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会社近くの公共施設を使えばできる

先日、全従業員対象の説明会があった。

重要な経営方針の説明会なので全員対象なのだが、これがなかなか大変だ。


というのも社内で一番大きな会議室に入るのは300人なんだよね。

これもなかなか立派だとは思うし、これだけ広いと株主総会も社内でできる。(cf. 株主総会のための通達)

ここを全従業員対象の説明会の会場にすることもできると思うが、かなりの回数に分けて実施する必要がある。

そこで、この説明会は事業所の近所の公共施設を使って行われた。


そんな人が入る公共施設が近所にあるってのは偶然だろうけど。

でも本当に近いんだよね。徒歩10分以内の距離感だ。

収容人数はおよそ1000人、これでも1回では収まりきらないのだけど。

でも、300人入る会議室で7回やるのと、1000人入る公共施設で2回やるのが同じと考えると画期的だよね。

親会社の社長以下、役員をずらっと並べての説明会ですからね。できるだけ少ない回数でやりたいというのはあるだろう。


距離は近いとはいえ、同時に約1000人の人が動くということで大変だ。

約1000人というけど、入れ替わりのときは多少の時間差はあるとはいえ、出る人と入る人が同時に動くので倍だ。

それだけの人が公道をまとまって歩くのはなかなか大変なこと。

出る人と入る人が同時に動く問題については、往復を別ルートにすることで緩和している。

歩道または車道の端をぞろぞろと歩かせているのだが、すさまじい光景だ。


以前はこういう全従業員対象の説明会もよく行われていたようだが、最近では動画配信で行われることが増えたそう。

「ここに来るの初めてだな」というと「以前はよくあったんだけど、君が来たときにはもう動画配信になってたのか」という反応である。

動画配信だと本社事業所もそれ以外の事業所も同様にできるというメリットもある。

にもかかわらず、こうして実際に人を集めて説明会を行ったのは、質疑応答を行うためだろう。

それなりに時間を取ってやってたし、実際に人を集めてやるならそのメリットを生かそうという意図はよく伝わってきた。


全従業員対象というけど、実際に参加できるのは 本社事業所 に勤務している人に限られる。

複数回あった説明会のうち1回は動画配信が行われていて、他の事業所の人はこれを見ることになっていた。

説明会は日本語で行われているが、この回は同時通訳付きで英語でも聞けるようになっているとのことだった。

あとE-mail越しに質疑応答もできるようになってたみたい。動画配信の回に参加したわけじゃないから、実際どうだったのか分からないけど。

その一方で、この後、国内外の主な事業所には役員らが出向いて説明会が行われるそうだ。

全役員ずらりと並んでとはいかないだろうし、従業員の少ない事業所ではやらないだろうけど。

そんなことからも、一連の説明会にかける意気込みを感じることができる。


大企業じゃなければ、普段から全従業員集めていろいろやってそうですけどね。

ただ、やっぱり人数が多いと物理的に無理なんだよね。

そんな中で取り得る手として動画配信を活用してきたことはよく理解できる話だ。

でも、実は代替策はあったって話ですね。


Author : hidemaro
Date : 2018/05/24(Thu) 23:19
日常 | Comment | trackback (0)

Unicodeだと使える文字

曲名に「✿」と入った曲があって、そんな文字使うんだと驚いた。

絵文字かなと思ったけど、U+273Fということで、Unicodeでは携帯電話由来の絵文字ではなく装飾記号(Dingbats)に登録されている。

周りを見てみると、丸囲みの数字なども含まれているが、絵文字のようなのも多い。


こんな字あったっけ? と思ったが、やはりJISコードには登録されていない文字だ。

JISの文字コードもいろいろあるが、基本的なのが JIS X 0208にある文字だ。

ここに登録されている文字は昔から無難に使えると言われていた。

JIS X 0208には登録されていないが、Shift_JIS というか CP932 だけで使える文字もあったりして複雑だったんだよね。

ただ、そういうのを含めても「✿」というのは登録されていない。


というわけで、従来では日本のコンピュータでは使えなかった文字ですね。

というか、今までどの文字コードにもなくて、Unicodeで新規で追加された文字のような気がするんだよな。

あと、Dingbatsに登録されている文字には絵文字と併用になっている文字もある。

例えば ☎ は絵文字併用の文字で、Androidで見ると絵文字として表示されるし、絵文字として入力することもできる。

ただ、✿ は絵文字として使われる文字ではないので、なかなか出しにくいよね。


曲名や歌手の名前で「♥」または「♡」が入ることがある。

ハートマークは一般的な記号だが、JIS X 0208 には登録されていないし、CP932 にもなかった。

そんな経緯もあって、ハートマークが収録されていないフォントもある。

EUC-JP, Shift_JIS, ISO-2022-JPといった文字エンコーディングで使えないので、

表記上は▼など他の文字に置き換えて、注釈で「『▼』は黒塗りハートマーク」などと記載することもあった。

もはや UTF-8 のようなUnicodeベースの文字エンコーディングが普及したので、あまり気にせず使われることも増えたが、

コピペすると正しく表記されないなどトラブルを引き起こしかねないのが悩み所である。


それにしても「✿」なんてのが入ってくるのは初めて見たな。

Unicodeで使える文字は増えたが、実際に日本で使うかというとそうとも言えない。

例えばドイツ語の「ß」とか、今は日本でもUnicodeなら使えるけど、そもそもほとんど使わない。

結局は大半は JIS X 0208 や CP392 の範囲で済まされているというのが実情ではないだろうか。

そんな中で特徴的なのがハートマークと絵文字かなぁと。使うところではかなり高頻度に使われる文字種だ。

特に絵文字はE-mailのUnicode化を推し進めるきっかけになったんじゃないかな。

以前はE-mailと言えばISO-2022-JP 一択だったが、最近では絵文字対応なども考慮してE-mailでUTF-8が使われることも増えた。

そもそもISO-2022-JPってどうなんだよと思ってたので、よい方向だと思いますけどね。


Author : hidemaro
Date : 2018/05/23(Wed) 22:23
コンピュータ | Comment | trackback (0)

RAMチェックって何のため?

