GIIIの数も重要

来年からJRAの5つのGIIIがGIIに格上げされるそう。

2027年度開催日割および重賞競走 (JRA)

対象となるのは下記のレースで、いずれもかっこ内のGIの前哨戦である。

根岸ステークス(フェブラリーステークス)
オーシャンステークス(高松宮記念)
キーンランドカップ(スプリンターズステークス)
みやこステークス、武蔵野ステークス (チャンピオンズカップ)

ダートとスプリントというのはGIの前哨戦をGIIとするという考えが追いついていない部分が多くあった。

最近はこれらの路線の活躍馬の国内外での評価が高まったということで、GIIへの格上げが可能になったのだろう。


というわけで、これは納得なのだが、同時にキャピタルステークスがGIIIになるという。

重賞格付けのないリステッドレースの中ではハイレベルであることなど考慮したものである。

それはそうだろうと思う。というのはこのレースは負担重量の決め方がグレード別定のGIIIと同じなのである。

どうしてそんなことになっているのか? それはこのレースがジャパンカップの週に行われるからである。

このレース、ジャパンカップの出走馬に帯同して遠征してくる馬の出走を想定したものなのである。

賞金水準が異なる外国の馬に収得賞金で負担重量を決めるルールは適用しにくい。

そのためグレード別定戦にしているというわけである。

もっともそれで外国馬が出走するのは稀なのだが、2024年にはGoliathに伴って来日したLe Nomadeが出走している。


というわけで格上げが可能なのはなるほどという感じだが、

年間スケジュールとしてはあまり重要なレースとは思えないところはある。

このレースは芝1600mだが、前週にマイルチャンピオンシップ(GI)、翌週に鳴尾記念(1800m, GIII)と近い条件の重賞が続く。

それだけ層が厚い条件とは言えるのだが、あまり重要ではなさそうなのはわかる。

背景の1つにはジャパンカップの週を平日月曜を含む3日間開催にすることがあり、

これは暑熱対策で7レース制で行われる分の付け替えである。

ジャパンカップ翌日の月曜のメインレースということになるそう。


決定的な理由ではないかもしれないがGIIへの格上げに伴い、GIIIの補充が必要になったというのもあるかもしれない。

というのも、重賞の格付けというのは GIよりGII、GIIよりGIIIの方がレース数を多くする必要がある。

5レースもGIIIからGIIに動くと数的なバランスはかなり変わる。

日本で国際格付けのある重賞(JRA重賞+東京大賞典)の数を数えると、

現在はGI:GII:GIII = 25:38:68 であるところ、GIIIからGIIに5レース動くと 25:43:63 となる。

まだバランスは保たれているが、まだGIの前哨戦でありながらGIIIというレースはいくつかあって、

長期的なことを考えればGIIIの補充は必要と考えたのかもしれない。


なお、この格付け別の数的な関係だが、条件別でバランスよくある必要はない。

実際、ダートグレード競走に着目すると GI+JpnI : GII+JpnII : GIII+JpnIII = 15:13:33 となっている。

芝・ダートあわせて、国際格付けと日本ローカルのJpnグレードを合わせて大小関係が成り立っていればよい。

今回、3つのダート重賞がGIIに格上げされると 15:16:30 になりこの問題はとりあえず解消する。

路線別にバランスよく配置する方が好ましいことは間違えない。


3歳戦はGIの前哨戦をGIIとするという考えがすでに多く適用されているが、

GIIIの一覧を見てみると、チャーチルダウンズカップ(NHKマイルカップ)、ユニコーンステークス(東京ダービー)、レパードステークス(ジャパンダートクラシック) とGIの前哨戦がまだけっこうある。

あと、葵ステークスは3歳重賞で唯一の芝1200m戦で、チャンピオン決定戦として重要度が高い。

重賞になったのが2018年、GIII格付けが付いたのが2022年と歴史は浅いが、位置づけ上はGIIでも不思議はない。

そういう状況からすると共同通信杯のように例年レースの評価は高くても格上げできないレースというのは出てくる。

本来、GIIでもよいのにGIIIであるレースを考えると、意外とGIIIは足りてないのかもしれない。


キャピタルステークスといえば2023年に現地で観戦している。

白毛図鑑と出世レース

このとき優勝したのがドーブネ、藤田晋オーナーが千葉サラブレッドセールで5.1億円で買ったという馬である。

馬主デビューのスタートダッシュを切るのに高額でも買ったという側面はある。

このキャピタルステークスがオープン3勝目というなかなか見ない戦績である。

どうしてそれができたのかというと、キャピタルステークスの負担重量の決め方も理由にあったのかもしれない。

重賞にも何度か出走するも重賞制覇はかなわず引退したが、立派な活躍である。

馬主デビュー間もない藤田オーナーにとっては賞金などで語れない価値はあったに違いない。

まぁ5.1億円という値段を見てはいけませんが……