SETレジスタとCLRレジスタ

新製品のマイコンのプログラムを本格的に書き始めた。

今までテスト用のプログラムをメーカーのライブラリを使って作っていたが、

うまく設定できてない部分があるのは把握していたので、レジスタを直接操作してあれこれやっていた。


このマイコンのレジスタ構成は面白いところがあり、

各種のフラグについて、値を読み書きできるレジスタとは別に、

SETレジスタとCLRレジスタというのが存在する。

INTENSET = 0x100; というのは INTEN |= 0x100; とほぼ同じで、

INTENCLR = 0x100; というのは INTEN &= ~0x100;とほぼ同じである。

割り込み有効フラグまでこんな方法で管理しているのは珍しい気がする。


この方法のメリットは割り込みなどで処理が競合しても影響を受けないことである。

INTEN |= 0x100; というのは INTENをリードして、0x100とのORをとって、ライトするという処理である。

このリードとライトの間に割り込みが入り INTEN &= ~0x20; が挟まったとする。

仮に最初のINTENが 0x20 だったとする。

0x120を書き込む直前で、割り込みでINTENが0x20→0x00と変化するも、

割り込み処理から戻ると 0x120となり 割り込み処理で消したフラグが復活してしまう。

こうならないように割り込み無効化して、書換を行いましょうという話である。

同じフラグをこうして競合して書き換えることがなければ問題ないのだが。


こういうことが比較的発生しやすいGPIOは対策されていることが多い。

1つはSETレジスタとCLRレジスタを用意するという方法。

もう1つはビット単位で操作出来るレジスタを用意することである。

32bitとか一括して操作出来るレジスタとは別に、1ビットずつリード・ライトできるレジスタもあると。

PORT ^= 0x10; のリード・ライトの間に PORT ^= 0x01; が挟まると、後者のビット反転が効かなくなるが、

PIN[4] ^= 1; と PIN[0] ^= 1; という形であれば、2つの書換は干渉しない。

PIN[4]のリード・ライトはその1ピンにしか影響しないためである。

両方用意しているのはそれはそれで珍しい気がするが、このマイコンは両方いけるみたいですね。


独特ではあるが、よくできた仕組みではあるのかな。

一般的なメモリとはだいぶ違うので戸惑いはありそうですけどね。

まぁマイコンってそんなもんだ。

WBCをNetflixが独占するのは妥当か

話題になっていたのですが……

読売新聞「当社を通さずに……」 Netflixの「ワールドベースボールクラシック」独占配信が物議 (ITmedia)

これまでWBCの試合は日本戦は地上波・BSの無料放送、それ以外はJ SPORTSで放送されていたが、

2026年開催の次回WBCでは日本における放映権をNetflixが独占したという話である。

ここに書かれているが、従来は東京プールの試合は東京プールの主催者の読売新聞が国内外の放送事業者に販売していた。

ただ、今回はWBC全体の主催者側でNetflixに放映権を売ってしまったので、

東京プールの主催者としては何も出来ませんねということが書かれている。


確かに昨今のスポーツ中継ではインターネット配信が幅をきかせており、

サッカーの日本代表戦がDAZNでしか見られないことが多く残念がる意見はある。

なかなかテレビ局にとっても費用面や番組枠の問題で見合わないところがあるようだ。

今回のWBCの話も同様に思えるが、少し違うのではないかと思う。


そもそも日本とDAZNという話をすれば、2017年にJリーグの放映権を獲得したのが大きなことである。

これはJリーグの試合を有料放送することの独占権であり、

無料放送はその限りではなく、NHK(全国放送・地域放送)や各地の放送局で放送が行われている。

このためサッカーファンにとってDAZNはよく知られた存在で契約者も多い。

DAZNの料金はそこそこ高いので、気軽に見てもらえないことは残念だが、

熱心なファンであれば契約しているので、それで国際試合も楽しめますねと。

DAZNはこの期待に応えるべく、AFCから放映権を獲得しているわけである。

なお、国内開催の試合は比較的テレビ放映されることが多いようである。

これはDAZNからサブライセンスという形でバラ売りを受けていると。

時間帯がよくスポンサーも付く国内開催だけでも頑張ろうということらしい。

ワールドカップ出場を懸けた大一番が地上波で見られない理由 DAZN独占中継は“悪”なのか (VICTORY)


