strcpy_sとかmemcpy_s

職場で勤務時間のいくらかは学習時間に充てろという話があって、

社内の研修プログラムの受講とかで時間を費やすなら話は簡単だが、

そういうわけでもないなら何かネタをみつけてやらないといけない。

それで最近はセキュアコーディングというところでC言語の勉強をしている。

ソースコードの解析でこういうのは脆弱性の温床だという指摘はいろいろ見てきたが、

背景や打開策などわかっていない部分もあったので真面目に勉強するかと。


よく知られた話なのだがC標準ライブラリのstrcpy関数はけっこうこわい関数である。

C言語では文字列は文字の配列をNULL文字で終端することで表すのが通常で、

strcpyはNULL文字を検出するまで文字を右から左にコピーする関数である。

この関数が怖いのはNULL文字が出てくるまで際限なく転送してしまうことで、

転送先の配列のサイズなんて考えないわけである。

この結果、想定外の入力が与えられるとメモリ上の他のデータを破壊してしまうことがある。

それが脆弱性の原因となることがしばしばあるのである。


とはいえ、こういう文字列関係の関数は仕事ではほぼ使わないですね。

なのであまり興味はなかったのだが、この問題を緩和するための関数が導入されていたらしい。

C11(ISO/IEC 9899:2011)のAnnex Kで規定された”Bounds-checking interfaces”である。

strcpyに代表される危険な関数に境界チェック機能を追加したものを規定していて、

strcpyに対して strcpy_s のように “_s” を付けた関数名を使う。

NULL文字での終端を前提とした文字列関係の関数は基本的にあるわけだが、

memcpy_s というものも存在するらしい。

memcpyは指定されたサイズのデータを右から左にコピーする関数である。

strcpyと違って指定されたサイズを転送するので、あまりリスクはないと思っていた。

でも境界チェック機能付きのものがあるんですね。


そもそもこの境界チェック付きの関数とはどういうものか、strcpy_sの使用例を見てみる。

char buf[128];
errno_t err;

strcpy(buf, msg); err = strcpy_s(buf, sizeof(buf), msg); if(err != 0){ /* エラー処理 */ }

strcpyとstrcpy_sの使用上の差は2つある。

1つは転送先(上記では”buf”)とともに転送先のサイズ(上記では”sizeof(buf)”)を引数加えること。

もう1つは結果としてエラーコードが返ってくること。

従来のstrcpyは失敗することは基本的に想定しなくてよかったのだが、

境界チェックでひっかかると転送失敗ということになる。

その成否を表す値が返り値として渡されるわけである。

それをエラー処理につなげる必要があるかは設計によるが。


memcpy_sも同じような考えで転送先のサイズを渡すわけである。

memcpy(buf, rcv, len);
err = memcpy_s(buf, sizeof(buf), rcv, len);
if(err != 0){ /* エラー処理 */ }

単純に転送先のサイズより転送サイズが大きければエラーにするだけである。

この転送サイズを示すlenというのは、例えばデータ構造のヘッダに格納されているデータだと、

もしかすると想定外の値が入っていて転送先を破壊する危険がある。

本来はそういうことを意識してチェックする必要がある。

通常のmemcpyでもこういう書き方をすれば、上記のmemcpy_sはほぼ同じであろう。

if(len > sizeof(buf)){
   //エラー処理 }else{
   memcpy(buf, rcv, len); }

ただ、こういうことを個別に考えずとも徹底的に点検できるようにmemcpy_s というのがあるのだろう。


ところでこの”Bounds-checking interfaces”だが、C11ではオプション機能と位置づけられている。

必ずしも対応しているわけではなく、対応しているコンパイラでも

__STDC_WANT_LIB_EXT1__という定数を1にセットしなければならないという。

どうもこれはMicrosoftの提案でC11の規格書に掲載された経緯があるらしい。

STR07-C. 境界チェックインタフェースを使用し、文字列操作を行う既存のコードの脅威を緩和する (JPCERT)

