ高架橋が造られた。

それがサガンクロス橋、JCTの上を飛んでいる高架橋がそれ。

まぁこうして問題は解消されたのかもしれないが、あまりよい構造でないことがわかったからか、以後あまり使われていないようだ。


こうして空からインターチェンジ・ジャンクションを見てたわけだが、

重要なのは自動車から見てちゃんと走れるかということに尽きる。

垂水JCT・鳥栖JCTでは行き先ごとに色を決めて、それで路面を塗装したり、看板に色を付けたりするようにしている。

高速道路はなかなかターンするのも難しいので、間違いなく分岐できる構造にしないと大変だ。

限られた土地の制約の中でちゃんと走れる構造にする。実に工夫の塊なわけだ。大山崎JCTもあれでちゃんと考えられてるわけだ。

任意団体ではなく法人

ゆうちょ銀行ができる数ヶ月前のことだが、僕が当時所属していた部に郵政公社の貯金事務センターから郵便が届いた。

用件は部の名義で持っている貯金について、氏名・生年月日を登録するか、解約しろということだった。

なんでこんな郵便送ってきたのかということですけど、普通銀行に転換するにあたって預金保護法の対象になるので、

その預金保護の名寄せのためのデータとして氏名・生年月日が必要だけど、部の名義の貯金なのでそれが登録されていなかった。

それじゃあダメだからしかるべき手続きをとってねということでとやかく書いてあった。


法人名義の口座ならば、設立年月日を登録しなさいと。法人は生年月日の代わりに設立年月日を登録するんですね。

個人名義の口座ならば、氏名と生年月日を登録しにくるように。名義は個人名か屋号にしなければならない。

それ以外の任意団体の貯金は作れないものなので、個人の名義にするか、解約しなさいと。確かそうだったと。

もしかしたら任意団体の名義のままでもよかったかもしれないけど、代表者の氏名・生年月日の登録は必要なはず。

当然、うちの部は法人じゃないですから、個人の名義に改めるか解約するかしなければならなかったが、大して使ってなかったので解約することになった。

今思えば、なんで個人の名義でも法人の名義でもない貯金が作れたのかようわからん。

当時は本人確認も大してしてなかったし、郵便局もあまり気にしてなかったのだろう。


任意団体というのは民法の用語では「権利能力なき社団」というらしい。

人々がある目的のために集まった団体には違いないが、法人格を有するものではないということ。

意外にそういう団体は多いのだが、学校にあるもので言えば学生会も同窓会もそうだ。

そういう団体がやっていくにあたって問題となるのが、不動産登記やら銀行口座といったことである。

不動産登記は任意団体の名義でできないことは明確だし、銀行口座も実質的には代表者の名義で持たなければならない。

じゃあ代表者が代わったらどうするか? いちいち名義を変更しなければならない。

そりゃめんどくさい話である。


というあたりで法人化を図っていこうというのが最近の流れとしてあるのではないかと思う。

幸い、2008年に一般社団法人の制度ができたので、登記するだけで法人格を得ることができるようになった。

これを機に業界団体を中心に任意団体から一般社団法人への転換が行われた。

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)