組み込みシステムではしばしばRAMチェックを行うことがあるよう。

RAMの読み書きが正しく出来ているか確認するんだけど、なんでそんなことするんだ?


というわけでチームリーダーに聞いてみた。

すると、ワンチップマイコンだとそこまで必要性はないかもしれないが、と前置きした上で、

メモリが外付けされている場合、CPU~メモリ間のバスが故障していないかをチェックしたいと。

やり方はいろいろあるのだが、データを書いて、データが正しく読めるか確認する。

アドレス・データのパターンをうまくやると、データバス・アドレスバスの故障を検出することができるわけだ。

記憶素子の健全性を確認するという意味合いもあるのは確かだが、バスの健全性を確認する方が意味合いとしては大きいのでは? とのことだった。


データバスの故障を検出する方法は比較的簡単だ。、

あるアドレスに 0x55555555 と書いて 0x55555555 を読み出す、0xAAAAAAAA を書き込んで 0xAAAAAAAA を読み出すという方法がある。

もし、データバスの0bit目が故障して0固定になっていたら、0x55555555 を書き込んでも 0x55555554 としか読めない。

16bit目が1固定になっていたら 0xAAAAAAAA を書き込んでも 0xAAABAAAA と読めてしまう。

アドレスバスの故障検出はもうちょっと複雑だが、書き込んだアドレス以外のデータが壊されていないか確認するというのが基本的な考え。


RAMチェックもいろいろな方式があるけど、現在のRAMデータを破壊する方式が多い。

システムが動いているときにメモリの中身が壊されたら正しく動くわけはないわけで、

起動時にメモリを使い始める前にRAMチェックを行う必要がある。

稼働中にRAMチェックを行うシステムもあるみたいですけどね。

破壊してもよい領域でRAMチェックを行うか、データを破壊しない方式でRAMチェックを行う必要がある。

いずれにせよ、どういう故障を想定してRAMチェックするのかということは考えるべきですね。

それによってやり方も変わってくるので。バスの心配ならワンチップマイコンなら不要な気はするので。


PCのRAMチェックといえば memtest86 が有名だが、けっこういろいろな故障を想定しているんだね。

MemTest86 Technical Information #Individual Test Descriptions

アドレスバスの故障、データバスの故障、記憶素子の故障 というのもあるし、

キャッシュ回路やバッファ回路の故障をあぶり出せるように、アクセス順序を変えたり、データ幅を変えたりいろいろやっている。

どこまでチェックするかって話ではあるんだけど、それはまさにどういう故障を想定するかという話なんだよね。

そこを考えないと的確なRAMチェックにならないと理解した。


Author : hidemaro
Date : 2018/05/22(Tue) 23:41
コンピュータ | Comment | trackback (0)

CRC演算は時間がかかるからDMA

ところで、このプログラム、ちょっと奇妙だよね。

for(unsigned long *p=PTR_START; p<PTR_END; p++){
  CRCIN = *p;
}
crc_result = CRCOUT;