そういえばVisual Studioで_s付きの関数を使えという警告が出てきたことがあったっけ。

元々はMicrosoft独自拡張だったが、規格書に掲載されて一応は標準規格にはなったが、

この拡張について懐疑的に思っているベンダーもあるらしい。


とはいえ、この関数は単なる境界チェックだけでもないんですね。

strcpy_s で転送先のサイズを超過する場合、転送先にはNULL文字を1文字だけ書き込む。

すなわち、転送に失敗した場合は転送先を空文字にするわけですね。

strcpyがNULL文字が出現するまで際限なく転送するという問題に対して、

昔からある標準ライブラリ関数のstrncpyを使うことで最大の転送数が決められるのだが、

これは最大の転送数に達するとNULL終端せずに終わってしまうので、後の処理で問題を引き起こす危険がある。

そういう問題を引き起こしにくいので使いやすいのではないか。


正直、NULL文字で終端されたchar型の配列というのは、

文字列を格納する手段としてはあまり使いやすいものでもないような気はする。

そういう環境で文字列を扱うことの是非は当然ある。

ただ、それが必要な場合にstrcpy_sのような関数を使うのは効果的に思う。

一方でmemcpyは外側でしっかり対策する方が効くのではないかなと思う。

でも徹底的にチェックするという意味でmemcpy_sを推奨したいという考えを持っている人もいるということだろう。


じゃあ、どうやると強固なプログラムを作れるのか?

それはプログラムの性質によるところもあるでしょう。

こうするのが安全と単純に言える話でもないのかなと思った。

病院船の はくおうII

前にこのBlogでPFI船舶のことを紹介している。

PFI船舶に供出される船

現在は新日本海フェリーと津軽海峡フェリーなどが設立した高速マリン・トランスポートが、

はくおうII(元は新日本海フェリーの はまなす)とナッチャンNEO(元は津軽海峡フェリーのブルールミナス)の2隻を運用している。

自衛隊が必要時に使える商船を確保しておくことが目的である。


以前、能登半島地震のときも被災者の宿泊・入浴などのために はくおう が七尾港へ向かっているが、

今回の熊本地震でも行くんだろうなと思っていたら、やはり はくおうII は八代港へ向かって行った。

八代港も地震の被害が激しかったが、はくおうIIが行く分には問題ないようだ。

そして制度上初めて「病院船」に位置づけられ、医療提供を開始した。

八代港で初の「病院船」が医療提供開始…内科診療やけがの治療のほか薬の処方、被災者向けに大浴場も (読売新聞)

被災者の入浴にも対応しているわけですが。


病院船というと、現在横浜港に係留・公開されている氷川丸の名前が思い浮かびますが。

海の横浜を歩く

昔は海軍が専用の病院船を運用して傷病者の救護にあたってきた。

現在、海上自衛隊には専用の病院船というのは存在しない。

ただ、必要時に艦船に野外手術システムを積み込むことは想定されている。

専用の病院船があったところで使い道が限られるというのはあるだろう。


一方で海に囲まれた日本ですから、災害などで医療機能が低下したときに病院船があれば役立つという考えはある。

このために「災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律」が制定された。

医療が必要な人を避難させる脱出船、被災地での医療サービス提供のための救護船の2パターンが想定されていて、

今回は救護船の目的である。ただ、さほど高度な医療体制があるわけではない。

地震後、被災した医療機関もあったが、熊本県内の他の医療機関でカバーしており、

どちらかというと八代周辺での日常的な診察を継続することが目的のようだ。

あえて病院船というほどの話ではないような気もする。


PFI船舶は病院船の担い手としてもっとも想定されているところである。

他の商船を使うことも想定していて、特に脱出船はすぐ行ける船を使うのがよい。

ただ、どのような場合でも、ある程度自由に使える船はPFI船であろうと。

とくに元長距離フェリーの はくおうII はスタッフや患者が滞在するための設備が充実している。

はくおうII を病院船とは言わないだろうけど、実質的にはそうなんだろうなと思いましたね。


病院船といっても使われるシチュエーションはいろいろある。

自衛隊員の救護を中心としていれば護衛艦への機材積み込みが中心になるだろう。

野外手術システムをPFI船舶に積み込むことも想定にはあるらしいが、

現状は自衛隊の船で運用する方が訓練実績などからすれば優位では?