一方、Netflixは野球中継を行うメディアとしては知られていない。

NPBの放映権は主催者に帰属しており、同じリーグでも主催球団により差が多い。

パ・リーグはパ・リーグTVなど一元的に観戦できる手段がある。

この背景にはソフトバンクホークスの存在があるとされている。

ソフトバンク傘下のYahoo!での配信が順次拡大しパ・リーグ全球団に達したためである。

一方、名門チームが多いセ・リーグは各球団事情は様々である。

比較的カバレッジが高いのがDAZNだが、広島カープが参加していない。

かつては広島県内からの視聴を制限するという条件でDAZNに参加していたという。

地元民放との関係を重視するがゆえの事情とされている。

阪神タイガースの虎テレなど各チーム独自の配信サービスもあり、

虎テレの場合、巨人戦とパ・リーグの交流戦はビジターゲームも配信している。

相互主義によるもので、GIANTS TVやパ・リーグTVなどでも阪神戦は配信されている。


NPBに限って言えば、誰も放映権を独占できていないんですよね。

NPB各球団が選手派遣を行う以上、普段から応援しているファンが見られないのは論外。

そういう状況でどこか1社が放映権を独占し有料で提供するのはおおよそ許されないとみるべきだろう。

WBCの開催にはMLBが多く関わっているので、MLBの配信プラットフォームで独占する、

というならNPBとしては落胆だろうが、これも理解できなくはない。

が、Netflixはそういうわけでもなく、門外漢が独占したような状況である。


NPBとしては地上波で放送したいという意向は伝えていたようである。

ただ、交渉とかいう以前にNetflixに売られてしまったわけですね。

Netflixはサブライセンスという形で他の放送事業者などに小売することはできる。

とはいえ、それでテレビ放映できる可能性は低いのではないかと思う。

それはNetflixは独占することを目的に買っているとみられるためである。

そこは金の問題ではなく、そこが動くとすればお金以外の事情だろう。


これに比べれば可能性がありそうなのはラジオ中継ですかね。

テレビ中継をNetflixが独占するのは絶対条件としても、

Netflix自体はラジオ中継ができるわけではないので、

他のラジオ局にサブライセンスしてもかまわないという判断はありうる。

過去のWBCでもニッポン放送でラジオ中継が行われており、

ラジオ放送は代替性がなく必須という主張は成り立つ余地はある。

そしたらみんなでラジオとかradikoで応援するのか。


Netflixにはよっぽど高額で放映権を売ったのだと思うが、

このWBCの収益というのはMLBが多くを持って行くことになる。

一応、それに次いで分配が多いのがNPBではあるのだけど。

他の競技だと国内で付いたスポンサーからの収入は国内で還流するが、

WBCでは一旦WBCにとりまとめられてしまうのが問題視されたが、

侍ジャパン常設化や東京プールの運営などで日本国内である程度還流できる体制ができたため、

NPB各球団によるWBCへの選手派遣が続いているわけですね。

当然、Netflixに売却した放映権料はNPBにももたらされるわけだが、

それ以上にMLBへの分配が多くなるわけですよね。


普段からNPBを応援しているファンが容易に見られないならば、

NPBは選手派遣を行わないという話も考え得る話である。

それでもアジア大会のように社会人代表を送り込めば国際大会に参加するという責務は果たせる。

さすがに2026年大会は東京プールの運営などで関与している状況で、

今から選手派遣を拒否するのは現実的ではないが、不可能とはいえない。

ましてや次回大会となればその制約はないだろう。

放映権は高く売れても、WBCが失った物は大きいのではないか。


NPBがそこまで強硬措置に出るかはわからないし、

現実問題として地上波放送は折りあいが付かない可能性はあるけど。

そこで思い起こされるのは2022年のサッカーワールドカップのことである。

このときは金額面で放映権の交渉が難航したわけである。

そこで助け船を出したのがABEMAだったわけである。

従来はNHKと民放で放映権を共同購入していたが、

ABEMAが多くを負担して、残りはNHK、テレビ朝日、フジテレビで分担できる範囲に収めた。

ABEMAは全試合をインターネットで無料配信、一部試合を上記の各社で放送した。

ABEMAとしては相当な持出にはなっているが、従来のスキームを活用したことで、

なんやかんや言ってもNHKにけっこう払ってもらってるんですけどね。

その中でABEMAと協業相手のテレビ朝日が有利に立ち回れるようにしたわけですね。


Netflix自体は野球とは無関係に契約している人も多いため、

別にそれでもかまわないという声もあるんですけどね。

でもやっぱりその先につながるものがないじゃないかという話なんですよね。

独占するというのはそれだけの責任を負うものである。

Netflixの優位は保てて、一定の責任を果たせる方法なんてラジオ中継のサブライセンスぐらいしか思いつきませんが。

果たしてどうなることやら。

メルカリのオークションの謎

メルカリといえば、出品者が決めた金額ですぐ購入できるのが普通だったが、

新たにオークション形式での出品も可能になった。

値付けが難しい場合に使える機能と言えるが、実際購入して見るとちょっと変である。