CRCINにひたすら値を代入して、CRCOUTを読んでいると。

当然のことながら、このCRCINというのは普通の変数ではなくて、マイコンの機能レジスタで、

CRCINレジスタに1回書き込むとCRC演算が1回行われ、その結果はCRCOUTから取得できるということ。


CRC演算って普通にプログラムで書くとめんどくさいが、回路で作れば比較的簡単だ。

使用しているマイコンでは、CRC16とCRC32の代表的なものが計算できるようになっている。

マイコンのペリフェラルってこういうのもあるんですよ。

普通にプログラムで書くよりも高速に計算できるのは言うまでもないが、

それでも大量のデータに対してCRC演算すると時間がかかってしまう。

しかも、最初に書いたようなプログラムでやると計算中は他の処理ができないという問題もある。


そこでDMAである。

DMAはDirect Memory Access、CPUを使わずにデータ転送を行う仕組みだ。

上の処理は、データを右から左に流しているだけだから、DMAにやらせればその間はCPUは手放しにできる。

送信元のポインタだけ進めて、送信先のポインタは固定ということもできるので、機能レジスタに書き込み続けること、

逆に送信元を固定にして、機能レジスタを読み込み続けるということもできる。

そしたら、DMAを使うと手放しにできるだけでなく、転送速度も速かった。倍速近かった。

今回の用途では、計算完了までにかかる時間はそこまで重要ではないし、CPUが手放しにならないとしても工夫すればなんとかなるのだが、

DMAを使って悪いことは何もないので、DMAを使ってCRC計算をすることにしようと思う。


さて、大量のデータを転送するならばDMAは大きなメリットがある。

他にペリフェラルからの割り込みをDMAで受けて、それに応じてデータ転送をすることもできると。

例えば、シリアル通信の送信バッファに4バイト×100回転送するとDMAに設定して、送信バッファが空のときに発生する割り込みをDMAにつなげておく。

その上で、最初の1回はプログラムからトリガをかけてやれば、

バッファに4バイト転送→4バイト送信→バッファが空になったので4バイト転送→4バイト送信……とプログラムを介さずにできる。

4バイト×100回の転送を終えたら、DMA転送完了となるので、そこで割り込みを発生させるなり、転送完了をポーリングしておけばよい。

AD変換との組み合わせで、AD変換結果からRAMに1ワード×16回転送とDMAに設定して、AD変換完了割り込みをDMAにつなげる。

それで、ADコンバータは定周期で動くようにしておけば、プログラムを介さずに定周期で16回取得したアナログ値がRAMに格納される。


ただ、DMAは単純に左から右にデータを流すことしかできない。CPUを使わないというのはそういうこと

シリアル通信の受信バッファからRAMに受信バッファが満タンになるごとにDMAに転送させるということもできるが、

DMAに設定した回数よりも、受信したデータが少ないと、DMA転送は永遠に終わらないし、

受信中にデータ転送以外の処理をしなければならないとなれば、DMAだけに任せておけない。

1回の転送量が少なくても、回数が多いのを手放しでできればメリットはあるが、どうせ1回1回は少量だしという考えもある。

やり方次第ですかね。


DMAというもの自体は知ってたけど、大量のデータ転送をすることもそんなに多くないしなぁと思ってたら、

CRC計算という意外な用途でDMAが大きな効果を発揮したので、よい発見だった。

そもそもCRC計算のプログラムを書かずに済むだけでもラッキーと思ったけど、

ハードウェアでCRC計算できるとこんなこともできちゃうんだよね。


Author : hidemaro
Date : 2018/05/21(Mon) 22:24
電気・数学・物理 | Comment | trackback (0)

番号を口頭で読み上げろ

チケットぴあ のチケットの引き取りにセブンイレブンに行く必要があった。

なんでセブンイレブンにしたんだろうね?

普通に考えれば最寄りのコンビニであるファミリーマートを選ぶと思うのだが、

なぜかこのチケットの引き取り場所にはファミリーマートが選べなかったんだよね。

セブンイレブンもすごい遠いわけではないが、ファミリーマートに比べるとはるかに遠いので。


さて、セブンイレブンに来たはいいけど、どうやって引き取るんだ。

昔にセブンイレブンに引き取りに来たときには、バーコードを印刷して持ってきた覚えがあるが、そんなのなかったよなぁ。

コピー機で操作するんだっけ? と思ったが、予約済みのチケットでは使わないらしい。

うーん、と思ってレジに言ってみると、数字を読み上げるように言われた。

それで読み上げた数字をレジで打ち込んでもらうと、チケットが出てきた。

セブンイレブンだとこうなのか。


ファミリーマートも、かつてのサンクスも、ローソンも、

チケット代金の支払い、チケットの引き取りにあたっては、端末にコードを打ち込んで、

レシート状の引換券を出して、これをレジに持って行って、必要に応じて代金を支払うとチケットが渡される。

端末の操作をした上で、レジで処理をしてチケットを受け取るということで、二度手間のような印象はあるが、

端末を操作する時点でチケットの内容を確認出来るなどのメリットはある。


ところがセブンイレブンは独特である。

まず、チケットを予約せずに来た場合はコピー機で操作して、払込書を印刷する。コピー機ってのが独特だよね。

そして、チケットを予約して来た場合はレジへ直接行くことになる。

以前、バーコードを印刷して持参したと書いたが、チケットぴあ で通常の予約の場合は、バーコードの入った払込署の印刷ができるようになっている。

もしプリンターがある場合は、これを印刷して持参すれば、ピッと読み取るだけなので、お互いとてもスムーズだ。

プリンターがない場合は、番号をレジで言うというのが正しい取扱だそうだ。

もっとも、今回のチケットの予約は特殊だったようで、払込書の印刷はできない。なので、レジで言うしか方法がない。


普段からセブンイレブンでチケットの引き取りをしている人にとっては当たり前なんだろうけど、

セブンイレブン以外での引き取りではまずないことなので、とてつもない違和感があった。

本当のこの番号で正しくできてるのかと、チケットが出てくるまでは少し心配になる。

レジでの確認表示も チケットぴあ であることと枚数ぐらいしか出ないので。


そもそも10桁以上もある番号をいちいち入力したり、口頭で言うのがどうなんだって話なんですけどね。

列車の予約にしても、飛行機の予約にしても、クレジットカードや会員証がある場合は簡単に引き取りができる。

チケットの予約サービスで会員証があって、それを店で受け付けできるかというと、簡単ではないかもしれないが、

ローチケなら、会員情報とPontaを紐付けできて、LoppiはPontaを受け付けるんだから、できそうなもんなんだけどね。

いつもめんどくさいなぁと思っているところ。

QRコードを表示して、Famiポートに読ませることができる場合もあるようだが、今まで使えた試しはない。


Author : hidemaro
Date : 2018/05/20(Sun) 23:32
買い物・消費 | Comment | trackback (0)

将棋界は小説より奇なり?