一方で今回の様に軽症の民間人の救護を目的としているなら、

あまり特別な船は必要ないように思えて、もっと小回りの利く船を借りて対応するなどもあるのだろう。

今回は八代だけで済んでいるけど、場合によっては複数箇所に展開したいこともあるでしょうし。


ところで日本では専門の病院船があっても使い道が限られるだろうと書いたが、

インドネシアでは専門の病院船が平時から活躍しているらしい。

インドネシア海軍では3隻の病院船が運用されていて、離島を巡回しているという。

もともと離島の医療体制は脆弱なため、それをカバーする目的がある。

病院船で定期的に専門的な診療を受けている人もいるのではないか。

そしてインドネシアも地震の被害を受けやすい地域である。

いざとなれば被災地でそれなりに高度な医療も提供できるように考えられていると。

揚陸艦をベースとしており、救急車も積み込んでいるので、

港を拠点に陸に入り込んで救護活動をすることも可能である。

日本ではそこまでの体制を平時から持っておく必要はないだろうが、

自衛隊も民間も多目的な船や機材を持っているので、それを活用するのがよいという話なんでしょうね。

民間にはPFI船や赤十字社のような公的な性格が強いものも含みますが。

永住許可の条件が厳しくなったとて

前々から話は出ていたのだが、永住許可の基準の明確化、永住者の在留資格の取消の基準がパブリックコメントに出たそう。

理解できる部分はあるのだが、嫌がらせにしかならない部分もありそう。


特に就労系の在留資格で長く滞在する人にとって永住許可を得ることには大きな意味がある。

就労系の在留資格を持っている本人にとっては職業選択の自由が増えるわけだが、

それ以上に大きいのは家族滞在で在留する家族も永住者となることで、

これにより配偶者や子の職業選択の自由が大幅に増えることになる。

前にも書いたのだが、帰化や永住には生計要件があり、働いていない子だけが帰化や永住することはできない。

しかし、家族揃って帰化や永住許可を得ることはできるので、

親がこのような要件を満たしているかどうかは子供の人生を左右するものではないか。


まず、そもそも永住許可を与えるかどうかという話だが、

生計要件については、日本人世帯の平均収入を上回る水準が継続しているか、

そして将来の年金支給見込みは十分か、不足する場合は十分な資産があるかという要件が増える。

こういう話が出てきたのは日本に渡ってきて老後に困る外国人が多いことが判明したからだろう。

比較的若くて安定した職にあればそんなに困る条件ではないが、

年齢によっては今さらどうにもならないということは考えられる。


国益要件だが、ここはいろいろ書き足されている。

日本への定着という点で、日本語能力、義務教育年代の子を学校に通わせること、日本の制度への理解があることが掲げられている。

日本語能力はB1相当以上ということで日本語能力試験のN3の受験などで立証できそうだ。

日本の小学校~高校に6年以上通っている場合などは改めて要求することはないと書かれている。

あと高度人材外国人についても日本語能力は求めないとある。

このあたりは努力によりなんとでもなりそうな話である。


ただ、厄介な話も書かれていて、それが子の永住許可である。

永住者の子は通常は永住許可が認められ、永住者となることが多い。

これは本人が生計能力などなくても永住許可が出せるためである。

ただ「申請者の属する世帯が、現に公共の負担となっている場合や、そのおそれが現実的である状況」では消極評価をするとある。

今でも親の素行が悪い場合には子の永住許可が出ないことがあるというが、

親が貧乏な場合は、永住者の子でも永住許可が出ないことがあると。

もっともその場合、日本で生まれていることが前提だが「永住者の配偶者等」の在留資格が認められる。

これも日本での活動には制約がないので、問題は期限付きであることか。

じゃあ更新を認めないことが可能なのか? けっこう難しそうですが。


それは永住者の在留資格取消についても言えることである。

入管法に規定する義務を遵守しないこと、故意に公租公課の支払をしないこと、特定の刑罰法令違反により拘禁刑に処せられたこと

の3つの要素のいずれかにあたる場合に永住者の在留資格を取り消せるというものである。

適用対象としてはかなり悪質なケースを想定している。

ただ、このガイドラインを見ていると「職権変更」という言葉がある。

永住者の在留資格を取り消すということは、日本への在留が認められなくなるということだが、

そもそも永住許可が出るような人は日本との地縁が相当ある人である。