このオークションというのは最初の入札者が出た日の翌日20時台に期日が切られる。

出品した日にすぐ入札があれば、その翌日20時台に購入者が決まる。

ただ、実際にはそういう商品ばかりではないわけで、

漫然とオークション形式で出品され、競り合うこともなく1日近く待たされるものも多く、

今回購入した商品はまさにそういうものである。

なお、落札すると、締め切り後24時間その人だけが購入できる商品になる。

24時間以内に購入できないと他の人がその金額で購入できる。

24時間以内に購入しないと規約違反でペナルティが課せられるようだが。


で、まずおかしいのが開始価格では買えないということである。

このことはメルカリの説明でも書かれているのだが……

オークション形式とは、出品者が販売開始価格を設定し、購入希望者が販売開始価格よりも高い金額で入札することができる出品の形式です。

この「高い金額」というのは100円以上高いということである。

なので500円で開始している商品は最低600円以上出さないと買えない。

この時点で変な仕組みだなと思うのだが。


もう1つがセカンドプライスオークションではないということである。

多くの人になじみのあるYahoo!オークションは自動入札機能により、

2番目に高い入札額+最低入札単位 か 自分の入札額 のどちらか安い方で落札できる。

セカンドプライスオークションというもの

この仕組みにより、他の人より高すぎる金額で入札したとしても、

他の人の入札額をわずかに上回る金額で購入できるというわけである。

この方式自体はセカンドプライスオークションそのものではない。

しかし、ずっとオークションに貼り付いて駆け引きをしなくても、

容易に他の人の入札額をわずかに上回る金額で買えるという点では、

封印入札におけるセカンドプライスオークションに類似した特徴を持っている。


さて、メルカリのオークション機能というのは、一番高い金額で入札した人がその金額で買う方式である。

封印入札で言うところのファーストプライスオークションそのものではある。

一般的には公開で行われるオークションというと、オークショニアがだんだん価格をつり上げていき、

そこで一番高い金額まで競った人がその金額で買う方式である。

徐々に吊り上げていくので開始価格と希望価格の乖離が大きいと相当に時間を要するように思える。

そのため希望の入札額を書くとそこまで一気にジャンプする仕組みなんだろうが、

一方で公開入札なので、他の人の入札を見ながら、それよりわずかに上回る金額を狙うこともできる。

オークションに貼り付いている人が有利な仕組みとも言える。


封印入札の世界でもファーストプライスオークションの方が一般的ではあり、

この点ではYahoo!オークションは公開入札と見ても、封印入札とみても特異な方式ではある。

一方でこの方式であるおかげで、ここまでは払えるという金額を素直に入札すれば、

オークションに貼り付いていなくても、他の入札者をわずかに上回る金額で購入できる。

こちらの方が駆け引きにとらわれず率直に入札できるので、案外つり上がることもある。


というわけでイマイチな仕組みではある。

オークション形式と定額方式をシームレスに行き来できるのはよいことだが、

漫然とオークション形式のまま放置される商品も多く、

そうすると開始価格+100円でしか買えないし、1日待たされるしと、

必ずしも上手く使われているとは言えないように思える。


価格が決めにくいという点ではPayPayフリマには価格未定で出品できる機能がある。

希望価格を募って、それを参考に価格を決めることができると。

一番高い希望価格を出した人が買えるという仕組みではないのだが、

そういう使い方もできる仕組みとは言える。


あと、よく考えれば「バナナの叩き売り」で知られるダッチオークションも一種のオークションですね。

落札者が現れるまで価格をだんだんと下げていく方式である。

以前は「自動値下げ」という機能がメルカリで提供されていた。

どうも今年の6月にこの機能はなくなったらしい。

とはいえ、こういう形でだんだん価格を下げていき、

どこかで買う人が現れるのを待つというやり方は一般的な方法ではないかと思う。

せいぜいこのぐらいで売れれば良いという金額が明確にある場合はとりうる手法である。

お金の問題を時間の問題に付け替えた美祢線

山口県を走る美祢線、2023年夏の豪雨で大きな被害を受けたことをきっかけに、

鉄道としては廃止、BRTに移行することが決定された。

BRTというが現在の計画では専用道区間はわずかなのだけど。

JR美祢線復旧、BRTに決定 利便性確保・費用の鍵は専用道 山口 (朝日新聞デジタル)


ところでJR西日本ではいくつかの路線で存廃について沿線と協議している。

再構築協議会が設置されている芸備線の庄原~神代(新見)は筆頭だが、

大糸線の西日本管内(糸魚川~南小谷)も鉄道としての存続はおおよそ困難な見解が出ている。

加古川線の西脇市~谷川はこれから協議に入ると言っている。

(この区間は阪神・淡路大震災の迂回路に使われたことから電化された経緯がある)

で、美祢線も昔から鉄道としては厳しいんじゃないかと言われていた路線だったのだという。


そういう状況で豪雨で被災して橋が落ちるなど大きな被害が出た。

そこから復旧するにあたって、いろいろ注文を付けたわけである。

美祢線の鉄道復旧に58億円 工期は河川改修後5年 JR西見通し (朝日新聞デジタル)