1つ例としてこんなのを持ってきた。JEITA規格とか聞いたことあったが、その規格を作ってたのはかつては任意団体だったと。

ただ、こうして簡単に法人格が得られるならば、あって損はないと考えたのだろう。

同窓会でも一般社団法人への移行が一部行われているようですね。

以前より特定非営利活動法人(NPO法人)の制度があったので、これを使って法人化していた団体も多かった。

今となってみれば一般社団法人でも似たようなことはできるのだが、以前はこれが便利だった。


それで先日、うちの地域の自治団体から、地縁団体移行のための名簿作成のお願いが届いた。

地縁団体というのはある特定の地域に住む人を構成員とした団体のことで、地方自治法に定められている。

地方自治法 第260条の2

この地縁団体の制度が設けられた理由は法律にもあるとおり、集会所などの不動産を地域で所有するためですね。

この制度ができるまで、地域の自治会などでは集会所を所有していても、自治会の名前で登記できないので代表者の名前で登記する必要があった。

それでは不便なので1991年にこの制度が設けられた。実は20年前からあるんですね。けど話題になったのはここ5年ぐらいの話のような気がする。

地域コミュニティの形成のためにすでに存在している団体は、市町村に申請をしたら認可を受けることが出来る。

こうして認可地縁団体となれば、規約にさだめる範囲で権利を有し義務を負うと書いてある。

権利を有し義務を負う団体はそれは法人だという解釈になるそうで、こうして認可を受ければ法人格を得ることが出来る。


この認可地縁団体のポイントとしてはその地域に住所を有する人は誰でも加入できるということ。それが前提となってるわけやわな。

逆に地域に住所を有しない人や、地域内に所在する法人は加入することができない。

それが一般社団法人やらと決定的に違うところだな。

あと、印鑑証明書を発行する窓口が市町村というのもおもしろいね。

普通、法人の印鑑証明書って法務局が出すものだけど、これだけは市町村がやる。

ともかくこうして認可が得られれば地縁団体の名前で不動産を保有したり、自動車を保有したり、銀行口座を持ったりできるようになる。


こうして任意団体が宙ぶらりんで存在することの問題は解決できるようになりつつあるのかなと感じている。

他にこういう制度として、区分所有の管理組合法人があるけど、マンションなどの管理組合が任意団体で大金を持つのは問題では、

ということがあってできたもので、区分所有の仕組みをマッチするような仕組みになっている。

とはいうけど、制度があっても採用しないと意味ないので、そのへんは積極的に取り入れようと言うひとがいるかどうかやわな。

トラブルになる前に導入しないと意味ないが……

E-mailに即座に返信するシステム

E-mailで課題を提出する科目があって、それで今日提出のためE-mailを送った。

そのE-mailアドレスは受信したら自動返信が返ってくると書いてあった。

確かに送るとたちまち自動返信が返ってきた。これはいい仕組みだ。


この仕組みをつけた教員曰く、E-mailを送ったが到着していないことで過去にトラブルになったことがあるようで、

そのようなトラブルを防ぐためにそういう仕組みを用意したらしい。

確かにE-mailはその仕組み上、いつ先方に到着するかわからない。

以前話題にしたことがあるが、Postfixの標準設定では送信失敗まで5日間かかることになっている。

(参考記事 : 粘るPostfixに水やりしてあげる )

この記事では1時間にわたって再試行を繰り返しても送れなかったら、送信失敗として返送するようにしたと書いた。

この標準値は現在のE-mailの印象からするとあまりに長い気がするが、もともとE-mailはバケツリレーでやっていたという経緯がある。

そういうことを考えると5日ぐらいたいしたことないわ、と考えたのかも知れない。

他にもいろいろE-mailが到着するかわからない理由はあるのだが、こういうことを知っておかなければならない。


自動返信というのは個人とのやりとりにおいてはあったほうがよい仕組みかもしれない。

そういう仕組みを自分のメールサーバーに付けてみた。

まずPerlで自動返信するスクリプトを書く。

#!/usr/bin/perl
use strict;
use warnings;
use utf8;
use Encode;
use MIME::Parser;
use Mail::Sendmail;
my $parser=MIME::Parser->new;
$parser->output_dir('/tmp');
my $mail=$parser->parse(*STDIN);
my %params=(
  'Smtp'        => 'localhost',
  'Content-Type'=> 'text/plain; charset=ISO-2022-JP',
  'From'        => 'AutoReply <autoreply@example.com>',
  'To'          => $mail->head->get('From'),
  'Subject'     => '[AutoReply]'.$mail->head->get('Subject'),
  'Message'     => encode('iso-2022-jp',"受け取りました\n(このメールは自動返信です)"),
  'Content-Transfer-Encoding' => '7bit',
);
sendmail(%params) or die $Mail::Sendmail::error;

MIME::Parserを届いたE-mailの解析に使い、(参考記事 : メールに反応するTwitterのBotさん)

Mail::SendMailを自動返信のメールの送信に使う。(参考記事 : 一人一人に年賀メールを送りましょう)

FromのE-mailアドレスに[AutoReply]を付加したSubjectのE-mailを送るだけ。わりに簡単。

これを/etc/aliasに登録する。

autoreply: hidemaro,"| /home/hidemaro/autoreply.pl"

これで autoreplyに送ったメールはこのスクリプトとユーザーに転送され、スクリプトでは自動的に応答して返信される。


ところでこう書いた後に気になったのだが、Subjectが日本語だったらどうなるのだろう?