「事実は小説より奇なり」ということわざがあるが、まさに今の将棋界がそうだとされている。

ここでいう小説というのは「りゅうおうのおしごと!」である。

そう、具体的に小説なんですね。


この小説の主人公 九頭竜八一 は15歳2ヶ月でプロ棋士になり、16歳で竜王のタイトルを獲得するところから始まる。

一応、竜王のタイトルは全てのプロ棋士が獲得できる可能性のあるタイトルなので、そこは考慮したようだが、どう見てもファンタジーだよね。

この作品がアニメ化されるという時期に現れたのが、史上最年少を塗り替えた中学生プロ棋士 藤井聡太さんだった。

ちなみに藤井さんがデビューしたのは14歳2ヶ月のとき、すなわち小説の八一よりも若いのだ。

さらにデビュー以来29連勝というとんでもない記録も打ち立てた。

この時点で、事実は小説より奇なりという言葉が言われたものだが。


しかし、現実の将棋界が小説の上を行ったのはこればかりではない。

羽生善治さんが永世称号のある全てのタイトルで永世称号を手に入れたが、

実は作中で6つの永世称号を持つ「名人」が、7つ目の永世称号を目指して竜王である八一に挑戦者として立ちはだかるというのがある。

八一が勝ったので、これは実現しなかったが、現実の羽生さんは7つの永世称号を手にしたのだ。

もっとも、「名人」のモデルは羽生さんと言われていて、その羽生さんの活躍自体が小説みたいなものなのだけど。

さらに、作中で402手の対局が描かれたが、中尾敏之さん と 牧野光則さん の対局で420手という記録が出て、

これもまた現実が小説を上回った例として言われた。


さて、ニュースでも話題になっている通り、藤井さんは早くも七段への昇段を決めた。

プロ入り=四段なのだが、今年2月に五段、同月に六段、そして昨日、七段に昇段した。

このうち、六段・七段への昇段はこれまで加藤一二三さんが持っていた最年少記録を塗り替えるものになっている。

なんか速すぎない? と思うけど、この昇段の要因を並べて見ると、ただごとではない。


そもそも、将棋の段位ってどうやって決まるものなのだろう?

ある程度までならば、これができれば何級とか絶対的な尺度があるかもしれないが、プロ棋士ともなれば相対的な強さで計るしかない。

そのため、昇段基準でもっとも基本的なのが順位戦・名人戦の結果である。

順位戦は名人以外の全ての棋士がA級・B級1組・B級2組・C級1組・C級2組の5クラスに分かれて戦う。

この対戦成績により、昇級・降級が決まる。そして最上位のA級の1位は名人戦の挑戦者として、名人のタイトルをかけて争うことになる。

最初はC級2組から始まり、C級1組に昇級すると五段、B級2組に昇級すると六段、B級1組に昇級すると七段、A級に昇級すると八段となる。

さらに名人のタイトルを取れば、最高位の九段となる。


かつてはこの順位戦・名人戦での昇段しかなかったが、後に他の昇段基準も追加された。

  • 竜王戦の2組への昇級で六段、1組への昇級(竜王への挑戦者になった場合を含む)で七段、竜王を1期で八段、2期で九段
  • 竜王戦で2回連続昇級で1段昇級(七段まで)
  • 名人・竜王以外のタイトルの挑戦者になると1段昇級(六段まで)、タイトルを獲得すると七段
  • 名人以外のタイトルを合計3期獲得すると九段に昇段(ただし八段の昇段基準を満たしていること)
  • 全棋士参加の棋戦で優勝すると1段昇段(七段まで)
  • 昇段後の勝数により昇段

かつては1年で2回の昇段はできなかったそうだが、現在はその規定もないので、こういうことができる。

加藤さんの最年少記録を塗り替えたと書いたけど、当時は順位戦・名人戦での昇段しかなかった。

当然、藤井さんはすごいんだけど、この記録更新をきっかけにして加藤さんの記録を振り返ると、これもこれですごいことに気づく。


藤井さんはこの昇段規定を巧みに使ってスピード昇段を果たした。といっても本人が意識していたかは分からないけど。

まず、2月の五段への昇段理由は、順位戦 C級1組 への昇級のため。

次に同月の六段への昇段理由は、朝日杯将棋オープンでの優勝、羽生さんとの直接対決で勝ったことも話題になった。

そして、七段への昇段理由は、竜王戦の2回連続昇級(2017年に6組→5組に昇級を決めた上で今回4組への昇級を決めた)のため。

C級1組の昇級と朝日杯の優勝の順番が逆だと、朝日杯 優勝で五段、竜王戦2回連続昇級で六段だった。

そんなこともあるんですね。


さて、こうして七段にスピード昇段となれば、次は八段かとなるわけだが、七段への昇段に比べるとハードルが高い。

というのも、順位戦・名人戦以外の昇段基準には七段までと制限が付いているものが多く、八段への昇段基準として残るのは、

  • 順位戦でA級へ昇級する
  • 竜王のタイトルを取る
  • 七段昇段後に190勝する

藤井さんは順位戦でA級に昇級するには、C級1組→B級2組→B級1組→A級と3回の昇級しないといけないので、最速で3年後になる。

190勝というのは数字を見ても明らかに遠い道のりだ。これも速くても4年ぐらいはかかるのではと言われている。


そんな中で1つだけ異質なのが竜王のタイトルを取るという基準である。これは今年中でも可能性はある。

というか、「りゅうおうのおしごと!」で竜王が題材となったのは竜王戦の仕組みによる。

竜王戦は6組に分けて戦い、各組の上位がトーナメントを行い挑戦者を決める。

1組だと5人がトーナメントに出られるが、3組~6組は1人しかトーナメントに出られない。が、トーナメントに出られるチャンスはある。

すなわち、藤井さんがこのまま竜王戦の5組で1位を取って、トーナメントを勝ち上がり、挑戦者として 羽生竜王 に勝てば、

竜王のタイトルを獲得し、同時に八段に昇段することになる。この場合「藤井八段」ではなく「藤井竜王」と呼ばれることになるが。

そんなことあり得る? とは思うけど、可能性が全くないとは言えないのが恐ろしいところ。

というか、他の要件での昇段が早くても3年後と言われる中で、今年でなくても竜王戦での昇段というのは想定しなければならない。


こうやって昇段基準を見てみると、八段への昇段はえらくハードル高いなとは思う。

八段→九段にはいずれかのタイトル3期獲得というのがある。ただし、これは八段への昇段条件を満たしている必要がある。

実際、タイトル3期獲得しても、八段の条件を満たせないがために七段に留まった棋士もいて、そんな棋士の1人が羽生さんだ。

当時は竜王を取っても八段にはならなかったので、竜王を含むタイトルを3期取ってるのに七段だった。

その後、順位戦A級への昇級をもって七段から九段への昇段が決まったよう。(ただし、当時は1年に2回の昇段はできなかったので、1年間は八段だった)

