組織変更の対応で引越をやっていた。
といっても僕はすぐ近くの机に動くだけでほとんど変化はないが。
フロア内の人口は純増で、なかなかむさ苦しい職場である。
公共施設の整備・運営手法にPFIというのがある。
Private Finance Initiative ということで民間資金の活用ということですね。
これ、一体どんな風に活用されているのかというのが気になった。
形態として多いのがBTO方式である。
Build-Transfer-Operate ということで、所有権は行政が持つ一方、
その建設と維持管理という部分を民間企業に委ねる形である。
既存施設の改修に適用する場合は RO方式(Rihabilitate-Operate)となる。
その中でも件数が多いのが庁舎・官舎といった不動産の整備・管理のよう。
所有権こそ行政だが、民間が建てたビルを行政が借りる形に近い。
民間企業のノウハウが多い分野で、大きなリスクが生じにくいのも理由なのだろう。
ところでコンセッションと呼ばれる形態もある。
コンセッションというのは日本語で言えば公共施設等運営事業となるよう。
行政が所有する施設の運営権を民間企業に与えて、行政はその対価を得るという仕組みである。
この特徴から使用料収入で運営費が賄えることが前提となる。
現状、導入事例が多いのが空港ですね。
元々民間企業がやっていたターミナルビルの運営と統合することを目論んでいる。
有明アリーナがコンセッション方式だというので、どういう経緯か調べた。
有明アリーナは建設時点では東京都が自ら発注していた。
言うまでもなくオリンピック合わせの新設の体育施設の1つである。
多くの施設は使用料だけで採算が取れないことということで、
指定管理者制度で民間企業に管理を委ねる形態を取っている。
ただ、有明アリーナだけはコンセッション方式が適用可能と判断し、
公募を行った結果、電通を代表者とするコンソーシアムが運営権を得ることとなり、
その対価は年3.85億円+業績連動分となっている。
東京都はこれにより整備費の一部を賄うことができているというわけ。
整備段階から関与しているとBTO形式でいいんですけどね。
というのが愛知国際アリーナ(IGアリーナ)である。
ここは建設費400億円の想定に対して、愛知県は200億円しか払わない。
その代わり、使用料を運営者の収入としてよいということである。
「BTコンセッション方式」とか書かれているけど、全体的にはBTO方式のような気がする。
変わり種としてはパシフィコ横浜ノースがあって、BTO方式とコンセッション方式が併用されている。
どういうこと? と思うのだが、この施設はかなり複雑である。
まず、パシフィコ横浜ノースには会議・展示施設は横浜市の施設だが、併設するホテルはそうではない。
これを一括して建設・管理する必要があり、竹中工務店らによるコンソーシアムが組まれた。
一方で既存のパシフィコ横浜と一体的に運用できなくては意味がないので、
この部分の運営は(株)横浜国際平和展示場に委ねる他なかった。
そこはコンセッション方式で同社に運営権を売却する形にしている。
同社は使用料を得る一方、運営権の対価を横浜市に支払う形となる。
ちなみにパシフィコ横浜の既存部分もPFIが採用された施設である。
ここは土地は横浜市所有、国立大ホールは国が建設したが、
他の施設は横浜国際平和展示場が建設・所有するという形になっている。
もっとも横浜国際平和展示場という会社は横浜市・神奈川県が多くを出資する会社である。
実態としては行政が民間を巻き込んで作った会社である。
民間企業が主体的に経営するわけではないから許された形式と言えそう。
なんでこんな話を書いたかってこんなニュースを見たから。
千葉マリンスタジアム移転、イオンモールが事業参画 集客効果狙う (日本経済新聞)
千葉マリンスタジアムは幕張メッセ駐車場の場所に新築移転する計画が進んでいる。
ここにイオンモールが参画するという話である。
イオンモールは言うまでもなくショッピングモールの経営を主にしているが、
住宅・オフィス・物流施設など複合させた施設にも取り組んでいる。
道路を挟んだ向かいにはイオンモール幕張新都心がすでにあるため、
ショッピングモールとスタジアムの一体的な経営を目論んでいるよう。
現時点で確定しているのは、公園施設として設置され、スタジアム自体は千葉市所有となること。
そして当然のことながら、これは千葉ロッテマリーンズの本拠地として使われること。
球団経営を考えると売店なども一体経営したいはずである。
あと野球場としての運営実務は球団に任せる方がよさそうではある。
どこまでイオンモールが関与するのかというのは気になるところである。
いずれかのPFI手法は活用されるのだろうが、果たしてどういう形になるのか。