正攻法ではない暗号化

職場で使っているメーラーのアドオンは、社外にあてて送るメールでは標準で添付ファイルの暗号化をするようになっている。

暗号化って言ってもパスワード付きZIPで圧縮して送るってことだけど。

必ず暗号化しないといけないわけでもなく、そこは各自判断ということなんだけど。


問題はそのパスワードをどうやって伝えるかという話である。

たいてい他の手段がないので、パスワードも同じくE-mailで送るということになりがちである。

ただ、暗号化された添付ファイルの付いたE-mailもパスワードを伝えるE-mailも同じ経路で流れるだろうから、

一方が盗み見られれば、もう一方も多分見られているので、あまり意味があるとは思えない。

そんな重要なデータではないといえばそうなんだけどさ。


あらかじめ、お互いで何か共有できているものがあれば、それを使えばよくて、

見積書に対して注文書を返送するとき、見積書番号をパスワードにして暗号化するということをやっている。

これなら、パスワードもE-mailで送るということをやらなくて済みますからね。

ちなみにこのツールはパスワードを自動生成することもできるが、自分で決めることも出来る。


E-mailを暗号化する方法として、まず思いつくのはS/MIMEだが……

E-mailに署名したり暗号化したりしてみた

S/MIMEのそもそもの問題として、E-mailアドレスごとに個人用証明書が必要と言うこと。

認証局から証明書を発行してもらうにはお金がかかるケースが多いので大変だ。

署名は差出人が証明書を持っていれば済むが、暗号化には差出人と受取人の両側で証明書が必要である。

こんな条件が揃うことは稀だろう。


一方で、E-mailの暗号化方式としてはPGPも使われている。

S/MIMEでは認証局がこの人のものに違いないと証明された証明書(公開鍵)を使う。

なので信頼のおける認証局が発行した証明書であればOKということになるが、証明書の発行にいちいちお金がかかる。

一方でPGPでは、公開鍵のやりとりは個人間で行い、それが信頼できるかどうかは各自判断ということになる。

なので認証局にお金を払う必要はないが、どうやって公開鍵が信頼できるか確認するかが問題。

PGPを運用するなら、公開鍵のフィンガープリントを名刺に書いておくとか、そういう対応が必要だよね。

あと、S/MIMEは標準対応しているメーラーが多いけど、PGPはそうもいかない。Thunderbirdはアドオンで対応している。


そういう前提条件なしにできる暗号化なんて高々知れてるんですよ。

パスワード付きZIPでの暗号化はそもそも気休め程度の対策だが、

それでもパスワードが既知ならそんなに悪くない気はする。

パスワードもE-mailで送るというのはちょっとお粗末だけど。

会社は同じでも屋号は違う

最近、ニュースで東京新聞の記者の話がちらほら出てくるが、

東京新聞って中日新聞だよなぁ、と思いながら聞いているが、そのことに言及するメディアは見ていない。


中日新聞社は名古屋に本社を置く新聞社である。

全国展開はしていないが、広域展開している新聞社ということでブロック紙と言われている。

東海・北陸・関東で展開しており、地域によって異なるブランドで新聞を発行しており、

愛知県・岐阜県・三重県・長野県・滋賀県と静岡県西部・中部では中日新聞、

関東地方と静岡県東部・中部では東京新聞、石川県・富山県では北陸中日新聞、福井県では日刊県民福井を展開している。

特徴的なのが静岡県で、浜松に東海本社という拠点を置いて、中日新聞 東海本社版の発行を行っている。

これは浜松を中心とする静岡県西部で多く読まれているが、静岡県東部では展開していないとのこと。

一方で静岡県東部では東京新聞静岡版が発行されていて、さらに静岡県中部の一部では中日新聞と東京新聞の両方が購読できるエリアがあるらしい。


中日新聞は全国展開していないが、愛知県周辺で高いシェアがあるため、

発行部数では毎日新聞を少し下回る程度と、全国紙とも遜色ない。

さらに東京新聞などを合計すると毎日新聞を超えるということで、なかなかのもの。

東海・北陸・関東の広域で展開していることや、事業規模も大きいことがあって、取材拠点も充実しているようだ。

ローカル新聞社は他地域のニュースを通信社から買うことが多いが、依存度は比較的低めとのこと。


どうして中日新聞社は4つのブランドを使い分けているのかというと、もともと別の会社だったのを合併した経緯があるから。

東京新聞は、130年余の歴史を持つ新聞です。「東京新聞」の名前は昭和17年(1942年)に「都新聞」と「国民新聞」が合併したときからですが、その前身までさかのぼれば、誕生は明治17年(1884年)になります。いま、唯一の「首都圏の地元紙」として東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、群馬、栃木の1都6県、そして静岡県を主な発行区域にしており、その「分かりやすい記事」「親しみの持てる紙面」は、多くの読者に親しまれています。

「唯一の首都圏の地元紙」と書かれているが、東京都では唯一と捉えた方がよさそう。

新聞のブランドは各地で異なるが、取材拠点は全社で共有している。

中日新聞東京本社は東京新聞の発行を行うとともに、中日新聞社の関東地方での取材を担っている。


そして、東京新聞は新聞のブランドであるとともに、中日新聞東京本社の屋号でもあるらしい。

中日新聞社では取材対象の性質上、政治部を東京本社に置いているらしいが……

東京新聞政治部 (Twitter)