実際に返信されてきたE-mailをみたら、ちゃんと [AutoReply]てすと とちゃんと頭に付加できている。

けどメールのソースコードを見てみるとちょっと不思議なことになっている。

Subject: [AutoReply]=?ISO-2022-JP?B?GyRCJEYkOSRIGyhC?=

普通は1文字でも日本語の文字が入れば、全部ISO-2022-JPでエンコードされるのだが、これは[AutoReply]の部分はそのままASCIIで書かれている。

届いたE-mailのSubjectはISO-2022-JPでエンコードされていたのだが、それをひっぺがして頭に[AutoReply]と付けただけらしい。

えらいいい加減な話だが、特にこれで問題ない。よく考えてみればFromやToに非ASCII文字が来るときは、

To: =?ISO-2022-JP?B?GyRCJEYkOSRIGyhC?= <test@example.com>

のようにアドレス部はASCIIのまま残すよね。

付加したい文字列が非ASCIIなら、

  'Subject'     => encode('MIME-Header-ISO_2022_JP',"[自動返信]").$mail->head->get('Subject'),

のように書けば問題なし。


まぁこの教員がどういう仕組みをつかってるのかようわからんけど、同じようなことしてるんじゃないかな。

わりに簡単な仕組みだし。

ただまぁ、これ導入するには自分のメールサーバーいるからそれが一番大きなハードルやわな。

予稿のフォーマットに従って書く

今度、とあるところでポスター発表するということになって、その予稿を打ってた。

だいたいこういうところの予稿はフォーマットが決まってるのでそれをダウンロードしてやることになる。


フォーマットで決められてることには余白の取り方、フォントのサイズがある。

余白の取り方は印刷の都合だろう。あまりぎちぎちに書かれたのでは印刷できたもんではない。

あと発表番号を打ち込むからスペースを空けておくようにというのもある。

フォントサイズの規定もあることが多い。

ここは10pt、ここは9ptなどなど。こうして決めている理由だが、おそらく読めないほど小さい字の原稿は出すなということだろう。

書ければよいってもんではないという主張だろう。


ところが決められていないこともある。行間の取り方はわりに自由に決められる。

なのでこうしてフォーマットを決めても見た目はばらばらということは多い。

行間の取り方でかなり書くことの出来る分量は変わってくる。

とはいえ詰めすぎると章の区切りがわかりにくくなるので、章の区切りはある程度行間を開けた方がよいと。

そういうめりはりが重要なんじゃないかなと。

まぁけどいじれるのはこれぐらいで、書ける内容が2倍になったりとかそんなことはもちろんない。


フォーマットが決められてなければ、余白を切り詰めてフォントを9ptぐらいまで小さくするなど、詰め込むためにいろいろな方法をとれる。

以前そうやって詰め込んだ原稿1枚を、後に別のところで使おうとフォーマットに従って整形したら1ページ半ぐらいいってしまった。

それほどの差がでるところなので、こうして原稿を書くときはフォーマットのダウンロードを真っ先にやらんとうまくいかない。

少ないものを増やすのはなかなかやりやすいが、多いものを減らすのは大変なことである。

分量を意図して内容を決めないと後で痛い目に合うだろう。


今回書いている原稿はなんとB5判ということで、大した分量書けないということでなかなか悩ましいところである。

内容を厳選するのも重要だが、どうしても収まらないとなれば真っ先に犠牲になるのは図だな。見にくいの承知で小さくせざる得ない。

そうなってきたらフォントサイズの制限は裏目に出てる気がするが、まぁできるだけ見やすくなるように工夫したいと思う。