まず、落ちた橋を直す前に河川改修が必要であると。

ところが河川改修をすると、落ちた橋以外も改修が必要で費用がかかる。

この一連の改修に58億円かかるが、その費用を誰が負担するか。

さらに言えば美祢線自体が鉄道としての存続が難しい路線なので、

復旧させるというなら設備を移管するように求めたわけである。

こちらの方が復旧費用という点では国の補助が手厚いのだが、

それをすると以後の維持費や被災時の復旧費用は沿線市などが持つ必要が出てくる。


そこをなんとかする覚悟は沿線市や山口県にはなかったのだろう。

復旧の前提となる河川改修に10年要するのは待てないというのがBRTへの移行を選んだ表向きの理由だが、

BRTであれば運行費用の赤字はJR西日本が持つということで、

BRTへの改修費用は沿線市や山口県が負担する分があるにしても、

長期的には負担が軽いという目論見もあったのではないかと思う。


なお、BRTの専用道区間というのは、湯ノ峠~厚保の並行道路がない区間のみで、

この区間が代行バスの運行に支障を来しているようで、

そこを解消するために最低限の区間をバス専用道に転用するようである。


この一連の話を見て、これに近い話があったなと思い出したのが、

名松線の家城~奥津である。三重県内、JR東海の路線である。

台風で被災後、再度被災の恐れがあるということで、

JR東海は復旧せず、恒久的なバス代行を提案したのである。

沿線としては復旧を希望し、三重県が治山事業、津市が水路整備を行い、

それならばとJR東海は復旧を行うことになり、6年半経て復旧した。

JR東海はローカル線の存廃を問うことはあまりない会社なのだが、

復旧についてJRが沿線の覚悟を問うたという点では全国的にも重い事例である。


美祢線の利用状況は2019年で厚狭~美祢が670人/日程度、美祢~長門市で340人/日程度である。

被害が大きかったのが厚保~美祢で、比較的利用の多い区間であり、

利用が多いと言っても鉄道としての維持は難しいと判断された状況である。

このぐらいの利用状況の路線ってけっこうあるんですよね。

鉄道では非効率というのはこういうの

芸備線(庄原~神代)、大糸線(糸魚川~南小谷)など200人/日未満の路線は論外という感じだが、

九頭竜線の花堂~大野(この区間だけの数字はないが500人/日ぐらい?)、

山陰本線の城崎~鳥取、木次線の宍道~横田、山口線の宮野~津和野~益田、芸備線の三次~庄原、小野田線など。

姫新線は中国勝山~新見が極端に少ないが、上月~中国勝山は波はあるがこのクラスか。


沿線がどれぐらい必要性を認めているかという話ではあって、

上記の路線には特急運行路線もあるし、鉄道としての意義を認めて相応に負担する考えもある。

美祢線はそのような評価をされる路線ではなかったということである。

200人/日未満の路線は言うに及ばず、このクラスも公有化などの理解を得るのは容易ではないんだろうと。

少なくとも1000人/日クラスでないと難しいのだろう。

きのくに線(白浜~新宮)とかね。ここは赤字額が大きいので沿線は戦々恐々としてるけど。


JR西日本と沿線府県の関係性はいろいろである。

広島県と山口県がえらく無関心だなという印象はあるが、

山口県の美祢線はこうだし、広島県は芸備線の協議は再構築協議会に移行しても散々に見える。

和歌山県はきのくに線の問題は積極的に関与してはいるが、金の話になると及び腰。

責任を持つのが偉いということで言えば富山県は最たるものでしょうが。

氷見線・城端線はあいの風とやま鉄道に移管予定、

高山本線(富山~猪谷)は富山市の方針で移管が考えられている。

便数の少なさなどの課題はJRに委ねていては打開できないという判断である。

いずれにせよ大規模被災すれば終わりという路線はけっこうあるということである。

並べない万博とは

「並ばない万博」とうたいながら、どこもかしこも行列だらけ……

という夢洲の国際博覧会だが、最近は並べるならマシな方という風潮もある。

というのもパビリオンによっては「並べない万博」で大変だからである。


並ばない万博とはパビリオン予約制を活用することで実現するものである。

もっとも同時に持てる予約は多くても 2ヶ月前・1週間前・3日前(空き枠)と当日予約で4つである。

現実には事前の予約を3つとも取れる人はそう多くないのだけど。

当日予約は使うと新しい予約が取れるが、なかなか厳しいのが実情である。

いずれにせよ予約のない時間に回れるパビリオンも必要である。


さて、パビリオンごとに方針もいろいろあるわけだが、

まず厳密な予約制を取っているパビリオン、予約がなければ全く並べないところですね。

シグネチャーパビリオンは基本的に全てそう(一部自由観覧の場合はある)。

国内パビリオンもわりと多くて、ガンダムパビリオンや日本館が典型。

外国館ではオランダ館がそうだが、厳密な予約制はここぐらいである。

最近、ヨルダン館が厳密な予約制(当日予約のみ)になっている。

なお、これらのパビリオンでも朝一番や閉館直前など予約枠の設定に適しない時間帯に自由観覧を行っていることがある。


次に予約と行列の併用制、外国パビリオンで予約制を導入しているところはほぼこれ。

国内パビリオンもガス館とかTECH WORLDはそうだったかな。

TECH WORLDって国内パビリオンか? という話はありますが。(cf. かえってきた中華民国館)