そう考えると竜王にタイトルを取ると八段になれるというのは大きなチャンスだよね。


急速に七段になってしまったがために、段位に関わるのは当面は竜王戦だけになってしまったが、

それ以外にもいろいろな活躍が期待されているのは言うまでもない。

おそらくこれからも「事実は小説よりも奇なり」という言葉を出されるような出来事も起きるのだろう。

というか、竜王を取って八段っていうだけなら、「りゅうおうのおしごと!」って小説がありますからね。

そういうのとは別の予想外の活躍ってのがあるんじゃないでしょうか。


Author : hidemaro
Date : 2018/05/19(Sat) 23:55
日常 | Comment | trackback (0)

中央東口改札だけ特別

ルミネ新宿、タワーレコード新宿店と、東京の新宿界隈の話を続いて書いてきたが、

そういえばと思い出したことがあった。

それがJR新宿駅の中央東口改札のことである。


かつてのクラスメイトで厚木に住んでいる人がいる。

小田急で東京に行くので、彼にとっては小田急の新宿駅が東京の玄関口である。

以前、東京で会ったときに、新宿駅の東側から帰るときに、「ここの改札からだと小田急に乗れるんだよ」と言って、

JRの中央東口改札からJRの駅構内に入っていった。

JRの駅構内を通過できるというのも驚きだったが、この改札だけというのは不思議だよね。


小田急と京王の新宿駅はJR新宿駅の西側にある。

小田急の駅はちょうどJRの駅の西側に接するようにある。京王の駅はさらに西側に埋まっている。

そんな立地なので、JRの駅を挟んで東側への行き来が難しい。

小田急はJRの南口改札の並びで甲州街道に面した改札口もあるので、甲州街道でJRの線路を渡ることはできるが、甲州街道までまわるのは遠回りなケースも多い。

というわけで、小田急と京王は新宿駅東側と行き来する人の便宜を図るため、

JR中央東口改札を小田急・京王の改札としても使えるようにJRに改札業務を委託しているようだ。


具体的にはJR中央東口改札には小田急・京王の券売機が置かれているよう。

中央東口から小田急・京王に乗車する場合は、ここできっぷを買って、JRの改札を入り、

JR改札内を通過して、小田急・京王それぞれの連絡改札を通って、それぞれの駅に入れる。

現在はICカードの利用者が多いし、そうでなくても定期券を持ってるなら、きっぷを買う必要はないが、

それでも中央東口改札を使わないといけないルールになっているとのこと。

逆に小田急・京王からJR中央東口へ向かう場合は、連絡改札を通って、JRの改札を出るということなのだが、

どうも連絡改札の自動改札機は、JRへの乗換用 と 中央東口から出る人用の改札機が分かれているようだ。

JRのきっぷがある人用と、JRのきっぷがない人用で機械を分けているらしい。


連絡改札を経て、他社の改札内を通過できるというのは珍しい気がする。

最近は東京メトロと都営交通で改札通過サービスをやるようになったが、それぐらいかも。

ただ、改札なしにつながっているような場合だと、他社側の改札口から入ることができることが多い。

例えば、三重県内では 桑名・津・松阪・伊勢市 の4駅で、一方の改札を近鉄、一方の改札をJRが管理しているが他社側の改札も使える。

近鉄は全ての駅で、JR側の改札口にも自動券売機だけではなく特急券売り場まである。(桑名駅の養老鉄道も同様)

いずれの駅もJR側の改札口がメインだからでしょうね。近鉄の利用者もJR側の改札からの利用が多いので。

JRは桑名駅・松阪駅では近鉄側に自動券売機があるが、津駅・伊勢市駅は近鉄の窓口でJRのきっぷを手売りしているとのこと。(津駅の伊勢鉄道も同様)

近鉄側で買えるきっぷは限りがあるので、目的地までのきっぷが買えない場合は通行証をもらって、JR側改札のみどりの窓口に行くことになる。

実現方法には差があるが、どちらの改札口からでもどちらの会社も使えるという点では同じこと。


他社の改札を通って、他社の改札内を経由で列車に乗るというのは減っていく傾向にあるようだ。

というのも、他社の改札内を通れるようにしてある背景としては、線路を越えるのが不便であることが多い。

列車の利用については、他社の改札を使えるようにすることで解決できるが、列車に乗れない人にとっては問題は解決しない。

そこで根本的な解決として、線路を越える通路を整備して、その通路に面して改札口を並べるということが行われている。

拝島駅 / 駅構内図 (JR東日本)

以前の拝島駅はJRと西武が改札内でつながっていたが、改札外で線路を越えるには長い踏切を使う必要があり、事故も多かったようだ。

そこで、自由通路を整備して、ここにJRと西武それぞれの改札を並べることで、線路を越えての行き来を便利にした。後に踏切は廃止となったようだ。

その他、駅改良工事にあわせて改札口の分離が行われることもあるので、こういう例はどんどん減っている。


JR新宿駅についても自由通路の整備が行われている。

改札内の北側の地下通路を拡張して、これを改札内・改札外で分け合うことで自由通路が整備されるようだ。

線路を越えての行き来が難しいと思われている新宿駅にとっては画期的な話である。

自由通路ができたら、JR中央東口から小田急・京王が使える制度はなくなるか? と思ったけど、必ずしも代替にはならないので残るかも。

新宿駅 / 駅構内図 (JR東日本)

