みんぱく が追っている世界

3時半というすさまじい早起きをして、手早く準備して4時少し前に小松島の宿を出発。

黄点滅・赤点滅になっている信号機も多い中、昨日・おととい同様に国道55号線を走って徳島市街へ。

そしてかちどき橋を渡ってすぐ曲がって南海フェリー乗り場に到着。

所要時間は45分ほど、往路はえらいかかった気がするがカーナビに末広大橋経由のルートを呈示されて再考になったのはあるか。

この時間だとまだ船はいない。ちょっと早く来すぎたか。バイクを畳んで担いでいく。


というわけで南海フェリーの3便、5:30発に乗るための早起きだったんですね。

こういうのも汽車の時間にとらわれないからこそのことである。

船は4:55にちょうど入港、さすがに徒歩客はまばらだった。

そこから30分ほどで折り返しだからけっこう慌ただしいんだなという印象である。

それを2:40ごろの2便から日付が変わる頃に到着する9便まで繰り返していると。

クレジットカードをタッチして船に乗り込んだら じゅうたん席 で横になって少し休む。

ぐっすり寝られるような環境でもないが。早朝発だがなんやかんや徒歩客の割合が高いようで、グースカ寝てる人はそんなにいない。

しばらく休んだところで朝食を食べる。あらかじめ買っていた。


そうこうしているうちに和歌山港に到着。長い連絡通路を通って和歌山港駅の改札口に。

ここはクレジットカードのタッチ決済専用の改札機が1台置かれている。

南海はまずは空港関係、ついでフェリー関係に先行してタッチ決済を導入した都合、

こういう単機能タイプの改札機がそこそこあるんですよね。

関西の他の会社だと通常の改札機にタッチ決済・QRコードのユニットを付けてることが多いんだけど。

ここは感動したのだが、駅にはエレベータがなくて、えーっと思いながら慎重に階段を歩いて乗り込むとほぼ同時に出発。

慌ただしいな。後で確認したらフェリー→電車の接続って基本的に10分なんですね。

しかも面倒なことにこの便は和歌山市までの1駅の電車に接続していて、和歌山駅では跨線橋を渡っての乗換。

いかにも加太線専用車みたいなのが入っていて、まさか徳島との往来で乗るとは。


天下茶屋駅で下車して乗換。駅構内の案内で堺筋線について「阪急線 京都・北千里方面」とクローズアップされているのが異質である。

南海としてはかなりそこを意識しているようだが、現実問題としてここから京都市内まで乗る人はそうそういないと思う。

乗換駅としてはわかりやすい作りで、新今宮や京橋(京阪・JR)のように改札口を向かい合わせにしているのだが、

その2駅と違うのは両社の改札のフロアが違うこと。ホーム~ホームではエレベータを3回乗ることになる。ちょっと面倒。

ともあれ堺筋線で大阪都心を突き抜けて淡路駅で対面に乗り換えて、終点の1つ手前、山田駅で下車。

モノレールの駅付近までえっちらおっちら運んで、モノレール駅併設のエレベータで地上に降りてバイクを組み立て。


というわけでここからバイクで走って向かうのは万博記念公園である。

山田駅付近には1970年の万博会期中に万国博西口駅があって、徒歩で会場と出入りできた。

後にモノレールとの乗換駅として山田駅ができて、モノレール1区間乗って万博公園に向かう人は多いが、

少し場所が違うとはいえ、会期中は歩けるような距離感だったんですよね。

バイクで走っていくとけっこうあるんですけどね。

万博公園の外周道路は右回り一方通行なのだが、わりと立派な自転車道がある。こちらは対面通行。

自転車道だと思うのだが、自転車道標識がないんだよな。自転車道標識は必須ではないけど、なんで付けてないのかは謎である。

少なくとも自転車歩道通行可の標識はないので、特定原付でそのまま走行できると解釈している。

大阪大学の近所ということもあってか往来する自転車は多いのだが、2人乗りするやつもいてなかなかである。

万博公園の北口から入れるかと思ったが、ここは閉鎖されているので、結局は日本庭園前バス停近くの東口から入ることに。

前に万博公園に来たときも茨木からバスで東口だったので、僕にとってはおなじみだが、あまり一般的ではないような気もする。


ここで国立民族学博物館の観覧券を買う。すると自然文化園の「通行」ができる。

自然文化園の利用には公園の入園券がいるという話なのだが、正直なところどこからは公園の利用なのかはよくわからない。

日本庭園に入るのはさすがに説明が付かないが……ぐらいの話に思えますが。

その日本庭園ですが、どうも2024年に登録記念物(名勝地関係)に登録されている。

名勝だと思ったのだが、そういうわけではなく重要文化財に対して登録有形文化財があるように、

史跡名勝天然記念物に対応する登録制度として登録記念物ってのがあるらしい。

