雪で繰り上げ投票? 繰り延べ投票?

東京都では予報通り雪に見舞われた地域が多かった。

投票状況は低調、とはいえ期日前投票は全国的には前回より多く、

悪天候を見越しての期日前投票も一定あったのかもしれない。


衆議院議員選挙の公示の頃から雪害で投票が大変かもしれないとは言われていた。

もし雪害で投票が困難と判断すれば、繰り上げ投票もあるのではないか?

そう思ったが、雪害を理由に繰り上げ投票にした投票区はなかったようだ。

やはり繰り上げ投票というのは離島以外には適用されない制度なのか。


一部の離島では恒常的な繰り上げ投票を行っている。

これは開票所への投票箱の輸送に支障が生じる可能性が高いためである。

東京都では小笠原村母島の投票が前日になるのが恒例である。

開票所が父島にあり、定期船での輸送を考えると当日中に運ぶことは困難。

開票が遅れることを避けるために前日投票にして、本来の投票日に輸送していると。


もっとも離島だからといって繰り上げ投票になるとは限らない。

青ヶ島村は絶海の孤島だが、島内に開票所があるのでその必要はない。

かつては鳥羽市は離島でも神島以外は当日20時まで投票所を開けていた。

定期船の最終便は既に出ていたが、チャーター船を用意していた。

もっとも現在は本土含めて18時まで繰り上げられ、基本は定期船での輸送になってそうだ。

なお、大抵の離島では万が一、船での輸送ができなくなった場合に備え、

消防・警察・自衛隊のヘリコプターでの輸送を行う協定を結んでいる。

実際、羽幌町では繰り上げで金曜に投票が行われた天売島・焼尻島の投票箱をヘリコプター輸送している。

天売・焼尻の投票箱、15年ぶりにヘリ輸送 悪天候でフェリー欠航 (北海道新聞)

ただ、ここに書かれているとおり基本的には珍事である。

悪天候の場合、ヘリコプター輸送も困難になることが多いためである。


この繰り上げ投票というのはあらかじめ予定されている場合が多いが、

過去には台風のため急きょ繰り上げ投票となった事例もある。

いずれも離島である。さっき紹介した鳥羽市の離島も2017年の衆議院議員選挙のときは繰り上げになっている。

ちなみにこの選挙は悪天候による期日前投票が認められた初めての国政選挙でもあり、

台風で投票困難になることを危ぶんで期日前投票した人は多かった。

もっともこのときは鳥羽市の開票所周辺が浸水害をうけてしまい、

本土の投票箱が運搬できず、開票は延期になってしまった。


雪害による繰り上げ投票を検討したかは定かではないが、

離島に比べると繰り上げ投票の周知が難しいという問題は当然ある。

対象も山間部の一部に留めるのか、市町村全部にするのか。

あとは、そもそも大雪続きで、繰り上げ投票にしても雪害の回避とは言いがたいという事情もある。

冒頭に全国的には期日前投票は多いとは書いたものの、雪国ではその限りではない。

期日前投票 過去最高20%/青森県内6日現在、初の20万人超え (dmenuニュース)

青森県全体としては前回より多いのだが、青森市を含む1区は減少している。

雪の影響が長く続いている地域は期日前投票も難しいことを示しており、

一方で八戸市を含む2区は+5ポイントと大幅に増加している。

雪が極端に多くない地域では、全国的な傾向が当てはまるようだ。

繰り上げ投票も雪害による投票困難を回避するものにはならなかったのだろう。


一方で繰り延べ投票という制度もあるらしい。

「警報級」大雪予想、警戒する選管 「投票に行って」と言いづらい? (朝日新聞デジタル)