従来、小田急・京王の改札口を出て東側に向かうには、JRの北側にある丸ノ内線新宿駅の地下道まで回る必要があった。

この図の北通路の一部が自由通路になるわけだから、小田急・京王の改札を出て、JR東口改札付近へ行くなら遠回りにはならない。

ただ、従来の中央東口へ向かう通路が自由通路化されるわけではないので、目的地によっては従来より遠回りになるかもしれない。

通過制度を廃止する理由にはなるけど、廃止する必然性があるというわけでもないかなと。


それにしても、新宿駅のJR中央東口を小田急・京王の利用者が使えるというのは、駅のサインを見てもあまり分からない。

確かに言われて見れば、中央東口だけJRの改札に向けて「京王線・小田急線のりば」と書いてある一方で、

他の改札口には「JR線の改札口です」と、他社利用者が入り込まないように注意を促している。

知らない人にしてみれば、だまされているように感じるだろうし、中途半端に知ってる人だとJR東口改札から入って失敗となりかねない。

共同の改札ですよということで、複数の会社のロゴを並べているような例もあるけど、新宿駅についてはそうなっていない。

よく知っている利用者にとっては便利なんだろうけど、イマイチだなぁとも思う。


Author : hidemaro
Date : 2018/05/18(Fri) 23:58
交通 | Comment | trackback (0)

イベントスペースが充実した店

先日、今までよく知らなかったルミネに足を運んで見た話を書いた。

百貨店っぽい駅ビル

この後、本来の目的地に向けて、甲州街道を東に歩いて行こうとすると、大型ビジョンから聞き覚えのある音楽が。

見てみると、どうもタワーレコードが大型ビジョンを使ってLiSAさんのCMを流していたらしい。

そこで気づいたが、このビルにはタワーレコードが入っているようだ。


そういやタワーレコード新宿店ってよく聞くけど、知らなかったなぁと思って、帰り道に寄ってみた。

入居しているのは Flags という専門店ビル、7~10階に入居している。

フロア数からして相当な大型店であることがわかる。

どうも小田急のビルみたいね。立地からするとあんまり小田急って感じはしないけど。

それにしても7階からってふらっと足を運ぶには遠いよなぁ。


フロア割としては、7階がアニメ・アイドル、8階がJ-POP・K-POP、9階が洋楽、10階がクラシック とのこと。

J-POPは8階まで進めというような表示があったが、最初のフロアではないので注意を促しているのだろう。

なぜこのフロア配置なのかというと、この店で一番特徴的なのが7階なのだという。

というのは入ってすぐ気づいたんだけど、インストアイベントを行うためのステージがここにあるんだよね。

ちょうどなんかのインストアイベントが終わった直後だったのかな。さながらライブハウスの周りのような雰囲気だった。

イベントスペースの周りに、特に関係が深いアイドル・アニメ関係の商品を並べてあるというのが実情だろうか。


なんでタワーレコード新宿店の名前を聞くことが多かったのかというと、インストアイベントの告知ですね。

アニメ・ゲーム関係の音楽であれば、インストアイベントもアニメ専門店でやることが多いのだが。

特に秋葉原界隈にはイベントスペースを充実させた店も多いようだ。

といっても、一番上の階にあったりで、関係ない人にはあまり目立たないようになっているような気がする。

例えば、ソフマップは秋葉原地区で4箇所のイベントスペースを持っているらしい。

充実しすぎですね。実際、手広くやっていて、ソフマップの背景で撮影された写真がニュースに出てくることも多い。

それがあるのがサブカル・モバイル館の7階・8階、アミューズメント館の7階・8階となっている。いずれも上のフロア2つだ。

秋葉原界隈だとそんな店は多数あって、ここでもやるし、ここでもやるといった具合。

そんな中に紛れ込んでいるのがタワーレコードなんだよね。


タワーレコードの大型店としては渋谷店もあり、こっちはビル1棟、さらに規模が大きい。

こちらもイベントスペースを充実させてある点には同じで、こちらもちらほら聞くが……

ただ、アイドル・アニメ関係については新宿店が力を入れてきたらしく、実際こちらの方がよく聞く。

7階のイベントスペースを充実させたのは2012年のことだったようだが、

この分野で新宿店が力を入れてきた経緯を踏まえてのことのようだ。

秋葉原界隈の店がインストアイベントで盛況なのも意識したのかもしれない。


気づいてなかったけど、JRからだととんでもない好立地ですね。

帰り道にFlagsを出たら、すぐにJRの改札があった。東南口改札というようだ。

JR新宿駅の中ではわかりやすいと評判の南口改札を使うことは多かったのだが、脇にそんな改札あったのね。

ルミネといい、気づきにくいけど、実はとても便利なルートがあったと。

もっとも、甲州街道を歩いてたら気づいたとの通り、そもそも甲州街道沿いなので線路の両側からアクセスしやすいとも言える。

JRの南口がわかりやすいと評判なのも改札が甲州街道に面した地上で、甲州街道からだと容易に線路の両側に行けるからなわけで、

甲州街道沿いの立地というのは、繁華街の外れという感じはあるけど、アクセスはよい。


Author : hidemaro
Date : 2018/05/17(Thu) 23:46
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大型機を食う中型機