自己紹介に「東京新聞(中日新聞)政治部」と書いてある通り、中日新聞社の政治部は東京新聞を名乗っているんだよね。

だから「東京新聞」の記者が取材した内容は、当然、中日新聞にも掲載されるわけである。

東京ではあえて「中日新聞」を名乗る記者はほとんどいないのかもしれない。それも嘘ではないが。

逆に愛知県で「東京新聞」を名乗る記者もいないだろう。それは当たり前だろと言われるかもしれないが。


このニュース、中日新聞社自身はどう報じているのか調べてみたが、

Webで無料で見られる範囲では、東京新聞では積極的に取り上げていて「本紙記者」と我がこととして書いているが、

中日新聞では通信社の記事を掲載する程度だが、紙面ではどうだか知らない。

ただ、立場は何も変わらないはずなんですけどね。

本当はDVDなんていらなかった

職場のノートPCにとあるソフトウェアをインストールしていたのだが、

CDで提供されていたので、デスクトップPCのDVDドライブをEthernet経由で使った。

ノートPCでも時々DVDを使う

もうすでに外付けのDVDドライブはあるけど、この方法で慣れているので。


この手のソフトウェアって保守契約を結んでいる限りは最新版がWebから入手できるようになっている。

だから、Webからダウンロードするという手も本当はあるはず。

というか、CDをいちいち付けてくる必要すらないのでは?

このソフトはちょっと特殊な事情もあるので、付属のCDからのインストールが必須かもしれないが。

でも、指定のバージョンをWebから拾ってきてインストールができるのなら大丈夫なはず。


こういうのは稀な例だと思うけど、保守契約を更新するたびに最新版のCDを送ってくるメーカーもある。

ただ、このソフトって僕ぐらいしかインストールしてないんだけど、常にWebからダウンロードしているので、このCDは無用の長物になっている。

ダウンロードしても容量は高々知れていますからね。

無駄だなぁと思うけど、この会社のポリシーなんだろう。保守契約も高いしね。


とあるソフトは、プロジェクトごとに過去に決められたバージョンを使うことになっている。

複数のバージョンが同居できるので、使い分けはそんなに難しくないが、指定バージョンのDVDを探すのがめんどくさい。

あまりにめんどくさかったので、Webからダウンロードすることにした。

過去のバージョンも含めてアーカイブされているので、DVDを探すよりはるかに楽だなと思った。

こういう形でアーカイブ化してくれているベンダーならいいけど、そうでなければ過去バージョンはDVDで残しておくしか手段はないだろう。


もう、ノートPCにはDVDドライブないんだから、ダウンロードを基本にした方がうれしいと思うのだが、

過去の経緯とかもあって、なかなかそうはなっていないのが実情ですかね。

ただ、ベンダーとしては概ね対応できているので、使い手側の問題とも言える。

そうかと思いきや、インストールファイルの容量がとても大きい開発ツールに限って、DVDがなくて長時間ダウンロードを強いられたりするんだけど。

5.18・19はガールズバンド頂上決戦?

最近、このBlogでBang Dream!について書くことも多いが、興味深い話題が多いということで。

木曜~土曜の3日間にわたって行われた公演の最終日はPoppin’Partyだった。

ライブビューイングで見ていたけど、表現のバリエーションが豊かだなぁと感心するばかりだった。


その最後で重大発表があったのだが、この内容を取り上げたニュースがこれ。

「Poppin’Party」VS「SILENT SIREN」ガールズバンド頂上決戦へ女の意地バッチバチ (東スポWeb)

今年5月18日・19日、西武ドームで対バンライブ「NO GIRL NO CRY」を行うという内容である。

ただ、この記事、読めば読むほどおかしくて、このことの例えがこれである。

プロレス界で伝説となっている1995年「新日本プロレス対UWFインターナショナル」をほうふつとさせる“世紀の一戦”となりそうな気配だ。

なんでプロレスに例えるんだ、という話だが、Bang Dream!プロジェクトをやっているブシロードは新日本プロレスの筆頭株主で、

プロレスつながりで東スポとは懇意にしていたようで、その結果、プロレスのノリで記事を書いてしまったようだ。

なお、この内容を書いた号外は終演後の会場と、翌日の秋葉原で配布された。そういう話。

告知VTR もプロレスじみていて、ナレーションも新日本プロレス御用達の人である。

日付を「ゴーテンイチハチ・イチキュウ」と読むのもそれらしい。(例えば1月4日のWRESTLE KINGDOMは「イッテンヨン」と呼ばれているなど)


告知はこんなんだけどやるのは格闘技ではないのは言うまでもない。

共演するSILENT SIREN、なんか見たことある名前だなぁと思ったら、これだ。

なお、日本武道館に立ったガールズバンドとしての最速記録はメジャーデビュー後2年2ヶ月の『Silent Siren』、声優ユニットとしての最速記録はメジャーデビュー後1年7ヶ月で『スフィア』となっていることで知られているが、『Poppin’Party』はそれを塗り替える、史上最速のメジャーデビュー後1年6ヶ月での日本武道館公演となる。

(バンドリ!Poppin’Party日本武道館公演でガールズバンドの歴史塗り替えた!10,982人の満員で観客熱狂 (NEWS LOUNGE))