国政選挙での繰り延べ投票は1974年に豪雨のため発生したのが最後だという。

地方選挙では2010年にチリ地震津波で一部投票所を閉鎖した 青森県おいらせ町、

2014年に台風のため市長選挙を全部繰り延べた豊見城市などの例があるという。

いずれも1週後への繰り延べである。おいらせ町は他の地域の投票箱は1週間そのまま保管したという。

とはいえ、これも道路寸断レベルでなければやらないだろう。

というので繰り延べ投票が起きたという情報はない。


昨日、東京競馬場は8レースから雪のため打ち切り、

この時点で日曜はやるつもりないんだろうなと思っていたが、

まさかの京都競馬場までも雪のため中止となり、

小倉競馬場は開催されたが、除雪のため開始が遅れ、障害レースは中止に。

そう、北九州でも雪が降ったのである。どっちかというと日本海側ではありますが。

暖地でもこんなのだから大変な日ですよ。

悪天候で期日前投票

日曜は衆議院議員選挙の投票日だが、どうもこの週末は雪が降る地域が多いと。

雪国では当日の投票、あるいは明日の期日前投票は危ないかもしれないと。

で、南関東もその可能性がそこそこあるんですよね。

もちろん投票所に雪でたどり着けないという可能性はほぼないが、

雪の中、選挙に行ってケガするのも嫌な話である。あと買い物もそう。


そんなこんなで仕事終わりに、期日前投票と買い物に出かけることに。

ただ、よりによってこんな日に定時後にヨーロッパとの会議が設定されてしまう。

30分残業で済むという話だが、そんな気は全くしない会議である。

案の定、延長されて1時間超の残業、ひどい話である。

そこから帰宅してバイクを出して、市役所→イオンと往来することに。


今は宣誓書に期日前投票する理由を選択する必要はないが、

選択しろと言われれば「悪天候」である。

市役所に到着したのは19時過ぎ、名簿照合のところで列ができている。

投票所入場券はみんな持参しているし、裏面の宣誓書もほぼ書いてから来ている。

名簿照合なんて投票所入場券のバーコードを読んで、宣誓書の内容をチェックするだけだと思ったが、

なぜかえらい時間がかかっていて……担当者の手際が悪いのかもしれないが。

ただ、投票所入場券の端に番号を書いていたり、何か手間がかかっているのかもしれない。


投票所を出るときに後ろを振り返ると、だんだん混雑が増しているようで、

果たして20時からどれぐらい延長戦になるのだろうか。

悪天候を見越したか、そもそも投票日前の金曜夜は混むものなのか。

当日は19時台に投票する人なんてそんなにいないというけどね。

栃木県だと全投票所が19時やそれ以前に繰り上げられていたりするけど。

そんなことを考えながら、バイクに再び乗って買い物へ向かったのだった。

イオンでも土日に買い物をスキップしても困らないぐらい買った。


それにしても、解散するかもという話があったときから、

この時期の選挙は雪国にとっては過酷だろうと言われてはいたが。

本当にここに大雪がぶつかるというのは困った話である。

遅くとも昨日とか今日に投票しておかないと危ない地域はけっこうある。

というかここまでの大雪で道路脇や歩道に雪が積み上がり、

新たな雪がなくても危ないかもと思っていたぐらいである。

地域によってはかなり投票率に影響するんじゃないですかね。

ただでさえ投票所入場券の到着遅れもあって期日前投票はスロースタートなのに。

あと、雪国にとっては先週末もしばしば大雪だったのが痛い。


そもそも予算案の審議が行われているはずの時期に選挙をやっていること自体が考え物である。

で、どうも高市総理大臣はこんなことを言っていたらしい。

高市首相は衆院選が公示された1月27日午後、仙台市青葉区で行った街頭演説で「重要な委員会の委員長を他の党に取られている」と言及。「どうしても出したかった法律案を付託しようと思っていた法務委員会も別の党。審議してもらえないと思って今国会への提出は断念した」と述べました。

(高市首相が熱望する衆院の「委員長ポスト」って? 政党の国会戦略と連動<かほQチェック> (河北新報))

国会の常任委員会の委員長は会派ごとの議席数に応じて割り振られるのが慣例である。

よく絶対安定多数を獲得すれば、全委員長を独占できるというが実際に独占した事例はない。

ただ、与党会派の意向により委員長のポストを取れることは確かである。

解散前の衆議院で象徴的なのが、予算委員長が立憲民主党会派に割り当てられていたことで、

これは前回の衆議院議員選挙後に野党最大会派としての責任を果たすようにという意図があったという。

特に運営上の問題が生じてはおらず、意図された責任は果たしているのではないかと思う。


「審議してもらえないと思って」とは言っているが、委員長にそこまでの裁量はあってはならない。

ただ、与党会派が委員長である場合に比べると無理は利きにくい。

このため日程を詰められず、他の法案の審議など考えると、出せない法案があった。

こういうことは考えられる話ではある。

でも、それは委員会で行われる法案の具体的な審議を軽視しているということで、

それはすなわち議会軽視そのものなんですよね。


自民党の国会軽視は今までもたびたび発生しており、

公明党の連立離脱もそういうことの積み重ねだったと理解している。

現在の衆議院の構成では国会でしっかり議論しないと進められないが、

多党制の時代には当然必要なことであり、それが委員長の割り当てにも現れていた。

しかし、それを公然と不満というのは、どうなんだということである。


嘆かわしいのはそれに同調する有権者も多いことですよね。

自民党の候補者もそれでよいと思っていない人は少なくないはず。

そもそもこの選挙の動機が「国論を二分する政策」のためだという。

ならば「国論を二分する政策」は自民党内も二分する政策なんじゃないか? と思うわけですよね。

(候補者が乱立しそうなわけ)

党内で十分な議論が必要だ、議会で議論が必要だという意見は自民党内にもあるはず。

自民党が圧倒的な議席を獲得しても、そう容易な話ではないと思っていた。

でも高市さんは圧倒的な政権支持率を背景にすれば、すっ飛ばせると考えているのか?

本当にそれでいいの? 国会や自民党ってそういうものではないでしょうと。

売春防止法の穴をふさぎたい理由

今さら? という話もあるのですが……

売春防止法、買う側の勧誘行為も処罰案 法務省、検討会立ち上げへ (朝日新聞デジタル)

どうもこれ、ある種の性風俗特殊営業を取り巻く環境が変化していることも理由なのかもしれない。


売春防止法というのは昔からある法律だが、まずこういう規定がある。

第二条 この法律で「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。

第三条 何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。

ゆえに、昔から売春については売方・買方いずれに関与しても違法である。

ところが罰則規定があるのは下記に限られている。

  • 公衆の目に触れる場所での勧誘
  • 売春の周旋
  • 困惑等による売春
  • 売春の対償の全部または一部を収受すること
  • 売春させる目的で前貸しすること
  • 売春させる契約をすること
  • 売春を行う場所の提供
  • 居住させて売春をさせる業、そこに土地・資金を提供すること