なかなか使えるちょこっと高速バス

京阪バスが今年4月から京都駅~交野~なんば の高速バスを走らせるらしい。

え? 京都と大阪をバスで? びっくり仰天のバスだが、最近、京阪バスは近距離高速バスを多数開設している。

使い勝手のよい高速道路を使って鉄道アクセスの悪いところにぶつければ需要は開けると考えたのだろう。


京阪バスが京都府・大阪府・滋賀県で運行する高速道路経由のバスには、

と5つある。多分これで全部。


直Q京都号は阪神高速京都線・第二京阪道路を利用したバスで、2009年に開設された。

このバスは京都駅と京阪の開発した京阪東ローズタウンを結ぶバスで、開設のきっかけはなんといっても第二京阪道路の開通だろう。

ところで京阪東ローズタウンってご存じですかね?

京田辺市・八幡市にまたがる地域につくられた住宅団地で、名前にもあるとおり京阪電気鉄道が施行者となって土地区画整理事業で開発された。

ところが、京阪が開発したくせに最寄り駅は団地内にあるJR学研都市線の松井山手駅というようわからんことになっている。

しかもこの松井山手駅は京阪がJRにお金を出して作ってもらった駅で、非常に不思議な住宅団地である。まぁ男山団地の延長線上なんだろうけど。

大阪へのアクセスは抜群で、学研都市線で京橋・北新地へ行ける。30分ぐらいなのでかなり便利ですね。

一応樟葉駅にもバスが通じていて、これを使えば京阪乗って京都市内に行けるけどどう考えてもめんどくさい。

まぁ普通は学研都市線で東に進んで京田辺駅で新田辺駅から近鉄でしょうね。どっちにしても京都府内なのに京都市へのアクセスはあまりよくない。

さて、ここで第二京阪道路・阪神高速京都線ができたわけだが、ちょうど第二京阪道路が団地の中を突き刺してて、阪神高速は京都駅のほん近くまで通じている。

これは使わない手はない、と思ったのだろう。それで開設されたのが直Q京都号、所要時間は京都駅~松井山手駅で35分ほど。田辺経由で45分ほどかかるのだから速い。

運賃は500円、高いんじゃないのとおもったかもしれないけど田辺経由で近鉄だと570円なのでこれでも安い。

定期券はないけどバスカードはある。1ヶ月20往復利用で18000円ほど。田辺経由の通勤1ヶ月定期が19720円だから高くない。

というわけで大変な人気となり、朝ラッシュ時中心に増発が行われた。高速道路経由だから定員乗車なので需要に応えるのは大変だが京阪バスはがんばっているよう。


山科急行線は阪神高速京都線の稲荷山トンネル区間を利用している。

ターゲットは山科区の南部、このへんから京都市内へは東西線が使えるが、京都駅へ行くには遠回りにならざる得ない。

ちょうど京都橘大学という大学もあることだし、ここへのアクセスも兼ねて走らせてみようということだろう。

余談だけど、京都橘大学はもとは女子大学でしてそのときは京都橘女子大学だったそう。(参考記事 : この大学には女子学生しかいないよ)

京都駅の他に十条相深町、鳥羽街道駅の近くにあってちょうど稲荷山トンネルの入口に当たるところ、から利用できる。

山科区内ではいくつか停留所に止まって沿線でこまめに客集めをするが、小野駅という地下鉄の駅にも停まるのでここで比較してみる。

山科急行線は300円均一で、京都駅~京都橘大学は24分(直行)・30分(各停)、京都駅~小野駅は22分となっている。

さて、京都駅~小野駅だと烏丸御池経由で310円、所要時間は27分、と地下鉄相手でもなかなか使えることが分かる。

実際には利用できる停留所はたくさんあるから、大学や家の近くから京都駅直通となれば便利だろうと思う。

定期券はないがバスカードは使える。さらにPiTaPaの登録制割引も対象で最高でも月10500円で済む。これなら地下鉄より安い。


立命館大学(BKC)線は、草津市にある立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)へのスクールバスですね。