2017年8月のPoppin’Partyの4th LIVEをガールズバンドという観点で見たとき、比較されたのがSILENT SIRENだったと。

(大文字小文字が違うが、2017年頭に表記を変更しているから)

この記事を見たときに、確かにPoppin’Partyのメンバーは声優だけど、立派にミュージシャンだよなと気づいた覚えがある。

そんなSILENT SIRENは、Poppin’Partyの初期の頃のお手本だったらしく、DVDなど参考にしていたという事実が明かされていた。


逆にSILENT SIRENも、対バンが決まる以前にPoppin’Partyのライブを観に来たことがあるようである。

SILENT SIRENのWebサイトを掘ってみると、こんなものが発見された。

あいにゃん雑誌掲載情報 (SILENT SIREN)

雑誌の取材でSILENT SIRENのベース、あいにゃん と Poppin’Partyのベース、西本りみ さんが対談したということだ。

これが2018年5月のこと、と言われて、そういえばこの時期ってPoppin’Partyにとっては5th LIVEの頃だね。

もしかすると、この後ぐらいから動き始めたのかも知れない。


一体、どんな人たちなんだろうと気になって調べてみた。

最近はYouTubeで公式に動画が上がっていることも多いからいいですね。

そうやって見てみるとなるほどなぁと思った。Poppin’Party初期の特徴はSILENT SIRENを参考にしたとおぼしき部分がけっこうあったから。

「走り始めたばかりのキミに」あたりから、Poppin’Partyの独自色も強くなってきたのかなと思ったが、その理解でよいかは知らない。

確かにこれはお互いのファンの興味を引きうる組み合わせだなと思った。


でも、先の記事にSILENT SIRENについてこういう紹介が書かれている。

「サイサイ」の通称で親しまれる同バンドは、原宿を中心に女子中高生に人気が広がり、LINE公式アカウントの登録者数は54万人を超える。

これってPoppin’Partyのファン層と重なってるのかなぁ。

気になって調べてみたのだが、お互いの典型的ファン層は違いそうだが、重なる部分は決して少なくないようだ。

Poppin’Partyも女子中高生のファンはいる。SILENT SIRENはアイドル的な一面もあるようで男性ファンもそれなりにいるとか。

両方のファンという人もちらほらいるようで、中には「いつか対バンやると思っていたが――」なんて反応も。

といっても、やっぱり初めて聞いたぞという人がよっぽど多そうだけど。


お互い、相当な人気だそうだが、それにしても西武ドームを2日間埋められるのかという話である。

西武ドームも使い方次第だが、3万人ぐらい入らないと様にはならないか。

Poppin’Partyについては、今回、武道館に1万人以上入れて、アブレがでてライブビューイングも盛況という状況。

円形ステージを作って1万人以上も入れようなんて、そうそうやらないことで、これには告知後にステージに登場したSILENT SIRENの人も驚いていたが。

同時にそれだけの人が観に来ていたということだから、実際にそれだけの数のファンがいるということである。

でも、今までずっと1公演で完結していたので、その1公演にファンが集中していたという側面もある。

なにしろ、Poppin’Partyのメンバーは声優、いろいろな仕事がある。そんな中では公演数もむやみに増やせない。

これはBang Dream!プロジェクトに限った話ではなく、声優の音楽活動に一般に言えることで、ミュージシャンに専念している人に比べるとそうらしい。

実は2日で2公演ということすら、今回が初めてなぐらい。(2017年1月のガルパライブは2日だったようだが)


それに比べるとSILENT SIRENは1公演での動員数は少ないかも知れないが、延べ人数だとどうだろう?