といったところで、組織的な売春行為を取り締まることを重視している。

唯一、売春の勧誘については個人間取引でも発生しうるものである。

ここで取り締まられた女性を収容する施設として婦人補導院というものが2024年まで存在した。

もっとも1980年代以降は収容者はほぼいない状態が続き、有名無実だったというが。


さて、上記を真面目に考えれば、売春そのものは罰則がないが、

それを宣伝する行為については罰則があるので正面からやるのは難しい。

そこである種の性風俗特殊営業などを隠れ蓑にする方法が考えられた。

売春を宣伝するのは罰則があるが、性風俗特殊営業に列挙された営業であれば一応は問題はない。

そこで提供されるサービスは表向き、性交は含まれないとしておく。

商慣例により暗黙的に含まれていると解される店もあるわけだが。

その上で、店としては売春そのものには関与しないし、その報酬は本人が全て受け取る。

店としては売春以外の部分に対して報酬の一部を受け取るという建前である。

こういうことで一定の秩序により売春が行われていると言われている。


ところが、最近は売春場所の提供などで摘発される性風俗特殊営業の店舗が相次いでいる。

これは今さらの話ではある。店は関与しないと言ってもそこで売春が行われているのを知らないわけはないだろうと。

そうすれば売春場所の提供から逃れることはできないじゃないかと。

ただ、今まではそこは黙認されていたということなんですよね。

なぜ、今さら取り締まりが行われているのか? これはいくつかの側面があるよう。

1つは他の組織犯罪対策のため。スカウトグループの取引先を取り締まっているということである。

匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)とよばれるものの1つで、

その名前の通り、匿名かつ組織が流動的で取り締まりが難しいと。

そこでその取引先の検挙をきっかけに取り締まりを強化していきたいと。


もう1つは悪質ホスト対策の一環である。

悪質ホスト対策の改正風営法成立、6月下旬に実施 好意つけ込み禁止 (朝日新聞デジタル)

ホストクラブ側の対策に着目されることが多かったが、それ以外にも及んでいる。

売掛金の回収を目的として、顧客を性風俗特殊営業に紹介すること、

さらにその売上の一部を紹介料として支払う「スカウトバック」も禁止されることになった。

当然、こういう行為を行わなければ問題はないのだが、それでは商売が厳しいのが実情らしい。


そんなこんなで店舗を設けて実質的に売春を行う商売は難しい。

派遣して、その先で個人間の売春を行う行為であれば場所の提供の問題はない。

ただ、店側の関与が減る分、売春する側にとってのリスクは高い。

それを承知でやるという判断もあるのかもしれないが。

さらに言えばこういう商売でもスカウトバックの取り締まりの対象である。

こうなってくるとやはりこういう商売も難しくなるようである。


ともあれ、従来は一定の秩序により実質的に売春が行われていたが、

それが排除されてくると、より組織化されない、あるいは組織化されていないように装った売春が増えるだろうと。

これに関連して調べごとをしていて偶然発見したのだけど……

「援助交際デリバリーヘルス」か、北九州市の少年6人逮捕 女子中学生を勧誘し売春させた疑い (西日本新聞)

タイトルがほぼ全てなのだが、「援助交際デリバリーヘルス」はまさにそれである。

出会い系サイトで、実際に売春を行う人になりすまして相手を探して交渉し、

その上で成立した相手のところに実際に売春をする人が派遣されると。

外見的には個人間取引だが、実態は組織的な売春であると。

これもトクリュウが関与していることがしばしばあるようだ。


性風俗特殊営業への取り締まりが強化される中で、売春の形態がより悪質化しかねない。

ゆえに従来処罰の対象としてこなかった買方にも処罰が及ぶようにしていかないと、

より悪質な形態の売春に対処できないという危機感があるのだろう。

これは今さらの話ではあるが、悪質ホスト対策から地繋ぎの話とも言える。

なお、18歳未満に対しては 児童買春・児童ポルノ禁止法 が適用され、

売春防止法の売春よりさらに広い概念で買方に対して処罰を行うことができる。


一方で自分で分別が付くはずの18歳以上について、単純に同じ考えは適用できない。

このことは国会答弁でも言及されていたようで、

平口法相は昨年の国会で、「私生活上の行為として、あえて処罰の対象とすることまでは適当ではない」などの議論があり、性行為自体は罰しない現行法になったと経緯を説明。「国民の自由を不当に制限しないか、十分な検討が必要だ」と慎重な姿勢を示した。