こういうところは予約あっても時間帯によっては効果が薄いことはある。

4月のとき、オーストラリア館の予約が夜に取れたけど行列になってなかったし。

でも、最近はどこも朝から晩までひどく混み合うからやっぱり予約あるのは大きいですけどね。

7月はTECH WORLD並んで入ろうかと目論んだけど、予約ないと無理でしたね。


なお、赤十字館は並ぶことはできるが「キャンセル待ち列」という表記で、

予約枠に来なかった人数分だけ進むという仕組みのようである。

このため実態はかなり厳密な予約制に近いんですね。

予約枠にこない人がいるという問題はけっこう問題ではあって、

この問題に先陣を切って対応したのがガンダム館とされている。

当日予約枠を1日何回かに分けて近い時間帯のものだけ開放するようにしたんですね。

朝になんとなく遅い時間の予約を取って結局来ない人が多発したのでこうしたと。

この方法を模倣したパビリオンがいくつかあり、俗に「ガンダム方式」と呼ばれている。

赤十字館は一か八かで並ぶ人がそう多くないからこれでできてるけど、人気パビリオンでは難しいですよね。


そして外国館の多くを占めるのが完全先着制ですね。

典型的なのがアメリカ館・フランス館ですね。

ただ、このあたりはすさまじい行列だが目の前が広場ということもあり大勢並ぶことが出来て、

フランス館はダラダラ流れるし、アメリカ館が1バッチでドカンと進むので、

「並ぶ万博」と割切ればこれはこれでよいパビリオンである。


とはいえ、想定以上の行列というのが多々発生しているように思える。

コモンズ館の前に行列というのは昼時の恒例の光景である。

それに伴って発生しているのが冒頭に出てきた「並べない万博」である。

パビリオンの敷地内や直前の空間にもう並べなくなってしまうと。

並べないなら、予約制への移行で並ばない万博への移行を目指すべきだが、

そういうことを実際にやったのはヨルダン館ぐらいのものである。


さて、冒頭に書いた「並ばない万博」で大変なことになっているというのは、

列に並べるようになるのを待ってパビリオン周辺にたむろするひとが増えていることである。

深刻なのがエンパワーリングゾーンですね。

オーストリア館、スイス館など列を打ち切ってしまうパビリオンが多く、

通路も比較的狭い(だから列を打ち切るのだが)ということで、並べるタイミングを見計らう人で混んでしまう。


この問題に正攻法とはいえない対策を取ったのが住友館である。

なんとここは列に並ぶための抽選を行っているのである。

ここは予約制と先着制の併用でやっていたのだが、列が長くなりすぎて、

かといって完全予約制にはせず、並ぶための抽選に申し込むという不思議な方法が取られた。

予約枠にこない人の状況を見ながら、並ぶための抽選の当選状況を調整しているのだろうが、変な仕組みである。


TECH WORLDで「並べない万博」を実感したのだが、

ここは予約を取れなかったのが敗因という納得感はある。

でも、オーストリア館とかは、並べるようになるのを待つ以外の答えがないんですよね。

列を打ち切ってしまえば責任は逃れられるということかもしれないが、

あの一帯のひどい混雑は明らかにそれが原因ですからね。

もう会期も半分過ぎて打開される様子もないから、このまま行くんだろうな。

うれしーと は特別な座席ではない

JR西日本が通勤時間帯に快速に設定している「うれしーと」の設定が拡大され、

学研都市線と阪和線にも設定されることになったのだが。

学研都市線のうれしーと が有料サービスか? という見た目で話題になっていた。

2025 年 10 月 14 日 ダイヤ修正を実施します (pdf) (JR西日本)

ここに写真があるが、通勤電車のロングシートをのれんで区切って12席分の指定席を用意すると。


この線路向きのロングシートを指定席に使うことって、

その昔の急行列車ではあったような……と思ったらやっぱりあったらしい。

JR・国鉄では急行というのは有料列車である。

現在は多くが特急になっているが、制度上は特別急行ということで急行の一種となっている。

特急と急行は速さの差もあるが、設備面でも特急は特別なものとされ、

制度上は原則指定席の料金設定で、そこから自由席には割引が入る形である。

(実際には急行から移行した列車を中心に自由席が多いものもあった)

一方で急行は急行用車両はあったが、普通列車に入ることも多かった。

原則は自由席で、そこに指定席・寝台車も設定されるという形である。

指定席・寝台車は急行料金とは別に追加料金を払うという位置づけである。


JRの定期急行で最後に残った はまなす と きたぐに の夜行急行は、

特急に比べると遅いとか終電・初電代わりに使われていた事情もある。

車両面では特急レベルの車両が使われていたと言えそうだが。

昼行急行として最後の方まで残った かすが(2006年)、みよし(2007年)、つやま(2009年) は、

みよしは急行車(普通列車にも入った)だったが、他は普通列車用の車両である。


さて、JRの普通列車(特急・急行以外)の指定席というのはいくつかのタイプがある。

料金制度としてもそのことを意識した設定になりつつある。

指定席券 (JR東海)

冒頭に「急行・快速・普通列車の指定席料金」とあるように、一応急行もこのグループである。

グループの1つ目が観光列車である。SL列車は快速扱いであることが多いが当然特別である。

西日本・北海道・九州では1680円、東日本(SL以外の観光列車含む)では840円となっている。


2つ目が特急に準ずるもので、北海道のエアポート、西日本・四国のマリンライナー、

そして京阪神エリアの新快速のAシートで、これは840円となっている。

昔はこの辺も500円ぐらいだったけど、特急料金値上げの流れで元々割安だったこのあたりが値上げされている。

このあたりは運行上の都合で特急を別立てするのではなく、

快速の一部を指定席にして空港アクセス、新幹線接続などの役目を持たせた方がよいと、

専用車を連結しているので、ほぼ特急みたいなもんですね。

なお、特別な料金設定はないが、東日本管内でもあいづ・はまゆり は専用車を用意している点で共通的である。


3つ目は設備面では特別ではないけど……というやつで、

東日本の快速ゆけむり、東海の快速みえ、西日本で快速に設定されている「うれしーと」かね。

あと、北海道のホームライナーは特急車を使いながらこのグループで割安な料金だが、

これはだいたい他社では乗車整理券方式だったため。といっても今このやり方なのは東海ぐらいか。

快速みえ はさっき出てきた 急行かすが と同じ車両である。

普通列車としては上質な車両なので、新幹線接続列車として指定席を設定しているよう。

(もっともその用途ではほとんど近鉄特急が使われるのであまり役立ってないが)

で、うれしーと もそうなんですよね。やり方はまるっきり同じである。


JR西日本では従来ライナーで使用していた車両の老朽化もあって、

これを全席指定の通勤特急に置き換える動きがあった。

以前も書いたことがあるが、JRの規則では定期券と指定席特急券は原則併用できない。

しかし、チケットレス特急券では定期券との併用を認めていた。

通勤で特急指定席って使えるんですか?