このため日本への在留継続を認めざるを得ないケースが大半ではないかと思う。

多くの場合は定住者の在留資格への変更が職権でなされるだろうという記載もある。


なお、永住者の子や配偶者として永住許可が出た人の在留資格は取り消されることはないとある。

永住者の子にとっては「永住者の配偶者等」は永住者の子として生まれれば、その後の親の在留資格は関係ない。

配偶者はそうもいかないが、これも定住者の在留資格を認めることになるだろうとあった。


結局のところなんやかんやと言っても、一度永住許可が出たような外国人や、永住者の子の在留資格は認めざるを得ないんですよね。

そういう人に永住者の在留資格を認めないというのは嫌がらせにしかならないのでは? というのが僕の理解である。

年金の支給見込みが低いので永住許可は出さないということは考えられるが、

現に就労系の在留資格で日本で働く限りは問題はないはず。

退職後は家族もろとも帰国だと言われても、それが現実的かは疑問である。

元は家族滞在だった子や配偶者が他の在留資格や資格外活動許可で働いていることもあるだろう。

永住許可が出ないことで家族の職業選択を縛って日本への定着を遅らせた上に、

結局は定住者の在留資格など認めざるを得ない状況はあるかもしれない。


日本への定住を目指すならば、これらの要件を満たすように努めるようにいう指針としては価値があろうかと思う。

日本語能力、子を学校に通わせること、日本の制度への理解、年金など老後の備え、

こういうのが重要であるというのはとても納得感があるし、

これを実現するためには受け入れ機関の協力も重要である。


でも、それを満たさないからといって追い出せるわけではないと。

確かに在留資格の中には定住を想定していないものというのもあって、

技能実習はその1つで、そのため家族帯同を想定していない。

いつでも追い出せるように定着させないというのも外国人との関係性の1つにはある。

ただ、特に就労系の在留資格で来る外国人は何らか日本での役目があって、

経験を積んだ人をいちいち帰国させてはもったいないわけですよね。

技能実習の話を書いたが、2027年から育成就労という新たな在留資格で代替される。

これは日本で人手不足のある産業分野の働き手を育成することを主な目的としている。

すぐに家族帯同は認めないが、十分な技能や日本語能力が立証されて特定技能2号になれば認められる。

元々日本国内にいる配偶者や日本で生まれた子の在留資格は認められるだろう。(cf. 告示外の特定活動で救われるかも)


そうして日本に必要とされた人の家族の暮らしはやはり重要で、

従来はそこを家族揃って永住許可を受ける方法で解決してきた。

しかし、そのハードルが上がると別の手段を考えないといけない。

1つにおいては日本の高校卒業者の在留資格ですよね。

日本の高校を卒業して就職先が決まると、小学校から日本の学校に通っている場合は定住者の在留資格が認められ、

それ以降からの場合は風俗営業以外での就労が可能な特定活動の在留資格が認められる。

そこから5年働けば(進学した場合はその期間を含む)、定住者の在留資格を認めるとある。

定住者になって一定期間経てば、自力で永住許可を受ける道も開ける。


あと育成就労というのもあるんですよね。

今の技能実習は本国に帰国して能力が発揮できることが前提となっている。

しかし育成就労は主な目的が日本で人手不足の産業分野の働き手を育成すること。

この目的にかなうならばすでに日本国内にいる人でもかまわない。

なので家族滞在で在留する配偶者がこのパスに乗ることもあるのでは? という話もある。

家計全体として老後の懸念がなくなれば、そこから永住許可という道もあるかもしれない。

(家計の収入としてカウントするためには特定技能2号まで進まないといけないけど)


こういうガイドラインが出てきたのも、情勢不安もあるのでしょうけど。

日本の在留資格の基準が厳しいか緩いかは一概には言えないが、

元々は平穏に長く在留していれば永住許可が出る傾向はあって、

国籍にもよるが日本で永住者になっているといろいろ都合がよいと。

そういうところで狙い目という話はあったようである。

そこでより明確な指針をいくつか示したということである。

ただ、この基準を適用して永住許可を出さないとか、在留資格の取消・変更をしたところで、

それで追い出される外国人なんてどれぐらいいるの? と思うんですよね。

そうならないように努力を求めているけど、努力してどうにもならない人もいるわけですからね。

アメリカ競馬は日本のダート三冠を見た?