というわけで、罰則を設けるにしても一定の類型を定義しないといけないのかなと思った。


冒頭に書いた定義に立ち返ると「対償」と「不特定」というのがある。

公衆の目に触れる場所での売春の勧誘は、不特定多数に対償を呈示している。

なのでこの要件に当てはまるのは明確で、だから罰則の対象にできる。

こういう行為に買方として関与することもまた罰則の対象にできるかもしれない。

ところが世の中に目を向けてみると「パパ活」とか聞きますけど、

金品は受け取るが、そこには対価性はないという名目である。

通常の人間関係におけるプレゼントの範疇であると。

どう考えてもそんなわけはないのだが、こういう主張が抜け穴になりかねないわけである。


これで売春を根絶できれば良いが、どうもそんな気はしない。

それは抜け穴が残るだろうということもあるが、分別の付かない人はいるだろうと。

買方にはまともではない人ばかりが残り、それでも売春から脱却できない人はより苦境に追い込まれる。

もうそういう傾向はあるんじゃないかと思う。

脱法的に売春を行う手法が減れば、見つからないように悪質化していくのは必然か。

あるいは日本の法律が及びにくいように外国で行うとか。

外国への人身売買もまたトクリュウが関与していることがしばしば。


どうせ売春の根絶に至らないなら、行政が関与して秩序を示すべきでは? という意見もありますが。

ただ、そもそも性風俗特殊営業も届出を受け付けるに留めていて、

これは行政が公認したものではないという建前によるものらしい。

こういう立場で一貫している以上、行政の積極関与は現実的ではない。

どうしてもこれまでの経緯を考えると仕方ないのかなとは思うけど、

なかなか思ったような効果は得にくいのだろうなと思うところ。

週末に間に合わない投票所入場券

昨日、家に帰ってきてポストを見たら、しょうもないDMが1通。

ということは……まだ衆議院議員選挙の投票所入場券が届いてないのか。


まず、これは正しい状態なのかということである。

市のWebサイトを掘ると、来週月曜か火曜に配達予定とのこと。

というわけで妥当なようである。

投票日までには届くので本来の役割としては問題ない。

が、これじゃあ期日前投票が困りそうだなと思った。


散々言われている話だが、期日前投票には投票所入場券は必要ない。

これは不在者投票もそうなのだが、宣誓書を記載するわけですよね。

その内容を見て、選挙人名簿と照合して受付ができるためである。

ただ、手元に投票所入場券がある場合は持参するように求めている。

これは混乱防止のために投票所入場券を回収する意味もあるかもしれないが、

多くの市町村では投票所入場券にバーコードを付加していて、

そのバーコードで名簿照合を行うことができるためである。


さらに言えば、最近は投票所入場券に期日前投票の宣誓書を刷り込んでいる市町村も多い。

事前に投票所入場券の裏面や下などに設けられた宣誓書の記載事項を書いて持参すればスムーズである。

最近は期日前投票受付で宣誓書を書いている人はあまり見ないぐらい。

書く場合でも入場券の裏面に書いている人が大半である。

ただ、宣誓書の紙はちゃんとおいてあるはずである。

まだ届いていない場合、何らかの事情で受け取れなかった場合、紛失した場合など。

おいてある紙に書けば投票できるわけである。


今週末はまだ誰も投票所入場券が届いていないので、あらかじめ書いて持参するのは難しい。

その上、受付では宣誓書の内容を元に選挙人名簿の照合をしなければならない。

そしたらどう考えても混むだろうと思うわけである。

だいたい期日前投票は投票日前日の土曜日の混雑がひどいが、

選挙期間に入っている場合はその前の土日もそれはそれで多いはず。

でも、上記のような事情で足が遠のくのではないかと思う。

そうすると前日土曜の混雑激化、投票断念という有権者も一定出るのだろう。


あと今回はさらに面倒な話があって、最高裁判所裁判官国民審査である。

昔は国民審査の不在者投票・期日前投票の開始は衆議院議員選挙とズレていたが、

2016年以降は基本的には一致するようになったそう。

ところが今回はあまりに急な日程のため、裁判官の名前を刷り込んだ投票用紙の準備が間に合わないと、

投票開始を遅らせる措置がとられ、明日2/1から投票開始である。

国民審査については投票する意義を感じない有権者も多いだろうが。


ただ、ふと思い出したのだが、国民審査が在外投票の対象でないことについて違憲判決が出て、

現在は国民審査も在外投票できるようになった。

国民審査が在外投票の対象外としていた背景には投票用紙の送付が間に合わないということがあり、

対策として裁判官の名前の代わりに番号が印刷された投票用紙を使い、

その番号と裁判官の名前の対応関係は在外公館などに掲示するという方法がとられた。

これを期日前投票・不在者投票の初期に適用すればよかったのでは?


というわけで困った選挙ですよね。

今までも投票所入場券の到着が遅れるかもという話はあったが、

1~2日程度のことで、前の週末の期日前投票には間に合っている。

今回もそんなもんだと思ったのだが、もう派手に遅れまくってると。

市町村によっては市役所以外の期日前投票所の確保ができないという話もあった。

制度上、急な選挙というのは当然あるけど、今回はいろいろな思惑があってこういう状況である。いけませんね。

候補者が乱立しそうなわけ

衆議院も解散され、ポスター掲示板も現れ、選挙か……という感じである。

連立政権の構造も変化し、党内外の候補者調整に苦慮しているようだが、

どうも今回の衆議院議員選挙、全国的には候補者乱立の気配である。


まず、連立与党の自民党と日本維新の会だが、両党間では候補者調整をしないという。

自民党が公明党が担当していた選挙区にも候補者を擁立するのは予想していたが、

大阪府内もフルエントリーを目指すというのは正直予想を超えていた。

ただ、日本維新の会の中でも全国政党化の野望は消えていないようで、

自民党と地域で分担するという形にはしたくなかったのだろう。

自民党としても同じような考えはあって、お互いの党内事情には合致していると。

ただ、連立与党全体として獲得議席最大化にはならない話である。


それに比べれば中道改革連合と国民民主党の方が調整されているぐらいである。

公明党が小選挙区から撤退ということで、小選挙区という観点では立憲民主党=中道改革連合といってよい。

国会だけ見ていると立憲民主党と国民民主党はお互い別々の道を行っているように見える。

ところが地方議会や地域の労働組合では協調体制でやっているところも多く、

両党の候補者擁立にもかなり影響を与えているようである。

ただ、東京都に限って言えば、両党好き勝手擁立しているようである。

都市部では国民民主党の支持が強いのも理由なのかもしれないが。


これだけでも地域によっては乱立模様だが、他もある。

まず前回の参議院議員選挙でも存在感のあった参政党である。

参政党はめんどくさいことを言ってるんですよね。

もっと外国人を入れて多文化共生をやりましょうというような自民党議員がいる。参政党と違うことを言っていたら、参政党は(対立)候補を立てる

(参政党が「抱きつき戦略」で狙う伸長 「我々の飛躍が政権を支える」 (朝日新聞デジタル))

参政党としては高市総理大臣の掲げる政策とそう変わらないと言っている。

しかし自民党の中には参政党の考えと異なる考えの候補者もいる。

そこに対立候補を立てる、というのはライバルは自民党だってことか。


もう1つ、共産党ってのもありますね。これは前回からもう大量擁立だが。

一時は立憲民主党と協調体制に見えることもあったが、労働組合との関係で立憲民主党側が嫌がったこと、

小選挙区比例代表並立制の衆議院では比例代表での票の掘り起こしという実利もあり方針転換をしている。

公明党と合同し中道改革連合ができたことでなおさら差は大きくなったと。

というわけでこれは納得感はあるかもしれない。


ところでなんで高市総理大臣は衆議院解散に走ったのだろうか?