これが好評ということで、さらなる着席サービスの充実を模索する。

その中で考えられたのが うれしーと である。チケットレス指定席券で乗れば300円である。

のれんで区切っただけなので容易に導入できるというので設定路線が増えていった。


それが学研都市線にやってきたらこうなったと。

車両がこうなので仕方ないのだが、変な見た目だなぁと。

料金としてはさっきも書いたように多くの人が利用するチケットレス指定席券では300円、

値段も安いのでそれならこれでも……というのはあるかも。

学研都市線は他に特急もないですからね。

バイオ燃料と軽油引取税

先日バイオマスナフサが、バイオマスディーゼルやバイオジェット燃料の副産物である話を書いた。

植物油に水素を加えて分解したものを蒸留する中で、

実際に欲しい軽油分・灯油分より軽いナフサ分・ガス分が生じるので、

この有効活用策としてナフサクラッカーに投入して、化学製品の製造に使っていると。

マスバランス方式の不思議


ただ、こうして作られるバイオ燃料なのだが、石油精製で得られるものとは多少性状に差がある。

この結果、日本の税制上は灯油扱いになってしまうのだという。

日本では自動車の燃料として使われることが想定されているガソリンと軽油にはそれぞれ揮発油税と軽油引取税がかかる。

それぞれ課税方法に差があるのだが、これは軽油は道路以外で使う場合には免税が認められることが多いため。

ガソリンは自動車以外で使っても化学原料以外はほぼ免税は認められない。

(なのでアウトドア用のホワイトガソリンも揮発油税は課税されているらしい)

ここに該当しない灯油や重油はこれらの税金は課税されない。


ただ、ディーゼルエンジンは灯油や軽油よりやや比重の重いA重油でも動く。

A重油は船や発電機のディーゼルエンジンの燃料として使用されることが多い。

実態はほぼ軽油なのだが、税制上軽油に該当しないので重油の一種となっている。

一方で自動車の燃料として灯油やA重油を使用することは禁止されていると考えられている。

後で書くように軽油引取税を支払えば可能ではあるのだが、手続きが面倒なため通常は行われない。


さて、軽油引取税のルールを簡単に言うとこうなっている。

  • 軽油とは比重0.8017~0.8762の炭化水素油である
  • 軽油に炭化水素油以外の成分を混ぜたものも軽油である
  • 軽油を販売者(通常は特約業者)から引き取るときに課税される
  • 軽油以外の炭化水素油を自動車の内燃機関燃料として引き取り・消費すると課税される
  • 炭化水素油を混ぜて軽油を作ると、すでに軽油引取税を払った分以外が課税される
  • 軽油に混ぜ物して軽油を作る行為は製造と見なして、混ぜ物分に相当する課税する

だいたいこんな感じですね。

自動車用燃料として使う場合は軽油として特約業者から購入し、軽油引取税を払う。

灯油やA重油を自動車以外で使用する場合は、これらを混ぜて軽油相当にしてはいけない。

基本的にはこのルールで運用されている。


ところがバイオディーゼル燃料はあえて軽油から逸脱した成分を使うので、

この脱税対策にあたるいろいろな措置が問題になってくる。

バイオディーゼルに関する国内外の動向について (pdf) (経済産業省)

後半の方にFAME(脂肪酸メチルエステル)とHVO(水素化植物油)の税制上の扱いが書かれている。

冒頭に書いたのは水素化植物油の話である。税制上は灯油扱いになるが、概ね軽油と同成分である。

FAMEは植物油からグリセリンを分離して軽油同様に使えるようにしたもので、

これ自体は炭化水素油ではない。ゆえに軽油とは明確に異なる。


まず、軽油に混ぜ物をして軽油を作ったものは軽油なので、

FAMEでもHVOでも軽油の要件を満たすように混ぜて販売すれば、

それは通常通り軽油引取税の課税対象になる。

現状はこれで対応していることが多い。

ユーグレナ社、HVO51%混合の次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を開発 軽油規格に適合、公道走行可能な混合比率として最高水準を達成 (ユーグレナ)