2018年には4ヶ月間で全国各地で32公演のツアーを行っていたようだ。それだけやればそりゃ分散するでしょうと。

同じ人が何公演も参加しているのは想定しないといけないけど、延べ人数という観点もそうおかしな話ではない。

そう考えると、ファンをかき集めれば……というのはあるが、西武ドームでの対バンライブも、SILENT SIRENのライブツアーの間を縫って開催されるほど。

お互いのファンを総動員すれば3万人をはるかに超える集客になりそうで、西武ドームというのは客席数という観点では妥当に見える。

でも、その計算はなかなか成り立ちにくい気がする。後で書くが、Poppin’Party側には不利な条件があるので。


果たしてドームで何やるんだよとか、どんなファンが集まるんだよとか、いろいろ気になることはあるけど、

Poppin’Partyのファンにとっては内容面での心配はあまりないだろうとも。

というのも、Poppin’Partyの単独ライブって曲数がやや少なめで、幕間の時間がやや長いという話がある。

今回の公演では19曲披露したが、うち6曲は楽器演奏なし(ボーカルだけ)のショートサイズである。練習時間の確保にも苦心しているのかもしれない。

対バンだと出番も半分だなんていう考えもあるようだが、Poppin’Partyにとっては単独と同程度の曲数は披露できるかも知れない。

SILENT SIRENのパフォーマンスが楽しめ、コラボレーションもきっとあるはず。と考えるとお得だという考えも成り立つ。


お得だって言ってもチケット代は一般席っで1万円超え、スペシャルシートはその倍額である。

もうPoppin’Partyのファンには慣れっこかもしれないが、SILENT SIRENのファンはドン引きかもしれない。

こんなことからもわかるが、この興行を主導しているのはブシロードですね。

ただ、今回から学割チケットが用意されている。

学割と言っているけど条件は2020年3月末時点で18歳以下であること。(5月時点での)高校生以下相当という想定でしょうが。

この条件はSILENT SIRENの学割チケットの条件と同じなので、そこにならったようだ。


いろいろ気になることはあるが、5.18・19 は後に語り継がれるステージになるのではないだろうか。

ただ、この日取りを見て、Poppin’Partyのファンたちの中には困ってしまった人も。

というのも、この日は神戸・ワールド記念ホールでアイドルマスター ミリオンライブ!の公演が、

千葉・幕張メッセでSACRA MUSIC FESというアニメ・ゲーム音楽の大規模イベントがある。

しかもよりによってアイドルマスターと被りかよと。

というのも、Bang Dream!プロジェクトのルーツは愛美さんがアイマスでキャラクターとしてギターを演奏したところにある。

そこから着想を得て、愛美さんを中心にメンバーを集めて完成したのが Poppin’Party である。ゆえにファンはかなり被ってる。

5.18・19は場外でのファンの奪い合いも大変そうだ。大規模イベント三つ巴なんてそうそうあるまい。

選択肢はHUAWEIぐらいしかなかった

僕とAndroidというと、2013年にPocket WiFiと同時にNexus 7を購入したのがスタートである。

スマートフォンがAndroidになったのはやっと2年前である。

さよならスマートフォン

その後、壊れたりなんとかで ASUS MeMOPad、LG-V480(中古で購入)と乗り換えてきた。

いずれも安価で使いやすかったが、性能不足に悩まされてきた一面もある。

特にLG-V480は内部ストレージが8GBとシステム領域を除くと4GB程度しかなく、RAMも1GBでは不足することが多かった。


そんなこともあって、タブレットの買い換えを検討することにした。

ケチなタブレットを買うのはもうおしまいだ、ということで調べたが選択肢は2つしか残らなかった。

というのも、現在、7~8インチ程度のタブレットを積極的に展開しているメーカーは HUAWEI ぐらいしかいない。

あとはかろうじでNECがいる程度。かつてこの領域で多くの商品を出していたはずのASUSやLGの存在感はもはやない。

スマートフォンの大型化もあって食い合う領域なのかもしれない。

そんな中で候補に残ったのは MediaPad M5 と MediaPad M5 Lite の2つだった。

名前からわかるとおり、M5 LiteはM5の廉価版になっている。


M5 Liteでも現状に比べればはるかに性能が高いことは間違いない。

決め手となったのは、M5の画面サイズが8.3inchと現在のLG-V480とM5 Liteの8inchに比べて大きいが、

その一方でタブレット全体の大きさとしては、LG-V480とM5でほぼ同程度ということだった。

すなわち、今のタブレットとそっくり同じサイズなのに、画面が大きくなるという明確なメリットがあると。

LTE対応の有無なので値段が異なるが、今回購入したMediaPad M5のお値段は38000円ほど。LTEなしを選んだ。

LTEありを選んで、Y!mobileにSIMの追加発行を依頼するのも考えたが、少し追加料金かかるし、別にテザリングでいいやと。

ちなみに、購入を想定していたM5 Liteの値段は26000円ほど、1万円程度高いが、絶対的にはそう高いものでもない。


ところで、スペックには明確に書かれていないが、外部ストレージとしてmicroSDは対応している。

ただ、注意点として、脱着にあたっては付属の器具が必要なので、出先で気軽に挿抜できるというものではない。