これは「国論を二分する政策」を進めるためだと言っている。

高市首相が言う「国論を二分する政策」とは 国のあり方問う9の焦点 (朝日新聞デジタル)

少し前まで自民党には国会を軽視する動きがあった。

自民党の党内政治で決まったことを、連立与党の公明党を含む国会は追認していればよいと。

それができていたのは自民党が圧倒的な多数を占めていたからであり、

今選挙を行えばそういう状況を作り出せると見ていると。

こうなれば国会での議論はそこそこに「国論を二分する政策」を進められると。


ただ、そこには自民党内できちんと合意できているという前提が必要である。

自民党は国民政党として幅広い意見を集約できることが強みである。

ならば「国論を二分する政策」は自民党内も二分する政策なんじゃないか? と思うわけですよね。

折しも先の参議院議員選挙のときには参政党の台頭の中で「自民の左傾化が懸念される」とも書かれた。

比例代表の支持の集め方

この頃は自民党・立憲民主党を中心とした協調路線を模索しているようにも見えていた。

両党とも現実的に行うべきと考えている策は近いとみていたからである。


政権への信任を測る選挙で、自民党の候補に票を投じることが信任である、

という単純な話であれば自民党はかなり有利そうである。

ところがまず連立与党というだけでも日本維新の会が存在する。

直近の選挙を経て左傾化が進んだとみた自民党には参政党も対抗候補をぶつけてくるだろう。

世論調査を見ると、内閣支持者の中には国民民主党の支持者も多いという。

国民民主党の候補がいなければ自民党に回った票も、国民民主党がいるとそちらに回るかもしれない。

では漁夫の利を得るのは小選挙区制の定石に忠実な中道改革連合なのか?


候補者乱立といっても地域性がある話だとは思うのだが、

全国的なムーブメントとして参政党が自民党を切り崩そうとしているのは怖い。

怖いというのは自民党ではない他党が議席を取るという観点もあるが、

自民党内の勢力分布が変わってしまうことへの恐ろしさもある。

今までは自民党に参加することがよいと考えていた政治家も、

自民党への参加から他党への乗換を模索することはあるかもしれない。

そういう流れが進みすぎると自民党は国民政党であると言えなくなってしまうかもしれない。


今まで僕の読みはあまり当たっていないので、話半分で読むべきだが、

当初、高市総理大臣が思い描いたほど容易なことではないようだ。

例え、この選挙で多くの議席を取ったとしても、将来的にボディーブローのように来る話なのかもしれない。

かといって前の参議院議員選挙のように参政党の猛攻を受け続けるよりはマシという判断もあるが。

中道改革連合とはなにか

どうも衆議院を早々解散するらしいという話が出てきて、

いや正気か? という話はあるが、どうも堅いようである。

そんな中、連立政権から離脱した公明党はどうするのか?

と見ていたら立憲民主党とともに「中道改革連合」という新政党を設立することにしたという。

これは政党ではあるのだが、衆議院に限って活動する政党になるようである。

地方議会や参議院については従来通り立憲民主党・公明党が並立するという。

選挙制度の違いから妥当性はあると思うのだが、気になる部分は多い。


どうして2党は衆議院では合同の政党を設立する必要があったのか?

これは衆議院議員選挙が小選挙区含め政党中心であることがある。

重複立候補をするためには比例代表と小選挙区の政党を合わせる必要がある。

比例代表の議席配分はドント方式によるが、簡単に言えば1議席未満の端数を切り捨てにする仕組みである。

端数処理を考えれば2党で1党扱いできれば1議席増えるかもねと。

現在の公明党所属の議員は小選挙区から撤退し、比例代表の名簿上位に記載するようである。

そうなるとほぼ当選確実だが、端数処理で得すればチャラである。

残りは主に小選挙区からの復活当選に充てられることとなる。


公明党からすれば勝ち目に乏しい小選挙区への擁立を避けて、

一方で自民党に次いで立候補予定者の多い立憲民主党に乗っかれれば、

公明党支持者が投票先に困ることも少ないだろうと。

実態としてはすでに公明党支持者の相当数が小選挙区では立憲民主党の候補に投じていただろうし、

全体的に受け入れられやすい仕組みだったのかなと思う。

連立政権を去る理由、去られた理由


というわけで実態に合っているとは思うものの、なんで立憲民主党だったんだろう? とも思う。

というのもかつての公明党にもっとも近いのは国民民主党のように思えるからである。

この点について分析した記事があった。

なぜ新党結成?公明・学会の事情◇電撃解散で急展開 (JIJI.COM)