ただ、混合比率が高くなってくるとそうも言えなくなってくる。


FAMEの場合、これを100%使えば、それは明らかに軽油ではないので課税されない。

これはLPG自動車(タクシーを中心に使われている)と同様である。

ただ、LPGと異なるのは軽油とFAMEは混在して使ってもよいということである。

タンクの中で軽油とFAMEが混ぜたものが、軽油の条件にあたると、

混ざった全体が軽油として無条件に課税されることになる。

FAMEが5L入ったタンクに、軽油(課税済)を45L給油すると、FAME 5Lに課税される。

さっき、自動車以外の用途で灯油・A重油を使う場合に、混ぜて軽油相当にしてはいけないと書いたのはこのため。


軽油とFAMEを混ぜたものが軽油の条件に当てはまらない場合、

自動車以外の用途では問題ないのだが、自動車の用途では全体に課税される。

軽油以外の炭化水素油というのは、炭化水素油に混ぜ物をしたものも含む。

FAME 99%・軽油(炭化水素油)1%でも、全体が炭化水素油になる。

軽油(課税済)が5L入った自動車のタンクに、FAMEを45L給油すると、

この45Lが自動車用の炭化水素油として課税される。散々である。

なのでFAME 100%なら軽油引取税は課税されないというのは、自動車用途では空想に近いものである。


HVOは税制上は灯油にあたるので、自動車用燃料として販売する行為自体が課税対象である。

というわけで自動車用燃料として使う分には課税上はシンプルである。

ただ、軽油ではないものを自動車用燃料として使う行為自体がいろいろ面倒で、

軽油に軽油以外の炭化水素油を混ぜる行為は課税関係とは別に製造として手続きが必要である。

軽油(課税済)が5L入ったタンクに、自動車用HVO(課税済)を45L給油しても、

これによるあらたな課税は生じないが手続き自体は必要である。


自動車以外でHVOを使う場合、それ自体は灯油と同じである。

混ぜても軽油にならなければ免税のまま問題ない。

問題は混ぜた結果として軽油になる場合である。これは軽油の製造にあたる。

手続きもさることながら、先ほどFAMEで書いたのと同様、混ぜた全体が無条件で課税される。

これは免税軽油でも同様で、HVO(課税対象外)に免税軽油を混ぜて、全体が軽油になると、

HVOに対して軽油引取税が課税されることになる。

これは問題だということで、条件を満たす鉄道事業者については、

給油時にHVOと免税軽油を混ぜる行為は製造と扱わないという特例措置がとられている。


免税軽油と課税対象外のバイオ燃料を混ぜる行為はあまり厳しく見る必要は無いだろうが、

課税対象外のバイオディーゼル燃料が流通すると自動車で使えてしまうので、

バイオディーゼル燃料は軽油として流通するのが好ましいという話になるんですよね。

一旦軽油になってしまえば、それを混ぜる行為も何も問題にならない。

さっきのHVO51%燃料というのはまさにこの問題の答えである。

しかしそうするとHVOやFAMEの混合率が上げられないので、

灯油と軽油の線引きを見直すのか、いろいろ考えないといけないのかもねと。

9bit UARTをPCから使うのは難しい?

今後、製品評価でこういうことを予定してるんだけど、

どういうものが必要そう? と聞かれて、その1つがRS-485のインターフェースだったのだが……

そこで思い出したのが9bitのUARTのことだった。

9bitのUARTが必要なわけ


あまり一般的ではないと思うのですが、RS-485で1バイト9bitの通信が行われることがある。

UARTはLSBファーストなので、MSBは最後のビットにあたるが、

これは8bit+パリティの通信のパリティの位置に相当する。

そもそも9bitのUARTに対応している機器もあるとは思うが、

8bit+パリティ設定でパリティビットを任意に変更するという実現方法もある。


今まではマイコンとプロトコルアナライザを組み合わせて評価をしていたが、

製品評価に様々活用することを考えると、PCから制御できた方がよい。

RS-485のUSBインターフェースは買わないとどうにもならないが、

そもそもこの方法で9bit UARTに対応できるのだろうか?

RS-485でもRS-232CでもUSBシリアルインターフェースのIC自体は同種のもので、

手元にあったFTDIのUSBシリアルI/Fを使って実験してみた。


ところがこれがうまくいかなかった。

そもそも9bit設定がないのは当然として……

8bitでパリティ設定をMARKとSPACEを行き来しながら送受信すると、

まず送信側はMARKとSPACEを遷移するところでだいぶ間が空く。

COMポートの再設定を行うのにどうにも時間がかかるよう。

こんなに間が空いたら受信側でタイムアウトになってしまう。


受信側はMARKかSPACEに設定して、MSBが設定値と一致しない場合にパリティエラーとなることを利用すればよいとある。

SPACEに設定して、パリティエラーがあればMSB=1、なければMSB=0とわかると。

ところがパリティエラーが起きたことを判別できない。

なんで? と探してみたのだが、パリティエラーを検出したら、

文字を置き換え(というか挿入する)設定は存在するらしい。

ただ、その設定をしてもどうも思ったようにいかないのである。

エラーが起きたことを検出できればよい用途ではよいが、

このバイトはエラーがあったかなかったか判別する用途にはそぐわないようだ。


Virtual COM Portではなく、D2XXというFTDIのICを直接操作できるライブラリを使ったのだが、

やはりそれでも上記の問題は根本的に解決しなかった。

スペックにあるとおり、あくまでも7bitと8bit通信のためのICである。

MSB=0か1に固定すれば9bit通信できなくもないが、

本来9bit通信のためのICではないので目的は達成出来ない。


いろいろ探したのだが、9bit通信ができるUSBシリアルI/Fって普通にはないんですね。

世の中に全く無いかというとそうでもないようだけど。

ただ、9bit通信となればVirtual COMポートは適用できないわけですよね。

この時点で汎用性に乏しいので作りにくいのかなと。


マイコンのプログラムではこういうことはそう難しくないのですが。

USBインターフェースを持ってるマイコンボードを用意して、

UARTにRS-485インターフェースを取り付ければできそうだけど。

そんなに作るのが大変とは思わないけど、

そこにマンパワーを投じてやるのも考え物だなと。

果たしてどうしましょうかね。

二酸化炭素を膜分離したい理由

実験的な意味合いがかなり強いと思うのですが……

川崎市、ごみ焼却の排ガスから特殊な膜でCO2分離へ 国内初、26年から (カナロコ)