このBKCは地図で見ると大学よりも高速道路が目立つ。ちょうど新名神と名神の接続路が通っていて、この途中に設けられた草津田上ICが最寄りのIC、非常に近い。

鉄道での最寄り駅は少し離れたところにある南草津駅で、近江鉄道バスで10分、運賃は220円となっている。

この南草津駅は1994年4月のBKC開設の6ヶ月後の9月に開業している。まさに大学のための駅だったんだな。

その後、駅周辺の開発が進み、駅開業から17年目の2011年、新快速の停車駅となった。そんな急速に発展を遂げた駅である。

南草津新快速停車は意外なことのようだが、実は滋賀県内で3番目に乗降客数が多いお化け駅だったので当然とも言える。(1位:草津駅、2位:石山駅)

そんなBKCだけど、高速道路が近いんだから高速バスがあってもいいよねって誰しも一度は思うことかも知れない。

そんな高速バスの1つが京阪バスの中書島~BKCのバスで、平日・土曜日に運行している。日曜日は基本的に運休。2008年に運行開始した。

ルートは京滋バイパスと名神高速道路が基本だが、需要が少ないと見込まれる昼間・土曜日は京滋バイパス石山ICからBKCまでは一般道走行でコスト削減を図ってる。

平日はけっこう頻発してて、所要時間は35分(全線高速道路経由)・42分(一部一般道経由)で、運賃は600円。

このバスのポイントはJRへのアクセスの悪い京阪をターゲットにしてることでしょう。

例えば枚方市~BKCを考えると、南草津へのルートはいくつか考えられるけど三条京阪~山科を東西線に乗るルートが普通だろう。

これで運賃は820円、所要時間は1時間ちょっと。BKCへのバスのことも考えると運賃1040円、所要時間は1時間半となる。

それがこのバスを使うと1時間でBKCまで行けて、運賃は京阪320円+バス600円で920円とまだましな金額である。

まぁこのバスは定期券ないんだけど、20枚10000円の回数券がある。月2万円ほどで使える。

通学定期が使える学生からすると高い気もするけど、JRを使ったり都合によりルートを選びやすいメリットもある。日曜運休だし土曜日本数少ないしね。

ちなみにもう1つBKCの高速バスはあって大津駅~BKC、近江鉄道バスが平日のみ運行していて320円、本数はそんなに多くない。


京都学園大学は亀岡市にある大学で、嵯峨野線の亀岡駅からバスで9分で結ばれている。

明治国際医療大学は南丹市にある大学で嵯峨野線の鍼灸大学前駅からすぐのところにある。駅名からもわかる通り鍼灸学部を持つのが特色。

この2つの大学はいずれも嵯峨野線沿線にあるが、これまたJRへのアクセスの悪い阪急沿線の人にとっては使いにくい。

まぁ、阪急大宮駅から二条駅は徒歩15分ぐらいだから歩けんことはないのだが、ろくでもない乗り換えには違いない。それなら最初からJR乗るわって。

そこで京阪バスが目を付けたのは京都縦貫自動車道、大山崎JCT~宮津を結ぶ計画となっていて、現在一部区間ができている。

ちょうど現在開業区間の南端の沓掛ICは阪急桂駅から近い。ここからのバスを走らせれば便利だと考えたのだろう。

ついでに近くにJR桂川駅もあって、嵯峨野線とどっちが便利かは疑問だがここを起点としてみる価値はある。

こうして、京都学園大学へのバスが2008年、明治国際医療大学へのバスが2010年に運行開始された。

両大学ともダンピング回数券を販売していて、桂川駅・桂駅~京都国際大学は所要時間30分・専用回数券は1枚あたり220円(現金乗車は810円)、

桂川駅・桂駅~明治国際医療大学は所要時間44分、専用回数券は1枚あたり300円(現金乗車は1000円)となっている。

いずれも京都駅から嵯峨野線を利用した場合と同じぐらいの時間で桂駅から行けてしまう。しかもダンピング回数券。こりゃ使うしかない。

学校とのタイアップの成果だろうと思う。これ通常運賃ではなかなか乗る気になれんわ。


さて、ここで最初の話に戻るわけだが、京阪バスが開設する京都駅~交野~なんばのバスも第二京阪道路・阪神高速を利用するものとなっている。

停車停留所は京都駅八条口・大石橋・十条駅・高速京田辺・河内磐船駅・京阪交野市駅・なんば(OCAT)となっている。

高速京田辺は松井山手駅に近い。京都市内の利用を除き各停留所相互で利用できる。

京都駅~OCATは80分程度で800円、京都駅~交野市駅は45分程度で600円、高速京田辺~OCATは55分程度で600円、交野市駅~OCATは35分程度で500円かな。