連立政権からの離脱の背景には公明党結成当初の理念との乖離があり、

一方で立憲民主党との一致点はかなり多いということである。

なのでまずはここを軸にしたのだろうなと思う。

そこに国民民主党が乗っかる気があれば参加してほしいが、

国民民主党としてはとりあえずお断りということである。

公明党が両にらみしたのかはわからないが、選ばれたのは立憲民主党だったと。


さて、冒頭書いたように衆議院で立憲民主党・公明党が合同する形ではあるものの、

一旦離党して新党に参加するという手続きを取る必要があるようである。

これは公明党側の意向なのかな? という気はする。

新党の理念に乗っかれないとした人は立憲民主党に残る可能性はある。

こういう話を聞くと希望の党騒動を思い出してしまうのだが、

おおかたは新党の方針に賛同しているようで、ほぼ移行できるようだ。


立憲民主党にしてみればメリットが多いことは確かである。

労働組合との連携の中で、共産党と距離が近いといろいろ言われるわけで、

そういう中で公明党との提携が強化されれば、そう言われることも減るとみているのだろう。

すでに共産党は衆議院では小選挙区への候補者大量擁立に戻してますからね。

小選挙区比例代表並立制がゆえ


以前にも書いたのだが、自民党としては多党制に否定的で、

そもそも連立に参加した日本維新の会との関係すら微妙である。

両党の事情もあり、選挙を行うとしても基本的に候補者調整はせず、

大阪府すら自民党はかつて公明党が擁立していた選挙区を含めてフルエントリーの意向らしい。

自民大阪府連、衆院選で公明党が候補者を立ててきた4小選挙区に独自候補の擁立目指す…大阪府知事選・大阪市長選は見送り (読売新聞)

今、選挙を行えば日本維新の会の口を封じられると見たのかもしれない。

だからといって勝てるわけではないと思うのだけど。


小選挙区制からすれば二大政党制は必然という話はあり、

自民党+日本維新の会と中道改革連合というのはその定石に沿ったものではある。

(自民党+日本維新の会は連帯しているか怪しいが)

ただ、本当に二大政党制がよいのか? というのは疑問もあるんですよね。

人々の考えが二大政党に集約できるとはとても思えないからである。

全体としては自民党一強の時代が長いが、これは自民党が国民政党としての役目を果たしていたから。

自民党が多党制に否定的なのは今もそういう自負があるからなのかもしれない。

一方で国会での議論が軽視される状況もあり、これではよくないという考えはある。

公明党の連立離脱もそういう問題の積み重ねなのだろう。


希望の党騒動の後、立憲民主党・国民民主党・日本維新の会がそれぞれ異なる道を進んだことは、

二大政党では包含できない考えが多いということを示してもいる。

国民民主党はどちらにも与しないという姿勢ですから、この考えは保たれているが、

そもそも自民党からの支持者流入が多かったらしい政党である。

自民党の党勢が戻ってくれば苦しいのではないかな? と思う。

国民民主党が他の政党と異なる道を行くこと自体は悪いとは思わないが、

芯が強そうで実は弱い政党なのではないかという疑念がある。


全体的にはあてにならない分析かもしれないのだが、

公明党としてはこちらの方があるべき姿とみた点は理解できる。

これで情勢が大きく変わったのか? というと懐疑的な面はある。

結局は自民党の党勢次第の面が多いんじゃないと。

ただ、小選挙区の仕組みからすればちょっとの差が大きな差になりかねないところで、

その点ではけっこう大きな話なのかもしれない。

アメリカが戦艦を作る?

高市総理大臣が就任まもない頃に物議をかもした国会答弁があり……

戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだと私は考える

(高市首相、台湾有事「存立危機事態になりうる」 武力攻撃の発生時 (朝日新聞デジタル))

中国政府がいろいろ騒いだ一連の答弁の一部にあった発言である。

この答弁内容は従来の日本政府の考え方を変えるような内容ではないと思うが。

大局的にはそういう話なのだが「戦艦」というところにツッコミを入れる人もいて、

なぜかというと、大砲を主力兵器とした 戦艦(Battleship)は現在存在しないためである。


というわけで「軍艦」の間違いではと指摘されたが、あくまでも例えということで言い間違いではないらしい。

ふーん、と言っていたらアメリカがBattleshipを作るというニュースが飛び込んできた。

「トランプ級戦艦」建造へ 2隻、大統領が発表―米 (JIJI.COM)

まさか高市さんは「戦艦」が主力艦に再び返り咲く時代が来ると読んでいた?