飛行機の分類として小型機・中型機・大型機というのがある。

小型機の定義は明確で、客室内の通路が1本の飛行機を指す。

ATR 42(48人乗り)もボーイング787-800(165人乗りなど)も小型機だ。

一方で中型機と大型機の境界はわかりにくい。

通路が2本あれば大型機という話もありますけどね。小型機・大型機と2分するならそれでよい。


かつての日本では中型機の代表例がボーイング767で、大型機の代表例がボーイング747だった。

767-300が国際線仕様で220人乗りぐらい、国内線仕様で250人乗りぐらい、

747-400が国際線仕様が430人乗りぐらい、国内線仕様が550人乗りぐらい、ということで倍ぐらいの差があった。

飛行できる距離にも差があって、767-300ERが11000km、747-400ERだと14000kmほどということで、日本からアメリカ・ヨーロッパだと747が使われていた。

747の国内線仕様というのは世界的に見ても異例で、それだけ当時の羽田空港に余裕がなかったことを表している。

ただ、それを抜きにしても、長距離国際線を飛ばすなら747だということで、かつては多くの航空会社が飛ばしていた。

しかし、時代が移り変わっていく中で、747は大きすぎてコストがかさむということもあって数を減らしていった。(747シリーズはまだ現役だし生産中なのだが)


747がいなくなる中で、大型機といえば日本ではボーイング777を指すようになった。

777-300だと、国際線仕様で250人乗りぐらい、国内線仕様で500人乗りぐらい。

国際線仕様の定員が少なすぎる気がするが、メーカー標準仕様で3クラス365席だそうだから、長距離線用に席数を減らしているのだろう。

747が引退していく中で長距離国際線の主役は777に移り変わったって話ですね。

そんな中で2つの中型機が長距離国際線の世界に現れた。ボーイング787とエアバスA350 XWBである。

787については、関空~ロサンゼルス線の再開のときに紹介している。(cf. ロサンゼルスに行くと60、関空に帰ってくると69)

燃費がよくて太平洋横断できるということで、手堅い需要はあるが、大型機では割に合わないこの路線にはピッタリだったのだ。

ボーイングのロードマップとしては767の後継機という位置づけなので、従来の767の後継にも使われているが、長距離国際線に使えるのは787ならでは。


一方のA350 XWBだが、超大型機A380で開発した新技術を応用した新世代の中型機ということなのかな。

発想としてはボーイング787と同じである。巨大すぎていまいち売れないA380で開発した新技術をうまく生かそうとしたわけだ。

エアバスの中型機としてはA330もあるが、こちらは併売している。

当初はA350として開発されてきたが、買い手がつかないもんだから方向転換して、少し大きくしたA350 XWB(Extra Wide Body)に移行した。

そしたら、これにはかなり買い手が付いた。ここでA350 XWBを買う航空会社の1つが JAL だった。

今までボーイング機ばかり買ってきたJALがエアバス機を買うということで驚かれたものだが。


長距離国際線の世界に現れた2つの中型機とは書いたが、大きいのだと大型機並みなんだよね。

同じシリーズで長さ違いの飛行機が展開されるのが通常で、

787は787-8, 787-9, 787-10の3タイプ、A350 XWBは A350-800, A350-900, A350-1000 の3タイプある。数字が大きいほど長い。

787-10は、シンガポール航空が先日、シンガポール~大阪線に投入した。世界初の定期便とのこと。

定員は337人、従来使っていたA330-300に比べて2割弱定員が多いということで、大阪線への期待がわかる。

A350-1000はまだ納入されていないが、メーカー標準仕様で3クラス366席とのこと。

どちらも現在の大型機の主力、ボーイング777並の大きさである。これ中型機なの?


どうも、ボーイング787もエアバスA350 XWBも大型機の領域も狙う中型機らしい。

小さい方は従来からの中型機と同程度だが、胴体を伸ばすと大型機の領域を狙えるんですね。

実際、JALは大型機の新型機としてA350-900, A350-1000を選んだとされている。

ボーイング767をボーイング787-8で、ボーイング777をエアバスA350-900, A350-1000で置き換える算段とのこと。

ANAもボーイング767をボーイング787-8で置き換えるのは一緒で、ボーイング777の置き換え用に787-9が納入済み、787-10が今後納入予定とのこと。

ただし、ボーイング777の一部は同シリーズの新型機777-9で置き換える予定で、こちらも注文しているとのこと。

多少考え方には差があるが、大型機を中型機で置き換えるという傾向は似ている。


エアバスにしてみれば、A380こそ本当の大型機という考えもあるのだろうし、ボーイングにとっても747は現役のシリーズだ。

ただし、デカくて売れないともっぱらの評判だけど。

それと比べればボーイング777でさえ小さいよね。大型機とは言われているけど、本当はこれが中型機なのかもしれない。

ボーイングにとっての787も、エアバスにとってのA350 XWBもこの領域を下から狙ってきたわけだけど、

上から狙うよりは下から狙う方がよい領域なのは間違いない。A380とか747で拾う領域ではないことは確かか。

以前は長距離飛べるか飛べないかというところに明確な差があったわけだけど、

中型機でも大型機でも遠くに飛べるとなれば、あまり気にならなくなったってのもありそうだけど。


Author : hidemaro
Date : 2018/05/16(Wed) 23:49
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まさかの近鉄が

新幹線の部分開通時に期待されつつも、実現が見えないのがフリーゲージトレイン。

九州新幹線長崎ルートが武雄温泉~長崎で建設されている。

改良効果の大きい区間を優先したようだが、新鳥栖~武雄温泉の区間は新幹線の線路がないのに、飛び地で新幹線ができることになる。

そこで、この間をフリーゲージトレインで埋めるということが期待されていた。


早い段階で福岡より先、大阪方面への直通は不可と言われていた。これは山陽新幹線区間で速度を出せないからである。

とはいえ、福岡~長崎の直通運転という点では、相変わらず期待されていた。

でも2022年の開業には間に合わないことはもうすでに決まっている。その先も見通しが立たない。

手っ取り早い解決策としては、新鳥栖~武雄温泉に新幹線を建設するという方法なのだが、

この区間だけ見ると改良効果はそこまでではなく、特に佐賀県にとってみれば、そこまでの時間短縮効果はないのだという。

でも、フリーゲージトレインを実現するよりは、都合を付けて新幹線を建設する方がよいだろうという流れになりつつある。


そんなわけで、期待されつつも実現が見えないフリーゲージトレインだが、意外な会社からフリーゲージトレインについての発表があった。

フリーゲージトレイン開発推進に向けて (近鉄)