こんなニュースが出ていて、予兆はあったが実際出てくると驚く。

米競馬界に激震、全6戦の新3歳王者決定シリーズ創設 プリークネスS排除で伝統の3冠が事実上の解体へ (スポニチAnnex)

ちょっと大げさなタイトルなのだが、実際それぐらいのインパクトはありそうな話。


各国の競馬で3歳の三冠レース体系があるところ、そもそもないところありますが、

ヨーロッパにおいてはほとんど形骸化したと言われている。

そういう中では日本とアメリカは近年でも三冠挑戦、三冠達成はあると言われてきた。

日本では本家イギリスのクラシックレースの体系をよく残しており、

特にセントレジャーを本来の形に近い形でやっているのはイギリスと日本の菊花賞ぐらいで、

その本家セントレジャーは三冠挑戦なんてまず見ない状況になって長いから、

日本の菊花賞は世界的に見てもとても特異的なレースだとされている。

クラシックレースにはない秋華賞を加えた牝馬三冠も挑戦・達成が多い。

一方アメリカは ケンタッキーダービー、プリークネスステークス、ベルモントステークスからなる短期決戦の三冠レースが行われている。

完走するだけでも大変な短期決戦を勝ち抜くのが強いということだろう。


近年でも2018年にJustifyが三冠達成しており揺るぎないと思っていたが、

ここ最近はケンタッキーダービー優勝馬がプリークネスステークスをスキップする傾向がある。

今年もGolden TempoはKYダービー優勝後、プリークネスステークスを飛ばしてベルモントステークスを連勝している。

(もっとも2024~2026年はベルモントパーク競馬場の工事のため本来の2400m戦ではなく2000mである)