ゴミを焼却すれば二酸化炭素が発生する。これを回収してみようと。


二酸化炭素は放出すると温室効果ガスとして地球温暖化の原因となる。

これを地中に貯留すれば地球温暖化の原因にはならない。

この二酸化炭素を分離して貯留する技術を CCS と呼ぶ。

あるいは他の化学原料として使用するということも考えられる。


貯留も課題だが、二酸化炭素を集めるのも大変である。

現状先行しているのは、化学反応で吸収液に吸収させたり、物理的に吸着させる方法である。

二酸化炭素を吸収・吸着させること自体はそう問題ではないらしいが、

問題はそこから二酸化炭素を分離して、再度吸収・吸着できるようにすることで、

ここにかかるエネルギーが大きいことが大きな問題のようだ。

このエネルギーが大きいと、二酸化炭素排出量は削減できても、

エネルギーの消費が増大し、省資源という点で大きな課題がある。


ところでちょっと話は逸れるのだが、物理吸着を使った装置として酸素濃縮器がある。

これは窒素を吸着できるゼオライトを使用している。

空気を加圧して入れると、窒素が吸着されて、空気の他の成分が濃くなる。

空気中で窒素(78.1%)に次いで多いのが酸素(20.9%)である。

仮に窒素を全部吸着できれば95%が酸素の気体が得られる。

実際にはもう少し低いらしいが、上限は確かにこの程度のようだ。

その後、吸着された窒素を減圧して放出する。

この窒素を放出する部分に着目すれば、窒素ガス発生装置となる。

二酸化炭素の分離というのはこちらですね。


冒頭に出てきた膜分離方式というのはこれらとは異なり、

二酸化炭素を通しやすい膜を用意するんですね。

ただし、二酸化炭素ばかりを通すというのは難しいようで、

膜を1段通るだけでは二酸化炭素の濃度が少し上がるだけである。

そのため、これを再び加圧して膜を通す。するとさらに濃度が上がる。

これを繰り返すことで濃い二酸化炭素が得られるようになると。


この方式は圧力差を作るのにエネルギーは使うのだが、

吸収・吸着させたものを分離させるのとは違うエネルギーの使い方で、

比較的省エネということで期待されているようである。

低い濃度からの分離にも適しているということで、

これがゴミ焼却施設という二酸化炭素が生じるが、さほどでもない施設が選ばれた理由なのだろう。


他の方式に比べると装置がコンパクトなので、

化学原料として二酸化炭素が必要な場所の近くで集めることが1つ考えられている。

これはCCSで地中に貯留するというよりは、

二酸化炭素を作るためのエネルギー消費を避ける目的が大きいのかなと。

もちろん二酸化炭素をドライアイスなどの形で運んでくることは考えられるが。

この点ではゴミ焼却施設での二酸化炭素回収というのはあながちハズレでもないのかもしれないが、

今回実験を行う施設のある川崎区浮島は製油所など比較的高濃度の二酸化炭素が生じる施設があるわけで、

特にここでやるメリットはないようにも思う。まぁ実験ですからねと。

I2C通信を割り込みでハンドリングする

開発中の製品でマイコンに接続するある機器がI2C接続で、

効率よく通信しようとすると割り込み処理でやらないとな、

ということでいろいろ調べていたのだが、ちょっと複雑だった。


そもそもI2Cってなんやねんという話ですが。

I2Cとは (ROHM)

SCLとSDAの2つの通信線で複数の機器をぶらさげて通信できると。

ただ、今回の場合、この構成にそこまでメリットがあるわけでもない。

接続先の機器が1つで、さらに言えば送信一辺倒だからである。


I2Cの典型的な使い方としては、温度センサなどを複数ぶら下げて、

設定を送って、値を読み出すというような使い方が多いのかな。

I2C接続のEEPROMを何かで使ってたような記憶もあるが、

双方向でやりとりするような用途には適しているのかも。

SPIだと、CS, CLK, MOSI, MISO で4本ぐらい使うところ、SCLとSDAの2本でいけるので。


で、I2Cってけっこう複雑なんですよね。

データ送信する場合、STARTコンディションにして、アドレスを送って、

するとスレーブからACKが返ってくるのでこれを確認する。

そしてデータ1byteを送るとACKが返ってくるので確認する。

これを繰り返し最後にはSTOPコンディションにして終わりと。

これを割り込みで処理しようとするとACKされるたびに割り込みが入る形になる。

このマイコンではI2CとFIFOの組み合わせはできないらしい。


受診の場合は、アドレスを送ってACKを受け取る部分は同じ。

次にマスタはSCLのクロックを駆動して1byte受信する。

続けて受信する場合はACKを送信、最後の場合はACKを送信せずにSTOPコンディションにする。

この最後にACKを送信するか、しないかという判別のこともあり、

この受信では最後にACKを送るか、送らず終わるかを受信開始時に表明する必要がある。

このため受信完了時に都度割り込みが入り、それを消化するまでは次の受信が始まらない仕組みである。


この操作をDMAと組み合わせてやる方法があったが、えらく複雑だった。

これ、まだI2Cのマスタ側はよいけど、I2Cのスレーブ側はより複雑である。

そこで知ったけど、I2Cってのはスレーブ側がマスタを待たせる手段があって、

1byte受信し終えた後、SCLの立ち下がりを検出して、SDA=Loを出力、

それを確認後、マスタはSCLを立ち上げるわけだが、ここでSDA=Hiになるのを待つんですね。

このSDA=HiにせずにLoのまま保つことでマスタを多少待たせられると。

受信側にとってみれば次の受信時にACKを返すか、返さないかという選択肢がある。

これ以上受信するデータがない場合はACKを返さないというやり方もあるため。

(このあたりのポリシーはI2Cデバイスにもよる)

ここの処理が終わるまで待たせることもできるんですね。


結局やることとしては他の通信とそう大差はないのかもしれないが、

I2Cのステータス管理を1byteごとに行うのが原則なので、

そこをペリフェラルで肩代わりしてくれる部分もあって、

DMA転送の場合はその機能との組み合わせが前提ですよと、

あれこれ複雑なことが書いてあって、めんどくさい! となったのだった。

1byte単位で割り込み入れてもらうならポーリングのコードがかなり参考になってよかったが。