外部ストレージがあれば、内蔵ストレージの容量はあまり重要ではないと思うかも知れないが、

LG-V480ではストレージ容量が8GBであるがために大変苦労してきた。というのもどうしても内蔵ストレージを消費するアプリが少なくなかったから。

そもそもシステム領域で半分以上食われていたので、プログラム自体の領域だけでかなりきつかった。

MediaPad M5もM5 Liteもストレージ容量は32GBと64GBの2種類あるが、外部ストレージがあるにしても32GBは欲しい数字だ。

ちなみに32GBのうち、システム領域で10GB程度取られている。残20GBもあれば大丈夫だと思うが、実際はその程度なのでご注意を。

あとケース買わないとと思ったんだけど、2つ折りのケースが付属してくるので、それでよければ購入の必要はない。


内蔵ストレージが8GB→32GB、RAMが1GB→4GBになった、CPUも当然高性能なはず。

ただ、今のところはサクサク動くから困らないぐらいの感想だ。

まぁ従来はRAM不足でブラウザが落ちたり、いろいろな問題が起きていたから、大きな改善ではあるんだけど。

なにより、大きく変わったのが画面で、改造が上がったことで、本・新聞が読みやすくなった。

なんと2560×1600pxもある。妙に高いが、359dpiということで、一時話題になったiPhoneのRetinaディスプレイと同程度だ。

ここはわかりやすく改善されたところですね。まぁ解像度が高すぎて、低い解像度のあらが目立ちすぎるけど。

あと、オーディオにもこだわっているようだが、横置きしたときに左右のスピーカーがあるのはいいですね。

ただ、今どきの端末らしく、イヤホンジャックがないので付属のUSB Type-Cとの変換器が必要になる。Bluetoothなら関係ないが。


そんなところですかね。HUAWEIしか選択肢がないのかとは思ったが、よい評判は聞いていたので。

需要としては微妙なのかなと思ったが、本や新聞を読むにはちょうどいい。

値段も今までよりは奮発したけど、それでもそう高くないよね。

今後ともこのサイズのタブレットを活用していきたいと思う。

それなりに使えるプリペイドカードではあるが

バニラVisaギフトカードが安かったから買ったという話を以前書いた。

プラスチックのVisaギフトカード

またファミリーマートでキャンペーンやり始めたようだ。

いろいろ条件が揃うととてもお得なことが判明したので、今し方買い集めているが。


1月以降、使えるところでは積極的に使っている。

ただし、Suicaの方が優先度は高いと考えているので、Suicaが使える店ではあまり使っていない。(金額などもよるが)

ということで、基本的にはこれまでセゾンカードを使っていたところで使っているということになる。

nanacoチャージを前倒しした(cf. nanacoに10万円も積んでおこう)影響もあって、セゾンカードの請求額は少なめで推移している。

それでも、一定の請求は残っている。


どういう請求が残るのかというと、まずは定期的な支払い。

定期的な支払いに使う手段を細々切り替えるのは大変だからそういうことはやらない。

次にチケットの先行応募など、支払いが発生するか発生しないかわからない用途。

プリペイドカードでもできなくはないが、残高が減った後で戻ったり、後で残高不足で不成立になったりろくな事がないだろう。

こういう目的ではクレジットカードはとても適している。

それ以外で少しあったのがプリペイドカードの額面より高額な買い物。そりゃプリペイドカードでは払えないのは当たり前だ。

1月実績ではセゾンカードの支払いの1/3程度を代替出来ていたようだ。意外とそんなもの。

これに加えてnanacoチャージもごっそり消えてるから、請求額全体からすれば普段の半額程度だが。


バニラVisaギフトカードを使って思うのは、やはり使える店は多いということ。

通販ではいちいちカード番号を書き換えてというのは多少手間だが許容範囲だ。

ただ、問題なのが端数処理で、Yahoo!ショッピングなどでTポイントを使って調整するぐらいしか手段がない。

ファミリーマートでもできると思ったのだが、Tポイントとクレジットカード(Visaプリペイド含む)の併用は不可らしい。

Amazonで買い物する人なら、15円以上の端数はAmazonギフト券に集めるという手があるのだが。

そんなこともあって金額がある程度少なくなってくると、Yahoo!ショッピングぐらいしか使い道がないということで、

それは保留して新しいカードをとすると、同時に使いさしのカードが2枚ある状態になる。


あと、残高確認はWebでやるのだが、このWebサイトの認証がちょっとめんどくさい。

問い合わせ番号を16桁中12桁、セキュリティコード3桁、そして画像認証と入力すべきものが多い。

複数のカードをまとめて管理できるツールが欲しいところだが、そもそもギフトカードなのでそういうものはないらしい。

いちいち確認するのも面倒なので、残高はマジックで裏面に控えている。


やはり難点はあるが、そんなに深刻な問題もないので、お得ならと在庫を増やしている。

今の使い方だと使い切るまで半年ぐらいかかりそうだけどね。

マイナンバーが書いてあるから?

マイナンバーカードは有用だということをたびたび書いている。

マイナンバーカードはやっぱり貴重

住民基本台帳カードも発行開始の初期は認知度が低く、受け入れられないことも少なくなかったが、それも昔の話かな。

でも、なぜか住民基本台帳カードは受け入れられていたのに、マイナンバーカードは不可というところがある。なぜ?