さっきも書いたようにアメリカの三冠レースは完走するだけでも大変で、

3レース完走すると中1週・中2週と走らないといけない。

これがプリークネスステークスを飛ばすと中4週となりだいぶ楽になる。


そういう既成事実を元にして、チャーチルダウンズ社とニューヨーク競馬協会が組んで、

ケンタッキーダービー、ベルモントステークス、トラヴァースステークス、

そして9月にチャーチルダウンズ競馬場で新設されるレースを中心としたシリーズを立ち上げると言ったわけである。

トラヴァースステークスは8月にサラトガ競馬場で行われ、ミッドサマーダービーの異名がある。

ブリーダーズカップの前哨戦として使われることもある重要レースである。

なんか聞き覚えがあるなと思うわけですよね。

そう、2024年から始まった日本の3歳ダート三冠である。


ヨーロピアンスタイルの3歳ダート三冠

元々、日本でも短期決戦の三冠レースだと南関東(大井)や兵庫では行われてきた。

ところが地元馬所属馬限定のレースとダートグレード競走が入り交じるなどの事情もあり、

なかなか上手く行っていなかった実情というのはある。

そこで元々南関東のローカル重賞だった羽田盃と東京ダービーをJRA所属馬を含む全国の馬に開放、

ジャパンダートダービーあらためジャパンダートクラシックを10月に移設、

それに合わせた前哨戦を整備する「全日本的なダート競走の体系整備」が行われた。

ダートなのにイギリス式の三冠という組み合わせになった。


これと新しい「サラブレッドチャンピオンシップシリーズ」はすごく似てるんですよね。

元々トラヴァースステークスというのがあるので、

9月にチャーチルダウンズに新設されるレースとの関係は気になるが。

しかし、いずれにしても共通して言えるのは、その先にブリーダーズカップがあるということである。

ケンタッキーダービーからこれらのレースを転戦するのもあるだろうし、

そこは逃したがベルモントステークスなどから合流してチャンピオンを目指すのもあるが、

いずれの場合でもブリーダーズカップの前哨戦として大きな価値を持つレース体系である。


ここがすごく日本と似ていて、ヨーロッパとは違うんですね。

菊花賞・秋華賞まで3歳戦を走りきった先にはジャパンカップや有馬記念などがある。

ジャパンダートクラシックもRoad to JBCとして優勝馬にはJBCクラシックの優先出走権が与えられる。

地方競馬はJBCを重視していて、JBCにつながるレース体系というのが重要だったと。

日本では一流馬でも長く現役を続けることが多く、特にダートは出走枠争いが厳しい。

3歳秋にスムーズに古馬戦に合流するには秋の3歳戦が重要と考えられたと。

転戦先としてはJBCとともにチャンピオンズカップもあるのだけど、

なんと移設初年の優勝馬はBCクラシック参戦のためにアメリカに渡っていったのだった。フォーエバーヤングのことである。

ともかく、秋の3歳戦を走りきって古馬戦に合流するのは理にかなっているわけである。


ヨーロッパの場合、10月にある凱旋門賞やチャンピオンステークスが平地では1年の締めくくりとされる。

その後は障害レースの季節らしいですね。

セントレジャーをこれらのレースの前哨戦に使うことはできるものの、

1970年に三冠達成後に凱旋門賞で2着に敗れたニジンスキーが頭によぎるのか、

もうこの時期になればわざわざ3歳戦を走ることはないという考えになって行ったようだ。

なお、1970年以来、本家イギリスのクラシック三冠を達成した馬はいない。

ヨーロッパでは一流馬だと3歳引退も多く、日本ほど古馬戦の壁はないのだろう。


アメリカも日本ほどは古馬戦の壁は高くないとは思うが、

一方でその後ろにあるブリーダーズカップの前哨戦に好適で、

すでに定着しているトラヴァースステークスともども盛り立てていこうということだろう。

ここはまさにRoad to JBCに位置づけられたジャパンダートクラシックととても似ているわけだ。

ケンタッキーダービーを境にして、その前哨戦はRoad to the Kentucky Derbyで出走枠を競い、

それ以降はサラブレッドチャンピオンシップシリーズとしてチャンピオンを競うと。


ただ、気になる部分もある。それは今のプリークネスステークスとの関係である。

冒頭に書いた「プリークネスS排除で伝統の3冠が事実上の解体へ」というタイトルは大げさなところはあるが、

全く的外れな話でもなく、メリーランドジョッキークラブはこの枠組みには関与していない。

調べてみると、メリーランドジョッキークラブはプリークネスステークスの権利の全てを今年取得したそうである。

メリーランド州、チャーチルダウンズ社からプリークネスSの知的財産権を取得(アメリカ)【開催・運営】 (JAIRS)

チャーチルダウンズ社がプリークネスSの権利を取得しようとしたら、

メリーランドジョッキークラブが優先取得権を行使したという話のようだ。

このあたりは複雑な話だけど、私企業と公企業が入り交じる事情によるもののようだ。

もしかすると三冠レースの再配置を目論んでいたが、思った通りには行かなかったのかも知れない。


今後のプリークネスステークスの位置づけがどうなるかはわからない。

もっとも単純なのは今の三冠はそれはそれで続くというものである。

三冠目指してプリークネスを走る選択もあるし、それを飛ばしてチャンピオンを目指すのもある。

なんやかんや言っても伝統あるレース体系は重視されるものである。

あるいは新たなシリーズに合わせて三冠や四冠が定着するのかもしれない。

その場合はプリークネスステークスは別の意義を見いだす必要がある。


思い返して見れば日本の3歳ダート三冠は大井競馬が三冠ボーナスを含む賞金を用立てすることで実現した。

所属馬の出走機会に困っていたJRAにとっては渡りに綱だったが、

他の地方競馬主催者にとってみればご当地ダービーを失うなどの問題もあった。

そこで「全日本的なダート競走の体系整備」で全国的なレース体系を見直したと。

兵庫チャンピオンシップは1870m→1400mに短縮して3歳短距離チャンピオン決定戦に、

今はJpnIIだが、将来的にはG1級を目指すという方向性が示されている。

「3歳秋のチャンピオンシップ」最終戦のダービーグランプリ(地方全国交流)をやっていた盛岡は、

これに代えてジャパンダートクラシックの重要な前哨戦を行うこととなった。

これが不来方賞で、地元重賞の名前を引き継いでいるが、ダービーグランプリの実績からJpnIIとなっている。

地方デビュー馬への新たな優遇策としてネクストスターという地元デビュー馬限定の重賞が設定された。


しかし、プリークネスステークスよりベルモントステークスが重視されるんですね。

ベルモントステークスは世界的にも珍しいダート2400mのG1である。

ダート競馬では1800~2000mに重要なレースが集中している。

芝の3000m級ほど吹っ飛んだ数字には思えないが、

ダート競馬の世界では2400mというのは異様に長いレースである。

ここ3年はサラトガの2000mで代替開催されていたという事情はあるが、

プリークネスSを飛ばしてKYダービーと連勝するのが続いたことで、この流れは決まったということなんだろうな

日本のダート三冠でも2000mより長い距離を考えたような話がある。

ただ、先に続くレースがないということで、ジャパンダートダービーを引き継いで2000mになったとされている。

芝だと菊花賞の先には天皇賞(春)があるのだけど、ダートは今からでは難しかろうと。

それはそうだねと思っていただけに驚いたわけですよね。

東京ドームで主催試合をする意味

オリックスバファローズが東京ドームで主催試合をして、ほぼ満員だったらしい。

すごいなぁと思うのだけど、かなり勝算があってのことだったようで……

【オリックス】17年ぶり東京ドームで主催ゲーム開催のワケは?チケットほぼ完売 (日刊スポーツ)