ただ、実際のところミサイルを主力兵器とした船なんですよね。

そのような船は通例 ミサイル駆逐艦(DDG) のように言われることが多い。

日本ではイージス艦って言われてるやつですね。

戦艦が主力だった時代は、駆逐艦は比較的小型で機動性が高い船を指していたが、

現在においては比較的大型の艦船を指すことが多い。

もっともそれにも限度があるだろうと大きいものは ミサイル巡洋艦(CG) と呼ばれることがありアメリカはそうしている。


それよりさらに大きいなら戦艦じゃないの? トランプさんの発想はそんなところだったのかもしれない。

実態としては超大型ミサイル駆逐艦ではないか? という読みはある。

駆逐艦に求められる機能も大きくなる中で、大きい船にしたということか。

それが本当に良いのか? という疑問は当然あるんですけどね。


日本では駆逐艦もフリゲートも「護衛艦」とされているが、

護衛艦の一種として国際的には巡洋艦(Cruiser)にあたる種別が規定されたという。

1つは CG、さっき出てきたミサイル巡洋艦ですね。

駆逐艦というにはデカすぎるイージス艦に適用する想定で、

イージスアショアが頓挫した結果、作ることとなった新しいイージス艦がこの区分になる。

今までのイージス艦も大概デカイので実態はあまり変わらない。


もう1つは CVM である。

この記号は固定翼機対応したヘリコプター搭載護衛艦(DDH)に適用する想定らしい。

固定翼機対応の駆逐艦

駆逐艦(DD)の一種として扱われているが、駆逐艦なのかは甚だ疑問とは言われていた。

実態としては軽空母に近いのだが、輸送・医療などの機能も備えているとか、

なにかに理由を付けてこれは空母じゃないですからねと言ってきたと。

ただ、さすがに駆逐艦ではないだろうということで、それ用の記号を新たに規定した。

それが「CVM」なのだが、CVというと空母だねと考えてしまうが……


ただ、どうも自衛隊にインタビューした人がいたそうでCruiserの”C”との回答だったそうだ。

VはVoler(フランス語の飛行)、MはMultipurpose(多目的)ということで、

多目的な航空巡洋艦というような意味らしい。やっぱりわからんが。

ただ、駆逐艦より大きいものは巡洋艦と呼ぶのが相応という点ではCGと同じ発想である。

なお、CVMを名乗る船は存在していないが、DDHはさらなる改造が予定されており、

この完了後に適用されるのでは? という憶測がある。


結局は同じような船を駆逐艦とするか巡洋艦とするかは各国の判断であり、

その巡洋艦を超えて巨大な船は戦艦と呼んでもいいのでは? というのもやはり各国の判断だと。

そこは日本の海上自衛隊が駆逐艦と巡洋艦の境目で揺れていることにも現れている。

でも、巨大な巡洋艦をBattleshipって言う必要はあるのか? という疑問はやはりある。

本質的な意味はあまりないという話だろう。


それよりなによりアメリカがこういう艦船を作れるのか?

というところを疑っている人はいるようだけど。

造船分野について日本・アメリカの連携を深める覚書を取り交わしているが、

アメリカの造船業は相当ボロボロらしい話は聞く。

そんな中でアメリカの海軍力は維持するのも困難ではないか? と疑われている。

「戦艦」はそのための起死回生の策なのかもしれないが、ドツボにはまるだけでは? という冷ややかな見方も妥当に思える。

性的ディープフェイクの被害者像

ふと気になった話。

生成AI(人工知能)などでわいせつな偽画像を作成する「性的ディープフェイク」について、警察庁は17日、18歳未満からの被害相談が1~9月に79件あり、半数超は同じ学校の児童・生徒が関与していたと明らかにした。

(性的偽画像の被害相談、18歳未満79件 5割超が学校内 生成AI普及で低年齢化―警察庁が初公表 (JIJI.COM))

こういうのは性質上、見つかっていないものが多いんだろうなと。


このような行為は 名誉毀損 や わいせつ電磁的記録媒体陳列 にあたるようだ。

どちらも外に発信するという行為が処罰対象になるものである。

すなわち頭の中で思っただけでは処罰できないわけですね。

それを他の人に伝える(必ずしも不特定多数に発信する必要はない)と問題になる。


AIを利用して画像・動画を生成して自分だけで使うという行為の場合、

実態としてはこれを処罰するのは難しいのではないかと思う。

AIを自分のコンピュータで運用していれば自分で閉じているとも言えるが、

実際にはAIを利用して画像・動画を生成するサービスを使っていることが多いと思われるので、

このサービスとの間では共有が行われることになる。

なので完全に自分の中に閉じる話ではないが、現実問題としてここが明るみになる可能性は低い。


それを嬉々として公開したり売ったり脅迫に使ったりするから問題なのであり、

そこの分別が付かない人が摘発されているとも言える。

同庁によると、裸の偽画像を公開されたといった相談は、中学生からが最多の41件。高校生は25件で、小学生も4件あった。被害者との関係は同級生や先輩など、同じ学校の児童・生徒によるものが53.2%を占めた。

と、いかにも稚拙なやり方なのだろう。

実際には大人の方が多いのかもしれないし、学校の外からの方が多いのかもしれない。


基本的にAIを利用した権利侵害があったとして、その主体はAIを利用する人間であって、

AIを提供している側ではないと考えるのが通常である。

ただ、権利侵害に対して無防備すぎるというような話があると、

AIを提供する側も何らか処罰される可能性はあるのかもしれない。

そういうとき上記のような通常は明るみに出ないものも問われるのかもしれないが、

まだそういうのが処罰されるという段階にはなっていないのかなと。


AIで画像・動画を生成・加工するというもの。

おおよそ撮影が困難な画像・動画を他からの類推で生成できる点に特色がある。

そんな被写体いないよねという画像が作れてしまうと。

その被写体というのは具体的に誰というわけではない場合もあるが、

冒頭で書かれたような おおよそ裸で撮影できるわけがない同級生 というのもある。

こういうのを想像の中だけでやるのは誰にも非難できる話ではないが、

生成AIで具体的に作れるようになり、具体的な形になると公開できてしまう。


どういう形で向き合っていくのがよいかは難しい問題ですね。

基本的に利用者側の責任であるという立場は重要なんですよね。

一方でそれでは権利侵害が止まらない部分もあるので、そこをどう考えるかという話はある。

でも、インターネットサービスは容易に国境を越えますからね。

国際的な合意があったところで、それに従わない世界もあるだろう。

他社も買う自動券売機

JR西日本では独特なタイプの自動券売機が導入されている。

無人型自動券売機 UT70 (JR西日本テクシア)

これ、他社でもけっこう導入されているらしく、JR北海道・JR東海なんていうJR他社も買っているらしい。

なかなかのアイデア商品のようである。


「無人型自動券売機」というのは無人駅での使用に適しているということである。

まず高額紙幣対応である。釣り札を出す機能も持っているのである。

(ただし駅によっては1000円札に限定している場合もある)

ICカードのチャージや残高を利用してのきっぷ購入もできるが、

モバイル端末を入れて使えるトレイタイプになっている。

タッチパネル搭載で、多言語対応、駅によっては特急券や往復乗車券も出せる。


ただ、欠点もあってそれが処理速度の遅さである。

特に小銭の投入が1枚ずつでしかできないのでまごつきやすいそう。

低コストで多機能な代わり、こういうところは犠牲になっていると。

比較的利用者が少ない駅に設置されているので許容できるのと、

ICカードチャージ機としての機能をかなり重視したのではないかと。

ちなみにVC70というICカードチャージ専用機もある。

ICカード入金機 VC70 (JR西日本テクシア)

もともとあったICOCAチャージ機と似たような形状をしているが、

高額紙幣対応の紙幣ユニット、トレイタイプのICカードリーダー、タッチパネルと構成要素はUT70に似ている。


それにしてもJR西日本テクシアはこういう機器をどうやって作ってるんだろうね?