2箇所ほどそういうところがあったんだけど、明確な理由は示していない。

住民基本台帳カードから見た目でわかる変化点はマイナンバーが記載されるようになったこと。

といってもマイナンバーは裏面に記載されているから、マイナンバーを使う目的でなければ見る必要が無い。

住所変更時などにつかうサインパネルも表面ですからね。

裏面には注意喚起として「法律で認められた者以外が個人番号をコピーすることは、法律で禁止されています。」とあるが、

これは裏面の記載事項をコピーしたり控えたりするのが問題なのであって、表面の記載事項はコピーしたり控えてもよい。


関係あるのかどうか知らないけど、古物商など本人確認書類の記号番号を控えるところがある。

運転免許証も健康保険証も在留カードも記号番号があるから、これを控えることはできる。

ただ、住民基本台帳カードは表に番号は書いてない。ICチップ内部に住民票コードはあるが市町村の業務以外では使わない。

その昔、それで困惑されたこともあったのだが、番号がないんだから仕方ないと最終的には納得してくれたが。

住民基本台帳カードのときは番号がないんだから仕方ないで済んだけど、マイナンバーカードでは番号がある。

でもその番号を法で定められた目的以外で使うことは禁止されている。


そもそもなんで記号番号を控えているのかという話だが、例えば、古物営業法では古物商は古物台帳を備え付けることになっている。

ここには古物の特徴、取引相手などを記録しなければならないが、本人確認の方法も記載することになっている。

ちなみに古物の買い入れ全てで本人確認が必要なのかというとそうとも限らないが、本やディスクなどの買い入れ時は金額によらず必須になっている。

ここに本人確認書類の種類と記号番号を控えていることがあるのだが、別に種類さえ記載すればよいはず。

ただ、実務上はここで記号番号を控えているケースがあると。

本人確認をした証拠として残しているのかも知れないが、それに意味があるかは不明だ。


それがマイナンバーカードを受け入れない理由かはわからないけど、理由として考えられるのはそれぐらいしかない。

たいへん気になっているので、理由を教えて欲しいものだが。

僕は住民基本台帳カード→マイナンバーカードを本人確認書類として優先的に使っているが、

仕方なく運転免許証を出さないといけないケースは少し増えた。

逆にマイナンバーカードになってOKになったところもあるのも確かで、その1つがSBI証券だったりするのだけど。

法律でマイナンバーの提出が必要なのに、その手段としてマイナンバーカードの両面セットを認めない理由はない。


そもそも記号番号を控えて何になるんだという話ではあるが、活用している事例もある。

ただ、あまり納得がいっていなくて、その用途というのが信用情報機関での信用情報の名寄せ。

クレジットカードなどの申込み時に運転免許証を持っているまたは持っていた人は、その番号を必ず記載するようとなっている場合がある。

なかったらなかったで氏名・住所・生年月日・性別などで紐付けようとするから、本当に運転免許を取ったことがない場合は書かなくて問題ない。

そういうところが納得がいかないんだよなぁ。使い方も本来の目的ではないから。おかげで何の規制も受けないわけだけど。

それならまだマイナンバーの方がましだ。もちろん法律で定められた用途ではないから使えないが。

グッズ販売場所が2つ

ライブイベントなどでグッズ販売というのは重要な収益源である。

なかなかチケット代だけでは黒字にならないので、グッズ販売がうまくいくかが重要だとか。

まぁそうやって意気込んで、売れるグッズを作って実際に儲けられるかは別問題だけど。


今日から3日間、北の丸公園の日本武道館でBang Dream! 7th☆LIVEが行われる。

去年12月の6th(両国国技館)、5月の5th(幕張メッセ)もそうだったけど、同じ会場を出演者を変えて使い回す作戦である。

今日がRoselia、明日がRAISE A SUILEN(RAS)、あさってがPoppin’Partyとなっている。

土曜日のPoppin’Partyはともかく、あとは木曜と金曜、果たして客が集まるのかという話である。

でも、Roseliaは人気あるしなぁと思ったら、先行販売でほぼ売り切ったようだ。すごいね。

RASは一般販売でもしばらく売っていたが、1週間後ぐらいには売り切れていた。これには驚いた。

ゲストの力によるところは大きいだろうが、それがRASのルーツだから。(cf. もとはバックバンドだった)