ファンクラブ会員の状況から関東圏のファンが多いため、東京での主催試合を計画し、

しばらく時間はかかったが実現して、今後は恒例にしていきたいですねと書かれている。

昨日まで所沢で試合をして、今日試合をして大阪に戻って大阪で2試合という形らしい。

会場の問題だけではなく、1試合だけやるというのはこういう調整も必要だと。


その昔は東京ドームでの主催試合は定期的にやっていたのだが、2010年以降は途切れてしまったとある。

以前も書いたことがあるのだが、近年はオリックスバファローズは大阪・神戸以外での試合は少ない。

地方開催試合の多い球団・少ない球団

2006年にオリックスが経営破綻した大阪シティドームを買収、

以後、大阪ドームでの主催試合を基本とするようになっていった。

それでも神戸での試合は一定確保され続けているわけですが。

それ以外では毎年恒例と言えるほどの会場はないようだ。


6月22日に楽天イーグルス、6月30日にソフトバンクホークスが東京ドームで主催試合を行っており、

パ・リーグ球団の東京での主催試合が相次いだ印象はあるが、

東京開催のモチベーションとしてはグループ会社の関係者を招く意味も大きいようだ。

楽天もソフトバンクグループも本社は東京である。

オリックスにしても東京に多くの従業員がいる。(登記上の本店は東京らしい)

ビジターゲームで関東圏での観戦機会は比較的あるのだけど、

主催試合であることで招きやすいというのは確かなようである。


なんて話を聞くと社会人野球っぽい感じもありますが。

今月には都市対抗野球も始まりますし。

もちろん東京ドームで試合をするというだけなら交流戦で隔年ではあるわけですけど。

ただ、それはジャイアンツ戦ということで肩身が狭いでしょうから。

そこにはファンサービスとはまた違う尺度があるのかなと。


東京ドームでほぼ満員ということは、大阪ドームより人が入るということで、

今日の試合は今季最多動員となったそうである。そりゃすごいな。

試合の方もいろいろあったようだけど、無事に勝ったようで、よかったのではないかなと。

なんで右側通行と左側通行を入れ替える?

日本では見ないスタイルなのだけど……

渋滞と事故を減らす新デザインのインターチェンジ開発がアメリカで進行中 (Gigazine)