券売機はオムロンのものに似ているように見えるので、OEMにも思えるがそう単純でもないらしい。

ただ、これらの実績あるメーカーから部品単位で手配できる商流があるようで、

それを生かして独自の機器を作っているようである。

ただ、どこまで自社でやっているのかとか、特注品だとかえって高く付くんじゃないかとか、気になるところはいろいろある。

でもニーズに合っているから売れるんでしょうね。

資格確認証の期限が来るが

財布の中に旧来の健康保険証はいれているが、来月頭には資格確認書としての効力もなくなる。

ポイしても特に何も起きないということである。

すでに医療機関(といっても歯医者一軒だけだが)ではマイナンバーカードを呈示しており、

特にこれでどうという話はないので、よいわけだけど……


健康保険の保険者にもよるが、勤務先の健康保険組合について言えば、

現時点でマイナンバーカードの保険証利用登録がされていない場合、

今年12月から1年間有効の資格確認証はとりあえず自動発行されるそう。

その先は都度申請が必要ということになるらしいが、果たしてどうか。

他の制度だと後期高齢者医療制度では2026年7月までは登録有無によらず資格確認証を発行するという。

すでに2025年7月には一度資格確認証を自動発行しているので、

あと1回は自動発行して、2027年7月末までは持つということである。


というわけで従来の健康保険証の資格確認証としての効力停止を前にして、

直ちには混乱を起こさないように各保険者対応しているとのことである。

うちの健康保険組合も今回限りの措置とはいっているけど、

正直なところそれで済むのかはわからない。

膨大な申請を都度受け付けて、それに応じて発行するのも面倒な話だから。

次の1年でさらにマイナンバーカードの保険証利用が進むことは確かだと思う。

でも、使っていない人がごく僅かとなるとは到底考えづらいところはある。

ましてや資格確認証が自動発行される状況だと。今回限りと銘打ってもね。


たびたび書いているのだが、マイナンバーカードの保険証利用はオンライン資格確認という技術によるが、

オンライン資格確認は従来からの保険証にも書かれている保険者番号・記号・番号でも利用できる。

ただ、昔からの保険証にはちょっと問題があって、

それが扶養家族も同じ記号・番号を持っているということである。

この対策として2021年から枝番というのが導入されて、個人別の番号を持つようになった。

この情報は非対応医療機関やトラブル時に呈示する「資格情報のお知らせ」や、

すでに、あるいは今後発行される資格確認書には記載されているはず。


マイナンバーカードの電子証明書から健康保険情報を引っ張ってくると、

この枝番に相当する情報は当然持っているので、個人別に治療内容などの記録が残ることになる。

実は従来の健康保険証はこの点に難があったんですね。

ただ、枝番さえ書けば同じことはできるんで、書いてもらえばよかったのだが。

あと、オンライン資格確認を行うと、同じ記号・番号を持った人が全員表示されるので、

その中で誰か特定して枝番を把握することはできているはず。

結果としては個人単位で治療内容をデータベース化することはできているはず。


あとはそれを医療機関で利用するにあたってはマイナンバーカードでの本人確認が必須とはなっている。

が、これはあくまでもポリシーの問題であり、技術的には問題はない。

実際、災害時などカルテが得られない場合には資格確認証でのオンライン資格確認でも使えるとなっている。

なので根本的にマイナンバーカードでなければならない理由にはなっていない。


当然、マイナンバーカードで健康保険が利用できるなら、

いちいち健康保険証を送らなくてよいというメリットはあるんですけど、

一方でマイナンバーカードで対応できないなら資格確認証を使うというワークアラウンドがある以上、

やはりそういうフローも存在するわけですよね。そこは避けられない話である。

オンライン資格確認はその資格確認証の有効性を確認する手段でもあり、

これは従来の健康保険証が抱えていた欠点の打開策でもある。

じゃあ、それでいいじゃないかというのは思うんですよね。


患者にとってほぼ唯一の差とも言えるのが、医師・薬剤師が治療履歴など確認出来る機能である。

最近は救急でも使用されるようになったようですね。

いずれもマイナンバーカードでオンライン資格確認を行うことが条件である。

が、さっきも書いたように技術的には資格確認証でも可能だし、災害時などには使われる可能性もある。

マイナンバーカードなら顔写真や暗証番号で本人確認を行うので、

それぐらいの本人確認はしないと使ってはいけませんよという話に過ぎない。


このポリシーがある以上、マイナンバーカードの保険証利用が進まないと、

医療機関での治療履歴活用が進まないので問題なわけですけど。

けっこう期待されている機能ではあるんですけどね。

投薬履歴などはかなりリアルタイム性が高まったという話もあるので。

でも、そこ縛る必要あったの? とは思うんですよね。


というわけでいろいろチグハグなところはあるんですよね。

特に支障がなければマイナンバーカードを保険証として使っておけばいいし、

それで楽になっている部分もあるとは思う。