当然、グッズ販売もあるわけだけど、グッズ販売場所が2箇所あると聞いて驚いた。

メインが神田神保町の貸しビル、北の丸公園から徒歩10分程度ですかね。

日本武道館前のテントでは一部の商品をピックアップして販売するとなっている。

販売日時も違って、メイン会場は昨日に前日物販を行い、今日からあさってまでは8時~18時に販売している。

武道館前では今日からあさってまでの12時から終演後30分程度となっている。


グッズ販売の混雑を緩和するために前日販売というのを行うことがある。

大規模なイベントで前日から立て込みなどやっているなら、前日から販売もできるということなのだろう。

ただ、日本武道館というのは忙しい施設で、昨日は別の用途で使われている。前日から借りるということはない。

それでも前日販売をやりたければ、別のところでやるということで、近くの貸しビルを使ったわけである。

前日販売に使う会場を、そのまま当日の販売にも使っているわけである。


実際どんなもんなのか、会場へ向かう途中で見てきた。

今回の僕のターゲットはRoseliaだった。というわけで、先行販売に申し込んだら無事に用意された。

木曜日の19時からだから、1時間早抜けすればと思ったけど、ついでに他の用事もこの日にやろうと半日休暇にした。

それで用事を済ませて、万世橋から靖国通りを歩いて北の丸公園まで行くわけだけど、

その道中で神田神保町のグッズ販売会場の近くを通るので、どんなもんかと見てみようとおもったら、とんでもない行列ができていた。

実はこのメイン会場、16時までは入場にあたって整理券を配布して、指定された時間に改めて来て買い物ができるようになっていた。

ちょうど僕がここを通りかかったのが16時ごろ、整理券を持たない人が列をなしていたわけである。

いずれにせよ、間違いないのはグッズ販売は大盛況ということである。


一方で武道館前のテントはそこまで混んでいなかった。メイン会場に分散した結果か。

今回、特徴的なのが3日間で出演者が入れ替わるということ。なので3日全部のグッズとなるととても種類が多い。

メイン会場では3日分すべてのグッズを取り扱っている。一方で武道館前では当日分のグッズの主な物を扱っている。

この事情から推測するに、全部のグッズを武道館前で売ると在庫が置けないんじゃないのかなぁ。

それが本当の理由かはわからないが、メイン会場と武道館前を分散させるメリットはあったんだろう。

たくさんまとめ買いするならメイン会場で、当日の主な商品で足りるなら武道館前で、という使い分けができるとよいと。


イベント会場とは別の場所でグッズ販売を行うことは稀にあるようだ。

グッズ売り場として併設された展示ホールなど借りることはあるし、今回は会場至近だったので、そんなもんかなという感じもするけど。

ただ、西武ドームで行うイベントのグッズを東京・池袋で販売したなんて言う、とんでもない話もある。

前日販売の便宜や、イベントのチケットを持っていない人への便宜も考慮した結果なんだろうが。

ただ、そもそも事前に通信販売をすれば、ここまでのことはしなくてよいのでは? という話もあるんですけどね。

なぜかUSB Type-C

ちょっと前にWindows 10のデスクトップPCが納入された。

デスクトップPCは今までと同じメーカーの後継機種だが、少し小さくなっている。

フロントにヘッドホン端子とUSB端子とSDカードスロットがある。

SDカードスロットは従来なかったが、もう1つ変わったのがUSB端子の構成。

これまで、USB Type-Aの端子が4つあり、うち2つがUSB 3.0、うち2つがUSB 2.0だった。

これが新しいPCでは、USB Type-Aが3つ、USB Type-Cが1つ、USB Type-Aの1つとType-CがUSB 3.1対応となっている。


USB Type-Cが次世代のUSB端子という話を見たときに、小型機器で主流だったmicro Bと比べると大きくなっていることに違和感を持った。

Type-Cは機器の小型化に応じて作られた規格と聞いていたのに、なんで大きくなるんだと。

後でわかったのだが、USB Type-CがUSB 3.0/3.1/3.2に対応しているのがポイントらしい。

USB 3.0以降の端子・ケーブルには3対の差動信号が入っている。

3対のうち1対はUSB 2.0互換用、2対はUSB 3.0のSuperSpeedモード専用のもの。

端子数が増えたので、Type-Aでは端子の奥に電極5本を追加している。一見すると形状は変わっていないが、端子数は増えている。

一方で機器側で使われるmicro Bの端子はUSB 3.0対応にあたって、コネクタの幅を増やすという対応をした。


USB 3.0以降で追加された信号線を含んでいるけど小型な端子が、USB Type-Cである。

USB Type-Cではなんと5対の信号線が入っている。

USB Type-Cの特徴として表裏がないというのがあるけど、まずコネクタの形状が左右対称で、

中央にUSB 2.0互換の差動対1つ、左右に高速信号用の差動対が2つずつあり、挿入方向を識別する端子がある。

USB 2.0互換の場合は中央の差動対を、USB 3.0/3.1のSuperSpeedモードでは挿入方向を識別して、左右どちらかの差動対2つを使う。


さらにUSB Type-Cではオルタネートモードということで、差動対を他の用途に転用することができるモードがある。

このデスクトップPCは違うと思うんだけど、よくあるのが映像出力をUSB Type-Cに出すということ。

USB Type C-HDMIマルチ変換アダプタ (サンワサプライ)

USB Type-Cのポートから、USB Type-A(USB 3.1対応)とHDMIとUSB Type-C(充電専用)の3つの端子に変換している。

DisplayPort Alternate Modeに対応しているUSB Type-Cの機器で使うもので、

このモードに対応している場合、5対の差動信号を、1対をUSB 2.0互換、2対をUSB 3.1 HighSpeedモード、2対をDisplayPortに割りあてることができる。

DisplayPortはコネクタ形状の変換でDVI,HDMIへの変換も通常可能だ。(cf. ディスプレイ接続いろいろ)

充電専用のUSB Type-Cはホスト機器の充電をUSB Type-Cから行う機器ならば、ここにACアダプタをつなげば充電できますよという意味だそう。

対応した機器でACアダプタを繋いだときは、変換アダプタ→ホスト機器の向きに電源が供給され、

それ以外の時はホスト機器→変換アダプタの向きに電源供給されると言うことで複雑だ。(USB Type-Cで始まった問題ではないが)


というわけで、USB Type-Cはとても多目的で、小型機器ではたいへん重宝する。

ただ、それだけにどれがどれに対応しているか明示する必要がある。

USB 2.0にしか対応しないType-C機器というのも存在するようだから、USB 3.1対応も自明ではない。

SSと書いてあればUSB 3.1 HighSpeed対応、DPマークがあればDisplayPort Alternate Mode対応など。

でも書いていない場合もあるからなんともかんとも。


なんでデスクトップPCでUSB Type-Cを配置したのかはよくわからないが、USB Type-Aより小さいけど多機能なんだよね。

USB 3.1以降の世代ではUSB Type-Cが基本になるのかなと思いつつも、

やっぱりType-Aで接続する機器が多いし、そもそもUSB 2.0互換で動かす機器が大半だしと考えると微妙だ。

職場でWindows 10で採用されたノートPCはタブレットPCとしても使えるのだが、

このタブレット側にはUSB Type-Cがあって、タブレットモード時は唯一のUSB端子で唯一の映像出力端子(DisplayPort Alternate Mode)だ。

こういう機器ではUSB Type-Cは唯一の選択肢だと思うが、なかなかType-Cに直接つなげる機器もないから変換器(USBハブなど)が必要だ。

少しずつ浸透しつつはあるんだろうけど、Type-Cだけで全て済む時代はまだ遠そうだ。

フルICEとはなんだったのか

最近、1つ前のアーキテクチャの製品のマイコンの置き換えについて調査している。

この調査の中でマイコンの代わりにソケットが取り付けられた基板を使うのだが、

まず調査に取りかかる前に、この基板に現行のマイコンを取り付けてみた。

それで電源を入れると……何にも動かないんだが。


調査の結果、プログラムがフラッシュROMに書き込まれていないことがわかった。

そうそう、このマイコンってプログラムを外付けのROMに書き込むんだよね。

今どきのマイコンは内部にROMを持っているのが普通だが、昔はROMを外で持つことも多かったようだ。

それにしてもプログラムが書かれていない基板って何だろ?