Diverging Diamond Interchange(DDI)という高速道路のインターチェンジの一方式なのだが、

右側通行~左側通行~右側通行と入れ換えるという不思議な方法である。


日本では見ないと書いたが、アメリカで近年導入が進んでいるというもので、

ほとんどアメリカ特有と言ってもよいのかもしれない。

この右側通行と左側通行を入れ換える場所は信号で制御されている。

どうにも中途半端な気がするが、これはダイヤモンド型のインターチェンジの構造を少し変えたものである。

日本で見ないのは、そもそも日本にダイヤモンド型のインターチェンジが少ないからというのもあるのかも。


ダイヤモンド型というのは高速道路と出入りするランプと一般道が直接交差するというもの。

コンパクトなのはよいのだが、料金所を設置する場合に数が多くなる欠点がある。

日本でも無料の高速道路や均一制の高速道路では使われることもあるけど、それでも珍しいかも。

欠点は一般道とランプの出入りに日本で言えば右折が発生すること。

右側通行のアメリカで言えば対向車線を横断するのは左折ですか。

それが高速道路をまたぐ両側で発生するので大変なのかもしれない。

そこで考えられたのが右側通行と左側通行を入れ換えるという方策だったようだ。


ただ、入れ換えるところでは信号制御が必要なんですけどね。

とはいえ左折する車両のことは考えなくてよいので、交互に流すだけの簡単な制御で対応できる。

基本的な構造はダイヤモンド型のときと変わらないので、改築は比較的容易で、

それがアメリカで導入が進んでいる理由らしい。


日本では料金所設置の都合もあり、高速道路からトランペット型などで分岐させて、料金所を経て一般道につなぐことが多い。

一般道との接続部は単純にT字路で信号制御で対応していることも多いし、

場合によっては一般道との接続部もトランペット型などで立体化していることもある。

こういうのはダブルトランペット型というのかもしれないが、

高速道路同士のジャンクションでもしばしばみられる構造である。


無料の高速道路と言われて思い浮かぶのは名阪国道だが、

不完全クローバー型が多い印象はあるが、ダイヤモンド型もある。

国道163号線と接続する中瀬ICなどがダイヤモンド型である。

左矢印信号の出せる信号機を使って制御しているようで、

車両が交錯しないように順番に信号を変えているようである。

ここは名阪国道亀山方面~R163大阪方面の流れが多いはずなので、

この向きの青信号が長くなるように制御すれば対応できるのだろうが。


他にもダイヤモンド型の変種としてSingle-point urban interchange(SPUI)というのがあるそう。

これは高速道路の真上の交差点1つで一般道との交差を解決しようというもので、

アメリカで言うところの左折車同士を同時に流せるところが特徴である。

これも日本ではなかなか見ない形なのかなと思う。

東京外環自動車道と首都高速の交差する美女木JCTがスペース上の制約でSPUIになっている。

それぞれ直進する車はそのまま進める。

併設された戸田出入口との関係で、首都高速の大宮方面との直進も想定されている。

SPUIは高速道路の真上に交差点を作るので構造物が大きくなるとか、

歩行者の横断が難しくなるとか欠点はあるが、高速道路同士なら問題ではない……

が、そもそも高速道路同士を信号処理で接続するのは苦肉の策である。

写真を見ると信号注意の標識が大量に設置されている。


でも、SPUIを見て、なんで左右を入れ換えるDDIが必要だったというのはわかった気がしますね。

ダイヤモンド型のインターチェンジを信号制御で対応しようとするとサイクル数が増えるので、

各方面に均等に利用があるようなインターチェンジでは対応しにくい。

そこをシンプルに解決できる方法というのが左右を入れ換えるというやり方だったんだろうな。

ただ、やはり左右を入れ換えるというのは混乱を起こしやすいようで、

あまりよい方法とも思えないところはある。アメリカ特有なのもそんな話なんだろうな。

屋外プールで着るシャツ

市営プールには屋内と屋外のプールがあり、屋内は通年で使えるが、

夏になると屋外プールもオープンして泳げるようになる。

ちょうど小学校のプールの授業が始まる6月頃から人が増え始め、

夏休み期間は大混雑なので屋外プールがないとまともに泳げる状況ではない。


というわけで屋外で広々泳ごうと思うわけだけど、

先々週にプールに行こうと思ったときに、すさまじい日差しでこれでは日焼けが大変そうだと。

それで日がある程度落ちた夕方に出かけて泳いできたのだが、

これも別に日焼けしないわけではないだろうし、どうだろうなぁと。

あと、朝からだんだん熱せられたプールの水がぬるいというのもどうなのかと。


で、特に夏は水泳用のシャツなど着て泳いでいる人も多い。

やはりそういうものは必要かと思い、先月20日にイオンモールに行った時に見て回っていたが、

メガスポーツで水陸両用のシャツが売られていて購入した。

オーナーズカードを出すと10%引き(通常5%+20日・30日で5%という意味らしい)になった。

というわけで夏はこれを着て泳ぎましょうと。


というわけでやったわけだが、当たり前と言うべきかそれなりに泳ぎにくい。

乾いているときとは質感がかなり変わり、ぶよぶよ重い。

比較的吸水して重くならない繊維なのだと思うが、それでもこんなに変わるのかと。

水よりは軽いので多少なりとも浮力というのはある。

でも、泳ぐことは出来るし、かなりの範囲をカバーできていることは確かである。

あと、午前中は日差しは強いが、水はまだ冷たいので気持ちが良い。

屋外プールの営業期間はこれでいくかという感じでしょうかね。


水陸両用なので水泳以外に使ってもよいのだけど、

この目的ではすでにバイク用に買ったシャツで達成されてるんだよな。

日焼け止めシャツ

水辺で遊ぶならという話だが、そういうのもなかなかない。

水泳で使うなら夏は一定ニーズはあるだろうけど、それもちょっと考え物な話はあって……

でもそんなに高いものではないので、これはこれでよいのではと。