大阪府所在のものとしては例えばマチカネワニの化石が2014年から今年の天然記念物指定まで登録されていた。

造園から50年経過し、文化財としての価値を持つに至ったということで、将来は名勝にも? という話のようである。

確かにみごたえのある庭園だったなと、まぁ今日は入らないんですけど。


万博公園は広くて相当歩かされたが、国立民族学博物館、略称の「みんぱく」の方が通じるかもしれない。

博物館ではあるのだが、制度上は大学共同利用機関にあたる。研究機関としての色が濃い。

とにかく展示を見るのが大変だということで、さらっと流すだけでも相当だった。

今日、早起きしたのはそのため。さすがにそれでも着いたら11時頃なんだけど。

万博公園の諸施設は水曜休みが多く、それは月曜日にやっているということで、ちょうどいい目的地だったという事情もある。

公園入口で買った観覧券を見せて入るが、ここで観覧券を買う人もいるようだった。

公園利用者がみんぱくに入る場合はここで買うのが正しいのだが、公園を通行して買う人はここでは買わないのでちょっと驚いた。

(このあたりは近年事情が変わったところらしいが、そこは機会を改めて書ければ)

みんぱく が万博公園にできた背景なのだが、もともと日本民族学会がいろいろ集めていたのだが、

それも厳しいと国で博物館を作ってくれという要望をしていたところにちょうど大阪万博があり、

万博の展示とも関連付けて、国立民族学博物館の設置が決定されたという事情があるらしい。

万国博美術館を後から転用した国立国際美術館(後に中之島に移転)と比べると、万博前から仕込まれていた点は異なる。

一方で建物自体は閉幕後にあらためて建てられており、万博の名残という感じもあまりない。


世界各地の民俗資料を集めているのだが、けっこう新しい時代のものも多い。

必ずしも伝統文化というわけではなく、移りゆくものにもかなり着目していて、

例えばヨーロッパへの難民流入というのも1つのテーマとして展示されていた。これはかなり新しい。

狙っているかはわからないけど、この展示の中ではキリスト教についての展示が点在している。

比べてみると面白くて、地域ごとにキリスト教の受け入れられ方がかなり違うからである。

こういう移り変わりを理解するには、各時代のありふれていたものが必要で、

現代に収集している様々な資料も将来大きな価値を持つかも知れない。

こういう話を聞くと自然史の標本もそうだけど、それ以上に人間社会というのは変化が激しいですからね。


と、昼食のために一旦出ることに。観覧券をみせれば再入場できることを確認して館外に。

で、結局は園外に出てEXPOCITYまで来てしまった。賑わっているようだった。

再び公園に戻ってきて、再入場かと言われ、みんぱく の入口でも再入場かと言われ、あんまりおらんのかなと思いつつ続きを見る。

午後はアジアのところを見始めたわけだが、最初に日本への移民の話から始まる。

古くは華僑とか植民地時代に渡ってきた朝鮮人とか、このへんはかなり土着化したなぁという気はする。

こういうのを見るとまさに生きた博物館だなという気がする。このあたりの事情はまた変わりそうですね。


全体通じて思ったのは、文化の接触がある中でも伝統文化を残せるというのはそれなりに力が必要で、

以前、アイヌ文化についてこんなシナリオもあったのでは? という話を書いたが……

日本各地から移住してきて、原野を切り開き開拓するも、寒冷地で湿原も多く、なかなか農業はうまくいかなかった。

これで苦しんだのは移住者ばかりではなく、もともと住んでいたアイヌたちもそう。(略)

アイヌは狩猟採集を重視していたが、耕作も一定やっていたわけだし、農業を主体とした新しい文化を築くことはできたのかもしれない。

でも、意気揚々と入植してきた和人がこれですから、どうにもならんわけだよな。

持続可能性を考えれば、狩猟採集から農業へ重点を移すことは避けがたい話だが、それも実はうまくいってなかったと。

(十勝の動物園と農業王国への道のり)

惜しい話ですよね。でも和人にもロシアへの対抗という理由があったわけで、そこを優先せざるを得なかった。

こういう力関係ってのはいろいろあるよねと思って、いろいろ見比べると発見は多い。

アジアはなんやかんやいっても伝統文化が多く残っている地域が多い印象で、それは繊維産業など国際的に競争力があるものが多かったんでしょうね。

おそらくここ10年でも事情はまた移り変わっていくのだろう。というので、みんぱく はそこを追い続けているようである。


万博公園を去って茨木へ。阪急の茨木市駅でバイクを畳んで電車に乗り込む。

そして京都の大宮駅で下車して地上に出てバイクを組み立てて少し走って宿に入った。

あすはここからバイクで駆けずり回るつもりである。