これ、開発時にデバッグに使ってた基板と聞いてたんだけど。


それでこの基板を渡してくれた人に聞いてみた。

すると「フルICEでデバッグしてたから、ROMにプログラムを書き込む必要がなかったのでは?」とのことだった。

というわけで、本来書き込まれるべきROMデータをとある方法で書き込むと正しく動作した。

それにしても、フルICEか……この仕事をするようになってよく聞く言葉だけど、なんなんだろ。


そもそもICEとはIn-Circuit Emulatorのことで、マイコンのデバッグに使われる装置である。

In-Circuit Emulatorという言葉の意味はよくわかっていなかったのだが、

エミュレータとはコンピュータを模擬するもの。ソフトウェアによるものとハードウェアによるものがある。

ICEはハードウェアによるエミュレータの一種で、ハードウェアと密接に関係する組み込みシステムは専らICEでデバッグされる。

ソフトウェアのエミュレータでのデバッグに最近挑戦したことがある。(cf. エミュレータでの単体テストは好調)

確かに実機では確認しにくいプログラムの詳細な動作を確認するにはよかったのだが、

マイコンのペリフェラル、あるいは外部のハードウェアに依存する動作のデバッグはICEが重要である。


さて、フルICEとはなにかという話だが、マイコンの回路を展開して、レジスタやメモリ空間の観測・書換をできるようにしたものだそう。

フルICEを使ったデバッグでは、マイコンが実装される場所にICソケットが取り付けられた基板を使う。

これこそが最初に書いたマイコンの代わりにソケットが取り付けられた基板の正体である。

ICEを使う時は、ソケットにICの代わりにICEにつながるプローブを接続するのだが、

このICEのフタを開けてみると、いろいろな部品が実装されたプリント板が入っている。

これがマイコンの内部回路をデバッグ用に展開したものである。


かつては、このようなフルICEでデバッグを行っていたようだが、今ではほとんど使われない。

現在、ICEといえば JTAG ICE を指す。

JTAGでマイコンと接続し、マイコン内部に組み込まれたデバッグ機能を呼び出しながらデバッグを行うわけである。

マイコンとの接続方式はJTAGが主流だが、他の接続方式もあるが、マイコン内部の機能でデバッグを行うなら同じことである。

このようにマイコン内部でデバッグ機能を持つ方式はOn-chip Emuratorとも呼ばれる。これもICEの一方式。

マイコンそのものをつかっているので、どこが模擬なんだと思うけど、

かつてはエミュレータでやっていたことをチップ内で実現できるようになったということでOn-chip Emuratorと呼んでいるんだろう。


フルICEはICE内に展開された回路から、多くの情報を同時に取り出すことができる。

フラッシュROMにプログラムが書き込まれてなくても動いたというのは、

ICE内部のRAMにプログラムを展開して、外付けROMとすり替えるという機能があったかららしい。

一方で、JTAG ICEはマイコンとPCとの間でシリアル通信を行っているだけなので、

時間あたりに取り出せる情報には限りがあるし、大量のデータをすり替えたりするようなこともできない。

プログラムを停止させながら情報を取り出すか、取り出す情報を減らすか、どちらかの対応が必要だ。


僕はフルICEというものを使ったことがなかったので、それが当たり前だと思っていたのだが、

フルICEを使ったことある人からすると、JTAG ICEはかなりデバッグに制約があるという認識らしい。

一方でJTAG ICEにはメリットもあって、その最たる物が本来使用するマイコンを実装した状態でデバッグできること。

マイコンからJTAGピンを出せるようにプリント板を作っておけば、そこにJTAG ICEをつなぐだけなので安上がりだ。

フルICEはそもそもの値段が高いし、マイコンの品種ごとにICEが必要なはず。

さらに、マイコンの代わりにソケットを実装した特殊な基板を用意する必要がある。

ピン数の多いマイコンだと、大量のピンを慎重にソケットに差し込む必要がある。よくピンが折れるとも言っていた。

高速なマイコンではICEでは動作が変わってしまうこともあるらしい。(うちのは遅いから問題にならない?)


ICEという言葉はよく使うのだが、「ICEってどこがエミュレータなんだろ」とは常々思っていた。

機能的には「JTAG ICE」と呼んでいるものはプローブだよね。

ICEの実態はOn-chip Emulatorということでマイコン内部にあるが、マイコンそのものだからマイコンを模擬しているとは言えないのでは?

ハードウェアでのデバッグ機能を有する装置をICEと呼んでいたということだけだろうと思う。

フルICEこそがICEの原点なのは確かだが、今にしてみればよくこんなの使ってたなぁとなる。

ヒューズが飛びまくって大変だったとかいう話も聞いたしなぁ。それだけ繊細だと。