なんと近鉄である。今まで新幹線絡みで注目されていたフリーゲージトレインが、新幹線とは無縁な近鉄で出てきたのだ。

でも、近鉄がフリーゲージトレインに注目することにはそれなりの理由がある。

フリーゲージトレインが実用化すれば、京都駅から京都線・橿原線を経由し、橿原神宮前駅からレール幅の異なる吉野線を経て、吉野駅まで直通運転することが可能になります。

京都~吉野の直通特急を走らせるためにフリーゲージトレインを使いたいという話である。


京都→橿原神宮前の特急には「吉野連絡」を付け、吉野→橿原神宮前(→あべの橋)の特急には「京都連絡」を付けて走っているなど、

近鉄は、京都~吉野というルートをとても意識しているのだが、レール幅が違うので乗換は避けられない。

でも、これを解消したいという思いはあったらしい。

一番、素直な解決法はレール幅を変えるということ。過去に検討したようだが……


近鉄は過去に何度も改軌をやってきた。

  • 天理線 (1922年, 762mm→1435mm, 現在の橿原線建設時に買収した軽便鉄道を改軌・電化して橿原線に接続)
  • 名古屋線 中川~江戸橋間 (1938年, 1435mm→1067mm, 中川駅への乗換機能の集約のため、後にまた1435mmに戻る)
  • 田原本線 (1948年,1067mm→1435mm, 電化にあわせて改軌)
  • 名古屋線・鈴鹿線 (1959年, 1067mm→1435mm, 大阪~名古屋直通運転のために改軌、伊勢湾台風からの復旧工事にあわせて完成)
  • 湯の山線 (1964年, 762mm→1435mm, 名古屋線との直通運転(特急含む)のために改軌)
  • 志摩線 (1970年, 1067mm→1435mm, 鳥羽線で他路線とつながるのにあわせて改軌)

天理線は改軌っていうけど、ほぼ作り直しだよね。

田原本線の改軌は直通運転のためではない。おそらく、電化にあわせて車庫を西大寺車庫に集約したかったのだろう。

湯の山線の改軌はもともと直通運転のためで、以前は特急の直通もあったが今はなくなっている。今は車庫が共通化できているだけだ。

名古屋線は大阪~名古屋直通運転のため、志摩線は大阪・名古屋~志摩直通運転のための改軌で、これがなければ現在の近鉄はない。


一方で改軌というのは大変な工事で、志摩線では3ヶ月間にわたって運休を行っている。

できるだけ運休せずに工事を行った事例もあるのだが……

それが1959年に浅草線への直通運転のために改軌した京成だ。運休なしに通勤路線の改軌を成し遂げた。

ただし、段階的に改軌を進めるので、改軌済の区間と改軌前の区間の境界で乗り継ぎを行う必要があった。

あと、1372mm→1435mmということでレール幅の差も小さかったので、工事が簡略化できた部分もあるようだ。

京成ができたからといって、同じようにできるかというと怪しい。


まだ吉野線だけの改軌ならば、なんとかなるのかなぁとも思ったんだけど、すると大阪への直通運転ができなくなる。

南大阪線の大阪府内は利用者も多く、先日は一部運休で大変な混乱を起こしている。(cf. 逃げ道があるようであまりない)

そんな路線で改軌工事となれば、京成のように区間を区切って工事としても大きな混乱を引き起こすことになりかねない。

吉野線に限れば、3本のレールを敷き、2種類の線路幅で使えるようにするという方法も考えられて、

それは近鉄も検討したようだが、それはそれで不都合が多くて、採用不可という判断になったのだろう。

車両の中心がズレるので構造物への影響が大きいんだよね。考えようによっては改軌より難しいかもしれない。


一方でフリーゲージトレインには勝ち目がある。

改軌は不要で、接続駅に変換用の設備を用意すればよいだけだから、運行への影響は小さい。

新幹線では問題があるとされたが、高速走行時の問題が主なので、在来線だけしか走らないならかなり軽減される。

新幹線で使うことを想定して改良が進められてきたので、それなりに使い物になりそう。

問題は車両コストですかね。新幹線ほどお金が動かないのに、高価なフリーゲージトレインを買うのは割に合うのか。

地上設備、車両の導入、保守という点で吉野特急に見合うものかは慎重に考えないといけないだろう。


ちなみにフリーゲージトレインはヨーロッパでは高速鉄道への導入例がある。

ただ、日本のフリーゲージトレインは狭い方が1067mmということで難易度が高い。

この分野ではスペインのTalgoが強いのだが、スペイン国内が1668mm、隣接地域が1435mmですからね。

スペインができているから日本でできるわけではないのは、そういう差があるから。

そんな中で、形になりそうなところまで持って来れたのは立派だと思っていたが、結局は不採用になりそうとなっては報われない。

この近鉄の発表を見て、捨てる神あれば拾う神あり ということなのかなと思ったが、かといって採用されるかはわからない。


Author : hidemaro
Date : 2018/05/15(Tue) 23:10
交通 | Comment | trackback (0)

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