このバスのポイントとしては京都市内・北河内から直通では行けない難波に直通で行けることだろう。

第二京阪から大阪市内に行くとなると、そのメリットを生かせるのは南部だと言われている。北部は現状では遠回りになってしまう。

どうしても近畿自動車道・阪神高速東大阪線から環状線ルートをとらざる得ないから。梅田からだと今も新御堂筋から豊中ICが一般的。

そのため第二京阪は大阪市内から名神・京都市内へのアクセス改善につながると言われても、

使ってるのは南海バスのサザンクロス号(堺・なんば~東京)・近鉄バスの白浜ブルースカイ号(京都駅~田辺・白浜)ぐらい。

この路線はそのメリットを活用した路線といえる、ような気がするが、京都駅~難波だと新快速+御堂筋線でも770円で所要時間50分かからない。

端と端を使うもんじゃない。途中停留所から使ってなんぼである。

松井山手駅~難波を北新地から四つ橋線で行くと50分で800円かかる。乗り換え無しで運賃安いからいいですね。

意外に学研都市線から難波へのアクセスは悪いようで、直行バスができたならというわけで新しい需要までも生まれそうである。

河内磐船駅~難波でも同様のことが言える。所要時間40分・運賃610円。

交野市には京阪交野線が通じているが、枚方市駅から分岐する支線というわけでそんなに使いやすいもんではない。

なので対大阪では学研都市線に客が奪われている面もあるようだが、京都となるとやはり京阪となるのではないだろうか。

枚方市に特急が停まることもあって、交野市~四条は360円、所要時間は45分程度となっている。さすがにこれに対抗する意味は無い。

けど京都駅となると事情は別で、京阪から京都駅、学研都市線から京都駅、どっちも話にならん。まだ京阪で丹波橋乗り換えがましかな。

このルートで所要時間55分程度、運賃は540円、直行バスが圧倒的有利とも言えないけど、乗り換え無しはいいかもしれない。

あと高速京田辺~京都駅はすでに運行されている直Q京都号の補完も果たす。運賃はもちろん同じ500円。


こうして多くの近距離高速バスを走らせることになった背景には、

最近、道路状況の悪かった京都周辺で道路整備が大いに進められた結果だろうと思う。

京滋バイパス・阪神高速京都線・第二京阪道路、いずれも京都市内へのアクセス改善がなされたものと思う。

なんせ元々京都南ICか京都東ICから延々と一般道だからね。京都南ICから京都駅はそんなに遠くないけどそれでもね。

京都はターミナル間の結合が悪いので、京都市内に行ける路線はあるけど、京都駅へ向けて走らせると需要が沸いてくるというのはけっこうある話なのかなと。

山科急行線、そして新開設の京都駅~交野~なんば はそれを意図したものだろう。

逆に京都駅に行きにくいなら、というのを狙ったのがスクールバス3路線だろう。桂駅も中書島駅もそれぞれ特急停車駅ですからね。便利な駅だ。

こういう高速道路を利用した路線は神戸界隈でよく使われていて、三宮~(新神戸トンネル)~箕谷~神戸北町など多数ある。

いずれも鉄道では三宮へ行くのが不便というところに目を付けたものになっていて、団地直結で便利ということである。

大阪でも南海バスが堺東駅・堺駅~大阪南港のバスを走らせたけど、あれも直線距離では近いのに鉄道では不便というところを見いだしたものやわね。

今後も関西では、阪神高速大和川線・淀川左岸線・新名神高速道路(高槻~神戸)など新路線の開業が予定されている。

うまくやれば鉄道より有利に立てる、そんなことが先行事例からも見えてくる。まぁ失敗してもバスは転用できるんだしやってみる価値はある。